ジェシー・クレイトン(Jesse Clayton)選手のインドアセッティングは。

先日はステファンハンセン選手が自分のセッティングをアップしていましたが、今度はジェシー・クレイトン(Jesse Clayton)選手が自身のインドアセッティングをアップしました。

昔なら、噂で聞いたり、雑アの若干不十分な情報(それカット面なの?それ実質ポンド?/表示?など)から推測するしかなかったのですが、いい時代になりましたね。このようにより正しい情報が流通しやすくなったことは、選手の技術の上達にも貢献していると思います。

弓 – TRX 38 / ドローレングス 28.75″ / 57.5ポンド / ホールディング 22ポンド / 実質レットオフ 62%
レスト – AAE freak show rest / .010″ short Standard Blade
スタビライザー – Easton Z flex 30” 24 oz / 12” 20 oz
矢 – 2315 カット面 30インチ / 200 grain ポイント / スーパー3Dノック / AAE HY-40 ベイン(2018年新商品)
リリーサー - TRU Ball Fulkrum flex / abyss flex (コンディションによって)
サイト – Axcel Sights carbon achieve 4x lens
双眼鏡 – 12×50 (BX3 Leupold Optics*)

*終売

参考になれば幸いです。

なおHY-40はハイブリッドベインという名称のベインで、エリートベイン(EP)とマックスベイン(PM)の両方の特徴を持つという意味のようです。年内に入るか確認中です。在庫はHY-40のみの予定です。


インドアのためのセッティングを考えてみた

Berengere_SCHUH _592そろそろ全国的にアウトドアシーズンが終わりを迎えているのではないでしょうか。自分は2週間後に初試合を控えています。リカーブではアウトドアからインドアに変える時、チューニングをする必要はあまりないと思います。男子、女子ともに世界記録はX10によって記録されているので、アウトドアのシャフトのまま、エイミングが変わるところだけ考えて、サイトピンの変更くらいでよいと思います。対して、コンパウンドではリカーブの10点は9点として記録されるので(Xだけが10点)、太いシャフトでないと戦えません。世界戦でアウトドアと同じシャフトを使う人はまずいません。インドア向けのシャフトはもう作ってあったので、まずは、勉強のため今期のアウトドアセッティングのまま、インドアシャフトを射つとどうするかを確認してみました。
GT_CXL
左はゴールドチップのウルトラライトで339gr、右はCarbonExpressのCXLで441grで、100grの差です。まぁ、結果は予想通りでシャフトの重さと太さが変わった分、レストをクリアできていません。レストの再チューニングをする必要があります。

ラリーのチューニングマニュアル(改訂版)では、インドアでペーパーチューニングを行う場合、完璧な穴をあけることよりも、シャフトがブレードに接触せずにきれいにクリアし、一番大事なのは、ベインのあとがしっかり残ることとしています。ベインのあとがきれいでない場合は、シャフトが安定していないので、カムの傾きやノックトラベルに問題がある可能性があります。カムの傾き・ハイト・アクセル間がずれていないか確認してみてください。

シャフトは重くなっているので(この場合100gr)、ブレードのセッティングを重いシャフト向けのものに変更する必要があります。SS2の場合、.010″が325grから425grまで、.012″が425gr以上、というのが基準なので、今回は.012″を選択します。

これまでが最低限必要なことです。1000円くらいの出費でインドアのための準備は完了です。18mでぐるピングするセッティングは30mでもグルーピングしますし、その逆の関係も成り立ちます。18mの3つ目的はグルーピングの確認が難しいので、チューニングでは30mで射ちながらグルーピングを確認するのも一つのやり方です。そっちの方が矢飛びもきれいに見えます。

まだ、時間と予算の余裕がある場合は、サイトピンの見直しをしてみるといいかもしれません。ラリーのチューニングガイドでは、

インドアにおいて重要なもう一点はターゲットの鮮明に視覚的に捉えられるかだ。クリアにターゲットを捉え、十分にエイミングできるくらいに拡大されているか。これらの内、一つでも欠けていれば、ターゲットが十分に見えずに、落ち着いて一定性を保つことができないだろう。サイトの見え方によってリラックスの具合に個人差はある。様々な違った倍率のスコープレンズを試すようにすべきだ。

鮮明さは質の良い、倍率が6-7倍のレンズを使えばほぼ問題ない。オススメするのは、インドア的の赤から金が見えるくらいの倍率のレンズにすることだ。金しか見えない場合は倍率が高すぎるので、微かな動きも大きく見えてサイトが落ち着かず、エイミングにストレスを感じるだろう。逆に倍率が小さすぎるものはエイミングが十分ではない。

アーチャーの中には倍率があるピープを使って鮮明度を上げようとする人が、ピープに余計なレンズがあると光量が下がり、光の少ない会場では不利になる。大きな大会に出てきて、ターゲットが見えないと言う人は何人もいた。スコープとピープを組み合わせる場合は、光が少ない場合のことも考えるべきだ。光の少ない場合も考えてセッティングをしておけば、どんな試合会場でも安心だ。

…中略…

照準は、私はいつも円形のものを使っている。ドットや他のタイプも試してみたが、このタイプが一番自然にサイトを合わせることができるので、みんなにも勧めている。私が一番好きなのは、9点のリングほどの大きさに見え、中にゴールドや中心のスポットが見えるサイズのものだ。円形のレティクルは左右の動きをすぐに感知できる。また、私の場合は歳をとるごとに大きいリングに移行していった。自分に合う照準は人によって異なるが一つ言えることは、絶対に10点は狙わない。リングを通して10点が見えれば、自然とそこに狙いが合うのであって、狙っていくのではない。当てたいところに集中すべきで、エイミングするサイトに集中するのではない。

とっている内容は、コンパウンドをやっていてる人であれば、一度は聞いているかもしれませんが、インドアでは無風で毎回同じ環境ですので、その中でもう一度自分のスコープドットが自分に合っているのか確認してみてはいかがでしょうか。

自分の場合、今までドットでしたが、リングを試す予定です。

まだ余裕があれば、ストリングの素材です。主だったところでは、BCY-X、8190X、8125Gの順に柔らかいです。伸縮性がない方が矢速が出ますが、しかし、インドアでは矢速は必要ないので、BCY-Xが最もいいとは限りません。柔らかいものも試してみるといいと思います。また、ケーブルとストリングでは役割が違うので、同じ原糸を使用するのが良いとは限りません。

自分の場合は、少し柔らかい原糸の方が長く練習していても疲労感が少ないので、トロフィーからBCY-Xに変え、最終的には少し柔らかい8190Xを使っています。

とりあえず、ここまで考えて、これでチューニングを終えて、明日射場で実射してきます。

コンパウンドのインドアチューニング・セッティングに関してはラリーの本により詳細に書かれています。