話題のトルクレスDループを作ってみよう - 作製と取り付け

トルクレスDループ完成準備と理論を理解したうえで、いよいよ作っていきます。
原糸とサービング必要なのは準備編で用意したジグと原糸とサービングです。原糸の選択にも意味があるかもしれませんが、正直、こちらでもまだテスト段階なので、結論は出ていません。今回は8本で作ったので、できるだけ強靭な素材と、ライノー(クロスボウ用)を選択しました。


トルクレスDループ6作っていきます。まずはジグに原糸を巻きます。

トルクレスDループ7次にリリーサーと接触する部分にサービンクをしていきます。

トルクレスDループ8弦と違い短いので、軽く巻き、真ん中に来るように調整してから、しっかりと固定します。

トルクレスDループ9
トルクレスDループ10これで完成です。

ぜひお試しください。また、店舗で販売もします(通販は無理ですが、店舗であれば取り付けもできます)。在庫は土曜日には用意できると思います。これであなたもセバスチャン選手のようなシューティングができる!かも:)


話題のトルクレスDループを作ってみよう - 理論

ストリングテンション作って、取り付けする前に、トルクレスDループについての理論的な解説をします。このDループのメリットはレットオフ=ホールディングウェイトに大きく影響を受けます。

この動画はピーク58ポンドに設定されている弓をフルドローまで引き、その時のストリングのテンションを表現したものです。ホールディング時にはポンドは10ポンド程度になっているので、指一本で軽く触れるだけで大きく変化していることがわかるかと思います。

トルクレスDループとはフルドローで最もストリングにかかるテンションが低いときに、Dループと顔の接触によるテンションやリリーサーからのテンションをできるだけストリングに伝えないようにするためのアイデアです。理論上ホールディングウェイトが低いほどメリットがあります。


話題のトルクレスDループを作ってみよう - 準備編

Peineau_トルクレス_Dループ先日のArchery TVで登場したトルクレスDループ。WAがDループというのだからDループなのでしょうが…通常のDループと違ってDの部分はありません。話題になっているようなので、作ってみようと思います。今後店舗でもサービスとして提供する予定です。

弦を作るやり方について書きましたが、トルクレスDループは基本的には両方のループにサーピングがされていないリカーブ弦です。作り方は同じです。

トルクレスDループ1トルクレスDループ2作り方は同じなのですが、長さが4cmほどなので、一般的なストリングジグでは作ることはできません。ということで、準備編はトルクレスDループを作るためのジグの準備です。製作するためのジグは2cm-5cmの間くらいで自由に調整できる2つのフックがあり、サービングするときにテンションがかかるので、それに耐える剛性があることが必要です。今回、材料は新宿の東京ハンズでそろえてきました。全部で2,000円ほどでした。もう一度言いますが、サービングするときにテンションがかかるので、ジグの素材は高くてもよいものを使用したほうが良いと思います。

トルクレスDループ3ジグの組みたては…坂本と二人で5分くらい。まぁ、ここの部分は設計次第ですかね。

トルクレスDループ4これで完成です。もう一点ありました。両方のフックに原糸をかけて、その真ん中をサービングしていく必要があるので、赤丸で囲んだ部分にはある程度の空間が必要です。この空間が確保されていないジグを設計してしまうと、サービング時に地獄を見ます。ご注意ください。

私の方で考えたジグを参考にしていただいてもかまいませんが、自分でジグを設計するのであれば、まずは適当に釘でもポールでも見つけて1度作ってみることをお勧めします。それで作ってもトルクレスDループは高品質のものはできませんが、そうすればどんなものを設計していくことが必要なのか見えてきます。

では、続きは明日。