お客様には興味を持ってもらえないと思いますが、テクニカルな話として。当社独自で行ったアーチェリー用品市場の調査レポートの簡易版をブログにアップします。ショップを始めたいといった相談に対してはこのような資料をもとに…(今はまだやめたほうがいいと)アドバイスしています。また、敬称略としたかったのですが、やはり各法人・屋号にはさん付けとさせていただきます。

上のグラフは2003年度のアーチェリー関連企業の売上(YAMAHA関連の売り上げがほぼゼロになった年)を100とした時のその後推移である。全体の販売額では4%程度の減少。ただし、その内訳をとれば、代理店機能=卸業務を行っている会社の売り上げはほぼ減っていないのに対し、小売機能のみ(メーカーから仕入れをほぼ行わない)ショップの売り上げが13%も減少している。
自らで情報をとらずに、代理店に頼りきるプロショップの弱体化が読み取れる。逆に、自ら情報をとりに行っている代理店の売り上げ減は誤差の範囲内程度に一定の水準を保っている。
小売店(主に地方のアーチェリーショップ)の売り上げは2004~2008年にかけて大きく減少している。ちなみに、あちぇ屋が認知をされ始めたのは2008年~2009年であり、2004~2008年にかけて地方のショップを中心として大きく売り上げを下げた理由とは言えない。
あくまでも仮説だが、2003年~2007年には大手代理店を中心に定価を値上げして割引を増やす戦略が横行した。小売店では定価で販売するショップも多く、大手代理店が定価を上げれば売値は自動的に上がる。対して、大手代理店は通信販売などで定価を上げても、直接販売した場合の割引率を増やすことで、実質的な価格を据え置いた。そのために、この時期に多くの顧客が店舗から大手の通販に流れたのではないかと推測している。
また、上記のグラフは全体での販売額であり、卸と小売りで売上を二重にカウントしている。その分を差し引いたとき、
アーチェリー用品の小売りの市場規模は11億円~12億円程度(データが存在している企業の合計は10億8,000万円である)であり、2003年からは市場規模は2%程度上昇している。全体額が4%減少したのは日本の代理店からだけではなく、海外の代理店からの仕入れをするショップが多数登場し、さらには、個人輸入するをする個人アーチャーの登場により、国内代理店販売額にカウントされる額が減少したためだと思われる。
また、
大手代理店の平均売上 18,166万円
小売り平均売上 2,607万円
従業員一人当たり売上(大手) 4,541万円
従業員一人当たり売上(小売) 1,586万円
である。さらには、ひとりで経営されているアーチェリーショップの店長の平均年齢は
63.83歳である。
*情報提供は船橋アーチェリーさんとネクストアーチェリーさんが東京商工リサーチ、残りはすべて帝国データバンクである。
**大手代理店として分類したのは、安井インターテックさん、ハスコエンタープライズさん、アサヒ弓具さん、シャーウッドアーチェリーさん、エンゼルさん、アイコーポレーションさん、内外アーチェリーさん。小売りとして分類したのは、サンウッドさん、日本バイメタルさん、船橋アーチェリーレンジさん、アーデントアーチェリーさん、トレスポさん、ネクストアーチェリーさん、アーチェリーギンエイさん、マローアーチェリーヒロシマさん、アーチェリー新潟さん、スポーツ堂さん、欣生洋弓店さん、カツラスポーツさん、クレセントさんである。分類は主要取引先との関係を見て行った。
***スポーツ堂さん、カツラスポーツさんは主要取引先にアーチェリー代理店がなく、アーチェリー関係の売上を全体の売り上げの1/5以下として算入。
****2009年決算がまだ出ていないショップに関しては2008年と同額として算入した
*****小売平均年齢は従業員が1名(つまり、オーナーだけorオーナー+フルタイムの1/3程度のアルバイト)の平均値である。6社の平均。