PRIME ONE STX 36 V2 初チューニング

セッティングが決まったので、本日は初めてのプライム弓のチューニングです。ただ、自分が使い始める前に坂本に一時貸していた(*)ので、箱から出した状態からのスタートではありません。

*それで全日室内の申請点をゲットしたそうです。

プライムはエリートと同じ上下対称のカムなので、この便利なエリートのチューニング一覧表を使用します。本日の目的は弓の初期状態を出すことです。

しかし、チューニングの理論と実践はやはり違うもので、測ってみると、ブレースハイトが0.125インチ少し高く、ATA(アクセル間)が0.142インチ標準から長い状態でした。これは相反するチューニングになります。ATAを短くするとブレースハイトは高くなり、ブレースハイトを低くするとATAは長くなります。つまり、この状態でもうすでにきっちりカタログ値の36インチ/7.75″にすることが不可能です。

ブレースハイトはカムの回転状態を決めますが、ATAはカムだけではなく、リムの初期状態も決めます。ということで、今回はATAの方を重要視して36インチにします。ブレースハイトはもっとカタログ値から離れますが、そこはあきらめます(*)。

*すべての状態でこの判断が正しいとは限りません。ブレースハイトが低い場合にはブレースハイトにももっと気を使うべきでしょう。

チューニングのの一覧表によれば、ATAを短くする(decrease)にはケーブルをツイストする必要があります。この時カムタイミングを確認すると、上下では少し違いがあったで、上カムのAポストケーブルを6回転、下カムのAポストケーブルを3回転することで、ATAを36インチ、カムタイミングを合わせることができました。

その結果、スタート時ピーク56ポンド/ホールディング12ポンド(79%レットオフ)だったのが、ピーク58ポンド/ホールディング12.5ポンド(同79%レットオフ)となり、リムボルトをいじることなく、自分が使用している58ポンドになってくれました。ありがたい!

ここからは動画で確認しながらチューニングします。チューニング用のスーパースロー機材をRX-100M5(960fps-1,244×420)に更新したのですが、高性能すぎてびっくりしました。これ以上の性能は必要ないくらいです。特に進化したのは、センサーの明るさで、室内の1000W照明でシャッタースピード1/12800秒でこの明るさを実現しているのにはびっくりです。

シャッタースピード1/12800の動画から切り取ったコマです。シャフトのロゴがクッキリとまではいきませんが、確認可能なほど映っています。この性能のカメラが10万円で買えるとは、いい時代になったものです。

今回、このカメラをいじって時間が無くなってので、ここまで、レストの位置高いっすね。明日やります。


エリートのエナジー35とプライムのONE STX V2を比べて。

さて、新しい相棒となったプライムのONE STX36 V2ですが、まずは、昨年使用していたエリートのエナジーを比較するところからセッティングを始めてみたい思います。一見してわかるとおり、ONEのほうがアクセル間が36インチで、エナジー35は35に設定されていますが、弓自体の大きさは圧倒的にエナジーのほうが大きいことがわかります。それはリムの差し込み角度を考慮して設計された結果であり、ONEの方はバーティカルデザイン、エナジーの方はパラレルデザインと呼ばれています。

パラレルデザインのメリットは発射時にリムが前ではなく、上下にそれぞれ動くので、その動きが相殺されて、弓が大人しくなることです。対して、バーティカルデザインの弓ではリムは前に動くので、その反作用として、発射時には弓がグリップに押し付けられる形となり、”グリップが正しければ”弓はより安定します。また、グリップに弓が押し付けられる動きの反作用として、ベアボウの状態であれば、弓はリカーブボウのように飛び出します。

この大きな違いがあるために、スダライザーのセッティングはエナジーと大きく変える必要があると考えています。

写真は2012年のワールドカップで、ディブ選手の使用している当時のターゲットモデル・セントロイド(Centroid)はパラレルデザインに近い設計だったことがわかります。近年、モデルが更新されるたびにプライムではリムを立たせる方向にあります。

リムの角度には大きなこだわりがあるようで、プライムにはユニークなリムポケット調整があります。リムの角度は2点によって決まりますが、多くのメーカーがリムボルト側のみ調整できるのに対して、プライムではリムボルトだけではなく、反対側のリムとハンドルの接点の角度も調整できます。
リムボルト側はボルトの締め込みで行いますが、反対側は昔のヤマハのようにスペーサーの交換で3段階調整になっています。最も厚みのあるスペーサーが赤、ミディアムが緑、ローが青です。自分のモデルでは、青が初期設定で挿入されているのが確認できます。この部分の調整の必要性に関してはあるとも言えますが、相当セッティングを煮詰めた後にいじるべきものではないか思います。まずは考えいこととします。

ONE STX36 V2ではケーブルストップとリムストップの両方を選択することができます。まずは、ケーブルストップでセッティングを開始します。パラレルカムだからこそですね、ケーブルストップがカムの真ん中についています。

センターショットは13/16″とされていますが、近年のケーブルガードを大きく調整できるモデルの場合には、あくまでも参考にしかならないことが多いです。この部分を調節することはそのままセンターショットの変化につながります。

弓全体の重さはエナジーよりも0.2ポンド(約100g)ほど軽いです。また、シミュレーターによれば、矢速は3fpsほどエナジー35よりも向上するようなので、それを考慮して、次のスタビライザーセッティングに入っていきたい思います。いろいろと試していますが、飛び出しがある弓なので、意外にリカーブ用のスタビライザーとの相性も悪くないようです。悩みますね。


2017年はプライム(PRIME)をONE STX 36 V2 82X Cカムを使います。

プライムアーチェリーのワールドカップ2017ステージ2・Nimesの出場シューターたちです。増えてきましたね。自分は2014-2015年はマシューズで、2015-2016年はエリートを使ってきましたが、2017年シーズンはプライムを使う事にしました。

現在弊社では山田がマシューズ、坂本がエリートを使用しています。あくまでも自分はプロの道具屋だと認識していますので、現在弊社で使用選手のいないプロライムの弓をより理解するために、プライムの弓を今年は研究していこうと思います。

道具屋として、今後の目標は全主要メーカー(残りはホイット/PSE/ボウテック-矢はイーストン)で全日に入賞といったものにしようと考えています。プライムで結果が出たら、次は最近元気なボウテックでしょうか(気が早いっすね)。

さっそく、82Xという使用したことのない素材を利用した2017年モデルのSTX36を送ってもらいました。自分がいじる前に…坂本が借りたいというので、先週末に岐阜インドアで貸し出し、574点というそれなりの結果を出してきたようです。今日返してもらったので、今週からいじっていこうと思います。競技は中断していたフィールドをメインに調整していく予定です。

カムのトラック構造からして、いじり甲斐のある弓な気がします。楽しみです。

使用モデルに関しては現在使用しているエナジー35と大きくATAの変わらないようONE STX 36 V2を選択しました。カムはA(引き心地重視)カム~C(矢速重視)カムまであるなかで、10fpsも違うので、フィールド競技に必要とされる矢速が出るCカムを選択しました。

プライムは452Xを使用していますが、自分はBCY-Xのほうが好きなので、まずは一通りチューニングして、ストリング/ケーブルの交換から考えています。3月くらいからまた競技に復帰する予定です。


プライム(PRIME)が新しいタイプのカムを搭載した2017年モデルを発表。

cbts_hotspot_main1プライム(PRIME)が自分が知る限りでは今までになかった新しいタイプのカムを搭載した2017年モデル、centergy(センタジー)を発表しました。センターエナジーという造語のようです。

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特徴としては、矢(バーガーホール)を弓の中央に置くのではなく、グリップのピボットポイントを弓の中央に置くというものです。それによってスタビライザーがないベアに近い状態でも、トップヘビーにはならず、最適なシューティングバランスを実現できます。ただ、この発想自体は新しいものではありません。

ただ、今までプライム(PRIME)が採用していたシンメトリックカムでは、このような設計はできません。上下カムが左右対称(シンメトリック)で、ケーブルは上下同じトラック形状に巻かれるので、矢は弓の中央から発射されなければなりません。その問題を回避するため、新しいプライムのカムシステムではカムの設計をほぼそのままに、上下のカムのサイズを変更することで、上下カムのケーブルの巻き込みの量を調整して、矢がセンターにない状態でも、完璧なノックトラベルを実現しているようです。

上下のカムの形は同じだがサイズが違うというカムシステムは自分が知る限りではないです。シンメトリックカムシステム(上下のカムが同じ形)とハイブリッドカムシステム(上下のカムの形状が違う)のどちらにも分類できないので…チューニングは両方の特徴を気に欠けながら行う必要があるように感じます。

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このカムシステムが提供する最大のアドバンテージは、スタビがない状態での安定性ですので、スタビライザーを装着した状態がスタートポイントとなるターゲットボウではそこまでのメリットはないかもしれませんが発想としては新しいと思います。いつか、この設計がターゲットボウにも応用されるかもしれません。


プライム(PRIME)が2017年ターゲットモデルを発表、STXのマイナーチェンジです。

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prime_2016-2016_stx写真左が廃盤の2016年STXで、右が2017年モデルのSTX V2です。カムに変更はないですが、ハンドルのデザインが変更になっています。それによってブレースハイトが6.75インチから0.25インチ伸び、7インチとなりました。また、ハンドルに使用されている素材が82Xに変更され剛性は10%向上しています。

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prime_2016-2017_stx-39-v2STX39の方も2017年モデルではハンドルの再設計が行われましたが、ブレースハイトの変更はありません。下部のデザインの変更はブッシングを2つ搭載するためのものです。同様にケーブルガードにダンパーが搭載されます。

まぁ、マイナーチェンジとはいえ、ハンドルの再設計ですのPSEの2017年のように一部パーツのみでの2017年モデルへのアップグレードはかなり困難だと思われます。2016年ターゲットで特に不満なく使用されている方であれば買い替えの必要性がどれだけかるかは微妙なところだと思います。もともと、剛性の部分での問題は発生していないモデルですので、10%の剛性の向上(この部分が2016年との一番の違い)が実感できるかは難しいところです。

少し安くなりました(メーカーの卸価格とは関係なく為替の事情です)。


マーティン・ダスボがマシューズからプライムに移籍

マーティン_プライム12年間マシューズのプロシューターとして活躍した、現在世界ランク9位のマーティン・ダスボがマシューズからG5プライムへの移籍を発表しました。さっそく、プライムのONE STXでインドア満点の150点でトーナメントに優勝したようです。今後の活躍に期待です。自分の使用しているメーカーのプロシューターが増えると、セッティングを参考にできる人が増えて、より楽しくなりますね。

また、マシューズの2016年のターゲットモデルですが、ATAで発表するようです。ご期待ください。


G5プライム 2016年新型モデル RIZE(ライズ)を発表。新素材82Xアルミニウムハンドルを採用。

ライズ_Rize_Prime_2016G5プライム 2016年新型モデル RIZE(ライズ)を発表しました。8月には2015年モデルのONE STX/MXを短くした36シリーズを発表していますが、このRIZEは全くの新規のモデルとなります。設計はアクセル間33.25インチ、ブレースハイト6.75インチ、IBO 335fps、重さは4.3ポンド(1950g)、対応するドローレングスは26-30インチ。

ライズ_2016_primeすでにレビュー動画がアップされています。矢速は2015年のRivalよりも5fps遅くなっており、RIZEはハイスピードよりも安定性を追求したモデルになっています。一番の特徴はコンパウンドボウで初めて採用された82Xという素材。通常競技用には加工しやすく着色も楽な6000番か、剛性はあるがきれいに発色させることが困難な7000番のアルミが使用されますが、新素材82Xアルミニウムハンドルがどんな特徴を持つのか楽しみです。