改訂しました。アーチェリーの理論と実践

*2013/5/20投稿(旧題 古いこと)、2023/3/19に加筆して再投稿

(加筆) ボジョレーの2016年を2023年に飲みましたが、熟成させることもできるのは本当みたいです。さて、現在の射形のベースとなっているスタイルを完成させたホレート・フォードの著作を2013年に翻訳しましたが、この10年で手直ししたいところ、解説を入れるべきところを、解説付き改訂版として再編集しました。下記リンクからダウンロードできます。(加筆ここまで)

【改訂版】アーチェリーの理論と実践 – The Theory and Practice of Archery ホレース・フォード 著 (PDF 3MB)

(以下、2013年の5月の記事ですので、最近の話ではありません)

長くブログを書いているといろいろな反応が返ってきます。誤字脱字はともかく、今でも覚えているのは、ミザールハンドルを間違って「アルミ製」と書いてしまったことなどで、お叱りを受けて直ちに訂正しました。逆に、正しいことを書いていてお叱りを受ける記事もあります。中国工場の製作技術の低さを批判したところ、それを売っているショップが自作していると勘違いされた読者が、作り手に対して経験不足と評したことを、大先輩でもあるベテランの販売店に対して経験不足と言ったと受け取られ、お叱りを受けました。

正しい知識もあれば、間違っている知識もありますが、一番怖いのは、正しいと思い込んでいる間違った知識・情報ではないかと思います。今回、コメントを頂いたのでお客様の間違いを正すことができましたが、コメントを頂かなければ、すっど勘違いで私が批判される事態が続いたのかと思うと…恐ろしいです。

単純に自分が間違ったことを書いてしまったなら自己責任ですが、受け取り手の勘違いによって思わぬトラブルや批判が生まれるのはなぜか。アメリカやヨーロッパでは、自分がやろうとしているような弓具の評価・レビューというのは当然の様にアーチェリー雑誌に掲載され、広く読まれています。欧米人にできて、日本人にできないはずはないでしょう。その違いはどこにあるのかと考えたのが、2月。

そして、「古いこと」…つまり、それは歴史があるのかないのか、正確には歴史が語られているのかどうか、そこに違いがあるのではないかと思うようになりました。欧米のアーチェリー用品のレビューには、1920年代から積み重ねられた知識と常識があり、レビューをする人間はその文法・文脈にのっとり、発言しているからこそ、誤解されずに、正しい情報が流通するのではないかというのが自分の現在の仮説です。対して日本のアーチェリーのメディアの多くの商業主義に上に成り立っているものです。商業にとって歴史は積み重なるものではなく、流れていくもので、過去はむしろ邪魔です。

有名な話ですが、これはボジョレーの毎年の”自己”評価です。

1995年「ここ数年で一番出来が良い」[1]
1996年「10年に1度の逸品」[1]
1997年「1976年以来の品質」[1]
1998年「10年に1度の当たり年」[1]
1999年「品質は昨年より良い」[1]
2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」[1]
2001年「ここ10年で最高」[1]
2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」[1]
2003年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」[1]
2004年「香りが強く中々の出来栄え」[1]
2005年「ここ数年で最高」[1]
2006年「昨年同様良い出来栄え」[1] (ウィキペディアからの引用)

さあ、どれが一番いい出来だかわかりますかね…「エスキモーに氷を売る―魅力のない商品を、いかにセールスするか」なんて本が出版されるくらいですから、商品にとって、マーケティングが全てなら、過去の話(歴史)を蒸し返されては、いろいろと困ることは想像できると思います。

日本ではアーチェリーの歴史がまとまった形、整理された形で存在しないことをいいことに、勝手に書き換えられたりしています。例えば、私たちも行っているハイスピードでの弓具の研究は、日本のヤマハが初めてだと某雑誌の記事には書かれていますが、アメリカでは1930年代から行われており有名な話です。その研究を1930年代に始めたの現在の弓具の形を作ったヒックマン博士です。ホイット氏(HOYT創業者)は彼に感謝の手紙を送っています。また、同時期には和弓の世界でも、旧海軍兵学校の協力のもと、120fpsで弓の動きを撮影し、弓の研究が行われていました。どちらも80年以上前の話です。

日本での戦前の研究は「紅葉重ね」でその写真を見ることができますし、ヒックマン博士は「Hickman: The Father of Scientific Archery」という伝記が英語で出版されているほどの有名人です。

現在のアーチェリーは19世紀の後半から、脈々と続いてきたもので、多くの研究によって進歩してきたものです。メディアにアーチェリーの記事を書くほどの人達が、これらの常識を知らないとは思えません。日本人には知られていないのをいいことに、商業的に歪曲しているのでしょう。

5月にホレース・フォードの本を翻訳したのをはじめ、ホイット氏のインタビューの編集など、弓具のレビュー以前に取り組むべきことがあるように感じます。

欧米にあって、日本にはない(と自分は感じる)のは、今に続く歴史を知っているかの差、そして、正しいアーチェリーの歴史を語ることで、日本でもそのようなものが、時間はかかっても熟成していくのではないかと思っている今日この頃です。


【再掲載】WIN&WINの社長が語るアーチェリービジネス。

park.jpg(2011年のインタビューです)

WIN&WINの社長パクさん(写真右の方)へのインタビューです。インタビューの原文は英語ですが、話したら日本語でもと言うことになりましたので、訳してみました。


「私の心が導いてくれた場所」

韓国を代表するアーチェリー企業WIN&WINの社長とのインタビュー。WIN&WINの歴史と・未来について。

韓国を代表するアーチェリーメーカーWIN&WINの歴史は、情熱にあふれ、心の赴くままに身を委ねてきた一人の男の歴史であると言える。CEOのパク・キュン・エラは「代表取締役」という役職以上の人間であると感じられた。韓国代表選手団の監督であったという経験を持っているだけでなく、アーチェリー全般の知識も豊富であり、製品すべての企画にたずさわり、責任を持って商品を製作している。ソウル市内から数キロ離れた場所にWIN&WINの本社がある。そこで私は”カリスマ”に出会った。

※以下より、インタビュアーをI、パク・キュン・エラをPと表記する。

I:私たちが本社に到着するとまず韓国古来の弓矢を使用したデモンストレーションを見せて下さいましたね。この韓国古来の弓矢はあなたの人生においてどんな役割、存在なのですか?

P: 私にとって、アーチェリーは人生です。たくさんの喜びを味わうことができ、そして、世界中のアーチャーに対して販売者として関わることができる。アーチェリーの他にゴルフもします(**)。しかし、これまでの様々な経験を思い出せば、韓国古来の弓が私自身を形成しており、癒しとしての役割も担っていたことに気づきました。

アーチェリーは本当に私の人生であると思っていますが、もちろんアーチャーとして生まれてきた訳ではありません。中学生の時にアーチェリーを始めました。中学校にアーチェリークラブがあり、クラブを運営していた男性と知り合いになりました。その方は現在韓国アーチェリー連盟の役員の方で、なにも知らない私に熱心にアーチェリーを教えてくれました。私がここまでアーチェリーに対して情熱的でいられるのは、彼のおかげだと言っても過言ではありません。ちなみに彼の娘さんにもお会いする機会も与えていただきました(現在私の嫁です 笑)

I:アーチェリー用品を販売する会社を設立した際、ゼロからのスタートということでリスクは全く感じなかったのですが?それとも少しはありましたか?

P: 会社の設立までの経緯を説明します。あなたの質問の答えになってないと思われるかもしれませんが、1984年から韓国代表の男子チームの監督をやらせていただき、なにも問題のない環境でした。韓国男子はフランスやロシア代表よりも弱い時代でしたが、選手のパフォーマンスもチームの方向性も良い方向に進んでいました。

私はとにかくベストなコーチになることが第一の目標でした。ナショナルチームでの指導というだけでなく、セミナーや講演会などを開き、知識を世界中に広めることが目標でした。

その後、チームは強くなり、1991年に”あの”アメリカに韓国代表チームの監督として招いていただいた際に、この役職に対して設定した目標は達成されたように思いました。当時私はまだ若かったせいか、もう一つ夢を持つ必要性、新しい目的を持つ必要性を感じました。
リスクに関しては考えてませんでした。最高の弓を作りたいという一心で、一種の夢のような感じですが、心が赴くまま夢に向かって取り組みを始めました。

I:困難や苦難はありましたか?またどんなものでしたか?

P: 最も苦しんだのが資金での問題でした。最初の資金は3,000万円でしたが、試作や設備投資のために2年間で貯蓄もすべて使ってしまいました。お金はもうありませんでした。資金面以外では、やはり理想の弓具を作ることの難しさです。しかし、友達や信頼できる人たちに囲まれ、状況を打破する事が出来ました。

次には、販売する商品に関して苦労しました。この点に関しては、2004年のアテネオリンピックの際、自社製品が様々な問題を抱えており(***)、オリンピック後の半年間は商品の生産を止めざるを得ない状況にまでなり、本気で事業をやめるかどうか考えました。今思い返してみてもとても難しい時代でした。

I:現在のWIN&WINの哲学はなんですか?

P:WIN&WINは世界中のアーチャーに影響を与える会社となり、知名度も増しましたが、その点は大して重要ではありません。何が一番大切かというと、夢を共有すること、そして、その夢を叶えるための前進するという確固たる意識が大事です。
これまでの経験の中で自分が「絶対に乗り越えたい」と思ったことを、確実に乗り越えてきたからこそ、今があると思っています。アーチェリー用品の販売する会社を作りたいと思ったとき、まず私がしなければならなかったことは安定した収入を得ることができたコーチの職と一流のコーチングの経験を捨てて、ゼロからスタートすることでした。

会社設立の時の話を聞かれると、私はいつも自分の理想、世界で、最も優れている弓を作りたかった、という気持ちから話をします。それは今でも持っている思いです。それ以外の事は、正直、大して重要ではありません。私のモチベーションであり、私の支えて来た”哲学”はそれだけです。

I:あなたのこだわる「世界で最も優れている弓」とはどんなものですか?

P:それは、高性能であり、かつ、低価格である弓です。メーカー間の競争は、特に技術面においてアーチェリー競技に良い影響を与えていると思います。また、これはアーチェリーメーカーにとっても良いことです。なぜなら競争は市場に活気を与え成長を促すからです。競争が激しくなれば激しくなるほど、市場は早いスピードで成長します。

I:あなたは「社長」という今の地位・役割を楽しんでいますか?

P:楽しんでいないとは言えないと思います。これまでのわが社の実績に関してとても嬉しく思っています。しかし、最高の・完璧な弓を作るための挑戦に終わりはありません。HoytとWIN&WINの間での競争を客観視したとき、売り上げでは私たちはHoytを超えたと思う部分はあります。しかしながら、歴史に裏付けされた実績という面からみると私たちはまだHoytに負けています。
今の競争は、「良い競争」であり、私たちを成長させてくれる競争です。競争があるからこそ私たちは常に革新を続け、テストを重ね、視野を広げる努力をしております。性能と価格での競争は良い競争です。ただ、お金をばらまくような資金面での競争はしたくありません。

I:WIN&WINの生産体制はどのようにしているのですか?

P:WIN&WINは2か所の工場を持っています。ひとつは韓国南部にあり。ここでは主にリムを製造しています。もう一つは中国にあり、ここでは主にハンドルを製造しており、その中でも中級クラスの物とSF Archeryの製品を製造しています。それぞれおよそ300人の従業員を抱えています。リカーブとコンパウンドボウのどちらも製造するHoytとは異なり、私たちはリカーブだけの製造を行っています。

I:なぜコンパウンドボウ市場には参入しないのですか?あなたの個人的な意見ですか?また、技術が不十分なためですか?

P:もちろんコンパウンドボウ市場への参入は大きな一歩となるでしょう。しかしそれは私の目標の中に含まれているものではありません。これまでも、そして、これからもコンパウンド部門への参入の計画はありません。なぜなら、私達はリカーブ部門において明確なコールを設定し、取り組んでいるからです。

一度にいつくものボールをジャグリングすることは困難です。正直な話、興味をそそる市場ではありますけどね…。

I:あなたに初めてお会いしたとき、1990年代に活躍した著名なアメリカ人コーチを超えることが目的かどうかを聞きました。現在はアーチェリー製品の製造という点においてアメリカ人の製造者を負かしてやりたいという気持ちはありますか?

P:Hoytやその他の業者に対して「負かしてやりたい」とは言うつもりはありません。でも、私の中では常に「アメリカだったら」という気持ちはあります。アーチェリー選手だったとき、またコーチだったときもです。心のどこかでアメリカと競争しているという認識がいつもあります。
この質問は、私がアーチェリー選手であった時代を思い起こさせてくれます。当時、世界のトップ選手と言えばアメリカのリック・マッキーニ(1976-1992年までのオリンピックに4回出場、うち銀メダル2回)か、ダレル・ペース(オリンピック3回出場、うち金メダル2回)でした。選手だった当時も、今も、やはり常にアメリカ人に勝ちたいという思いは強く持っているかもしれません。選手時代、アメリカ人に勝つ能力はあったと思いますが、国際試合での経験をはじめとして、私達は経験が圧倒的に足りませんでしたので…。

ただ、私の会社という視点から見ると、繰り返しにはなりますが、どこかのメーカーに「勝ちたい」と思っているわけではありません。相対的な競争ではなく、絶対的に「完璧な弓」を作りたいという思いだけです。

I:リカーブ用に新しい商品がデザインされたとき、一連の企画の中で、どの段階であなたは参加されるのですか?

P:WIN&WINには、新しいアイデアの探求・既に存在する商品の改善などを行う調査開発チーム(research and developing team)があります。基本的に私はクリエイティブでいることに努めており、新しい商品に対しての私の考えをこのチームに直接伝えることもあります。工場にいるときは、その仕事がメインです。基本的に私は24時間全てアーチェリーのことを考えています。

I:バイター(ドイツ・バイター社CEO)は常に自分のベッドの横にノートを置いて、いつアイデアが浮かんでも良いように対策を取っていたといいます。あなたはどうですか?

P:(笑って)私も必ずベッドの隣にノートを置いています!ノートは発明者の必需品ですね。ベッド横にノートを置くのは、どのメーカーでも、広く行われていることかもしれませんね。そう思いませんか?

I:INNO CXTハンドルやINNO EXリムの販売を開始してちょうど一年を迎えますね。この商品の販売実績に対して満足していますか?経営面と技術面の両方からお願いします。

P:INNOモデルとINNO CXTモデルを比較すると、売り上げは40%の成長を記録しました。これは素晴らしい実績です。CXTモデルを購入いただいた方からの評価もよいです。INNOでは正確さと安定性を重視していたのに対し、新しいCXTモデルではさらにリリースの際のストリングの動きを重要視しました。CXTモデルでのストリングの動きは限りなく真っ直ぐです。そのためストリングが腕に当たることはほとんどありません。この技術は私たちが開発に尽力して来たもので、着想から完成までかなりの月日を要しました。今後もこのような技術開発を積み重ね、更なる革新を目指して行きたいと思います。

I:次に開発に携わりたいと考える商品はありますか?

P:現在サイトやスタビライザーなどのアクセサリーを中心に開発・改善を進めております。しかし、いつまでもこれらの商品開発をメインとするつもりはありません。会社は、リカーブの”弓”をメインの商品として取り扱っています。

あなたが聞きたがっている事は分かります。矢の話をしましょうか?

I:矢の話をお願いします。学校などで見かけることが多いので…

P:わずかではありますが、韓国人のユース向けに数種類製作しています。ただ、商品として販売はしておりません。矢の生産量も少量です。今後発展させていきたい商品とは考えていません。

I:韓国旅行の最中で若いアーチャー、特に大学生に出会うことが多かったように思えます。韓国で最大のアーチェリーブランドとして、国内にはどのようなメッセージを発信したいと考えますか?

P:私は若さは人生の中でとても大事なものであると考えます。WIN&WINの最高責任者として、他人の人生にどのぐらい影響を与えられるかわかりません。ですが、私は若いとき単純に安くて性能の良い弓を作りたいと思いました。今の私の役割は、アーチェリー市場を繁栄させ、成長を促し、多くの人に良い商品がいき届く環境を作ることです。私たちの責任は「アーチェリーに関する分野であれば、その需要にこたえる」というものだと考えています。

韓国では製造者が直接消費者を関わることができるシステムはありません。しかし、いずれそのようなプログラムができることを望んでいます。アーチェリーブランドの責任者として、消費者のニーズにこたえていくことが義務だと考えています。

I:あなたにとっての永遠のトップ・アーチャーは誰ですが?その理由も教えてください。

P:キム・スーニョンです。いろいろなトップ・アーチャーの、いいところをすべてを持っている選手だと思っています。最近のアーチャーのポスターに写っているような選手の、その射ち方の原点がキム・スーニョンの射ち方なのです。

キム・スーニョンが成功するまで、7秒程度でうつことが主流でした。彼女は早くうつことの必要性・重要性を広く知らしめました。彼女の集中力には誰も勝つことは出来ないでしょう。同じように、今のトップ・アーチャーも国際大会という大舞台で、最新のうちかたを世界に向けて発信していくべきなのではないかと思います。

I:ロバート・ルイス・ドレイファス・アディダス前CEOは、「スポーツでは結果が全てだ」と言っていました。あなたはこれに対してどう思いますか?

P:私も大会や競争は勝つという結果を得るためだけにあるものだと思っています。ですが、その中に「楽しさ」もあることを忘れてはいけません。楽しむことこそがスポーツの醍醐味であり、競争相手とも共有するべきものなのです。

*インタビューは韓国で行われました。

**噂によるとゴルフの腕前はELIの社長(リンク先の後ろ姿で映っている方)が業界トップらしい。

***2005年頃にXQ-1リムの全出荷分のリコール(交換)をしてます。


トラディショナルアーチェリー 完成しました!!

表紙2013年の上旬に手をつけ始めて、やっと完成しました。2013年に、19世紀に書かれたクラシックなアーチェリーガイドブックを翻訳し、これから、アメリカのアーチェリー連盟の技術ガイドブックの編集作業に入りますが、その間をつなぐ一冊として翻訳しました。

トラディショナルアーチェリーとは、クラシックなデザインと現在の技術を融合させたアウトドアスポーツで、競技アーチェリーとの違いで言えば、クリッカーやサイトがないベアボウのような弓で、自分の家の庭で空き缶を射ったり、近所の山に出かけてローヴィングと呼ばれる、散歩しながら目に入ったもの射ったり(松ぼっくりとか切り株とか)するものです。歩きながら行うので、弓はシンプルで、長い距離の移動を苦にならないように軽いものが使用されます。

ずっと東京で暮らしていた時には、こんなスポーツどこでやるんだと、日本では絶対に無理だと思っていましたが、一時期、静岡県の山に住んだとき、その山にはうちを合わせても4世帯しか住んでいませんでした。道路はうちの玄関まではぎりぎり舗装されてましたが…。

東京では絶対に無理ですが、日本全体で考えれば、ローヴィングや、庭でアーチェリーできる環境はたくさんあるのではないかと思ったのが、きっかけでした。都会から少し離れれば、安全にトラディショナルアーチェリーができる環境はたくさんあります。東京にいる自分の視野が狭かっただけでと思います。

この本では、

1. トラディショナルの謎…5
2. 始まり…15
3. トラディショナルアーチェリーの父たち…27
4. 伝統の弓…39
5. 弓の形状…53
6. ドローウェイト…67
7. 弓のテストと選択…77
8. カスタムボウ…89
9. 弓のセットアップとチューニング…101
10. アーチャーコントロール…117
11. 直観という技術…129
12. 木の矢…139
13. ブロードヘッド…149
14. 素晴らしいフェザー…157
15. 自分の矢を作る…167
16. ボウストリング…179
17. 静かに!…189
18. ストール、タブ、グローブ、アームガード…199
19. ゲームと練習…209
20. 子供のためのトラディショナルボウ…219
21. 弓矢のメンテナンス…231
22. 保管と移動…241
23. 弓の安全…249

Q&A…257
用語集…260
翻訳について…272

と、歴史から弓の選び方、矢の作り方、射ち方、楽しみ方まで、弓の作り方(これだけで4冊くらい本が書けます)以外の情報は全部そろっています。日本では馴染みがまだまだないトラディショナルアーチェリーを紹介するのにはぴったりに一冊だと思います。

こういったレジャーとしてのトラディショナルボウの取り扱いの準備も開始しております。もうしばらくお待ちください。

本は6月中の販売開始予定です。あまり…売れるジャンルの本ではないですが、一つのきっかけになればと思っています。

トラディショナルアーチェリー サム・ファダラ著
サンプルはこちら


こんなピープはいかがですか

CS(ClearShot)アーチェリーから新製品、「2Tone IA ピープ」が入荷しました。
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ハウジング&インサート方式の2点構成。
これは当店取扱い、スペシャリティー・ピープハウジング&インサートと同じ方式です。

ハウジングだけで装着すると5/16インチ(約7.9ミリ)の大口径ピープになります。
重さは9グレイン(約0.6グラム)。
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角度は38度の設計のみ。
なので、運用は弓のアクセルtoアクセルが33インチ以下のショートアクセルボウ向けに最適な角度となっています。

そして、ここにインサートパーツを挿入することで1/8インチか1/16インチにすることが出来ます。
ただし当店での取り扱いサイズは今の所この2択となっています。ご了承ください。
インサートはアルマイトカラーが施されていて目にも鮮やかな色を放ちます。

表面
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裏面
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装着はあらかじめストリングに挟んであるハウジングの“”裏側”(ターゲット面側)から7/32インチの六角レンチで取り付けます。
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装着イメージ
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色は金、緑、紫の3色展開。
サイズは先述の1/8インチと1/16インチの2種類のみ。
小さな穴径サイズの展開が無いのは、このハウジングが38度の設計になっているのでショートアクセルボウでしか正面を向かず、そしてこのショートアクセルボウの特徴として、フルドロー時にはピープから目までの距離が離れるため、大きな口径のピープが必要になってきます。
使い心地としては、すぐ目の前のピープが色つきになる違和感が最初は感じられるかもしれません。

色付きでチョッと目立つCSアーチェリーの新製品ピープハウジングインサートピープは、店舗およびCP店にて販売していますヽ(^o^)丿


ボウテックが幅広いセッティングが可能なミドルモデル FUELを発表

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ボウテック(Bowtech)はもうもう、年一回の発表をやめて生産が始まったら発表にするのでしょうか?まぁ、ウィン&ウィンのように12月発表で、入荷が4月というスケジュールよりは、こっちの方が助かるかもしれないですね…。

Bowtech_fuelボウテックが幅広いセッティングが可能なミドルモデル FUELを発表しました。ドローレングスは18-30インチ、ピークウェイトは18-70ポンドまで、成長に合わせて調節できる最初の弓から、(合法な国では)大きな獲物を狙うハンティングまで対応できます。

価格もアメリカでの小売価格は52,000円(499ドル)程度で、日本では輸送費と消費税を加えて6万円前後になると思います。

Fuel_spec
競合モデルとしてはMissionのラリーになるかと思いますが、既存のモデルのInfinite Edgeの改良版という見方もできるかと思います。値段もちょっと高くなっていますが…。最初の入荷は6月の予定で話しているところです。上の写真はサイト・クイーバー・レスト・スタビライザーなどが付属したモデルですが、ターゲット用のアクセサリーではないので、弓だけでの販売をする予定です。


明日だった…5月(MAY THE) 4日(FOURTH)

10259872_708636159202386_357518028606413081_n昨日記事にして、担当エンジニアといろいろ議論していたのですが…たまたま明日は5月4日。

フォースと共にあれ(May The Force Be With You)

…弓はPRIMEのデフォイ(DEFY)、矢はゴールドチップのハンタープロシャフトと見た!!…リリーサーがないということは、フィンガーリリースか。

 


コンパウンドのもう一つの選択肢、ハイスピードフィールドシャフト

20140502 155312現在、コンパウンド店をコンパウンド用の商品がなんでもそろうお店になるよう鋭意改良中です。商品調達業務が自分の本業なので、頑張ります!

先日、世界ターゲット選手権を何度も制したCXの代理店となりましたが、コンパウンドでは50mw標準の競技フォーマットになったのに従い、もう一つの選択肢として、短距離セッティングという選択をする選手が増えています。2014年のコンパウンドボウの売れ筋も、PSEの Dominator 3D MAXや、ホイットのプロエッジエリートなどのハイスピードモデルです。

そして、弓だけではなく、シャフトもハイスピードのフィールドシャフト(軽くて太いシャフト)を選択するという選手が増えています。

この話はインドアでのリカーブは太いシャフトを使うべきか、修正力の高いシャフトを使うべきかという話同様、結論がまだ出ていない話です。現在進行中の話です。コンパウンドの50mwでは、X10/Nano Proのように細く修正力(パラドックスからの復元力)に優れ、細く重いシャフトを選択する選手がいる一方で、新しい選択肢として、軽く太いシャフトを使う選手が出てきています。

じつは、CXの入荷とのタイミングでまずはコンパウンド予選最高点の選手として、ハンセン選手にスポットをあてて書いてきましたが、コンパウンド予選2位、最終順位個人3位のアメリカのディートン選手(Bridger Deaton)が、まさにそのセッティングで、この試合に挑みました。ちなみに、1位のハンセン選手が18歳、2位のディートン選手は19歳です。

431431_400989779967027_577976797_n2320015_angle1_4(↑2012世界フィールド選手権でのジェシー選手…APPtituneもよろしく★)

ディートン選手の予選での点数は355-356点の711点。そして、ハイスピードセッティング用のシャフトとしては、フィールド用として数多くの実績があり、ターゲットの世界選手権で結果を残したことはまだないものの、直近の2012年の世界フィールド選手権でも優勝した選手(ジェシー)が使用した、GOTDTIPのシャフトでした。

コンパウンド選手として、2014年の最初のワールドカップから学ぶべきことは本当に多いと思います。予選で1位、713点を射った選手が極細で重みのある、まさに王道を行くロングレンジ向けターゲットシャフトを使い、次点711点で続いた選手は全く逆のセッティングをしていたというのは、本当に珍しい事です。たいてい、上位選手は同じようなセッティングですので…特に選択肢が限られている「矢」では。

つまり、50mを長距離としてとらえるか、短距離として捉えるかの違いです。ルール上の分類とかと言った次元での話ではなく…。

X10を基準にすると、ハンセン選手のシャフトはそれより、3%細く7%重いもので、ディートン選手のシャフトは、11%軽く38%も太いものです。メンタルゲームとしての要素の加わる決勝ラウンドは別とすれば、1位、2位の選手が真逆のセッティングで、それぞれに結果を残しているという事実は、50mwではどのようなシャフトが最適かという答えが、トップレベルの選手の間でも、まだ共通の意見が出ていないということです。

細く重量があり安定するシャフトか、軽量で太くがあり、ハイスピードで飛んでいくシャフトが有利なのか。ワールドカップ第二戦が楽しみで仕方ないです。5月13-18日です。

sha_da1_7032Gold TipはBee-stingerの親会社なので、特に新規に代理店契約をする必要はなく、とりあえず自分でテストするために1ダース発注してみました。現在、Nano Proをテストしているので、新しいシャフトは6月くらいからテストしてみようと思っています。なので、レビューはちょっと先に。


CP用品小物あれこれ

昨日はVバーなどが多く入荷しましたが、その影で新規の小物も入ってました。

まずは、、、

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ホイット リムショックスです。

プロコンプエリートシリーズや、プロエッジエリート、カーボンスパイダーシリーズに搭載されている「エアショックダンパー」。これに似せた形のリムダンパーです。

エアショックダンパー非搭載の弓用で、上下のリムに挟んで振動吸収をおこないます。

リムに挟む形状のリムダンパーはSVL「アルファショック」が一般的でしたが、新しいデザインの選択肢としていかがでしょうか。

ちなみに挟む部分のサイズは以下の通りです。

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矢印の箇所の幅が約35ミリですので、リムの内幅が25ミリから30ミリ程度のリムに挟むことが出来ます。

ただ、25ミリだと挟む時は相当きついかもしれません。あらかじめご承知置き下さい。

色はまず黒、赤、青の入荷ですが、今後順次追加されますのでお楽しみに。

 

次にマーリンスコープのアクセサリーとしてドット&サークルシールと交換用ファイバーが入荷しました。

マーリンレンズデカル

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ファイバーピンは最初に付属している色は緑色のみですので、赤色の方が相性が良い方はぜひお試しください。

ちなみにドット&サークルシールはその内容を分かり易くするために上のような写真の形態になっていますが、実際の商品は下の写真の形態になっています。

予めご承知置き下さいね。

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最後はAAE(arizona)の新製品、カラー・ケーブルスライダーの入荷です。

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「スリッピー・スライド ケーブルガイド」 はテフロン®素材で出来ており、これまでこのような製品は白のみだったのが、

カラフルな発色となって新登場しました。黒、緑、赤の入荷です。

フォールアウェイレストのセンサーコードを通す穴とそれを固定するイモネジもこれまで同様付いています。

 

コンパウンドシーンをチョッと便利に、そしてチョッと楽しくしてくれるこういった小物類、引き続き良いのが有ればどんどん紹介していきますので、お楽しみにヽ(^o^)丿


Vバーが充実してきました。

各社から様々なVバーが発売されており、先日もDCのVバーが入荷~紹介しましたが、今日はビー・スティンガーやケイテックデザイン、ドインカーから新たにVバーの入荷が有りました。

まずはビー・スティンガー。

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これまでのストロングアームVバーのラインナップに加え、新たに「エリート」シリーズが追加されました。

*入荷はダブルのみです。

センターロッド、サイドロッドの3方向がクイックデタッチ式になり、上下角/水平角の2軸で調節ができ、また目盛が記されました。

そしてこれまで同様、ネジを緩めて調節する際のクリック感もあります。外観サイズその他はコチラをご覧ください。

 

さらにストロングアームダブルVバーにクイックデタッチが搭載されたものも追加されました。

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これはセンターロッド側はクイックデタッチ式ではありません。ご注意ください。コチラもご覧ください。

 

次にあまりなじみはありませんがケイテックデザインから、シングルVバーが入荷です。ボディーは6000番台のアルミを使用し堅牢性に優れています。

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SAボルトは付属しません。基本的に弓のフェイス面のリアブッシングを利用して取り付けますが、お手元にSAボルトが有ればバック面でもお使いになれます。

これもサイドロッド側はクイックデタッチ式になっています。外観サイズその他はコチラをご覧ください。

 

続いてはおなじみ、ドインカーです。

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このプラチナムサイドブラケットは一般的なサイドブラケットとは異なり、ハンドルのサイドに開いた「ボウクイバー用穴」を利用します。

*この穴はモデルによって位置が異なります。事前に確認をお願いします。

飛び出したネジは1/4インチ径なので、タップが切ってある穴にそのまま入れる事も出来ますし、穴径や奥行きがあえばタップが切っていなくても留め具で反対側から留められます。

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取り付けイメージです。

穴さえあれば下向き重心のセッティングにうってつけです。外観サイズなどその他はコチラをご覧ください。

 

最後に、Vバーではありませんが、お役立ち度のとても高いパーツです。

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Vバーアタッチメントキャップ(留め具ネジ)です。これは下の写真のようにタップの切っていないハンドルサイドの穴に5/16インチネジを挿し込み、その反対側からこのキャップネジでVバーを固定します。

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*写真はメーカー写真です。(Vバーは付属しませんので)

黄色の矢印で示した箇所のようにVバーの反対側から5/16インチネジを留めます。

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いかがです?充実してきましたよね~。

この機会にぜひご自身の弓にマッチしたVバーをお選びくださいね。


本日はコンパウンド用に大量に新商品が入荷しました。

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一か月前に正式にコンパウンドアーチャーに転向して、自分の弓のセッティングを考えるうちに、こんな商品が足りないと思った商品をいくつ仕入れ、本日到着しました。また、B-Stingerの新作のVバーも入荷しています。もう紹介しましたが、W&Wの到着し、まだ、在庫にあげていませんが、SFの商品の2014年モデルのAXIOM+も届いています。

いろいろなものの商品紹介の作成で大忙しです…。

のちほど山田がレビューを上げと思いますが、上から

-ホイット(HOYT)の新型リムショックス
-Bee-Stingerの新型Vバー
-KTECHのオフセットバー
-ドインカーのクイバーマウントホール用のサイドブラケット
-マーリンのサイトピンデカル
-アリゾナのスライダー
-クイバーマウントホールに普通のVバーなどを取り付けるためのアタッチメント・キャップ
-5/16のマウントねじ

です。