この記事は2009年12月27日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

【1973年】アーチェリーの経営 円谷皐

アーチェリー競技の歴史などは度々語られますが、日本のアーチェリー産業についてのまとまった資料は存在していないのではないかと思います。もちろん、酒の席などで語られることはありますが、個人談ではな、正しい事実を残すためには公開された資料などが必要でしょう。
2010年の前半、個人的なテーマは、スキー技術のから始まり、一時期は世界トップまで上り詰め、衰退した日本のアーチェリー産業についての研究にあてたいと考えています。

Archery-management.jpg

1月~2月は国会図書館で(株)坂本企画室の時代からの雑誌アーチェリーの読破にあてようと思っているのですが、今日は東京都立図書館で1973年の円谷のぼるさん著「アーチェリーの経営」という本を読んできました。(アマゾンでは8000円の値段が付いています。経費で購入したら経理に怒られるので自粛)
内容は期待していたアーチェリーショップの経営についてではなく、アーチェリー場の経営についてでした。いろいろと興味深いお話が書かれており、大変勉強になりました。
1970年(昭和40年)には3箇所しかなかったフィールドアーチェリー場が、この本が出版された1973年(昭和48年)には全国で70箇所もあったこと。当時、国内でアーチェリー用品の製作をしていたメーカーが5社(ヤマハ、カザマ、ニシザワ…後は??)あり、輸入代理店が5社あったこと。
当時大変なアーチェリーブームだったことが、文面から伝わってきますが、フィールドアーチェリー場は会員制となっており、入会金の平均が3万円、最高は茨城県の12万円だとの事(あくまでも1973年時点での情報)
消費者物価指数の140.教養娯楽サービス(月謝類)は6.5倍になっていますので、フィールドアーチェリーを始めるのに、まずは平均して20万円の入会金を支払う必要がだったということになる。当時は、会員になりたい人からまず入会金を募り、その入会金に使ってアーチェリー場開発を行うという手法が使われていたようです(ゴルフ場開発と同じ手法ですね)。
円谷さんの試算ではアーチェリー場の純利益率は13%です。
アーチェリー用品販売、アーチェリーショップについて触れている個所は少なく、当時のアーチェリーショップでは20%の利益を乗せて販売していたようです。100円で仕入れたものを120円で販売するというモデルです…現在、こんな良心的な掛け率で商売しているショップは無いですね。
そのほかには、自動アーチェリーレーン(船橋アーチェリーレンジさんなどに導入されています)の価格が、国産で60万円、外国産で150~200万円であるなど、アーチェリー場の開発・運営についてがメインです。著者の円谷さんはCNCという会社の社長さんで、玉川高島屋の屋上でアーチェリーレンジの運営をしていたようです。
アーチェリーはポストボーリングのして大きく発展するという結論となっており、アーチェリーブームも、さらに、ボーリングブームも実体験していない私のような人間には、当時の日本には「さらなる発展」という希望があふれていたんだなということが強く伝わってきます。
ちなみに、多くの地方のアーチェリーショップの設立が、この本が出版された1973年あたりです。アーチェリーブームの絶頂期に出版された本ということでしょうか。
また、著者の円谷さんのプロフィールをwikiで調べると、1973年にウルトラマンを制作していた円谷プロダクションの社長をつとめていた兄が急死し、この年に急遽、円谷プロダクションの社長に就任しています。その他もろもろ、いろいろな事情でアーチェリー業界から離れていったのでしょうか。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

6 thoughts on “【1973年】アーチェリーの経営 円谷皐

  1. SECRET: 0
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    当時弓を作っていたのは、マキタ(スキー)、ダイワ精工(釣り具)、マークスマン(アーチェリー専業)。
    そのほかに丸紅がマークスマンからのOEMで「ブッシュマン」というブランドの弓を扱っていたはずです。
    現在でも、マークスマンの残党(?)の方々がアーチェリーショップの経営者などをされています。
    その他に精密機器メーカーのミツトヨがかなり凝ったサイトを作成販売したが重量が重すぎて売れず撤退なんてこともありました。
    代理店関係は正確には知りませんが、HOYTはワールド、BlackWidowは大沢商会、Bearは三菱商事、AMF/Wingは大沢商会、Brunswick/Ben Pearsonは物産(?)だったような記憶があります。
    タイトーのオートレーンが設置されていたのが、池袋ハタボウル、大宮ハタボウル、オーシャンボール、船橋アーチェリーなどでした

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 当時弓を作っていたのは、マキタ(スキー)、ダイワ精工(釣り具)、マークスマン(アーチェリー専業)。
    いつもありがとうございます。教えていただきました当時にアーチェリーメーカーについては1970年代の帝国銀行会社要録などで、時系列でどんな状況だったのか調べてみたいと思います。
    そろそろ、ニシザワがアーチェリーから撤退した当時に社長だった西澤保佑さんが書いた「あのスキーはどこへいった」という本が届く予定です。少しくらいはアーチェリーについて言及されていると良いのですが…。
    バラバラですが、当時の資料はいろいろと残っているようですので、かき集めて形にしたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。
    > 当時弓を作っていたのは、マキタ(スキー)、ダイワ精工(釣り具)、マークスマン(アーチェリー専業)。
    > そのほかに丸紅がマークスマンからのOEMで「ブッシュマン」というブランドの弓を扱っていたはずです。
    >
    > 現在でも、マークスマンの残党(?)の方々がアーチェリーショップの経営者などをされています。
    >
    > その他に精密機器メーカーのミツトヨがかなり凝ったサイトを作成販売したが重量が重すぎて売れず撤退なんてこともありました。
    >
    > 代理店関係は正確には知りませんが、HOYTはワールド、BlackWidowは大沢商会、Bearは三菱商事、AMF/Wingは大沢商会、Brunswick/Ben Pearsonは物産(?)だったような記憶があります。
    >
    > タイトーのオートレーンが設置されていたのが、池袋ハタボウル、大宮ハタボウル、オーシャンボール、船橋アーチェリーなどでした

  3. SECRET: 0
    PASS: 16bbc67855f77ff088931e609dd8e003
    忘れていました。
    ランスウィック(スケートポート)というTDも国産でありました。
    すこし後でZENブランドのHOYT互換リム(TD2-TD3)もありましたね。
    ZENで使用されたバイアスカーボンが今のカーボンリムのもとになっているはずです。
    後は、70年台にはデパートもアーチェリー販売をしていましたがほぼ1年前後で撤退。
    伊勢丹・京王・西武・小田急等々ですちょうど1本ボウとTDが混在している時期でした。
    また、このころはフィールド場もかなり開設され多くは山持ちの方のサイドビジネスでしたが、中には節税対策として住宅調整区域に設立、わざと赤字を出していたところもあったようです。
    今の税制では無理ですが・・・
    以上参考になれば

  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ありがとうございます。フィールドアーチェリー場を遊休資産活用のひとつとして紹介する日経ビジネスの記事がありました。「ゴルフ場な比べて初期投資は少なくて済むが収益率は高くない」と紹介されてましたね。
    追加情報ありがとうございます。アーチェリー製造業のヤマハ最終年度の売上(1億2000万円)が、日本のHOYTの代理店の売上よりも少ないことはなかなか考えさせられます。
    デパートがアーチェリー用品を売るのは…専門の販売員がいたんでしょうか?
    > 忘れていました。
    >
    > ランスウィック(スケートポート)というTDも国産でありました。
    >
    > すこし後でZENブランドのHOYT互換リム(TD2-TD3)もありましたね。
    > ZENで使用されたバイアスカーボンが今のカーボンリムのもとになっているはずです。
    >
    > 後は、70年台にはデパートもアーチェリー販売をしていましたがほぼ1年前後で撤退。
    > 伊勢丹・京王・西武・小田急等々ですちょうど1本ボウとTDが混在している時期でした。
    >
    > また、このころはフィールド場もかなり開設され多くは山持ちの方のサイドビジネスでしたが、中には節税対策として住宅調整区域に設立、わざと赤字を出していたところもあったようです。
    > 今の税制では無理ですが・・・
    >
    > 以上参考になれば

  5. SECRET: 0
    PASS: 16bbc67855f77ff088931e609dd8e003
    もともとがクレームが発生しやすい商品(ユーザー側の取り扱いの不備も多いのですが)なのと知識がないとアフターもできず、専任を置くこともコスト的にできなかったのだと思います。
    地元の西武デパートのアーチェリーコーナーで物色していたところ、お客にフレッチングの貼りなおしを依頼されて店員がこまっているのに行く当たりました。
    フレッチャーなどの機器は用意してあったようなのですが、どう扱ってよいかの知識がなかったらしく当惑していました。
    見かねて手伝ってフレッチング修理(実際には私一人でやったのですが)をしその場は収まりました。
    数日後買い物があって支払いの段いになるとなんと値引きしてくれました。
    デパートで値引きとは考えられなかったのでびっくりした記憶があります。

  6. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    そうですね…普通に考えれば予想できそうな事だと思うのですが…デパートで店員にかわって、お客さん同士で羽をフレッチングを行う風景・・・まったく想像できないです(汗)
    舶来品=デパートが扱うということなのでしょうか??
    フィールド場のお話ありがとうございました。それをヒントに日経BPのデータベースを検索したところ、いくつか、アーチェリーの話を見つけられました。いつもありがとうございます。
    > もともとがクレームが発生しやすい商品(ユーザー側の取り扱いの不備も多いのですが)なのと知識がないとアフターもできず、専任を置くこともコスト的にできなかったのだと思います。
    >
    > 地元の西武デパートのアーチェリーコーナーで物色していたところ、お客にフレッチングの貼りなおしを依頼されて店員がこまっているのに行く当たりました。
    >
    > フレッチャーなどの機器は用意してあったようなのですが、どう扱ってよいかの知識がなかったらしく当惑していました。
    > 見かねて手伝ってフレッチング修理(実際には私一人でやったのですが)をしその場は収まりました。
    >
    > 数日後買い物があって支払いの段いになるとなんと値引きしてくれました。
    > デパートで値引きとは考えられなかったのでびっくりした記憶があります。

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