この記事は2010年11月11日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

アーチェリー用品の価格差について

お客様へのコメントの返信です。今までは通信販売のみでしたが、店舗も持ったことでわかってきたことがたくさんあります。


私もアーチェリーを始めて1年半たちますが、まだ道具がありません。
他のアーチェリーショップと比較すると、あちぇ屋さんのほうが圧倒的に
安いと思っています。(定価ベースから割り引いたとしても・・)
交通費をかけてでも大宮に行こうという気がしてなりません。
いったいいつの日になれば、こういった価格差がなくなるのでしょうか?
不思議でたまりません。
山口さんは価格差がなくなってきたとおっしゃっていますが、
あちぇ屋のネット価格=あちぇ屋店舗価格<他店舗価格という構図が
あることを考えると、他のアーチェリーショップの努力が足りないと
思ってしまうのは私だけでしょうか?
技術料というのも免罪符だけのような気がします。


コメントありがとうございます。
地元のアーチェリーショップさんとの比較であれば、通販のあちぇ屋というよりは、大宮店との比較になるかと思います。大宮店はあちぇ屋と同じ価格でやっていますが、あちぇ屋で無料にしている送料を負担していない分、大宮店の家賃となっています。
まず、大宮店が圧倒的に安いかというと、正直、難しいところです。アーチェリー業界は初心者には、ぼったくるという傾向があります。埼玉県での唯一のアーチェリーショップとして進出しましたが、もともと、埼玉でアーチェリーをしていた方の多くは、大手代理店の通販部門を利用しています。
進出するにあたって、その価格をヒアリングしたところ、多くは定価の20%オフでしたが、一部のお客様は40%オフで商品を購入しているところもありました。大宮店・あちぇ屋では、相手を見て割引を変えるということはしていませんので、コネのない始めたばかりの方にとっては、圧倒的に安いとは思っています
さて、ご質問についてですが、何度か質問を読み返してみたところ、アーチェリー用品が高いということよりも、価格差についての質問かと思います。
中で仕事をしている自分の考えてでは、価格差は無くならないと思います。また、ない方が不自然だと考えています。
価格差が存在する理由は、各ショップの仕入れの価格がまず違うからです。代理店から仕入れる価格が違えば、当然、販売価格も違ってきます。
では、代理店が全部のアーチェリーショップに対して同じ価格で商品を卸せばいいのかといえば、そうできない販売店側の事情があります。
一つはお客様のご指摘通り、「技術料」という視点から。
お客様に商品を届ける為には、商品を買って転売するだけではありません。カタログや価格表を作ったり、海外の展示会やメーカーまで行って商品の最新の知識を仕入れたり、新しいメーカーを見つけたり、技術資料の翻訳、返品作業やアフターサービスでの判断、雑誌アーチェリーへの広告等の広告費…やるべきことは山のようにあります。これらをどこまで、販売店(プロショップ側)で行うのかによって仕入れ価格は変わって来ます。
上に並べた作業を何一つ自分たちの手で行わず、全てを代理店に丸投げして、自分たちは注文が入ったら、それを代理店側に転送して、商品を転売するだけのショップ、代理店にとっては”手のかかるお客“に対しては、当然卸価格は高くなります。
また、逆に、自分たちでできることはすべて自分たちでやり、代理店には最小限の業務しか依頼しない”手のかからないお客“になれば、当然、代理店は安く販売をしてくれます。
自分たちでどれだけ頑張るかによって、仕入れ価格が異なり、その差は最終的にはお客様の購入価格に反映されるわけです。
もう一つは、お金の問題。
ここは詳しく書きませんが、簡単にいえば、代理店から商品を購入するときに現金で支払う小売店もあれば、お客様から代金を回収するまでは支払わない小売店(掛売り)もあります。これも、世間の常識通り、現金で支払えば安く仕入れが出来ますし、掛売り(経理上は借り)で購入するところは仕入れが高くなります。
他にもあります。例えば、秋葉原にショップを出す時の坪単価(確か13,000円くらい)、大宮にショップを出す時の坪単価(11,000円くらい)と、地方都市や、自宅の一角に在庫を置いてショップとするときでは、経費は全く違ってきます。
でも、おもには上記の二つの理由が価格差になってきます。
今後、小売店側の知識や技術が平均されたり、全代理店が仕入れは現金でなければいけませんというように変わっていくことがない限り、価格差は無くなりませんし、努力するショップが安く商品を仕入れられるというのは、ビジネスの世界では”普通”の事だと考えています。
あちぇ屋では、海外にも自分たちで行き、新メーカーを自分たちで発掘し、技術資料(Formula Excelのマニュアルなど)も自分たちで翻訳して、価格表も自分たちで作っています。佐川急便さん以外の取引先には、出来るだけ現金払いを心がけています。手間のかからない客になることで、仕入れを抑え安く商品を提供させて頂いています。
>あることを考えると、他のアーチェリーショップの努力が足りないと
>思ってしまうのは私だけでしょうか?

お客様のお住まいの地域の状況はわかりませんが、例えば、アーチェリー界最大の交流会であるATA Trade Showへのフライトは、日本からの直行便が無い為に、乗り換えを含め14~16時間程度です。今、私達は2年に一度、ヨーロッパでの交流会と交互に出席していますが、自分が70歳近くにもなれば、かなりの覚悟が必要なのかなと思っています(というか…もう行かないと思います)。
ざっくり言えば、お住まいの地域の小売店がアーチェリー専業で、店長が20~30代であれば、努力が足りないと思ってしまいます。
ベテランの方であれば、高い価格で販売しているのには、それなりの理由があるのではないかと思いますし、また、当社は社名通り本業としてアーチェリービジネスをしていますが、副業としてやっている会社もありますので、そのあたりはそれぞれの事情があるかと思います。
(追記)
もう一つ追加です。たまに勘違いされている方がおりますが、今では、本気でアーチェリーの専門で仕事をしているショップのほうが安く商品を販売しています。確かに、自宅を使い空いた時間に副業でやれば、事務所費も人件費もタダみたいなものでショップができますが、そういったアーチェリーショップを応援して、価格を抑えて商品を入れてくれる代理店・メーカーはいないので、結局は仕入れが高くなり、安く販売はできません。
以前に、ヤマハがあったころには、本業・副業・法人・個人と、どのようなショップでもあまり差をつけずに、同じような価格を商品を卸していたので(←聞いた話です)、商品を安く販売するコツは経費をどれだけ節約できるかでした。
しかし、今では、代理店もメーカーも、そのショップのやる気を見て価格を変えてきますので、「自宅で自分の空いた時間を使って副業でショップ」ではやっていけなくなりつつあります。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

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