ヨーロッパのアーチェリー事情



(一般アーチャー用の試合会場と賞金がかかったのアーチャー試合会場)
足どめに合っていましたが、やっと移動できそうです。

さて、メーカーのオーナーと接触する機会がありました。こちらの人間はみんな率直です。国柄か、それとも、異国の人間には心を開けるのでしょうか。

設立から2年たち、今回Nimesに行ったこともあり、それなりには知られる存在になっているようで、名刺を渡すと「Yamaguchiね。聞いたことあるよ。」と言っていただきました。ありがたいです。でも、できれば個人名ではなく、ショップの名前を売りたいので、来年はそのあたりを工夫するつもり。
で、メーカーさんとの会話の内容を整理すると、新しいメーカーはともかく、古いメーカーがあちぇ屋とは取引するのは難しい。

いろいろと理由がある。一番にはあちぇ屋が日本市場で異質な存在であることがあげられるが、しかし、メーカー側としては多くのメーカーが紹介されて競争している市場であちぇ屋のようなショップにリーズナブルな値段で売ってもらうのは悪いことではない。

それよりも、問題は日本にはディストビュータが多すぎる。これ以上増やしたくないというのがもう一つの理由。

*Distributer = メーカーの視点でいえば代理店。ショップの視点でいえば卸。ここからは卸で統一。

たとえば、フランスには大きな卸は1つしかない。なのに、アーチェリー人口が多くない日本には何社も卸がある。

*卸として、サミックのハンドルを扱わなくても商売はできるが、イーストンの矢は扱わないと商売ができない。そこで、イーストンの卸を数えると、日本には6社もある。世界でも断トツの数。

根本的に日本にはアーチェリー人口に対して卸が多すぎるのではないか。

なぜそんなに多いの?

あちぇ屋さんには安心して欲しい。日本のディストリビュータは分散しているのでそれぞれの注文も大きくない。なので、あなたたちが海外の卸から仕入れをしている値段と、日本の卸がオファーされている値段にはあまり差がないはずだ。日本の卸は分散しているので、アメリカの卸のように100~1,000個単位ではオーダーができない。だから、卸値段もそこまで安くはない。

だいぶしゃべった印象があるが、要約すると、これだけか…

確かにこれは当たり前の視点ですね。日本の卸で働いている方と前に話したときに「海外の卸は信じられないほど大きい」と言っていましたが、外人の視点に立てば「日本の卸はありえないほど小さい」となるのは当然の話。

一部のメーカーについて言えば、あちぇ屋はメーカーから値段を提示されて、また、卸からも値段を提示される。その差額を計算すれば卸がいくら抜いているかわかるのだが、だいたいヨーロッパの卸の利幅は20~30%程度。日本の卸は少なくとも100%は抜くので、単純に考えても、ヨーロッパの卸が日本の卸とおなじ利益を出すためには5倍くらいの規模がないとならない。

日本の卸が各社3,000人程度の顧客をフォローしているとすれば、ヨーロッパでは営業をするのに15,000人程度は顧客で必要となる計算。日本のアーチェリー人口と同じくらいです。。うんん。
こっちの事情を知り、メーカーの本音を知り、日本市場を見つめ直すいい機会になっています。
多くのアーチェリーメーカーと接していて、年に1度しか直接会って話す機会がないのはとても残念ですが、来年はATA(米系メーカーが中心)に参加してアメリカのメーカーと知り合う予定です。

ちなみに、SOMA ArcheryのCEX2の次期モデルがCEX5なのは大きく違うことを表現するためらしいです。次はCEX7にするつもりだとか。やはりね。深い意味はないと思ったよw

業務拡大準備中。安心と希望。




業務連絡。先ほど本日の発送をしました。この記事のあとに梱包したものは明日の集荷です。

今年の営業方針はだいたい決まりました。1月中にお客様と共有したい部分は公表します。

また、1月10日から11日に行われる東京インドアオープンに出店します。手渡しですので、ネットショップの送料込み価格よりも少しくらい安い値段で商品をお渡しできます。ただ、友人の小さい車で向かうので全商品は持っていけません。これを持ってきてという方はメールで事前に連絡ください。

yamaguchi@あちぇ屋にメールしていただければ結構です。ただし、メールは振り分けますので、題名は必ず「東京インドアオープン2009」と入力してください。無題の場合は対応できない可能性があります。

それと、商品や価格について、お客様にはそれなりには満足していただいていると思うのですが、業務のほうについての要望を多くいただいています。

業務内容の拡大については単純にスタッフの数の問題です。10月ごろからいろんなチャネルで新しいスタッフを募集してきましたが、メドがつきそうです。確定し次第、電話対応や商品取り寄せサービスを開始します。

年末年始にいろんな経済・政治の討論番組を見ましたが…まぁ、そういう話はやめておくとして、自分の理解で論点をまとめると、今の日本に必要なのは「希望」なのか、「安心」なのかという話かなと。

アーチェリー業界ではいろいろな変化がありますが、個人的にもっとも重要な問題は世代交代だと理解しています。いろいろなアーチェリーショップの状況を耳にしますが、一番うまく進んでいないのは世代交代のようです。

若い人がアーチェリー業界で働きたがらないのです。バイトであれば働く人はいても、正式なスタッフになると途端に人が集まらなくなる。

この原因はいろいろとあるでしょうし、個人的な見解も持っていますが、論点だけ整理すれば、ビジネスとしての日本のアーチェリー業界に足りないのは、「希望」と「安心」。

しがらみにとらわれずに新しいことにチャレンジできる希望もあまりなければ、先代のコネを継いで生涯安定してある程度稼げるという安心もあまりない。しがらみだらけで、価格は自由に設定できず、何か新しい事をやれば苦情が来るのに、それを我慢してルーチンだけこなしていけば、生涯働けるという安心感もいまいち。

「希望」と「安心」の両方とは言わなくても、どちらかがあれば、職として若い人の心に響くのでしょうが、どちらも曖昧で、トップは自分がやめるまでの何年間かは旧来のシステムが続ければいいと思っている。

チャレンジできる希望のある職でもなければ、安定している職でもない。だから、若い人がアーチェリー業界になかなか入ってこないのではないかと。正月番組を見ながらそんなことを考えていました。

(学術的に微妙な議論を省略すると)チャレンジできる社会ならば、若い人を中心にしてリスクテイクし、イノベーションで新しい経済を作ることで経済は成長できるし、安心した社会ならば、資産を持っている人が安心して消費を増やすことで内需が拡大して経済成長。

贅沢にもオバマさんはその両方を追求したいようですが…「希望」と「安心」のどちらかだけでも今の日本にあったならば、ここまで景気が悪くなることもなかったのでは。

というのは若者としての視点で、団塊の世代の方たちは別の風景を見ているのかもですけどね~。

では。

現在、新しいメーカー(ERA SPORTS)から入った携帯式防矢マットをテスト中。大きさは60×60。なぜ、ヨガマットみたいなキャリングケースに入っているのは謎です。ヨーロッパではみんなマイ防矢マットを持って射場の行くのでしょうか…。


正月のお勉強。素人では力及ばずでした。

(ハンドルに装着したスタビライザーにそっくりのモデルですがパスタの話)

失敗の報告。

昨年の8月あたりからショップが忙しくなり、技術的な記事や実験をする余裕がなくなってしまいましたが、もともとはいろいろな実験をやったりして、利害関係にとらわれずにハンドルやリムなどのアーチェリー用品を評価できたらなという企画をずっと考えていました。加速度や高速度カメラと力学の理論を使えば、ある程度の評価はできるはずだと。

例年、アーチェリーショップに限らないことですが、2月が一番暇です。その時期に実験をしようと、正月休みを使って、ハンドルやリムの評価をするための力学の計算プログラムを作っていましたが、残念ながら、自分のレベルをはるかに超えた問題だったことが判明しました。

ここからはあくまでも素人の考え。

物理というと最先端は量子力学や素粒子の話で、ニュートン力学はちょっと古い学問で、せいぜい微積分方程式くらいの知識で全部理解できると思っていましたが、大きな間違いでしたね。

矢速、振動、ねじれ、重心、破損の問題。どれもとても難しい問題で、定義することすら困難…。

勉強していて、知った面白い話があるのですが、物が折れるという現象について。

少し前に亡くなった大物の物理学でファインマンさんという方がいるのですが(朝永さんと一緒にノーベル物理賞)、パスタの折れ方について研究し、20年間その謎が解けなかったのだとか。

「パスタに両端から力を加えて折ろうとすると、必ず3つ以上に折れる」という仮説で、証明されたのは何と2005年。

Fragmentation of Rods by Cascading Cracks: Why Spaghetti Does Not Break in Half
(なぜ、パスタは2つに折れないのか)

http://www.lmm.jussieu.fr/~neukirch/files/preprints/spaghetti_3pieces.pdf

論文のほうを少し読んでみたけど、難しいぞ…こんなにも簡単そうな問題なのに。

何冊か本を読んで出した結論ですが、パスタの折れ方が解明されたのがたったの4年前。リムの折れ方について方のは100年早い気がしました。

ということで、今考えているモデルは完全に断念。今後のことはまだ考えてないです。

うん。アーチェリーでは道具について説明するときに(一次方程式のような)単純なニュートン力学で理屈づけて語る方がいますが、軽く聞き流した方がいいとおもいます。アーチェリー用品を物理的に語ろうとするのはまだまだ早いようです。


グリップの互換性について(HOYT GMX – ネクサス – へリックス)

メールにて質問があり思い出しました。グリップについて書く予定が、抜けていました。

グリップについてはGMX/へリックス/ネクサスで共通です。交互に移植可能です。

写真はへリックスにGMXのオリジナルのグリップをはめたところ。ぴったりです。

ただし、GMXグリップ+ネクサス/へリックスハンドルの場合、グリップオフセットシステムは使用できません。ぴったりとはまってしまいます。

逆に、ネクサス/へリックスグリップ+GMXハンドルの場合はオフセット用のプレートが必要です。HOYTの代理店で購入できると思います。

以上、補足でした。

後、お客様の要望でプロマットの60cmのフロントスクリーンを入荷しました。他に欲しい方いますか?あと、2枚あったかな。

(プロマットの一番外側の刺さった矢を保持する透明の網です)


他のショップはどこまでやる気なのでしょうか。


3連休ですね。皆様の予定はいかがでしょうか。

自分は…図書館に閉じこもる予定です。不景気になってきたような雰囲気ですが、アメリカではMBA(ビジネス系の大学院)への応募が20%アップだそうです。大学院に入って、不景気をやり過ごすつもりなのでしょう。ちょっと、動機が不純な気もしますが、でも、不景気の時こそ勉強という姿勢はたくましいですね。

店舗展開について、現在少し迷っています。理由はいろいろありますが、一番は他のショップ、特に大手のアーチェリーショップの動向を見守る必要が出てきたかなと思っているからです。

その前にFUSEの価格が来ましたので、オーダーを出しました。FUSEのサイドロッドは6000円程度の価格を予定しています。返信はまだないので…でも、まぁ12月の後半には届くと信じています。

あちぇ屋のポリシーは最初から何度も書いていますので、繰り返し書きませんが、実は、あちぇ屋を始める前にいくつかのアーチェリーショップに声をかけました。

正直のところ、自分でアーチェリーショップをやる予定はなかったのです。こういう事をお客様は求めていて、こういうやり方をすべきではないですかと…良い返事は全くいただけず、むしろ、「アーチェリーショップ運営の素人が何をバカなことを言っているんだ」という目で見られまして…ドンマイな感じでした。
そのために、自分でアーチェリーショップを始めることにしたのです。お客様が求めているもの、ニーズ、ネットショップとしての正しい姿を"追及"というよりも、"実証"する形で1年間ショップを運営してきましたが、お客様からはそれなりの支持はされているのではないかと思います。

そして、ここにきて、いくつかのショップがあちぇ屋の値段にあわせて価格を下げてきました。

そのために、今後の運営でいろいろと迷っています。
たとえば、実は現在、10ダースほどACEの在庫を持っていますが、Kプロさんが当店で販売していた価格と同じ値段(厳密には送料込ではないのでKプロさんのほうが少し高いですが)で販売を始めています。

ACEで1ダース28,000円。
あちぇ屋は低価格である必要があります。十分にサービスのできないネットショップはどこよりも低価格でお客様へ商品を提供すべきというのがモットーです。しかし、価格競争をするつもりはないのです。入荷価格の2倍以上の値段で販売するアーチェリーショップの姿勢に疑問を持って始めたのであり、アーチェリー界で、損益ぎりぎりの、1円でも安く、赤字覚悟の価格競争をするつもりはありません。
Eastonの矢に限らず、HOYTのハンドル・リムやWINのハンドル・リムの販売価格も大手主導で現在下がってきています。ネクサスは8万弱だったと思いますが、現在は一番の老舗のアーチェリーショップでも5万円台で購入できます。

海外では、ネクサスは4万円台で販売されていて、まだ、日本は高いのですが、日本では塗装に傷一つ付いていても返品を要求されるので、日本のお客様の求めるサービスの高さに合わせて、5万円台で販売するのは妥当な水準だと思っています。

ここであちぇ屋も店舗展開し、ハンドル・リムの販売を始めれば、無意味な価格競争になってしまう可能性・危険性があると感じています。利益追及のためにショップをやっているわけではないが、しかし、入荷した商品は売らなければいけません。他店の販売価格は妥当だなぁと思っていても、店舗販売を本格的に始めれば、売上確保のために、価格を下げて販売することになります。
それではやる意義を感じないのです…価値があるビジネスをやりたいのであって、ビジネス自体に価値があるわけではないですから。

現在のところ、どこの店も期間限定と表示しています。これは本当に期間限定というよりも、業界団体の価格統制を逃れるための言い訳として使っているのでしょう。セール期間が2か月近くもあるのは…まぁいいや。

しばらく推移を見守っていく予定です。あちぇ屋を始めた事で、あちぇ屋がお客様の支持を得たことで、少し既存のアーチェリー界も変わってきたと感じています。

業界団体の価格統制を無視する卸(元売り)が増えてくれば、ある時点で自然にこの馬鹿げたルールは事実上の崩壊をするはずです。その日は近いと感じています。

既存のアーチェリーショップがあちぇ屋が販売していない商品(ハンドル・リム)の価格も落して、妥当な価格にしていくのであれば、そこに参入する意義は感じません。

しばらく、在庫をあつくすることを第一にあちぇ屋の運営を進めていく予定です。よろしくお願いいたします。
…しかし、仕入れたACEは放出しないと。Kプロさんのセールが終わった頃に安く提供するつもりです。

ついでに、EASTONの2009年の新商品も


↑(PCの場合は写真をクリックしていただければ大きいサイズのものが表示されます)

WIN&WINのついでに。現在、ターゲット競技用カーボン矢では圧倒的なシェアを握っているイーストンは当然のごとく、矢のラインナップには大きな変化はありません。

ただ、今年はX10スタビライザーがリニューアルされます。現在、国内でこのスタビライザーを扱っているのはあちぇ屋だけですが、リニューアルされたことで、また、扱い始めるところも出るのでしょうか。

同時にX7スタビ(旧Black Max??)が追加され、ACEスタビもリニューアルされるようです。

特にACEスタビライザーはマッチョなデザインに変更されそうです。

ちなみに、入荷時期は未定。


掲示板から転載。

新しい掲示板の方はいろいろな方が書き込んでくれています。ありがとうございます。面白いコメントがありましたので、こちらに転載します。
どのリムが優れているのかという議論は至る所にありますが、アーチェリーショップのあるべき姿や、どのショップがよいのかといった議論が少ないのはなぜでしょう。G3とINNOとではどちらの方が矢速が速いかを知るよりも、自分に合ったショップを見つけて付き合っていく方がよほど大事だと思うのですが…。
以下転載。
投稿者:*** 投稿日:2008/09/13(Sat) 22:17 No.26
HMCセンターの9500円という価格は衝撃的ですね。ショップによっては倍価を付けているところが多いのでは。
初心者が弓具を揃える時、「リム・ハンドル・矢は近くのショップで、それ以外のものは、貴店の通販で」というスタイルをとる場合が多くなるかと思われます。
そこでショップがすぐにアクセサリー類の値下げをしてくれれば良いのですが、そうでない場合、初心者に弓を勧める立場からすると、非常に難しい局面に立たされます。
あとのメンテナンスを考えるとお世話になっているショップで一式を買って貰いたいとは思うが、かといって無理に高い店で全てを買うことを勧める訳にもいかず。。。ショップと購入者との間に立たされると、どちらの側の信頼を重視するか微妙な判断を求められます。
また、結局ショップはリム・ハンドル・矢でしか商売が出来なくなり、それらからしか儲けが出ないので、初心者にも高いハンドルやリムを勧める傾向が生まれるかもしれませんし、やたら技術料を上げてくるかもしれません。これは弓を始める人にとっては不利益でしょう。
貴店が低価格で提供する→ショップも低価格になる→弓人口が増える→ショップの経営も改善されるの図式が目標のようですが、その過渡期には現場で様々な問題が発生するかもしれません。
投稿者:山口 投稿日:2008/09/13(Sat) 22:41 No.29
HMCの価格ですが、なぜあれだけ高いのか理解できません。当店がベンチマークとしているイギリスのショップではHMCは小売価格で6,100円(39ユーロ)です。ただし、これは海外向けの価格で、国内(イギリス)で購入する場合は 15%の消費税と送料がかかるので、合計金額は9,000円程度になります。
当店を利用しているお客様は合わせて海外通販も利用していますので、そちらよりも安い価格をつけるよう心がけています。
>やたら技術料を上げてくるかもしれません。
これは当然だとおもいます。たとえば、弓の初期チューニングは全部しっかりとやると1時間近くかかりますが、これが無料である現状の方が異常ではないでしょうか。3,000円から5,000円くらいはとってしかるべきだと思います。また、前のショップではサービングのまき直しを200円でやっていましたが、これも弦の販売時にたっぷりと利益を取っているからできることであり、実際は500~1,000円程度の実費を取らないとだめです。
>貴店が低価格で提供する→ショップも低価格になる→弓人口が増える→ショップの経営も改善される
そのように考えています。ただ、途中のステップが抜けており、あえて書くと
低価格になる→(弓人口が増える)→サービス(技術料)が値上げされる→技術のないショップが淘汰される→小さなショップの経営が改善される
ということではないかと思います。
以上、さらに詳しくは後日ブログに書かせていただきます。
投稿者:*** 投稿日:2008/09/14(Sun) 07:47 No.38
ご返答ありがとうございます。イメージを理解できました。
つまり、ゲーム機メーカーのように、原価ぎりぎりでハードを販売してユーザを増やし、ソフト(アーチェリーの場合は技術料)から利益を上げる、ということですね?
確かにこれが浸透すれば、他店やネットで購入したパーツを装着した弓のセッティングやリペアをショップに依頼するときの「後ろめたさ」がなくなり、非常にすっきりとします。
ただ、それが浸透するまで当面の間は初心者に弓を買わせる指導者の立場は本当に微妙ですね。
今までは、例えばSOMA製品を付けた弓をショップに持ち込んでも、「この店で置いていない物だから他で買っても仕方ないでしょう」という顔が出来ましたが。これからは「この店より安いところが有るから、仕方ないでしょう」という顔をしなければなりませんね。。。
また、より安く上げたいユーザが自分の技術力を上げようと努力する傾向が生まれれば、トータルでみるとこれも良い影響となるようにも思えます。ただし、お金のない学生さんなどが、コストをケチって未熟な技術で自己流にリペアしたりし、事故を起こすかもしれません。「こんな糸(サービング)のまき直しに500円も払うなら、自分でもう一度巻いてボンドで止めとこう」という姿が目に浮かびます。
投稿者:山口 投稿日:2008/09/14(Sun) 09:19 No.39
おはようございます。そうですね。
>つまり、ゲーム機メーカーのように、原価ぎりぎりでハードを販売してユーザを増やし、ソフト(アーチェリーの場合は技術料)から利益を上げる、ということですね?
それが正しい姿だと思っていますし、何よりも、一部のネットショップが物理的にソフトの部分をお客様に提供できないにもかかわらず、店舗と同じ値段で商品を販売しようとする姿勢を黙って見ていられなかったのが、あちぇ屋を始めた理由の一つです。
>今までは、例えばSOMA製品を付けた弓をショップに持ち込んでも、「この店で置いていない物だから他で買っても仕方ないでしょう」という顔が出来ましたが。これからは「この店より安いところが有るから、仕方ないでしょう」という顔をしなければなりませんね。。。

<di
v class=’wiki’>どのような状態かあまり分かりませんが、自分は多くのショップがある東京でアーチェリーをやってきたせいなのかもしれませんが、シブヤで買ったシブヤSSセンターのブッシングが駒沢の試合で取れてしまったので、帰り道、駒沢に近い別のショップに持ち込んで再接着してもらったりするのが、気が引けるということでしょうか(確かサービス料は500円だった気がします)。複数のショップを利用する人が多い東京では、ハードとソフトの切り分けは既にある程度できています。

>また、より安く上げたいユーザが自分の技術力を上げようと努力する傾向が生まれれば、トータルでみるとこれも良い影響となるようにも思えます。ただし、お金のない学生さんなどが、コストをケチって未熟な技術で自己流にリペアしたりし、事故を起こすかもしれません。「こんな糸(サービング)のまき直しに500円も払うなら、自分でもう一度巻いてボンドで止めとこう」という姿が目に浮かびます。
楽観的すぎると思われるかもしれませんが、前者(自分で努力して技術を学ぶ)のアーチャーが圧倒的に多いと信じています。基本的に性善説でビジネスをしていますので…。
また、店舗のショップが商品販売時にたくさん料金を取って、後のサービスをできるだけ無料で行うというやり方は間違っていないとおもいます。あちぇ屋が実店舗を出した時もそうする予定です。
以上です。別レスになると紛らわしいので、この記事はコメント不可にします。コメントなどは掲示板にお願いします。道具だけでなく、選手をサポートしていく大事な存在であるショップについても語りましょうよ。
*本来はブログで扱う課題ですが掲示板から始まったレスですので掲示板で。実際、自分で書いていても、ヤフーブログのコメント欄よりも、掲示板の方が使いやすい気がします。

今後の道具市場の見通し

今日、新しい道具のテストなどを行う予定だったのですが、一日雨だったので、書類の整理などの事務処理をしておりました。

ということで、まじめなことを書いて今日は終わりにします。明日は東京都の国体選考試合だ…。
自社製品。いい響きですね♪それについて書く前に、まず、現状を分析してみたいと思います。
どこのショップも大きくなると自社製品を作るようになる。ショップのオリジナル製品。もちろん、真面目に作っているショップもあるし、シブヤのサイトなどは世界でも評価される商品になったが、多くのショップはただ利益のため作っているにすぎない。某ショップは全部韓国メーカーに丸投げしてOEM生産…。

なぜ、そうなってしまうのか。前に何度も書いているのでブログの読者のみなさんは知っていると思いますが、日本の業界には独自の価格維持システムがある。抜け駆けして安く売ってはいけないのだ。

たとえば、HOYTの900CXなら12万円を定価に割引0~30%で販売しなければならない。その抜け道として使われてきたのが自社生産である。C社のサイトなら値段が決まっているが、C社にOEM生産させて、自社ブランドとして売り出した自社製品ならば、自分たちで販売価格を決めることができる。

だから、どこのショップもしょーもないものまで自社製品を出す。たとえば、スタビライザーやサイトならば機能や素材にこだわって、自社の思想・自社の理想を自社ブランドで世の問うことができるが、チェストガードやウェイトのようなグローバルなサプライヤーに任せとけばいいようなものまで、利幅を大きくするだけのために自社ブランドで出してみたりすることになる。

あちぇ屋はそもそも業界からは距離を置いていて、価格設定権を自社で持っているのでるので、利幅を大きくするために自社生産を必要はない。であれば、何を作ろうかと。

2007年のEastonの報告書(Annual Report)によると他部門も含めた年間の売上は763億円である。

それに対して、国内のアーチェリー用品市場はだいたい12~15億円程度で推移している。大手代理店でも年間売上は2~4億円程度だ。まぁ、その程度の業界です。

「小さいショップが革新的で大手のものよりも高性能な製品を開発して、大手メーカーを倒す」という物語は、とても理想的な話ですが、現実にはかなり厳しいと思います。

特に素材がその製品の性能を大きく左右するリム・スタビライザー・矢はもう無理といってもいいと思います。少し前にもWINの弓の納期がかなり長くなってしまったことがあったが、現状、製品のボトルネックとなっているのは開発(アイデア)よりも、原料の調達です。そして、調達が製品のボトルネックになっている限り、イーストンの1/100しかないショップが勝つ見込みは…ないんじゃないかと。

(リムの話は飛ばし)

それでも多くのショップはうちのスタビライザーはすごいんだぞと言って、自社製のものをセールスするのでしょうが(そして、初心者はそれを買うのでしょうが)、性能的な評価できるものはリムや矢で良質のカーボンを低価格で大量に調達しているイーストン/WIN/SOMAと、世界中のOEM基地となって大量に製品を作っているカーテルと、後は、素材ではなく独自の構造を売りにするバイター系のメーカーだけでしょう。(ちなみに、HOYTのスタビはただのライセンス生産なのでお間違いなく…)

と、ここまで書くと、じゃ、あちぇ屋は何ができるんだという話になるが…なんだろうなぁ。クリッカープレートとか? お客様を裏切ってまでセールスしないとが前提ならば、もう、ニッチな商品で戦うしかないでしょう。素材が製品の性能を大きく左右するものはやはり大手メーカーの方がいいんですよ。

自社のボウケースとかもいいなと思っているですが…100ロッドで作ってもらっても、うちの45平米しかない事務所にはとても在庫できないので却下かな。