世界ターゲット選手権 2013 トルコ 観戦記 その1

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仕事も落ち着き、やっと、記事が書けそうです。国体の会場で多くのお客様とお話しする機会がありましたが、一番驚いたのは話題によっては、実際に会場にいた自分よりも、世界選手権ネタに詳しいお客様がいたりしたことでした。
インターネットの力というものでしょうか。ほぼすべての情報がリアルタイムに世界中に発信されるようになり、実際に会場に行くよりも、ネットで家で観戦したほうがいい時代なのかもしれません。今回実際にトルコまで行き、往復で40時間近く移動にかかったために、逆に試合の情報の入手に出遅れるという事態に…。
ただ、業者の私たちは中継の動画とはまた違う目線で試合を見ているので…直に行く必要はまだまだありそうですが。。。
さて、決勝はビーチで、予選~1/4までは上の写真の黄色で囲んだ場所、ビーチから歩いて30分程度の場所だったために、非常に風の強い試合になりました。
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会場に続く道は本当に何もない道…ひたすら歩きます。別荘地のようで、道の両側の住宅の半数プール付きの豪華な住宅。関係者の並さんはホテルからの送迎バスでの移動。
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会場はこんな感じで、すぐ隣に同様の練習レンジが2つ。試合会場から練習場への移動時間は1的なら10秒(84的は2分くらい)という、最高な環境でした。会場の隣にはブース会場があり、地元の代理店、WIN&WIN、試合に的と雨具を提供した代理店のJVDの3社がブースを出していました。その隣にはホテルからのケバブとハンバーガーショップが出張できていました。ケバブをいただきましたが、なかなかおいしかったです。
WIN&WINのブースでは来場者に「Turkish delight(トルコの悦び)」というお菓子を配布していました。味は…個人的にはあまり好きではないのです。。。
今回会場では、ドル・ユーロ・トルコリラの3つの通貨が流通していました。
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到着した時はまだ弓具検査・プラクティスの日で、会場で弓の再チューニングをする選手もいました。また、今回男子団体リカーブで優勝したアメリカチームは、(全チーム中唯一)本格的なマッサージベッドを会場に待ちこみ万全な体制な体制で選手をサポート。
試合会場では多くの知り合いに会うことができました。昨年にワールドカップファイナルで一緒に食事したオランダのコーチは、イタリアチームのコーチとして移籍していたり、フランジィーリ(父)からFB5.3を紹介されたり、面白い話ができました。
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新しくところでは、ダニエル・ブラウンさんとお話しすることができ、ヴィットリオ・フランジィーリさんから、娘さんのカーラさん(むろん写真一番左)を紹介していただきました。とてもきれいな方でした。
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以前、記事でアメリカのエリソン選手がホイットの新型リムをテストしているのではないかという話を書きましたが、その720リムと現行祭事用意モデルのF7リムと、どっちで世界選手権に臨むのかなと期待していたところ…なんと古いモデルのF3リムで試合に臨んでいました。
以前使用していた720リム、F7リムともに満足できなかったから、F3リムに戻したのでしょう。個人的にはかなり意外な結論です。また、この部分についてはまた触れると思います。
続く。


2014年モデル ベア・アーチェリー

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コンパウンド・トラディショナルボウのメーカー、ベア・アーチェリーが2014年モデルを発表しました。今年の5月に2013年モデルが少量テスト入荷しましたが、10万円を切る価格でも性能はまとまっている印象でした
メーカーのホームページも更新されています。
ベア・アーチェリー 2014
http://www.beararcheryproducts.com/overview

その中でも、アジェンダ(Agenda)6という上位機種には、2年前に発売されたアークテックのCPRシステムに相当する仕組みが、これまでにない機構で搭載されています。
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どのような動作するかは0:23あたりの映像でわかるかと思います。
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また、ユニークなハンドルのデザインで、以前のホイットのネクサスのようにダンパーが直接ハンドルに埋め込まれています。
あまり、深い付き合いはないメーカーなので、すぐには入荷しないと思いますが、再度テスト用に何モデルか注文したてみたいと思います。


【都市伝説】 HOYTの新しい2014年モデルの最新リムが公開テスト中

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この記事は都市伝説です。信じるか信じないかはあなた次第!!
上の写真は最新のブレディ・エリソンの写真です。7月21日(日)に撮影されました。
なにか気が付きませんか??

そうです。世界のトップアーチャーであるブレディ・エリソン選手ともあろう方が、リムにホイットの上位モデルのF7リムではなく、中位のCarbon 720リムを使っています。実売で3万円のリムです。リムのロゴ表示がCarbon 720であるのは間違いありません。
これを見てどう感じますか?
道具屋としての見方は2つです。
その一は、本当にF7リムが嫌になって、仕方なく中級クラスのCarbon 720リムを使っている。そう思われる方はこれより下は読む必要はありません。
その二。F7リムは両サイドが塗装されていないリムです。サイドからラミネート構造を確認できます。これでは新しいリムをテストできません。リムのサイドを見られたら一発で新しいリムをテストしていることが、ばれてしまいます。
ホイットは大っぴらに新しいリムの公開テストはできません。しかし、だからと言って既存の競技用モデルであるF7リムの塗装もできなかった。そのために、ホイットは新しいリムをごまかすためのカモフラージュのリムの塗装を、違和感が生まれないF7リムではなく、Carbon 720リムを採用するしかなかった…そのために、アメリカのツートップのトップアーチャーがそろって(後述)、(見た目では)中級のリムを使用するという事態が発生していると…妄想したりね。
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写真の上は実際のCarbon 720リムのサイドの写真、写真の下がエリソン選手が使用しているCarbon 720リムです。どうでしょうか。同じだと思いますか?
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ちなみに、同じワールドカップに出場しているアメリカナショナルチームで、団体を組んだジェーク・カミンスキー選手も、予選ではCarbon720リム(写真上)を使用しています。ただし、決勝では間違いなく正規品のF7リムを使用しています。
写真の上が7月16日のワールドカップ・ステージ3の予選での弓、写真下が5日後のワールドカップ・ステージ3の決勝での弓です。
これが自分のホイット2014年に対する予想です。正式な答え合わせは10月の中旬になります。

追記

こちらが答え合わせになります。


イム選手がMKとW&Wからホイットに転向

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少し前のニュースですが、ちょうど動画もアップされたので。以前はMKX10ハンドルに、WIN&WINのリムとサイトという韓国づくしの弓でしたが、ステージ2からはホイットのフォーミュラーRXハンドル+F7ウッドコアリム+アクセル(アメリカのサイトメーカー)のアチーブサイトとアメリカづくしになりました。残っているのはW&WのHMC22とセーカーブラスタブくらいでしょうか。

ホイットがF7リムの注文が多すぎ製造が追いつかないといっていましたが、製造側だけではなく、選手側でも変化が起きているようですね。WIN&WINの地元で韓国代表チームで、3選手中2選手がホイットを使用しています。うん…。
変えた理由は直接は聞いていませんが、毎年この時期は選手の道具は変わります。10月に世界選手権がありますので、ワールドカップと言えど、そこに向けての調整試合です。10月の世界ターゲット選手権の本番にどのようなセッティングで出てくるのか楽しみです。
7月もそろそろ終わりです。もう少し先ですが、2014年のラインナップが気になる時期です。例年ですと、10月1日のPSEの発表を皮切りに、10月の中旬にHOYTの発表、11月にマシューズ、12月の初めにWIN&WINです。今年のベルリンオープンというインドアの試合が12月13~15日に行われるそうです。毎年、この試合でWIN&WINの新商品が初展示になるので、そのころに詳細が判明するのではないでしょうか。
ただし、2011年に同様ホイットの正式発表前にテクミチョフさんがポロリしたように、今年も世界選手権がHOYTの正式発表の直前にあり、この大会で、新商品に早速実績を持たせるのがマーケティング上ベストに違いありません。今年もポロリがあるかもと期待しています★
また、毎年書いていることですが、アメリカのメーカーが基本的に発表後の発送に対して、WIN&WINは発表後に代理店・販売店の感触を確かめてからの製造なので、HOYTの新商品が発表後1週間程度で入荷するのに対して、WIN&WINの新商品は発表後3~4か月後の入荷が一般的です。


HOYT F7リムの XSサイズについての現状

コメントがありましたので、HOYT F7リムの XSサイズについての現状に報告させていただきます。
まず、結論から書きますと、6月末時点でF7リムのXSサイズは生産されていません。また、生産の見通しも全くないです。予約での取り寄せは受けつけますが、納品時期に関しては全くの未定です。
F7リムですが、もともとはホイットからはお客様には知らせないといわれていた商品です。フォーミュラシリーズのハンドルは25インチ以上しかないので64インチの弓を組むことができません。その状況がフォーミュラのセールスに対して悪い影響を与えていることは世界中で報告があり、ホイットは2012年の8月にXSサイズのリムを製造することを決めています。
しかし、XSサイズを製造するためには、生産ラインを一度停止し、ジグをセッティングしなおすことが必要でやると決めてすぐに出来る事ではありません。そのため、ホイットからは生産の見通しがたってからお客様に案内するようにと2012年10月に言われました。しかし、日本では某代理店大きく宣伝したために、お客様の間でも知っている人は知っている存在かと思います。生産の見通しの立っていない商品をなぜ発表するのか…なぜそんなことをしたのかは正直理解できないです。このフライングは商業的な理由というよりは、社内のコミュニケーションの問題でしょう。
当初、ホイットからはジグのセッティングを変更するのはリムの注文が少ない2013年の1月、そこから製造するので2月~3月の納品になるという案内がありました。
しかし、2月になっても、F7リムの代理店からの注文(バックオーダー)を生産しきることができない状況になってしまい、そこから現在でもF7の納品が遅れる状況が続いています。
6月末の案内が最新のものですが、「既存サイズの生産も遅れているので、XSサイズを新規に製造するためにラインを止められる状況にない」ということでした。
8月にホイットは2014年のラインナップを決定するので、F7リムのXSについては、その時点まで進展はないと思います。最短でも納品は11月になりますが、正しい納期は全く案内できる状況にないです。
そのために、このブログではこの商品についてあまり触れてきませんでした。一度生産をすれば、ある程度は作りためるので、生産開始のニュースが入ってから注文しても、初期製造分が入手できない状況にはならないと思います。ちなみに、弊社ではXS-36~XS40までの発注をしています。
新しい情報が入り次第再度お知らせさせていただきます。


イーストンシャフトのシリーズ番号について

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最近質問が増えているのでプロショップとして、イーストンのシリーズ番号についての正式な回答をさせていただきます。

テクミチョフさんが最新号の雑誌アーチェリーの記事で初めてシリーズ番号についての公式のコメントをしましたが、この番号については業界では公然の秘密といった扱いで、お客様に幅広くその意味を伝えていなかったと思います。

以前に、某代理店の方が自身のブログでホイットに対して「とある情報を金曜日まで発表しないように代理店に依頼したくせに、メーカー自身が月曜日に発表するなんて無責任だ」…みたいなことを書いていたことがありましたが、今回の件は自分からしたら同じような思いで、自分たちであまり公言しないように言っていた話を、自分たちで公開するって…という気持ちです。

まず、シリーズ番号とは何か。写真はACEシャフトですが、C番号(カテゴリーナンバー)と別に、1206という数字の後に「H」「J」「G」などのアルファベットが書かれています。これがシリーズ番号(シリーズナンバー)と呼ばれるものです。

C番号についてはガイドブックや、グーグルでも検索すれば、その意味や扱いについて書かれたページが見つかると思います。対して、シリーズ番号については調べても、日本語だけではなく英語で調べても、言及しているページ、ガイドブックはほぼないです。

では、なぜプロショップがこの番号についての情報を伝えてこなかったかというと、この番号はいざというときの番号で、普段は意味がないものだからです。

まず、この番号の意味ですが、この番号は製品仕様書とひもづいています。つまり、JシリーズとHシリーズは違う素材から作られています。仕様書(非公開)はAから始まり、Jであれば、ACEの10番目の仕様書によって製造されたACEであることを示しています。

そうすると気になるのは、「J(10番目の仕様書で製造されたACE)」「H(8番目の仕様書で製造されたACE)」では、性能が違うのか、どっちが性能がいいのか、ということだと思いますが、これに関して、イーストンの公式見解は「全く同じ性能」だそうです。

しかし、本当に全く同じであれば、わざわざ違う番号を付けて管理する必要はないです。では、何を管理しているのかというと、品質を管理するための番号です。

現在、良く見かけるのは「G」「H」「J」などですが、運用としては、例えば、2012年に「K」を投入し、2012年の1年間を通して、4つの仕様のACEを製造し、最もクレームが多かったのが1シリーズを翌年から廃番にするといったことが行われてきました。現在、(ACEの場合)「A」「B」「C」「D」を見つけることはめったにないはずです。Dを在庫に見たのは…5年以上は前だったと思います。

結局、シリーズ番号とは、イーストンも、イーストンに素材を供給している素材メーカーも、理論上では同一の性能・同一の品質と言いながら、売るという実務の中で、実際性能に差がないのかを検証するための番号です。

また、お客様側でこの番号との付き合い方ですが、特に気にされるものではないと思いますが、心配であれば、購入するときには同じ番号のものを購入された方が良いかもしれません。ただし、C番号とは違い更新されるものです。初期のAシリーズはもう生産されていないので、手に入りません。購入するときには、自分が使っているシリーズ番号か、そのシリーズ番号よりも後ろのアルファベットのものを購入されれば問題ないです。

これまであまり積極的にこの番号の意味を伝えてこなかったのも、事後的(問題が起きてからの)な処理にしか使われない番号だったためです。今回、なぜイーストンが広くシリーズ番号の意味を知らせる方向に舵を切ったのか、あまり理解できませんが…次に担当者にあった時にでも聞いてみます。


プロユースのフォーム分析ソフトの紹介です。

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↑クリックすると拡大されます。
プロショップやトップチームで使っているプロユースのソフトの紹介です。無料のソフト(フリーソフト)で有志が開発していますので、時間があれば、日本語パッチの開発に参加しようと思っていましたが、どうも時間が取れそうにないので、英語版の紹介となります。いつか…時間が取れた時には日本語化のプロジェクトをやりますが…。
同様の機能があるものとしては、ダートフィッシュなどがありますが、このソフトが無料なのに対して、ダートフィッシュは有料でかなり高価です。ただし、ダートフィッシュは完全日本語化されているので、日本語じゃなければ触れないという方にはいいかもしれません。
*0.8.20という開発者版を使用しています。このバージョンで説明を書きます。PCに詳しくない方は、0.8.15の動作安定版の使用がいいかもしれません。
さて、バイターの開発用の射場の写真は見たことがあるでしょうか。記憶が正しければ、20年ほど前に今の撮影・解析システムが導入されたはずですが、何千万円単位での投資が必要だったと聞いています。
当時はすべての機能をハードウェアで実現させる必要があったので、すべてがカスタム品で、そのために大きな投資をしないと、フォームの分析ができませんでした。20年後の今、CPU等の性能が向上し。今では多くの機能をソフトウェアで実現できるようになっています。
それに伴い、ホイットやバイターなど数千万円の投資ができるメーカーだけではなく、数十万円の投資で分析装置を導入できるようになり、トップチーム・トップクラブ・プロショップの多くが動画分析ソフトを導入しています。
完璧なシステムを構築するには、今でも数十万円の投資は必要ですが、高いのは照明や高性能のカメラで、簡易なシステムであれば、市販されているような安いカメラでも、十分に役立つシステムになります。
ちなみに今回使用しているのはSONY NEX-C3という3万円しないカメラです。生産が終了しているので現在は3万円をちょっと超えているようです。
さて、分析に使える動画を撮るという話になると、記事を書き終えられそうにないので、今回はすでに撮った動画をいかに活用するかという話に絞ります。
紹介するのは、(フリーウェアとして)アーチェリー業界で最も有名なKinoveaという動画・フォーム分析ソフトです。ちなみに有料のもので最も有名なものは先ほども書いたダートフィッシュです。
Kinovea
http://www.kinovea.org/

ダウンロードすると、10以上の言語から自分が使うものを選択できます。残念ながら、日本語がありません。英語を選ぶのが一番無難だと思います。今回は英語のものを紹介します。
必要な環境は下記の通り。かなり低いですが、HD画質の動画をソースにするのであれば、メモリは2GBは欲しいです。
– Microsoft Windows (XP, Vista, 7) + .NET platform 2.0 or above.
– CPU : 1GHz.
– Memory : 256 MB
– Screen resolution: 1024×600 pixels.
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インストールし、起動させると、こんな画面になります。「File」で動画を開き、いじってみてください。難しくはないので、わかればこんなことができますよということを説明いたします。
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1.1%単位で再生スピード調整
2.動画切り取り
3.マルチビュー(トップの写真の様に2つの角度からの動画を同期して再生可能)
4.動画に文字を書き込めます。
5.動画にフリーラインで手書きできます。
6.動画に線を引くことができます。
7.角度の測定ができます。
8.グリットを設定できます。
9.拡大できます。
10.(右クリックで開くメニュー)軌道追跡できます。
11.作成した動画の保存

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それぞれを実行した結果は上記の通りです。いろいろと使えると思います。
さて、実はうちで一番使用している機能は10番の軌道追跡なのですが、この機能だけは市販のホームユースのカメラではうまく使えないことが多いです。理由はシャッタースピードです。動画はいくつもの写真をつなげたものから構成されていますが、シャッタースピードを速くすることで、動画に含まれるそれぞれの写真がブレずに、きれい写りますになります。シャッタースピードが遅いと残像が残ります。ただし、スピードが早いと副作用としてより光の量が必要になってきます。同じ光量なら画面が暗くなるということです。
ですので、管理された環境とある程度のノウハウがないと精密な軌道追跡ができませんが、3万円のカメラ(動画はシャッタースピード固定)での限界にチャレンジしました。

↑全画面再生でないとマウスカーソルの動きは確認し辛いかもしれません。
今回、撮影自体、カメラをきっちり固定して行っていないので、赤の軌道が示す動きの分だけシューターの坂本がブレているわけではありませんが、カメラをきっちりと固定すれば、意義のあるデータにとして、記録に残せると思います。
Kinoveaは無料のソフトですので、とりあえず興味を持っていただけたら幸いです。撮りためた動画を活用するきっかれになればと思います。


ヒックマン博士とホイット氏の手紙

明日、FIVICSのブラスタブが入荷します。歴史ばかり調べていないで仕事のきちんとしているのでご安心ください。1日3時間ほどまでに制限しています。

1978年にホイット氏はHOYTアーチェリーの経営権を販売しているので、現在のHOYTアーチェリーとは違うものの、そのホイット氏は20世紀を代表するアーチェリー業界のイノベータでした。
そのホイット氏はヒックマン博士の研究した理論をもとに弓の開発をしていたのですが、史料として、その裏付けとなる手紙を見つけました。
本日はこのネタです。
まずは手紙の中身です。書いたのはHOYTアーチェリーのホイット氏(48歳)で、あて先はヒックマン博士(70歳)です。書かれたのは1959年1月29日です。訳はできるだけ英文に忠実にしています。

あなたは我々がここで得た結果について興味を持つだろう。使用した42~45ポンドブラケットの弓は(28″のドローレングスで)、#1816イーストンシャフトで190から200fps、1オンスの矢では170~179fpsの速度を計測した。だがこれはまだ序の口だ。我々はシングルとコンパウンドの異なる種類のコアテーパー、さらには様々な仕様の弓を使って実験している。また、現在の実験結果を見る限り、リムの稼働域が19 1/2~20″がリムの効率性を最も高める長さだと指し示しているようだ…あなたのスパーククロノグラフは、私がいままで一番興味を持っていたことに対して多いに満足できる結果をもたらしてくれた。精確なデータを得るということは、本当にゾクゾクするものであり、また私たちにとってそれぞれの弓のデザインの利点を評価する上で計り知れないほど重要な判断材料となる。この時代にヒックマンスパーククロノグラフを手に入れることができたことを、言葉では言い表せないほど嬉しく思っている。今までに私がしてきた投資の中で、これは最高のものだ。

文通仲間ということは知っていましたが、文面を見る限り、想像以上に情報を共有していたようです。
この手紙の背景について書きます。ヒックマンはアーチェリーの研究に、ピアノ会社が鍵盤の打鍵スピードを計測するために購入したアバディーンクロノグラフ(Aberdeen Chronograph)を使用していた。今でいう矢速を測定する機械です。しかし、ポータブルで直流電源で稼働可能な矢速計がほしくなり、自分で作った。
海軍の主任研究員であるジョン P.クレーベンに宛てた手紙で(…なぜ海軍かは不明…アバディーンクロノグラフを開発したのは陸軍)、

私はこの国においてアーチェリー関連の書物を最も多く所有している。だが不運にも、これらの資料は矢の弾道についてあまり多くの情報を提供してはくれない。1928年に私が計測をおこなうまで、誰もストップウォッチ以外の計測器以外で矢の速度を測ろうともしなかったのだ。そこで私はクロノグラフを使って、重さの異なる矢とデザインの異なる弓のそれぞれの組み合わせがもたらす矢の速度と加速度を計測することにしたのである。

と書いていて、自分で開発した矢速計(スパーククロノグラフ)で多くのデータを採取して、多くの記事を書いた。また、戦時中はこれを改良して、リボンフレームカメラ(ハイスピードカメラ)を開発し、クロノグラフでロケットの飛行中の速度を計測し、撮影する仕事をしていた。

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写真がその矢速計。
その後、ホイット氏はこのアーチェリーのために作られた世界初の矢速計を、1958年にヒックマン博士自身から300ドルで買い取り、自社での実験に利用し、そして、この手紙につながるのです。

ヒックマンに関するもう一つの話。現在では一般的にリムに使用されているグラスファイバーですが、これがアーチェリーで使われるきっかりになったのは…日本です!!(と韓国)
というのは話の盛りすぎですが、関連はあります。
リムは本来、木で作られていましたが、この木に違う木をはり合わせて、反発力を高めようとする弓が19世紀登場します。(トルコ弓などでははるか以前から採用されています、あくまでもアーチェリーの世界の話)
違う素材をコアにはり合わせて反発力を向上させる作業をバッキングと言いますが、1930年代にヒックマン博士は、その素材に繊維を使うことを提案します。その素材とは「シルク」でした。今風でいうと、シルクファイバーリムです。
しかし、第二次世界大戦によって、シルクの輸出国だった日本から素材が手に入らなくなり、また、米軍もパラシュートを作るために、シルクを買い占めていたので、だんだんとシルクが入手できなくなります。そこでヒックマンはバッキングに新しく開発されたフォルティザン(Fortisan)繊維を使うことを提案します。これは商標で、現在ではポリノジックレーヨンと呼ばれている繊維だそうです。
アーチェリー業界は、シルクファイバーリムから、レイヨンファイバーリムに進化します。この繊維はシルクの2~3倍の強さがあり、ヒックマン博士は1946年3月のAmerican Bowman-Reviewに、レイヨンファイバーのリムへの利用に関する記事を書きます。
が、歴史は繰り返すといいますが、その後朝鮮戦争が勃発(1950年)し、高性能レイヨンは又もや軍によってパラシュート製造用に買い占められ手に入らなくなります。その後、レイヨンのかわりとして、当時登場したのがグラスファイバーです。
ヒックマン博士はテストしたものの、具体的に記事にする前に、フレッド・ベアが1951年にグラスファイバーのリムへの応用に成功します。しかし、当時ではすでに知られている構造だったので、アメリカでは特許には出来ませんでした(1953年にカナダで特許の取得に成功)。
こうして、日本がきっかりでシルク繊維がレーヨン繊維となり、韓国がきっかりで、レーヨン繊維がグラスファイバー繊維となり、今に続くのです。


古いこと

古い記事をアップデートします。

今思うと面白い題名をつけたなと思いますが、けっして予測していたわけではありません。
10月に「【予告】新しい事 その1」という記事を書きました。その反応として、期待してくださる方もいれば、書いてあることは正しいとしても、自分が愛用している商品の批判は見たくないというコメントもあり、その結果、別のサイトを移行し、おりたたみました。うっかり目に触れることはありません。「Continue reading →」というボタンを押してはじめて、続きが表示されます。
そして、今思うのは…古いことです。
アーチェリー用品の正しい評価について、そのシステムを構築してきましたが、最終的に行き着いたのは「古いこと」でした。

レビュー 日本製の低価格カーボンサイト T-9 AR
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-1041.html

長くブログを書いているといろいろな反応が返ってきます。誤字脱字はともかく、今でも覚えているのは、ミザールハンドルを間違って「アルミ製」と書いてしまったことなどで、お叱りを受けて直ちに訂正しました。
逆に、正しいことを書いていてお叱りを受けたのが上記の記事(細かいことはコメント欄をご確認ください)です。2013年ではもう少し理解が進んだかもしれませんが、プライベートブランドというものは、販売者と製作者が違います。読者の方で、販売店が自分で作っていると勘違いされている方がおり、レビューの中で作り手に対して経験不足と評したことが、販売店に対して経験不足と言ったの様に受け取られ、お叱りを受けました。
正しい情報もあれば、間違っている情報もありますが、一番危険なのは、正しいと思い込んでいる間違った情報ではないかと思います。今回、コメントを頂いたのでお客様の勘違いを正すことができましたが、コメントを頂かなければ、すっど勘違いで私が批判される事態が続いたのかと思うと…恐ろしいです
弓具の評価を公開していくうえで、まずは、そういった誤った認識(この記事の場合はプライベートブランドは販売店が作っているというもの)を正していかないと、記事で提供する情報が正しくとも、間違った形で受け取られ、単純に自分が間違ったことを書いてしまったなら自己責任ですが、受け取り手の勘違いによって思わぬトラブルや批判が生まれるのではないかと考えるようになりました。これが今年の1月くらいの事です。
しかし、そんな心配をしていても…逆に考えるとアメリカやヨーロッパでは、自分がやろうとしているような弓具の評価・レビューというのは当然の様にアーチェリー雑誌に掲載され、広く読まれています。欧米人にできて、日本人にできないはずはないでしょう。
では、その違いはどこにあるのかと考えたのが、2月。
そして、「古いこと」…つまり、歴史があるのかないのか、、正確には歴史が語られているのかどうか、そこに違いがあるのではないかと思うようになりました。
欧米のアーチェリー用品のレビュワーと言っても、だれもゼロから道具の評価テストを立ち上げたわけではなく、そこには、1920年代から積み重ねられた知識と常識があり、レビューをする人間はその文法・文脈にのっとり、発言しているからこそ、誤解されずに、正しい情報が流通するのではないかというのが自分の現在の仮説です。
それに対して、前の記事で書きましたが、日本のアーチェリーのメディアの多くの商業主義に上に成り立っているものです。それらは歴史の様に積み重なるものではなく、流れていくもので、歴史や過去はむしろ邪魔です。
有名な話ですが、これはボジョレーの毎年の”自己”評価です。
1995年「ここ数年で一番出来が良い」[1]
1996年「10年に1度の逸品」[1]
1997年「1976年以来の品質」[1]
1998年「10年に1度の当たり年」[1]
1999年「品質は昨年より良い」[1]
2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」[1]
2001年「ここ10年で最高」[1]
2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」[1]
2003年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」[1]
2004年「香りが強く中々の出来栄え」[1]
2005年「ここ数年で最高」[1]
2006年「昨年同様良い出来栄え」[1]
*以上、ウィキペディアからの引用
さあ、どれが一番いい出来だかわかりますか?
メーカーにとって、過去の話(歴史)を蒸し返されては、商売上いろいろと困ることが想像できると思います。
ただ、これはボジョレーに対する批判ではないです。本当にお酒好きで毎年ボジョレーを飲む人は、むしろネタとして「評価文」を肴にして飲むので、批判するようなものではないと思いますが、まれに、評価を本気にしてしまう人がいたとしたらかわいそうだなとも思います。
アーチェリーで検索すると、入手できる資料(本)は2007年が一番古いのです。アーチェリーのことを学ぼうとしても、この6年間に生み出されたことしか知る事ができません。ちなみに、アメリカでは古くは16世紀の資料から、フランスは15世紀の資料から入手できます。さらに、亡くなったアーチャーの多くが、著作権を放棄し、それらの本を無料で公開することで、死してもアーチェリー界に貢献するのです。素晴らしいと思います。
例えば、アーチェリー歴史学の第一人者であり、WA(FITA)やUSA Archeryの歴史を書いたRobert J. Rhode(2000年没)さんのページなどがあります。
HistoryBooks by Robert J. Rhode
http://www.texasarchery.org/Documents/NAAHist/History.html

誰もが自分は過去の上に立っていたと知っているからこそ、自分も踏み台になりたいと願うのでしょう。
日本で2007年にアーチェリーを語った人にしても、ゼロから何かを生み出している人は少ないのではないかと思います。過去の知識・知恵の上に立って発言しているケースがほとんどでしょうか。しかし、それを読む人はその過去を知るすべがありません…英語の資料が豊富にあるので、ないというよりも、簡単には知ることができないといった方が正確でしょうか。
さらには、歴史がまとまった形、整理された形で存在しないことをいいことに、勝手に書き換えられたりしています。例えば、私たちも行っているハイスピードでの弓具の研究は、日本のY社が初めてだとい某記事には書かれていますが、アメリカでは1930年代から行われており、これは私がこっそりと手に入れた情報ではなく有名な話です。なぜなら、その研究からスタートしたのが、まさに現在の弓具の形を作ったヒックマン博士だからです
また、同時期には和弓の世界でも、旧海軍兵学校の協力のもと、120fpsで弓具の動きを撮影し、弓具の研究が行われていました(*)。どちらも80年以上前の話です。
*「紅葉重ね 浦上栄 著」でその写真を見ることができます。
このような例は本当にたくさんあります。現在のアーチェリーは19世紀の後半から、脈々と続いてきたもので、多くの研究によって進歩してきたものです。アーチェリーの記事を書くほどの偉大な人達ですから、常識的な知識を知らないとは思えません。ほとんどのケースで知っていて、わかるはずがないと思って、歪曲して伝えているのでしょう。
これは、考え過ぎだといわれるかもしれませんが、感性の科学には突っ込みが入り訂正記事が出ました。これはステークホルダーがたくさんいるからです。しかし、Y社が世界初だというハイスピードカメラの話は、間違っていたとしても、わざわざ突っ込みを入れる関係者はいないのでしょう。
前者と違って、誰もその誤った情報によって、損をしない場合もあります。記事の前半で商業主義と書いたのはそういう意味です。アーチェリーの道具や歴史について圧倒的に、情報を握っているのはプロショップの人間ですが、誤った情報を見つけても、それによって損をしない限り放っておくのが、美徳の様な雰囲気があります。
日本で弓具のレビューが困難なのは、そんな流れがあるのだと思います。レビューで難しいのはネガティブ(批判・否定)な部分です。弓具を知らない人は批判が的外れであることが多く、業界に中にいて知っている人は、生活がかかっているので、悪く書くのは怖いものです。欧米人にそれができるのは、その場で取得したデータや理論だけではなく、歴史的な文脈の中で肯定・否定をしていくからだと思います。
5月にホレース・フォードの本を翻訳したのをはじめ、ホイット氏のインタビューの編集(*)など、弓具のレビュー以前に取り組むべきことがあるように感じます。
*彼は生涯にわたって弓具の進歩を願い、フォームコアをはじめてとして、数多くのイノベーションを起こしましたが、一部の人間によって、なぜか弓具に関して保守的な人間であるというイメージが作り上げられています。しかし、英語で書かれたどの文書を読んでも、彼は前衛的な人間です。
現代のアーチェリーが19世紀から続いていくものであり、弓具は20世紀初頭にはじまる一連のイノベーションが現在まで続いているのです。大天才でない限りで、その流れの中でしか、道具を評価することができないと思いますし、実際自分は凡人なので、自分が書くとしてもその流れの中でしかすることができません。
HMC+とHMC22の記事を書きましたが、現在でも限られたトピックの中であれば、書くことはできます。しかし、ハンドルやリムの様な大きな枠組みの中で道具のテスト・評価をするためには、まず、そのフレームワークを読む方に提供することから始めるべきと判断しました。
欧米人がそのフレームワークを持っていて、日本にはない(と自分は感じる)のは、今に続く歴史を15世紀からたどって知ることができるかどうかの差に集約され、そして、正しいアーチェリーの歴史を語ることで、日本でもそのようなものが、時間はかかっても成熟していくのではないかと思っている今日この頃です。


HMC 22 のエクステンダーだけについてのレビュー

HMC22のレビューですが、2回に分けます。まずは、前半です。届いたロッドをテストしましたが…HMC+が十分にいいロッドで困りました。
現在、テスト用の弓は「INNO MAX + INNO EX POWER 42ポンド+ HMC PLUSのセンター・サイド + CX2 Vバー + ブラックマックス(終売品)エクステンダー」というものですが、このセッティングで十分に振動吸収がなされており、HMC22の良さを理解することが困難です…。
ということで、これまでメーカーの人との話を振り返れば、HMC 22の一番の目的はコンパウンドでも使用できる高い剛性を持つロッド、ライバルはこれまでのイーストンやFIVICSではなく、ドインカーのプラチナムシリーズやB-stingerを想定した設定になっています。
と考えれば、42ポンドの弓では振動吸収能力の違いを感じ取るのが困難かもしれません(ロッドの重さが違うので、シューティング感が違うことは容易にわかります)。
低いポンドでは、HMC+がおすすめなのは明白ですが、低いポンドだけではなく、30ポンド台後半まではHMC+の方がよいと思います。(セットとしての)HMC22が選択肢に入ってくるのは、明らかに40ポンド以上です。
その話はもう少し煮詰めて、コンパウンドでもテストしてから、今度書きます。
ここからはエクステンダーの話です。セットとして…つまり、センター・サイド・エクステンダーでHMC22の良さが分かるのは40ポンド以上ですが、エクステンダーだけであれば、一般的なポンドでもお勧めできます。

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以前、WIN&WINが販売していたエキスパートというハンドルです。構造的にはとても興味深いハンドルでした。今年、HOYTが同じようなコンセプトのハンドルを作っているので、時代を先取りしすぎていたといっていいかもしれません。
*カーボンとアルミの接合部が剥離するというトラブルも抱えていました。
昔のアメリカの資料を読むと、”愛機”という概念があり、それを使って、ターゲット、フィールド、ベア、ハンティング…すべてのことを1本の弓でこなしていました。
そのため、良いハンドルに求められていたのはオールマイティな性能でした。一昔前までのハンドルはスタビライザーなしでもうてるように設計され、あらゆるセッティングで一定の性能が出るようになっています。
しかし、現在では、というよりも、本当に近年ですが、より特化された設計が増えています。ベア用のハンドル(スピギャなど)、ハンティング用のハンドル(WINのRCX-17やHOYTのバッファロー)など、設計を特化することで性能を高めたハンドルが増えています。
2013年にホイットが出したプロコンプエリートはとてもスタビライザーなしでうてるようなモデルではありません。このハンドルは重いセンターと合わせて使用する前提で開発されています。しかし、そもそもユーザーがセンタースタビライザーなしで、このターゲット競技用として販売されている弓を射つことがあるのかと考えれば、そのようなことはまずないと思われるので、スタビライザーなしでもうてる配慮を”しない”事で、ハンドルの性能を引き上げています。実際、今行われているワールドカップでのこの弓のシェアはかなりのものになっています。
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エキスパートハンドル。ほとんどのアーチャーはエクステンダーを使用していますので、エクステンダーを込みで、エクステンダーありきで、ハンドル(弓)というものを考えた時、このデザインはその一つの答えとしてありだと思います。ちなみに、設計としては大変挑戦的ですが、個人的には保守的な設計が好きなので、テスト以外で使用はしませんでした。
記憶が正しければ、この出っ張っている部分は3~3.5インチのエクステンダーに相当します。逆テック構造で、上下からエクステンダー部分をサポートし、振動吸収と左右方向のブレを減少させ、飛び出しがよくなります。まぁ、写真通り、かなり前重心になるのでその面でも飛び出しは抜群でした。
奇抜なデザインだったためか、2年ちょっとで販売が終了してしまいましたが、記憶に残るハンドルの一つです。
このハンドルの設計に限らず、ハンドルからエクステンダーまでは1つの固体(以前な書いたソリッドなフィーリングで)として使用したいというお客様の要望は常にあります。たくさんのアーチェリー用品に出会える立場だからか、終売品にもかかわらず、当店のスタッフでX10スタビライザー(旧モデル)とブラックマックスを使用している人間が一人ずついます…。。
今でも問い合わせが来ることもあります。どちらも、5~6年前には生産が終了しているモデルであるにもかかわらずです。
これらのモデルに続く商品として、HMC22のエクステンダーは期待できるのではないかと思っています。全部HMC22でそろえるのは高ポンドでないと、メリットを実感しづらくても、エクステンダーだけHMC22にすることで、ソリッドなフィーリングを得ることは可能です。
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左はHMC+、右がHMC22です。カタログ値では7%の違いですが、ブッシングを比べるとかなり太いです。
重さですが、
・HMC + 5インチ 68g
・HMC 22 5インチ 86g
*ブラックマックス 5.5インチ 70g
でした。公式にHMC+と比べて、どの程度多くカーボンを使用しているかは公表されていませんが(形から計算すると17%増です)、カーボンの使用量はかなり増えていると思われます。また、重さはロッドのカーボン使用量の増加に伴うものです。
これは、生産が終了した(まだ在庫はあります)HMCとの比較でもわかります。
・5インチエクステンダー(ブッシング + 5インチロッド + ブッシング)
-HMC 100g
-HMC 22 86g
・28インチセンター(ブッシング + 28インチロッド + ブッシング)
-HMC 160g
-HMC 22 177g
ロッドよりもブッシングの重さが大きいエクステンダーではHMCの方が重いですが、ロッドの方がブッシングよりも重くなるセンターではHMC22の方が重いです。発売当時は革新的なスタビライザーだったHMCも、今では、ブッシングばかりが重いロッドになってしまっています…技術の進化恐るべし…。。。
HMC 22をエクステンダーに使うことで、(たぶん2005年あたりから)主流になりつつあるソリッドな感覚を体験することができ、かつ、重さもHMC+比で15gほど、HMCからの乗り換えであれば、逆に軽くなります。
ポンドが低いお客様でトータルでスタビライザーの剛性高くしすぎると、逆に振動が増してしまうことがあります。クラブ等に所属されているのであれば、高性能の剛性の高いスタビライザーを16~20ポンドのウッド・樹脂ハンドルにつけて射って見る事で、どういった現象か知ることができます。ただ、エクステンダーだけ剛性を高くすれば、振動は相対的な柔らかいセンターロッド・サイドロッドに逃げていきますので、さらにその先により柔らかいタンパーがあれば、振動が逆に増えてしまう状態になる可能性はかなり低いです。軽いポンドのお客様には、まず、エクステンダーのみで試してみることをお勧めします。
…本日はここまで、明日、コンパウンドなどでもテストし、センター・サイドについての後半部分書きたいと思います。