今回はコメントへの返信になります。
いつも楽しみに拝見しております。
ストリングについて質問があります。
ファーストフライトやダイニーマ、ASTRO、ダクロン等いろいろ種類があるみたいなのですが、どういうものなのでしょうか?
日本ではファーストフライト系、韓国ではダイニーマ系とありますが、系とはどいうことですか?ヨーロッパ、アメリカではどうなんでしょうか?
また、Stringflexのホームページをみたのですが、StringFlex SUPRA Recurve とStringFlex PRO Recurve では何が違くてどっちが良い(トップが使ってる)のでしょうか?世界のトップ達はStringflex社製のストリングを使ってるんですか?
素人考えですが、職人と呼ばれるショップの人が作るのと、Stringflex社が作るのとではStringflex社の方が均質な、バラつきのないストリングができるイメージがあるのですが、どうなんでしょうか?
ストリングについての知識などを教えてください。
よろしくお願いします。
11/04/20 初心者 様
コメントありがとうございます。
弦について正確に書くと長くなってしまいますが、短くまとめますと、かつてはとにかく弦は伸縮が少なく、かつ、耐久性があればある程よいという時期がありました。
しかし、技術が進歩し、(ほぼ)まったく伸びない弦などが市場に出回ると、使用アーチャーの間からは、本当に伸びなければいいのかのという疑問が出て来ます。
ある程度までは弦(原糸)に伸縮性がある事は絶対的なデメリットですが、ある程度の段階以上では逆に伸縮性がある方がいいという意見もあります。こうして、「この原糸がベスト」という時代が終わり、ニーズ・好みが多様なものになり、現在では、いくつかの種類をブレンドすることで程良い性質を出したりと、メーカーは絶対的なスペック(数値)を競うのではなく、いい感覚を競う時代になっていますので、これがベストと言えるものはありませんし、ITの世界のように新しいモデルほどよいということもありません。
感覚の部分に関してはお客様自身で試して下さいとしか言えません。
ここからは一般的な話ですが、ファーストフライトは原糸が細いので、一般的には12~20本の間で調節できます(メーカー推薦値はポンドによって決まっていますが、従わないとリムが破損する程のものではありません)。対して、ダイニーマ系は(細いものもありますが)12-16の間でしか調節できません。矢でいえば、15grずつ調節できるポイントよりも、5gr単位で調節できる方がポイントの方が使いやすいのと同じ話です。
>ヨーロッパ、アメリカではどうなんでしょうか?
ヨーロッパではファーストフライトの使用者があまり多くはなく、ほとんどダイニーマ系です。ただ、このあたりも性能の問題というよりは、原糸の価格がファーストフライト(スペクトラ)とダイニーマでは結構違うのですが、日本ではなぜか、どちらも2100円とかの値段をつけているのに対して、ヨーロッパでは明確にファーストフライト弦とダイニーマ弦で価格差が存在し、高いダイニーマが好まれています。価格が安いために、ファーストフライトが若干中級者用のイメージを付けられています。
(↑でも、個人的にはファーストフライトが好きですが、慣らしたりといろいろと手間をかけてあげないといい弦にならないので、社会人になってからは、すぐ練習できるダイニーマのダイナ02を使っています)
アメリカは…とにかく新しいもの好きな人が多いと思いますが、コンパウンドの影響もあって、ファーストフライトはほぼ絶滅に近い状態です。
>また、Stringflexのホームページをみたのですが、StringFlex SUPRA Recurve とStringFlex PRO >Recurve では何が違くてどっちが良い(トップが使ってる)のでしょうか?世界のトップ達はStringflex
>社製のストリングを使ってるんですか?
細かくは教えられませんが、Stringflexは弦をお客様に直販はしていません。SUPRAとPROの違いは、代理店側が発注時に指定できるパラメータの差です。PROの方が5個まで要望を出せるなら、SUPRAは10個要望が出せると思っていただければ、結構です。
発注時に Spectra/66用に とだけ、適当に発注したら、出来あがるものは…多分同じものになります。
>素人考えですが、職人と呼ばれるショップの人が作るのと、Stringflex社が作るのとではStringflex社の
>方が均質な、バラつきのないストリングができるイメージがあるのですが、どうなんでしょうか?
個人的な考えですが、職人が作った物でも、機械製でも100射もして、弦が慣れてくれば、性能は同じです。多少のばらつきは、使用していくうちに弦が慣れて来ますので、差がありません。
職人と呼ばれる方の、そのゆえんは、ばらつきが無い弦を作ることではありません。1カ月(1日10本作るとして300本)も修行すれば、ほとんどの人がばらつきなく作れるようになります。
職人という風に呼ばれるのは、例えば、「ヤマハ イオラの66インチで、ちょっと捩じって、ハイトが8と1/2になるような弦をダイナ02で、しっかりノッキング感のある太さで作って」といった要望にこたえられるということです。
職人の方はこれだけで、どう作ったらお客様のご希望の弦が出来るか分かります。対して、機械製で同じ弦を作ることは簡単ですが、全てのパラメータを数値で指定しなければ、当然出来ませんし、それは発注側がしなければなりません。
こればかりは、長年の経験がなければ、到底まねできることではありません。15年前のハンドルを使っている人もいますので、少なくとも、10-15年の経験は無いと、お客さまからの上記のような要望にこたえることは無理です。それが出来ることが弦の職人と呼ばれています。
私達のサイトに限らず、どこのショップでも、弦は長さと太さを自分で選ぶようになっています。お客様の方で、選ぶ力があれば、Stringflexの弦は十分にいいものだと言えますし、長さと太さを自分で選択できない場合には、豊富な経験をもつ職人さんのいるショップにご相談の上、発注する事をお勧めします。
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Ryo
山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、2014年コンパウンドに転向、2018年よりベアボウに挑戦中。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

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こんにちは。
KSL GOLD タブについてですが、左用は入荷されないんでしょうか??
あと、アンカーパッドは付けられるんでしょうか??
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左用は在庫しての販売は予定していません。取り寄せでの販売は可能です。
注文はメールにてお願い致します。
http://www.astraarchery.com/AAE_KSL_Gold_Finger_Tab_files/shapeimage_32.png
まだ、入荷していませんので、確定ではありませんが、アンカーパットは取り付けできる聞いています。上記の写真でご確認下さい。
> こんにちは。
> KSL GOLD タブについてですが、左用は入荷されないんでしょうか??
> あと、アンカーパッドは付けられるんでしょうか??
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嫌みな指摘を一つ二つ。
なんでだか知らないのですが20年以上前に「Fast Flight」が登場した時から「ファーストフライト」と呼ばれています。私は当時アメリカに居て、アーチェリー屋のおっちゃんに「First Flightを頂戴な」って言ったら「First Flightなんて知らねえなあ~。Fast Flightならあるけど。」って言われてから「ファストフライト」と呼んでます。マクドナルドだって「First Food」ではなく「Fast Food」でしょ。
弦の太さには「デニール数」と言う単位が有って、それに合わせるんです。デニールの定義は忘れてしまったけど、「1ポンドの重さの材料を何千フィートに伸ばした時の1本の太さ。です。英和辞典でも出ていると思います。
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>私は当時アメリカに居て、アーチェリー屋のおっちゃんに「First Flightを頂戴な」って言ったら「First Flightなんて知らねえなあ~。Fast Flightならあるけど。」って言われてから「ファストフライト」と呼んでます。マクドナルドだって「First Food」ではなく「Fast Food」でしょ。
このあたりの議論はいろいろとされていますし、興味もありますが、このプログで取り上げるつもりはありませんが、確かに英語の発音では、どちらになるか微妙な所かと思います。fast fashion は、ファストファッションと表記されますし、breakfast はブレークファースト以外の表記はまだ見たことがないです。Fast foodはどちらの表記もあるようですね。
アーチェリーの場合は大手のカタログでは、渋谷アーチェリーさんもハスコアーチェリーさんも、ファーストフライトと表記されています。お客様にとっての利便性を考えた時には、英語の発音重視よりも、業界での統一の方が良いと考えています。ファストフライトとファーストフライトと表記が分裂しては、お客様の利便性を行うかと思います。
また、これは英語が出来る帰国子女の方で一度は悩むことかなと思いますが、日本国内で、原語からは程遠いカタカナ語をネイティブに近い読み方をすると逆に嫌な顔をされることもあります。ですので、自分の周りには、わざわざカタカナ読みを覚える人もいます。そうやって、帰国子女は日本という国に溶け込んでいきますので、大手のカタログ、業界の表記慣行に従ったファーストフライトという書き方で統一しています。ご理解下さい。
> 弦の太さには「デニール数」と言う単位が有って、それに合わせるんです。
「それに合わせるんです」というのはどの部分についての指摘でしょうか? デニール数を何かに合わせるという話は、書いていないような気がしますが、間違っている部分があれば修正します。
> 嫌みな指摘を一つ二つ。
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> なんでだか知らないのですが20年以上前に「Fast Flight」が登場した時から「ファーストフライト」と呼ばれています。私は当時アメリカに居て、アーチェリー屋のおっちゃんに「First Flightを頂戴な」って言ったら「First Flightなんて知らねえなあ~。Fast Flightならあるけど。」って言われてから「ファストフライト」と呼んでます。マクドナルドだって「First Food」ではなく「Fast Food」でしょ。
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> 弦の太さには「デニール数」と言う単位が有って、それに合わせるんです。デニールの定義は忘れてしまったけど、「1ポンドの重さの材料を何千フィートに伸ばした時の1本の太さ。です。英和辞典でも出ていると思います。
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恐らく、ストランド数をスペクトラ系とダイニーマ系で単純に分けている事への指摘かと思います。
スペクトラ系なら現在手に入るストリングはストランド数14~22で調整可能(Lノック使用又は極細のセンターサービング使用でここまで調整可能です。)ですが、ダイニーマ系は種類によりかなり異なります。中には10~16の調整幅の物もあれば、16~24本の物も有ります。この違いがデニール数、端的に言えば原糸の太さです。
太さ0.014インチならスペクトラと同じで、太さ0.015インチならダイナフライトと同じです。メーカーのカタログにはたまに間違った太さが書かれているので、ストリングを作って見てノックのはまり具合を確認する必要があると思います。