アーチャー向けのサプリの中身は 栄養・栄養学について考える 6

前回の記事では一般的なトレーニング用のプロテインについて解析しましたが、今回はアーチェリー向けのサプリメントについて考えます。国内の競技人口の関係だと思いますが、自分が知っている限りでは、日本ではアーチェリー用のアーチャー向けのサプリは製造されいていません。しかし、海外にはいくつか存在します。その中で今回は、アメリカのトップ選手も使用するMTN OPSのものを研究しましょう。

(ジェシー選手のフェイスブックより)

メーカーの説明では、アーチェリー向けの製品を開発するにあたり、トップ選手たちからの聞き取りを行ったところ、4つの機能が特に要望が多く、それに沿う形で開発を進めたとのことです。その機能とは、

・エネルギー補給
・水分補給
・リカバリー
・Cardio Enhancement

の4つとのことです。前半の3つはどのような運動でも必要なものだと思いますが、最後のものはあまり見かけない機能ではないかと思います。つまり、海外からアーチェリー向けのサプリを輸入するか、既存の3機能を持つサプリに最後の機能を足せば、アメリカで開発されたアーチェリー用サプリに近いものを自作できるということです。

日本語に翻訳するのも難しいのですが、「Cardio Enhancement」を直訳すると心臓強化という意味になります。その効果(*)は血管を広げ、血流量を増やし、それによって血圧を下げ、血圧が下がることで間接的に心拍数を下げることです。心拍数を下げる、または運動中の心拍数の増加を抑えることがが期待されているわけです。

*独自研究にもづくものでアメリカ食品医薬品局によって承認された効果ではないとのこと

アーチェリー競技において心拍数の安定はある程度にはパフォーマンスと関係があるとされているか思います。では、その中身はどうなっているのか。

主たる原材料は、L-アルギニンと-LシトルリンとOPS Bio-Protectant Blendいう独自成分の3つです。L-アルギニンと-Lシトルリンの2つを調べると、国内では精力剤として利用されていることが多いようです。なるほど…血流を増やすと…まぁ、そうですね。どちらも比較的にそちら方面では有名な栄養素のようでサプリメントは簡単にDHCなどの大手も出しています。

難しいのはOPSの独自ブレンドのBio-Protectantの方で、中身はイノシトール、不安感の発生頻度を低下させるためのものから、伝統的に抗血液凝固作用を持つとされる霊芝エキスなどまで入っています。こちらの方を自分でブレンドするのにはちょっと知識が必要になるかもしれません。

決して、この記事をもって読者の方に何かのサプリをお勧めするつもりはありません。効果については人それぞれです。

ただ、アメリカではアーチェリー用にサプリが開発されており、それには一般的なものに日本では精力剤として用いられている原材料が使われ、血流を増やすことでパフォーマンスの向上が図られるよう設計されているということです。試すかどうかは自己責任で、まぁ、大手のDHCから出ているものでも1か月1,000円程度なので、弦を変えたくらいの気持ちでいかがでしょう。

続く。