弓の長さとはなにか についての簡単な解説

弓の長さお客様のから弦の長さとインチ表示(弓の長さ)の関係についての質問がありました。アーチェリーに関して書いているサイトはほかにもあるので、その情報を引用すればいいかと思って検索したところ、正しい情報を伝えているサイトが皆無でした(自分が検索した限り)。

もう少し時間をかけて検索することも考えましたが、時間を考えたら自分で一つ書いた方が速いので、弓の長さについて書きます。

検索すると、弓の長さとは「ハンドル+リムの伸展長」や、「設計段階での弓の形状を図面上で展開した時の長さ」といった記述があります。この考え方をしているメーカーを知りませんが、調べてみるとロングボウでの話のようです。現在のリカーブではそのような考え方はしないので間違い英でください(*)。

*アーチェリー教本2000年(改定版)のP.26ページより
bcy-x弦
さて、弦で68インチ用として表示されているものでも、164cm/165cm/166cmの3つがあります。その違いは何でしょうか。その違いはメーカーの差です。すべてのモデルに当てはまるわけではないのですが、2015年モデルではW&Wが164cm、MKが165cm、ホイットが166cmでフィットします。

では、弓の長さが68インチというとき、この長さはなにを表わしているのか。答えは簡単です。メーカー推奨値のブレースハイトに設定した時の弦の長さに3インチを足した値が弓の長さです(*)。

*アーチェリーメーカーの団体ATAのGuideline for ATA Non-Compound Bow Length and Bowstring Length Specifications(PDF – 0.18MB)
Designation: ATA/BOW-112-2008 により

慣習的に弓の長さを0.5インチ表示することはないので、67インチと定義される上限値163.8cm~69インチハンドルと定義される下限値166.37cmの間。

つまり、

68インチの弓 = メーカー推奨ブレースハイトに設定した時に弦の長さが 163.8cm ~ 166.37cm の間である弓

ということになります。この範囲に内にある弓が68インチの弓となります。この範囲の中で、MKが中間値の弓、ウィンが少し短めの弓、ホイットが少しブレースハイトが低い弓を作っているのが現状ですが、定義上はどれも68インチの弓となります。

追記

ちなみに伝統的な弓では弓の長さ(伸展長)とブレース時の長さを両方表示することが多いです。

グローザーのローマ弓のレプリカはストリングを弛めた状態で 58 1/2 インチ、張った状態で 53 インチである。ドローウェイトは 30-60 ポンドと幅広く、最大ドローレングスは 32 インチで、ハイトは 1 フィストメル(約 7 インチ)だ。

今日、トルコ弓はグローバーによる精巧なレプリカを手にすることができる。ストリングを弛めた状態でも 51 1/2インチしかなく、ストリングを張るとなんと 44 1/2 インチまで短くなる。ドローウェイトの選択肢は 30-60 ポンドの幅で、最大ドローレングスは 32 インチにブレースハイトは 8 インチである。
(トラディショナルアーチェリーより)