Bear Archery Empire(エンパイア)

アクセル間32インチ、ワンカム、そして24インチから31.5インチと言う幅広いドローレングス調整幅を持つ、ベアー社の2013年Newフラッグシップモデル。
メーカー紹介動画はコチラ(英語です)

「EMPIRE(エンパイア)」

新たにこれから取り扱い始めるかどうか試験的に手配を行った、このBaer 2013年のフラッグシップモデル「エンパイア」ですが、「意外と」と言えばチョッとアレですが、多くの皆さまからお問合わせやご質問を沢山頂きまして、再び仕入れを行いました。

今回入荷した色はシャドウ(ブラック)。

50ポンドモデルです。
ただ、ホイットみたいに50ポンド表記の場合はは40ポンドから50ポンドで調整可能・・・、と言うものとは違い、このベアの場合は、約43~52ポンド、と言う風に強さが出ます。
*リムボルトの回転範囲は4回転までです。

特長はなんといっても、引き尺調整が可能なシングルカム(ワンカム)と言う事。
さらにその幅が、24.0インチから31インチ。
メーカーのうたい文句は、「市場に出回る弓(カム)の中で最も速く、最も滑らかな引き心地の新設計のS13カムはあなたに満足いく結果をもたらせてくれるでしょう」とのこと。

ワンカムらしくない、わりとしっかりとしたウォールでリリーサーコントロールの感覚がつかみやすい印象を受けました。
引き尺調整は、モジュールの位置移動&ドローストップピン位置変更方式。

モジュール(グレーのパーツ)をベースカムの刻みマークに数字を合わせます。
写真では引き尺設定「29インチ」を指しています。


ドローストップピンも同じ数字に合わせます。写真は29インチの位置。
30インチから先は“上の段”に行きます。

引き尺変更はボウプレス不要。
7/64インチの六角レンチ1本で簡単に引き尺変更が出来ます。

このカム、直径が大きいんです。

約16センチもあります。
HoytのRKTカム(2番カム)で約10センチですからかなり大きな印象を受けます。

ちなみに、上側に付く、アイドラ―ホイールですが、こちらも大きいです。

約12センチあります。
HoytのRKTカム(2番カム)より…(略

ケーブルガイドは、「4x4ローラーガード」。

4個のローラーにそれぞれ2個づつ、合計8個のボールベアリングが搭載されて、ケーブルをストレスなく滑らかに運んでくれます。

バックストップにはベアアーチェリー独特のデザイン「オフセットストリングサプレッサー」が搭載されます。

けっこう先端はぐにょぐにょしていて柔らかいです。
もちろんブレースハイトに合わせて長さも調整可能です。

シェル周りですが、こちらは必要最低限の強度、と言った印象。

グリップは、モールド素材のカバーが付いていて、付けたままでも、外してもどちらでも使えるデザインになっています。

*写真はメーカーHPより。

カムタイミングの調整など、神経質にならなくても良い、シングル(ワン)カムならではの手軽さ。
軸間32インチと言う、身軽さ。
引き尺調整が、0.5インチ刻みで24インチから31インチと言う幅広い対応性。
ピープの回転やクリープを防ぐプレストレッチを既に施してあるHP弦を用いたストリング類。
リムポケットとリムブーツには“アソビ”の無い精密なハンドルとリムのジョイント。*このジョイントは余計な振動を極力抑えてくれます。
7インチのブレースハイトは他のハンティングモデルに比べ、安定感で上回ります。

ハンティングボウとして世界的には超有名なメーカーですが、日本国内に置いてはイマイチの認知度は正直否めません。
純粋なターゲットモデルが存在しないのが原因かもしれませんが、それでもいい弓は沢山作っています。
この機会にぜひ注目してみてください。


雑誌アーチェリー…1995年という節目…メーカーさんごめんない。

2010年の1月から、3年かけて、雑誌アーチェリーのバックナンバーをすべて読み返しています。本日、1997年まで読み、2001年からはリアルタイムで読んでいるので、もう少しです。
本日は図書館で5時間かけて、1989年から1997年まで読みました。以前にこんな記事を書いた時に、コメント欄に1995年を節目に、雑誌アーチェリーが変わったというコメントありました。
いつから雑誌アーチェリーは沈黙したのか(70号~91号)
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-498.html

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現在の雑誌アーチェリーは試合の写真集とアーチェリーショップで商売している人間が書いた記事ばかりですが、昔の雑誌アーチェリーはなかなか、キレのある雑誌で、ものを言う雑誌でした。
上の写真は91年の7月号です。当時の学連を知らないので記事の内容についてはコメントできませんが、特定の大学に対する意見申し立てで、今の雑誌アーチェリーでは絶対載せないような内容です。
雑誌アーチェリーが口を閉ざすきっかけとなった記事はどうなものだったのか、いろいろと予想を立てて、本日、初めて読みました。

>1995年の3・5月号ですね。
>僕もこの記事を見て、スタビライザーをイーストンに変えて正解だったと思っています。
>スキーに関しても、いろいろなメーカーの板やブーツを、でもスキーヤーなどが評価しているのをみると、
>アーチェリーメーカーの商品をアーチャーが評価するのは何も問題ないと思います。
>ただ、世界が小さいせいか、どうしてもお互いが気になって正しいことが書けるかどうか…
>ただ、技術的にしっかりしている人間が評価をするのであれば、とても面白い特集ができるだろうし、
>別冊として出しても売れそうではあると思います。
上のようなコメントをいただいていましたので、道具を評価したら、悪い評価がついたメーカーから、クレームがついたのか(つまり、メーカーがクレーマーだった)のかと思っていましたが、読んでみると全く違っていました。

流れを整理します。
(1995年3月号) 
感性の科学という弓具研究の記事がスタート。執筆者不明(監修は弓具科学研究班…誰?)。趣旨は弓具の進化は、行き着くところに行きついた、今後はもうスペックではない、感性が求められる時代だから、感性について語るというものすごい野心的なもの。
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しかし、記事の中身は…間違っていないけど、完全にずれている。記事の中身は「スタビライザーの理想形とは」について書いているのに、最後にいきなり、上の図が掲載されている。でたらめな記事なので、比較された商品名は省きますが、イーストン、エンゼル、ヤマハ、K、Kプロ、シブヤ、ハスコという7社9モデルでした。
本当に載っているのはこの図だけ…何ポンドでテストしたのか、だれがテストしたのか、長さはそろえたのか、重さを、それとも、みんなトップウェイト1つだと、ウェイトの数をそろえたのか…何一つ根拠が乗っていません。さらに次号で訂正のデータが出るのですが、重さ157gでテストしたイーストンのロッドの軽さが二重丸で、105gでテストしたエンゼルのロッドの重さを丸、150gのヤマハのロッドは三角印…いったい何を基準に評価したのか、軽さ…重さという意味以外にどういう評価基準があるのかわかりませんが…謎すぎます。
これは完全にクレームをつけたメーカーの問題ではなく、記事を書いた人間の問題です。
このグラフ以外の記事は「理想のスタビライザー」についてです。例えば、その結論が「振動吸収」だったとすると、次のステップは、何を持って振動とするかです。以前に書いた比較記事では、センサーはグリップに付けました。結論は振動が30%減ったというものですが、つまり、グリップ(=体に伝わる振動)と定義して計測しています。発射音の一つの発生源はリムポケットです。おそらくですが、ここにセンサーをつければ、振動は30%減っているか疑問です。
振動吸収を比較するのであれば、まずは何を持って振動とするかを定義しなければなりません。その次は、どのように測定したかを記録します。第三者機関に依頼した場合は、必要ないかもしれませんが、自分でやるなら、他人が追試できるようにする責任があります。
そうしてようやく、点数付して、上のような表を作るものです。
しかし、この記事では、スタビライザーの理想形をたかった後は、用語の定義(何を持って振動吸収とするか)と試験のやり方(どのようにすれば記事が正しいと確認できるか)を全部すっ飛ばして、自分の結果だけを載せています。
(1995年5月号)
冒頭、謝罪から始まります。
「前回、掲載した「各社カーボンセンターロッド比較表」にいくつかの誤りがあった。硬さ、軽さ、振動吸収、経済性の4項目に分け、それぞれに「◎」「○」「△」の3段階評価をしたが、その評価基準があいまいで、中には事実と完全に異なる評価もいくつかあった。」
(雑誌アーチェリー 1995年5月号)
その後謝罪だけではなく、けじめとして、長野県工業試験場にテストを依頼…しかし、ここがまた素人でダメなのだが…高価な機械を使ってスタビライザーのテストをします。また、日本バイメタルさんは辞退したので、テストしないとのこと(商品提供を受けているから?)。
長野県の試験場の風間さん(アーチェリーの素人)はかなり努力したと思うが…なんの実験をしているのかわからない。ハイスピードカメラで商品のテストをするとき大事なのは、どこに絵に収めるか、どのシャッタースピードで収録するか、どこにピントを合わせるかである。プロのカメラマンはカメラについては、プロでもアーチェリーを知らなければ、正しいテストができない。レンズ合わせのテストで撮ってもらうとき…たいていのカメラマンはなぜか、弓を射つ僕にピントを合わせる…弓具テストなので…レストに合わせてください…。。。
さて、長野県工業試験場のテストが意味をなさないのは、振動モードごとにテストをするという不思議な設定をしたいるためです。
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(小野測器さんのホームページより引用)
振動モードというのは、スタビライザーがどのように振動するかということです。見ればわかるように一次モードのように振動するようなスタビライザーは何の役にも立たないでしょう。自由端(ウェイトがついている側)が上下に振られ、そのカウンターとなる振動がないので、その揺れはそのままハンドルに戻ります。
5月号の試験では、なぜかそれぞれのモードでの振動吸収能力を測定しています。
この測定に何の意味があるのか全くの不明です。なぜなら、(少なくとも自分の知識の範囲内で)アーチャーが振動モードをコントロールことは不可能です。
「このスタビ2次で振動してるけど、チューニングして、3次に変えて、うってみよう」
といったチューニングができるとは思いません。


以前ハイスピードカメラでFUSEのカーボンブレードの24インチ~33インチまでを撮影しましたが、すべて2次モードで振動していました。長さを変えることでコントロールできるかもという自分の淡い期待は見事に打ち砕かれました。。。
つまり、大事なのは「そのスタビライザーがどのように振動するか」(=何次モードで振動するか)であり、振動モードはある程度固有なものなのに、1次モードではA社が、2次モードではB社が、3次モードではC社が優勝とやっても…で、だれが総合優勝になるのでしょうか。。。。
風間さん、本当にご苦労様でした。
(1995年7月号)
2号続けてピントはずれの弓具評価記事(しかも、辞退したい会社は辞退できるシステムはちょっと違う気がします)で、3回目…そして、これが大きな野望を持った「感性の科学」の最終後になるのですが、構成は弓具科学研究班から、本誌編集部にかわります。
そして、記事の中身はホイットのテクミチョフさんの資料を参考にしているというもの。さすがにこの記事は何の問題もなく、いい記事ですが、今度は具体的な商品名には一度も触れられることなく、全体を通して、理想的なスタビライザーの一般論で終わります。
考えてみると、独自で資料を集めないで、メーカー・プロショップが書いた記事を使うのはこのあたりからが始まりかもしれません。それより前はアメリカ、韓国、フランス、スウェーデンなどのトップアーチャー・コーチが書いた記事が中心ですが、だんだんとトップメーカー、大手プロショップの人間が各記事がほとんどになっていきます…実業団の減少で、ショップで働いていないトップアーチャーの減少という問題もかかわっているのは思いますが。
ということで、1997年まで読み進めました。95年のこの事件以降、キレている記事はほとんどなくなります。道具についての記事は、それぞれの良い点とスペックの紹介だけになり、ハンドルやリムについての語るのは、メーカーの人間だけになっていきます。
1998~2001年はまだ読んでいません。それと、サラリーマンとして海外赴任していた2004~2005年の雑誌アーチェリーも読んでいませんが、70年代から通して読んできて、やはり、95年のこの事が”何も語らない”きっかけになったのかと思います。
(追記)
…昔に雑誌アーチェリーさんに記事を投稿したら、レベルが低い(誰でも知ってる)といわれ、却下されましたが…まぁ、いいです。


HOYTの創業者 Earl Hoyt Jr. インタビュー

以前に、WIN&WINの社長のパクさんのインタビューをブログに掲載したことがあります。2年近くたちますが、今に続くことがいろいろと書かれていると思います。
ネット上には正しい情報もあれば、正しくない情報がありますが、HOYTの創業者に関して言うと、検索するといくつか記事がありますが、どれも彼が書いた文書やインタビューを読んだ自分の印象とは全く違います。HOYTの創業者の考えに関しては、本人の著書やインタビューなど、資料が豊富にありますので、今回は4冊の本から、抜き出し、一つの記事にまとめてました。


下記はHOYTの創設者のホイット氏(Earl Hoyt Jr.)のいくつかのインタビューをつなぎ合わせて、編集したものです。ベースになった記事は、下記の4冊の本で読むことができます。
・Archery (1972) 著者 Earl Hoyt, Don Ward
・Traditional Bowyers Encyclopedia (2007) 著者 Dan Bertalan
・Vintage Bows – 1 (2011) 著者 Rick Rappe
・Legends of the longbow (1992) 著者 多数

赤字は実際のインタビューを翻訳したもの。黒字は自分の補足です。補足も論点はずれていないと思いますが、実際のホイット氏の発言は赤字だけですのでご注意ください。



Eddie Lakeから変身

1930年代のミズーリ州セントルイス…エディ・レイク(Eddie Lake)というギターリストが毎晩地元のダンスホールを盛り上げていた。彼のバンドはラジオでも有名になったが、1938年に彼のバンドは解散することになる。このエディ・レイクこそがのちのアーチェリー界に、ホイットとして記憶される偉大なイノベータである。

* Eddie Lake はホイットがラジオ局からギターリストとして響きがよくないと指摘されて使用していた芸名。

弓との出会いとアーチェリービジネス
ホイットが弓と出会った時、弓には2種類しかなかった。リカーブか、コンパウンドかではなく、「誰かが作った弓」か「自分で作った弓」かだ。ホイットのアーチェリーとの出会いは、アローポイントに始まる。学校が友人から滑らかなアローポイントを貰い、その美しい流線型のデザインに夢中になった。1925年、14歳の時にボーイスカウトのマニュアルを読んで、ヒッコリーの弓を自作した。しかし、ヒッコリーはねじれに弱く、2つ作った弓をどれもすぐにねじれてしまった。

そこで、ボーイスカウトではなく、アーチェリーの専門誌を購入して、専門の知識を仕入れることにした。「Ye Sylvan Archer」という雑誌は当時唯一のアーチェリー雑誌だった。それを購読し、そこに広告が出ていたHunting with the Bow and Arrow(1923)という購入し、そこから専門知識を学びとり、オレゴンからイチイの一枚板を購入して、初めての実用的な弓を作り始める。

*これは所謂セルフボウというもので、一枚板からできている。そのほかにバックドボウやコンポジットボウなどがある。

1931年、大恐慌の中、ホイットは父親と副業で矢づくりの仕事を始める。30代の時、景気が回復したのを受け、セントルイスのワシントン大学に通い、エンジニアリングを学ぶ。昼は大学と父親の会社の手伝い、夜はギターリストという生活を送る。

*アメリカでは社会人学生は珍しくない。

40代初頭がホイットの人生の転機だった。大学を卒業したホイットはカーティス・ライト航空のエンジニア部門(のちのマクドネル航空)に職を得ていた。しかし、父親の会社が戦争の影響で倒産したことにより、父親は矢づくりが副業から本業となる。自分も週60時間の本業をこなした後に、父親の矢づくりを手伝うようになる。
しかし、1946年に矢作り職人として多くの顧客を持っていた父親が病に倒れ、ホイットはアーチェリービジネスから手を引くか、エンジニアとしての職を辞すかの選択をすることを迫られ、彼の決断がアーチェリーの歴史を変えることとなる。

「アーチェリービジネスに舵を切ったことは、最初のうちは間違った決断だと思っていたんだ。マクドネル航空での良い仕事を離れてから最初の3、4年、アーチェリーの仕事の出来はひどかった。でも4年目から風向きが変わったんだ。それからは右肩上がりさ。その傾向はずっと続いていた。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.183)

ホイットは1946~1978年までアーチェリー業界のトップを走り続けた。1978年、ホイットは会社の経営権をCML Groupに売却し、5年後の1983年に経営権はイーストンに、さらに売却された。その間、ホイットは社長から退いたものの、副社長と研究部門の責任者、コンサルタントとして、かつて、オーナーだった会社に籍を置いた。
ホイッとはアーチェリー業界団体(AMO 現ATA)の理事としても、活躍し、現在のアーチェリーの道具に関する基準(AMOスタンダード)の95%以上に関与している。

ハンターとして
ホイットはハンターでもあったが、あまり、情熱的とは言えなかった。

「あるときフレッド・ベアーと話したけど、彼は僕に言ったんだ。彼のハンティングに対する情熱は、対象が何であれ、大きな獲物を仕留めることだってね。僕は逆にそんな欲望は持ったこともなかったね。…中略…いまでは獲物を仕留めることはまったく重要ではなくなってしまった。一番大切なのはハンティングのその場にいるということなんだ。…中略…単純に僕は大自然の中で獲物を追い回すことそのものを楽しんでいるんだよ。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.185-186)

*フレッド・ベアーは当時のトップメーカーBear Archeryのオーナーで、伝説的なハンター。

ロングボウの思い出
今でこそ、リカーブボウメーカーとして知られるホイットだが、彼はロングボウを作ることから始めた。ロングボウを作るとき、特にひいきしていたのは、オーセージだった。

「僕はオーセージをちょっとひいきして使っていた。すごく丈夫な木だからね。ハンティングボウには特にそうだったよ。イチイの方がより引き味が優しいシューティングボウになり、ターゲットシューティングには最適だった。でも僕がオーセージを好んで使っていたのは、それがミズーリ原産であり、丈夫で良いハンティングボウを作るのに向いていたからさ。
あとは手に入れやすかったということもある。でも、外に出てオーセージを見つけてそれを切り倒し、そこから弓を作るという単純な話でもない。山を1マイルほど下っていっても、弓を作るのに十分な均一性とまっすぐさを持っている木を見つけることは簡単ではない。何故ならオーセージは大抵曲がりくねって育ち、一枚板から作ることはほぼ不可能だ。普通は木をフィッシュテールして接ぎ合わせる。そうすれば同じ丸太から接ぎ木を取ることができるから、同じ性質を持ったウッドを両方のリムに使うことができる。」

(Traditional Bowyers Encyclopedia P.186)

現在の弓からは異様に見えるが、当時はレストがなく、シューターのこぶしに矢を載せてシューティングしていた。そのために、羽のトリミングをしっかりしないと、射ったときに、羽の筋が拳の肉をえぐって飛んでいく、しかし、アローレストとしての機能を果たしてきた、傷だらけの拳は、むしろ、ホイットには誇らしいものだったようだ。

ホイットの執務室のオーセージのロングボウの横には、古いスタティクリカーブボウがある。

*リカーブの深さにより、セミリカーブ・スタティックリカーブ・フルワーキングリカーブの3種類に分類される。

「僕はカムやスタティックリカーブから、シューティングが滑らかでより効率的なリカーブに移っていった。歴史的に見るとこの進化は比較的最近できたものだ。最初のリカーブは30年代後半に登場した。そのタイプのリカーブを最初に作ったのはビル・フォルバース(Bill Folberth)だった。彼は情熱的なアーチャーであり、イノベータであり、初めてリカーブを導入した人物だった。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.188)

*Folberth Bowのオーナーで、弓のラミネートやリカーブに関する特許を持つ(US2423765)。

執務室にはほかにもいくつもの思い出深い弓がある。1947年、ホイットは初めてリムのダイナミックリムバランスを得ることに成功した。つまりは、上下のリムの長さを初めて同じにした弓を作った。昔の弓のグリップはただの棒のようなものだったが、1948年にはピストルグリップを弓に搭載した。1951年には安定性を向上させたデフレックスボウと、パフォーマンス重視のリフレックスボウの製造を開始。60代の時には、ハンドルに安定性を持たせるために、ハンドルの重さを増やすこと仕組みを開発。ウッドハンドルに穴をあけて、その中に鉛を入れるというものだ。

「あるとき僕は弓にウェイトを入れるという発想がミスだということに気がついたんだ。より伸ばした状態のウェイトがあればもっと良くなると考えた。スタビライジングの原理を説明するために僕が挙げた例は、箒を柄の端で持って、その移動への抵抗の感覚を掴むということだった。そうするととても速く動かすことはできない。でも柄の真ん中で持つと、さっきと比べて驚くほど動きへの抵抗はなくなる。これが単純な物理の法則を用いたスタビライザーの原理の説明だ。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.188)

1961年、ホイットはこの原理を利用したスタビライザーが搭載された弓を持って、アルカンザスのホットスプリングスでおこなわれたナショナルフィールドアーチェリーアソシエーションチャンピオンシップに行った。会場では「ドアノブ」と馬鹿にされたものの、この弓を使用したロン・スタントンが、新しい弓で新記録を樹立し、その仕組みは一気に有名となった。

グラスからフォームへの挑戦
1970年代前半、エキゾチック・ハードウッドの値段が高騰し、低価格の金属ハンドルが人気となった。ホイットは、エキゾチック・ハードウッドから、メイプルに変更するものの、結局は1973年にすべてのラインナップが金属ハンドルになる。

リムでは、まずグラスファイバーを研究した。グラスファイバーをリムに使用することに関して、ホイットは決してトップランナーではなかったが、熱心に研究した。特に注目したのはグラスの色。もっとも性能が悪いのはグレーのグラスファイバー。グレーの顔料が接着材に影響し、接着が不完全になってしまう。白もダメだった。白のグラスファイバーを作るのには大量の顔料が必要で不純物が増えてしまう。日光の影響を抑えるためには、リムは黒にしないという大原則があったが、黒のグラスファイバーは一番性能がとてもよかった。もちろん、透明のファイバーもよいが、黒とは大差がない。

ホイットの次の挑戦はフォーム素材だ。

「初めてファイバーグラスを使い始めたとき、ウッドコアボウと呼ばれているもののコアがイチイだろうとオーセージだろうとなんら代わりはないと思った。だってそれ自体がより性能の高いモジュラー素材に挟まれてしまっているからね。この素材、ファイバーグラスは非常に素晴らしい素材で、矢を推進させるエネルギーに長けていた。そのために、ウッドコア基礎(glue base)とスペーサーにすぎなくなってしまった。コアの重さ以外は、もはや弓のダイナミックな物理特性に影響を与えることはない。

コア材にブレークスルーができた。それは比重がメイプルよりも軽いプラスチックで、直径60マイクロンほどの微少中空体からできている。この素材は非常に高い耐久性能がある。必要な物理的特性をすべて持ち合わせ、湿度の影響を全く受けず、熱や寒さにも強い。僕たちの新たな特許技術のシンタックスフォームコアはすべての面でよくなっている。これが長年に渡る「コアウッド」のスタンドダードとなる可能性は高いと思っている。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.189)

*シンタクチックフォームのこと。微細中空ガラス球入りエポキシ樹脂。

しかし、フォームコアの製造はとても困難だった。まずは、フォームの内側には気泡が含まれているが、この大きさを均一にすることができなかった。試作品はすいすいチーズのように気泡は大きさがバラバラで、とても均一ではなかった。また、完成したフォームの加工も困難だった。マイクロスフェア構造という特性のために、ブロックからラミネートするために切り出すとき、グラスファイバーの何倍もの負荷が機械にかかり、刃がすぐにボロボロになってしまうのだ。いくつかの困難を乗り越えたホイットのシンタクチックフォームコアリムは、いくつもの世界記録を塗り替えることになる。

スピードよりも安定性
リムの性能には多くの面がある。ホイットが最も重視していたのはリムの安定性だ。スピードよりも、リムが安定して正確に、ミスに対する許容性が大きい事を重視して設計していた。安定性・スピードのほかにも、スムーズさや、効率性、振動の少なさなども必要だが、すべてを一つのリムに盛り込んだ究極のリムはまだ存在していない。すべてのメーカーは、優先順位をつけて、妥協しながらリムを設計している。

「メーカーによってそれぞれが異なる特定の能力に力を入れているのが分かる。多くは精確性を犠牲にして、スピードに傾倒している。しかし、高いパフォーマンスから発生するストレスによって、弓の寿命は縮んでしまう。どの能力に力をいれるか、重要度はそれぞれ異なる。僕の場合、最も優れた弓とはこれらすべての要素のバランスが良く取れている弓で、かつ安定性に重きを置いているものだ。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.191)

コンパウンドとクロスボウ
矢作り職人としてアーチェリー業界でのキャリアをスタートさせ、ロングボウの製造からリカーブボウの製造に移行したのち、ホイットはコンパウンドボウの製造をスタートする。アーチェリーのマーケットは大きく変化し、アメリカ最大のマーケットであるハンティングボウはロングボウ/リカーブボウからコンパウンドボウにかわっていく。1970年代にその変化についていけなかったアーチェリーメーカーの多くは破たんした。シェークスペアのアーチェリー部門やウィング・アーチェリー(世界初のテイクダウンボウを開発したメーカー)などだ。

「僕は昔コンパウンドに対して偏見のようなものがあった。昔の古い会社はみんなそうだった。ベアやピアソン、他の先人たちもみんなコンパウンドに背を向けていた。彼らはみな、それを弓とは思わなかったんだ。僕らは偏見にまみれ、視野が狭かった。」

「僕にとってクロスボウは、(ロングボウと)歴史的には対等でも、ロングボウほどのロマンスが感じられない。この主張は議論する余地があることは分かっている。でも僕は、クロスボウが人気のあるものになるとは考えていない。その鍛錬には、手で握って、手で引いて、手でリリースする弓ほどの挑戦が必要ないように思える。当然、クロスボウに情熱を注いでいる熱狂的な人たちがいて、彼らが自分のやっているスポーツを促進しようとしていることも理解できる。それは僕にとっては関係のないことだけど、彼らの成功を祈っているよ。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.198)

ホイットはコンパウンドボウを開発し、販売する決断をする。一方で、クロスボウとは距離をとり続けた。今でも、ホイット社はクロスボウの製造はしていない。
ホイットのインタヒューを読むと、やはり、現在のアーチェリーメーカーの開発者とは明らかに違う。最高の競技用リカーブボウを開発していたものの、用語の使い方(self bow – backing – working recurve)や考えは、ロングボウの開発者そのものだ。

ホイット社を78年に売却した後も在籍していたが、のちに、ロングボウ職人のJim Belcherとともにロングボウ中心のアーチェリーメーカー(Sky Archery … ホイットの死後マシューズに売却)を立ち上げたことからも、やはりロングボウを作りたい気持ちは強くあったのではないかと思う。


ベガスシュートから戻りました。

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ベガスシュートから戻り、たまっていた仕事をこなして、やっと少し落ち着いてきました。この1か月で15回も飛行機に乗り、さすがにちょっと体がきついです。。。頑張ります。
先日の記事の後、町から車で3時間ほどのところにあるマヤの遺跡(チチェンイッツア)に行ってきました。2012年で世界終了みたいなことを言ってる人いましたが、無事2013年を迎えられてよかったです。メキシコのカンクンは26度なので半袖です。
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さて、ワールドカップ・ステージ3と同時開催となったベガスシュートですが、当然、開催場所はラスベガス…正直、ラスベガスは苦手です。それで、これまで一度もベガスシュートに行ったことがなかったのですが、まぁ、仕事ですから、一度は行ってみることにしました。でも、まぁ…やっぱりこの町は苦手です。こういう試合のいいところは、トップアーチャーを間近に見ることができて、交流できることですが、ベガスは…タバコ吸いながら酒飲んで、みっともないような姿勢でスロットやっている女性アーチャーの姿を見たりすると、間近というか、逆に残念な気持ちになります。
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会場はNimes同様に2つに分かれていて、誰でも参加できる試合の会場(写真上)と世界戦が行われているメインの試合会場(写真下)があります。目的のメーカーのブースは世界戦が行われている会場の横のスペースにあり、出店しているメーカーの数はATAに比べるとわずかです。会場の広さもATAの1/20くらいだと思います。
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ベガスシュートにしか出店していないメーカーもありますが、基本的に1月のATAがプロショップ向けの展示会で、ベガスシュートは一般のアーチャー向けの展示会になります。HOYTは一番いい場所に陣取ってアパレルを頑張って売ってました。
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新商品はほとんどNimesで見てきましたので、新しいものはほとんどありませんでしたが、上は初めてお会いしたFIRST STRINGさん。急成長している完成弦メーカーです。
世界で最も評価の高い完成弦メーカーはウィナーズ・チョイスですが、ずっとここと契約していたコンパウンドの世界で現在一番勢いのあるレオ・ワイルド選手が、2012年にこのメーカーに乗り換えました。2013年に入っても結果を出し続けてるので、良い弦なのでしょう。取り扱うかは決めていませんが、継続的に話していこうと思っているメーカーの一つです。今後に期待です。
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こちらの会社はアーチェリーのセミナーなどをメインとしているところで、最近はいろいろと面白いアーチェリー用品を作るようになっています。こちらも、取引はしていませんが、定期的にチェックしているメーカーさんです。すごい軽いのが売りのスタビライザーや、ユニークな形のVバーなどが展示されていましたが、生産量が少ないためか、値段はかなり高めです。今後に期待しています。
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MKコリアのMKX10ハンドルの新色のペイントの白です。写真にはありませんが、1月に発表された新色のライムは発注していますが、この白はどうするか未定です。見た感じ、ちょっと心配なレベルの仕上がりです。HOYTでいうと、カスタムペイント(GMXなどに使われています)レベルではなく、パウダーコート(EXCELに使われています)レベルのペイントです。ただ、白は需要はある色なので、改善要求を出して、しばらく様子を見たら、取り扱いしようと思っています。
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こちらは最近ちょっと元気がなかったSKYアーチェリー。ホイットを引退したホイットさんが、トラディショナルボウのベテランJim Belcherさんと立ち上げた会社です。
老舗のアーチェリーメーカーにありがちな、世代交代などの問題だったと思いますが、取引がないメーカーにはあまり裏事情は聞けないので…詳しくは知りません。
SKYアーチェリー
http://www.skyarchery.com/

ともかく、いろいろとあってあまり積極的な営業はしていなかったのですが、新しいスタッフを迎えて、もう一回頑張るようです。写真はTR7というハンドルです。
ハンドルの方がなかなか良い出来でした。ただ、リムは…2000~2004年あたりのモデルからどの程度進歩しているのか疑問です。引いただけで実際にうってはいないので断言はできませんが、リムも新しいものを開発してくれれば魅力的なリカーブメーカーになるのではないかと思います。
製造の技術力には業界の中でも定評があります。リムでは一般的なフォームコアやウッドコア以外にも、バンブー(竹)コアのリムなどを作っています。製造には定評がありますが、ホイットさんが90年代に設計したリムのデザインをずっと使っていて、新しい素材や技術は試しても、リムのカーブ(リム全体の曲線)はずっと新しくしていません。もう20年近くになるので…そろそろ、新しいカーブに挑戦してもいいころ合いではないかと思うのですが。
SKYも取り扱いはしていませんが、定期的にチェックしています。最近元気な会社の一つで、あとは、元気に頑張った結果を今後出せるかどうかです。後、取引先のJagerアーチェリーの社長が仲良くしているメーカーで、SKYアーチェリーにグリップを供給しています。
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ここまで、取引していないメーカーの話でしたが、取引先ではSIMSが新しいリムセーバーを発表しました。
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振動の測定をすると、よく見るような振動のグラフを得ることができますが、さらにあるアルゴリズムを使用して、FFT解析をすると、どの周波数の振動が一番多いのかを知ることができます。ゆったりした大きな振動が多い弓なのか、細かい振動が多い弓なのか、いろいろなパターンがあります。
この分析から振動の大きい周波数に合わせて、その振動を吸収するために開発されたのが、ブロードバンド・リムセーバーです。
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なんかちょっとすごそうな商品ですが、開発と製造のチューニングにはすごいテクノロジーが使用されていますが、完成された構造は簡単に言えば、柔らかいゴムダンパーと硬いNAVCOM素材(手触りはシリコンの様な素材です)を組み合わせたハイブリット構造のリムセーバーになっています。2つ以上の素材を使用しているリムセーバーは初めてではないかと思います。
リンクが着色されていて、このリングだけの交換も可能です。この2つの素材をうまく組み合わせたことで、ピークの振動をうまく吸収できるそうです。2月後半か3月初めに入荷する予定です。
と、新商品はこのくらいでした。あまり見ごたえがある会場ではなく、また、メーカーも一般アーチャーを想定してブースを出しているので、プロショップ向けの価格表なども用意されていません。ちょっと残念な感じでした。

試合の方はあまりじっくりと観戦する余裕がありませんでしたが、もう、ArcheryTVにアップされているようなので、どうぞ。


2012 Hoyt RKT-CAM&1/2

2012年ホイットの新作(コンパウンドに関して)に、おいては大きな動きが無かったのは既報のとおり。

その中での注目は、なんと言っても新作カム「RKT-CAM&1/2」ですね。

今日はそのRKTカムのお話をば。

まず一番の“ウリ”は、スピードアップ。
そこから進めましょう。

その前に、搭載されるモデルは、、、
カーボン・エレメントRKT
カーボン・マトリックスRKT
ベクター32・35・ターボ
そして、アルファエリートです。

新作のベクターシリーズは別にして、昨年モデルからあるカーボンマトリックスプラスやエレメント、さらにアルファエリートにはFUELカムが搭載されていましたが、それらがRKTカムに変更されたという事ですね。

大幅な?変更ではないですが、他社に後れを取っていた「スピード」に少しでも追いつこうという努力が見て取れます。

じゃあどれだけアップしたのか、です。

ATAレーティング数値*はこんな感じです・・・

・カーボン・エレメントRKT
323fps ⇒330fps

・カーボン・マトリックスRKT
318fps⇒325fps

・アルファエリート
320fps ⇒321fps

アルファエリートの上り幅が、1fpsって。。。
も少し欲しいところではないっすか。。。(苦笑)

それ以外は7fpsのアップですね。

ちなみに、新作の・・・
・ベクター32
330fps

・ベクター35
325fps

・ベクター・ターボ
340fps

ターボの340fpsは中々ですよね。

ベクター35とターボはともにアクセル間が35インチ。
ターボの方が、ブレースハイト3/4インチ低いハンドル設計になっています。

具体的な内容についてです。
今回ホイットはスピードを追求したカムを設計したわけですが、それに伴うデメリットも考慮した味付けとなっています。

エルゴドローシステムと銘打たれた、ハイスピードカムにありがちなハードな引き味・・・ほどではなく、なおかつ引き戻しの動作も比較的ラクになりました。

そして、ウォールは硬すぎず柔らか過ぎず、適度なフィーリング。
・・・これはもし、ウォールが硬すぎると、エイミング中に少しでも余分な力が加わるとサイトがブレがちになってしまいます。
また反対に柔らか過ぎたりすると、アンカーポイントが定まりにくくなります。

と言う事で、「そのあいだのちょーどイイ感じの頃合いで、なおかつスピードが速いよ♪」
とも言っています。

さて、このRKTカムは3つの大きさの違うベースカムで構成されています。
んで、それぞれドローレングスに関係なく、最大のパフォーマンスが発揮できるようにカムが回りきる設計となっています。
例えば、ワンサイズの直径のカムで幅広いドローレングスをカバーしようとすると、カムが回りきらず、スピードがロスを起こし、パフォーマンスが低下し非効率的になってしまいます。
ホイットが言うには「それをするのは簡単だが、安易にしてしまうと、必要なスピードが生まれない」とのことでした。

ふーん、なるほどね。

なので、ドローレングスの短い人のために小さなカムを、長い人のために大きなカムを設計したんですって。そうする事でカムのパフォーマンスを最大限に引き出せるんだよ、ってね。

カム自体の特長としては、ケーブルトラック(ケーブル溝)の肉厚化。
プラスチックパーツを一切使わない、ハイグレードな金属で構築されたベアリング類。

総合して、スムーズな引き味、ラクな引き戻し、そしてなりよりもそのスピードを体感してちょうーだい。

て、ホイットのスタッフさんは熱く語ってくれました。

RKTカム搭載のHoyt コンパウンドボウは、月内に入荷予定です♪

*ATAレーティング・・・矢尺・30in、重さ・350グレインの矢で、#70ポンドの強さにて計測する数値

 


ホイットHOYT 2012のまとめ

PDFで配布されているカタログはこちらです。

hoyt2012cover.jpg
ホイット 2012


詳細はカタログを見ていただくとして、要点を下記にまとめました。
<リカーブ>
以前の記事で書いたとおり、新しいHPXハンドルとF7リムでWIN&WINに負けていた矢速を追求。それ以外は、いいニュースなしなんです・・・・。新しいリムボルトくらいでしょうか。
・HPXハンドルとF4リムの発売
・その他のFormulaシリーズは継続で、2011年モデルと2012年モデルの違いはリムボルトとリム。2011年のリムは音を消すためのシールをリム側に装着しているのに対して、2012年モデルではハンドル側に装着していますので、異なる年度のモデルを組み合わせるときには注意が必要。
・また、リムボルトを加工して2012年のものを入れ替えことで、既存の2011年モデルを最新のモデルにアップグレードすることが可能。当店では30ペア予約しています。
今年一番の売れ筋のGMXアルミハンドルは…ショートハンドルの23インチモデルが廃番です…。こちらも、2012年モデルはリムボルトがリムに密着する新型のものにマイナーチェンジしています。当店の2011年モデルの在庫はショートが残り3本、ロングはピンクのみ。2012年モデルは10月末の入荷予定。
・既に大手代理店でも在庫処分が進んでいますが、ネクサスは廃番です。
・と言うことで、HOYTはExcelというセンター調整がないモデル以外では、ショートハンドルの製造を停止、23インチをお求めの方は韓国メーカーしか選択肢が無くなりました。
・なにも変更がないのは、HorizonとExcelとHDS(ILF)タイプのリム達。990TXなど変更がなかったリムについて、特に値下げなどはありませんでした。

<コンパウンド>

コンパウンドはハンドルに大きな変更はないものの、CAM&1/2plusが無くなる事が9月には決まっていて、だいぶ前から準備を進めていたのが、RTKというカムです。矢速面で他のメーカーに追いつこうとして準備したもので、大幅に矢速が向上しています。
Vector_Turbo_Black.jpg

・新しいハンドルはVectorというものですが、32/35/Turboの3つともハンティング用。
rkt.jpg

・カーボンハンドルの新しいものはなし、カムがRKTになり、名称もハンドルに後ろにRKTとついただけ。スペック的には両方とも、2.5%程度矢速がアップ
ターゲットモデルも新しいハンドルはなし、新色もなく、さらに、RKTを選べるのはアルファエリートだけで、かつ、引き味以外のスペック面では、矢速が1fps(0.3%)向上しただけ…
・カム&1/2が廃番になったために、バンテージエリートとコンテンダー(とコンテンダーエリート)で選べるカムはGTXとSpiralXだけ。もちろん、スペック面での進歩はなし。
・正直、Cam&1/2がなくなると聞いた時には、次世代カムにモデルチェンジだと思っていましたが、販売するモデルを絞り込んだだけでした。
・唯一のいいニュースはターゲット2012年のアルミハンドルは少し安くなります。
以上です。


ホイット2012年、新しいロケットカム(RKT Cam & 1/2)

19日はHOYTの2012年の新商品の解禁日です。現在、まとめ記事を書いているところですが、今日は家に帰るの何時になるんだろうっていう感じです…
2012年もコンパウンドの方はカーボンは既存のハンドル(チューブ構造)で、カムがロケットカム(RKT Cam)になります。矢速が他社に比べてHOYTは遅かった分、リカーブ同様、今年のコンパウンドラインはそこに力が入っているようです。
後は、Vectorという聞いたことあるような弓が。
また、更新します。


ついに、国内定価が海外の実売を下回る

あっと言う間に3月ですね。1月~2月のブログの記事でいろいろと新しい商品を紹介しましたが、そろそろ発注を出す時期です。メーカーの代理店に出す小さなオーダーはすぐに発送されますが、メーカーへの発注は納品までに3-4週間はかかりますので、2011年度になる4月の中旬までに確実に納品をしてもらうためには、そろそろ発注をしないといけません。発注担当にとっては、実質的にはもう2011年度が始まっています。昨日、最後まで価格表が完成していなかったSIMS(リムセーバーを作っている会社)から、価格表が届きました。これで全メーカー出揃いましたね。
SIMSからはカラーのリムセーバーが発売されます。色はPink, Green, Blue, Purple and Redの5色だそうです。楽しみです。商品は発注済みです(各色12個)。2-3週間で入荷すると思います。
ややこしいですが、現行のSIMSのリムセーバーはウルトラマックスです。ウルトラクワッドやウルトラは3-5年前に製造していた旧商品です。
2010年度を振り返るとお客様には見えない業界内の流通や価格付けのやり方などでかなりの変更がありました。見えるところですと、老舗メーカーの一部商品で国内定価が海外の実売を下回ったのはびっくりです。
例えば、イーストンのデジタルポンドスケールですが、海外のイギリスの有名な通信販売では15,300円(136ユーロ)で販売されています。当店でも同じくらいの価格で販売をしていましたが、イーストンの日本国内の定価(実売価格ではありません)が、なんと15,000円になりました。旧価格は25,000円でしたので…どんだけ高かったんだよという突っ込みはさておき。
何十年前の事は分かりませんが、イーストンやホイットといった老舗メーカーの商品の国内定価が、海外の実売価格を下回るのは、自分が知っている限りでは初めての事です。
・イギリスの通販実売価格
EASTON デジタルポンドスケール 税別 15,300円 税込(17.5%) 18,500円
・日本で定価で購入した場合
EASTON デジタルポンドスケール 税別 15,000円 税込(5%) 15,750円(定価で買っても17%割安)
*あちぇ屋では14,800円(税込)
*日本からイギリスの通販を利用した場合は1万円以下であれば課税されませんが、2万円以上の場合は5%(アーチェリー用品の場合)課税されます。
とはいっても、このような状態になった商品もあれば、例えば同じHOYTの990TXリムでは
・イギリスの通販実売価格
HOYT 990TXリム 税別 46,000円 税込(17.5%) 55,300円
・日本で定価で購入した場合
HOYT 990TXリム 税別 82,000円 税込(5%) 86,100円(定価で買うと56%割高)
*あちぇ屋では48,800円(税込)
と定価が実売価格からかけ離れた商品も多くあります。
以前の記事で、業界の最後の対立軸は100円ショップとプロショップだと書きましたが、イーストン商品は利益率を低くして販売し、HOYTで回収するという100円ショップ的なやり方をしないと生き残れないようになっていくかもしれません。この方向には行ってほしくなかったのですが。。。
このイーストンの新価格は2011年の1月後半時点で業界内に伝わりましたが、現時点でも通信販売しているプロショップでは、国内定価よりも高い価格で販売を続けているショップがいくつかあります。代理店間で調整が難航しているのか、抵抗しているのかは分かりませんが…しばらくはこの状態は続くのでしょう。
業界内で新しい問題が発生している一方、昔あったようなプロショップの新規出店に関しての妨害や困難は無くなりつつあります。おかげ様で埼玉に出店した私達は助かっていますし、2011年もどこかで新しいショップが開店するかもしれません(大型店を中心に競争が激化している東京と大阪以外であればまだまだチャンスはあります)。
不安もあり楽しみもあり…結論、ひたすら仕事に打ち込むべしということでしょうね。では、これから発注作りします!


(未確認)新しい”複合”2011 Matrix Xtreme

HOYTの2011年のモデル発表まで、あと3週間を切りまして、いろいろとありますが、コンパウンドの方では2011年は”Carbon Matrix Xtreme“が発売されるそうで、海外では盛り上がっています。以下、あくまでも未確認情報として。
**未確認情報もいろいろとありますが、こんなモデルが出るかもという情報は、メーカーにとっても発表がむしろ盛り上がり、風評被害の類の情報とは違うと思いますので取り上げました。
さて、個人的にはアルミハンドルが好きなのですが、トップメーカーはいずれもカーボンハンドルの開発に注力している現状で、”コンポジット(複合)”というのがキーワードになってきています。ここに、ホイットが新しい”複合”という概念を出してきそうです。

hoytmatrixxtreme2011pur.jpg

(ネタ元)http://www.archerytalk.com/vb/showthread.php?t=1309531&page=2
クリックしていただければ拡大しますが、構造的には、ハンドルを構成する3本のチューブのうち、2本のカーボンチューブをねじったものが弓の本体をなし、1本をHOYT得意のアルミTECブリッジとしてハンドルの剛性を確保しています。
WIN&WINはエキスパートハンドルで、カーボンとアルミを張り合わせて使用していましたが、このような構造でのアルミカーボンハンドルは初だと思います。貼り合わせる、混ぜ合わせるだけではなく、ねじり合わせるというのでしょうか。これをコンポジットと呼べるかはともかく、新しい形のアルミカーボンハンドルであることは間違いないですね。
正式発表は今月中旬です。どんな形で発売されるのか楽しみです。


HOYTは10月18日だそうです。たぶん。

6週くらいで連続の休日出勤。。少しは休みが欲しいのですが…月曜~水曜は出張。今日会社に来たところ、FAXにスコアノートの見積もりが届いていました。土日に仕事しているのは自分だけではないと印刷屋さんに元気づけられました。
大宮店オープンでの自分の仕事もあとは会計の方法を決めるくらいですが、今週後半からは現場で商品の納品やオフィス内装・配置・配線など。。大変そう…ではなく、もちろん自分もそっちまでヘルプに駆けつけますので、今週末の金曜日(17日)か、来週の月曜日(20日)はスタッフ全員出払って、あちぇ屋を臨時休業にするかもしれません。まだ確定ではありませんが、今週末の注文は若干納品に遅れが出ると思います。
また、先週はホイット社員が日本に来ていろいろと話して去って行きました。まず、発表できるところではHOYTのエクリプス(Eclipse)は生産が終了するそうです。当店では黒と赤が確か3週間程度在庫切れとなっており、3週間前から注文を入れているのですが、この注残分が手に入るかは微妙です。このまま二度と入荷しない可能性が7割。
新商品に関しては、当然、中身は発表できませんが、まだ確定ではないものの、今年の一般ユーザー向けの新商品発表、HOYTの2011年モデルの発表は10月18日になるとか。
後になって気付いたのは、これって何処の時間でしょうか。去年はHOYTいわく、10月15日だったものの、これは日本時間の16日。確認忘れましたが、たぶん、今年のHOYTの新商品は10月19日にリリースが出ると思います。お楽しみに。
それとKAYAに引き続き、ハスコさんの方でUUKHAのテストが始まります。(まだ届いていない様ですが)
http://hascoarchery.blog113.fc2.com/blog-entry-64.html
ハスコさんの方のテストではどのような結果になるか楽しみです。
あと、Ux100リム使用のフランス選手が世界フィールド選手権のジュニアの部で優勝したそうです。おめでとうございます。