ホイット(HOYT)の2021年リカーブは製造ラインの合理化ですが、ハンドルは?

ホイット(HOYT)からは最上位ラインの変更がないことは聞いていましたが、リカーブ側でも新しいコストパフォーマンスの良いハンドル、Arcos(アルコス)が発表されました。10月から既存のアレーロハンドル(生産終了)の値下げのニュースが届いていましたが、今年は、私の記憶では初めて、かわる新商品が発表されるまで、アレーロが生産終了となることを顧客に発表してはいけないというかん口令が引かれました。

ホイットの2021年ライン全体に言えることですが、低価格ラインの発表と製造ラインの合理化がテーマとなっています。ホイットは大きなメーカーで、ほとんどを自分たちで行っていますが、カーボンハンドルの製造(2013年時点で確認)とターゲットモデルハンドルのアルマイト塗装だけは外注となっています。

コロナ禍では売り上げも落ちているので、特に問題があったとは聞いていませんが、通常時で販売量が急増した時には外注工程であるアルマイト塗装が追いつかず、納品が遅れることは4-5年に1度はある感じです。

そのため、2021年のホイットの新規モデルはすべてアルマイトを採用せず、自社で加工出来るパウダーコート塗装を採用し、かつ、その分価格を引き下げて、コロナ禍においてはお買い求め安い価格設定となりました。よい選択だと思います。

まぁ、なんでこんなことを書いたかと言えば、GMXが生産終了となり、そこからアレーロなどの同じ系統の設計のハンドルが登場し、価格と性能のバランスによって、それなりの販売量となっていますが、それを生産終了にして、また、同じ系統のアルコスが再登場した理由としては、新商品を評価する側としては塗装の変更以外の価値(理由)が見出せませんでした。

スペックとしては安定したリムボルト、近年ホイットが全モデルで採用しているグリップ、シンプルで安定したクリッカープレート・プランジャーシステム、ほぼ変わらぬ重さ1338g(アレーロは1,315g)、GMX、それ以前のGM(ゴールドメダリスト)などから引き継ぐEarl Hoytジオメトリ―。

まだ、実物見ていませんが、見慣れたスペックで、アルマイト塗装に思い入れがない限りでは、きわめて正統派のリカーブハンドルでしょう。5万円以下で手に入るので、いいと思います。

一方で新しく発表されたXAKTハンドル・リムシリーズは評価が難しいというか…ハンドルは1,079gと相当軽量です。価格はアルコス(Arcos)より1万円ほどしか安くなっていません。リムもカーボン/ウッドリムとしか発表されておらず、売る気があるのか…で、価格は3万円台に乗ると思います。比較として、小売で11,000円/15,800円のKAPのウィンストームシリーズと比べてみましたが、Xaktシリーズの価格は2.5倍くらいになると思いますが、2.5倍お勧めできる要素が正直思いつきません。お勧めしません。

当然の事ですが、以上のことは日本の事情にすぎず、世界にはホイットからの供給しかない地域や、KAP/WNSなどの低価格で高品質の商品の供給がされていない地域は多くあります。また、サプライの問題で、KAP/WNSなどは日本にはかなり安い送料で届き、アメリカ(HOYT)の商品には相当分の送料が価格に加算されますが、アメリカに近いメキシコやカナダであれば、事情は逆転します。

ですので、Xakt(イグザクト*)シリーズは日本のような地域ではなく、ドメスティックな戦略モデルだと判断しています。価格はつけますが、取り寄せとします。また、リムの方は上限で38ポンドまでしか製造されないのでご注意ください。

*なんか聞いたことあるなと思った調べたらホイットのグリップにも使用されている名称でした(X-Actグリップ)。

どちらもアルタス(Altus)と同じ11月中旬の入荷予定です。