【再掲載】WIN&WINの社長が語るアーチェリービジネス。

park.jpg(2011年のインタビューです)

WIN&WINの社長パクさん(写真右の方)へのインタビューです。インタビューの原文は英語ですが、話したら日本語でもと言うことになりましたので、訳してみました。


「私の心が導いてくれた場所」

韓国を代表するアーチェリー企業WIN&WINの社長とのインタビュー。WIN&WINの歴史と・未来について。

韓国を代表するアーチェリーメーカーWIN&WINの歴史は、情熱にあふれ、心の赴くままに身を委ねてきた一人の男の歴史であると言える。CEOのパク・キュン・エラは「代表取締役」という役職以上の人間であると感じられた。韓国代表選手団の監督であったという経験を持っているだけでなく、アーチェリー全般の知識も豊富であり、製品すべての企画にたずさわり、責任を持って商品を製作している。ソウル市内から数キロ離れた場所にWIN&WINの本社がある。そこで私は”カリスマ”に出会った。

※以下より、インタビュアーをI、パク・キュン・エラをPと表記する。

I:私たちが本社に到着するとまず韓国古来の弓矢を使用したデモンストレーションを見せて下さいましたね。この韓国古来の弓矢はあなたの人生においてどんな役割、存在なのですか?

P: 私にとって、アーチェリーは人生です。たくさんの喜びを味わうことができ、そして、世界中のアーチャーに対して販売者として関わることができる。アーチェリーの他にゴルフもします(**)。しかし、これまでの様々な経験を思い出せば、韓国古来の弓が私自身を形成しており、癒しとしての役割も担っていたことに気づきました。

アーチェリーは本当に私の人生であると思っていますが、もちろんアーチャーとして生まれてきた訳ではありません。中学生の時にアーチェリーを始めました。中学校にアーチェリークラブがあり、クラブを運営していた男性と知り合いになりました。その方は現在韓国アーチェリー連盟の役員の方で、なにも知らない私に熱心にアーチェリーを教えてくれました。私がここまでアーチェリーに対して情熱的でいられるのは、彼のおかげだと言っても過言ではありません。ちなみに彼の娘さんにもお会いする機会も与えていただきました(現在私の嫁です 笑)

I:アーチェリー用品を販売する会社を設立した際、ゼロからのスタートということでリスクは全く感じなかったのですが?それとも少しはありましたか?

P: 会社の設立までの経緯を説明します。あなたの質問の答えになってないと思われるかもしれませんが、1984年から韓国代表の男子チームの監督をやらせていただき、なにも問題のない環境でした。韓国男子はフランスやロシア代表よりも弱い時代でしたが、選手のパフォーマンスもチームの方向性も良い方向に進んでいました。

私はとにかくベストなコーチになることが第一の目標でした。ナショナルチームでの指導というだけでなく、セミナーや講演会などを開き、知識を世界中に広めることが目標でした。

その後、チームは強くなり、1991年に”あの”アメリカに韓国代表チームの監督として招いていただいた際に、この役職に対して設定した目標は達成されたように思いました。当時私はまだ若かったせいか、もう一つ夢を持つ必要性、新しい目的を持つ必要性を感じました。
リスクに関しては考えてませんでした。最高の弓を作りたいという一心で、一種の夢のような感じですが、心が赴くまま夢に向かって取り組みを始めました。

I:困難や苦難はありましたか?またどんなものでしたか?

P: 最も苦しんだのが資金での問題でした。最初の資金は3,000万円でしたが、試作や設備投資のために2年間で貯蓄もすべて使ってしまいました。お金はもうありませんでした。資金面以外では、やはり理想の弓具を作ることの難しさです。しかし、友達や信頼できる人たちに囲まれ、状況を打破する事が出来ました。

次には、販売する商品に関して苦労しました。この点に関しては、2004年のアテネオリンピックの際、自社製品が様々な問題を抱えており(***)、オリンピック後の半年間は商品の生産を止めざるを得ない状況にまでなり、本気で事業をやめるかどうか考えました。今思い返してみてもとても難しい時代でした。

I:現在のWIN&WINの哲学はなんですか?

P:WIN&WINは世界中のアーチャーに影響を与える会社となり、知名度も増しましたが、その点は大して重要ではありません。何が一番大切かというと、夢を共有すること、そして、その夢を叶えるための前進するという確固たる意識が大事です。
これまでの経験の中で自分が「絶対に乗り越えたい」と思ったことを、確実に乗り越えてきたからこそ、今があると思っています。アーチェリー用品の販売する会社を作りたいと思ったとき、まず私がしなければならなかったことは安定した収入を得ることができたコーチの職と一流のコーチングの経験を捨てて、ゼロからスタートすることでした。

会社設立の時の話を聞かれると、私はいつも自分の理想、世界で、最も優れている弓を作りたかった、という気持ちから話をします。それは今でも持っている思いです。それ以外の事は、正直、大して重要ではありません。私のモチベーションであり、私の支えて来た”哲学”はそれだけです。

I:あなたのこだわる「世界で最も優れている弓」とはどんなものですか?

P:それは、高性能であり、かつ、低価格である弓です。メーカー間の競争は、特に技術面においてアーチェリー競技に良い影響を与えていると思います。また、これはアーチェリーメーカーにとっても良いことです。なぜなら競争は市場に活気を与え成長を促すからです。競争が激しくなれば激しくなるほど、市場は早いスピードで成長します。

I:あなたは「社長」という今の地位・役割を楽しんでいますか?

P:楽しんでいないとは言えないと思います。これまでのわが社の実績に関してとても嬉しく思っています。しかし、最高の・完璧な弓を作るための挑戦に終わりはありません。HoytとWIN&WINの間での競争を客観視したとき、売り上げでは私たちはHoytを超えたと思う部分はあります。しかしながら、歴史に裏付けされた実績という面からみると私たちはまだHoytに負けています。
今の競争は、「良い競争」であり、私たちを成長させてくれる競争です。競争があるからこそ私たちは常に革新を続け、テストを重ね、視野を広げる努力をしております。性能と価格での競争は良い競争です。ただ、お金をばらまくような資金面での競争はしたくありません。

I:WIN&WINの生産体制はどのようにしているのですか?

P:WIN&WINは2か所の工場を持っています。ひとつは韓国南部にあり。ここでは主にリムを製造しています。もう一つは中国にあり、ここでは主にハンドルを製造しており、その中でも中級クラスの物とSF Archeryの製品を製造しています。それぞれおよそ300人の従業員を抱えています。リカーブとコンパウンドボウのどちらも製造するHoytとは異なり、私たちはリカーブだけの製造を行っています。

I:なぜコンパウンドボウ市場には参入しないのですか?あなたの個人的な意見ですか?また、技術が不十分なためですか?

P:もちろんコンパウンドボウ市場への参入は大きな一歩となるでしょう。しかしそれは私の目標の中に含まれているものではありません。これまでも、そして、これからもコンパウンド部門への参入の計画はありません。なぜなら、私達はリカーブ部門において明確なコールを設定し、取り組んでいるからです。

一度にいつくものボールをジャグリングすることは困難です。正直な話、興味をそそる市場ではありますけどね…。

I:あなたに初めてお会いしたとき、1990年代に活躍した著名なアメリカ人コーチを超えることが目的かどうかを聞きました。現在はアーチェリー製品の製造という点においてアメリカ人の製造者を負かしてやりたいという気持ちはありますか?

P:Hoytやその他の業者に対して「負かしてやりたい」とは言うつもりはありません。でも、私の中では常に「アメリカだったら」という気持ちはあります。アーチェリー選手だったとき、またコーチだったときもです。心のどこかでアメリカと競争しているという認識がいつもあります。
この質問は、私がアーチェリー選手であった時代を思い起こさせてくれます。当時、世界のトップ選手と言えばアメリカのリック・マッキーニ(1976-1992年までのオリンピックに4回出場、うち銀メダル2回)か、ダレル・ペース(オリンピック3回出場、うち金メダル2回)でした。選手だった当時も、今も、やはり常にアメリカ人に勝ちたいという思いは強く持っているかもしれません。選手時代、アメリカ人に勝つ能力はあったと思いますが、国際試合での経験をはじめとして、私達は経験が圧倒的に足りませんでしたので…。

ただ、私の会社という視点から見ると、繰り返しにはなりますが、どこかのメーカーに「勝ちたい」と思っているわけではありません。相対的な競争ではなく、絶対的に「完璧な弓」を作りたいという思いだけです。

I:リカーブ用に新しい商品がデザインされたとき、一連の企画の中で、どの段階であなたは参加されるのですか?

P:WIN&WINには、新しいアイデアの探求・既に存在する商品の改善などを行う調査開発チーム(research and developing team)があります。基本的に私はクリエイティブでいることに努めており、新しい商品に対しての私の考えをこのチームに直接伝えることもあります。工場にいるときは、その仕事がメインです。基本的に私は24時間全てアーチェリーのことを考えています。

I:バイター(ドイツ・バイター社CEO)は常に自分のベッドの横にノートを置いて、いつアイデアが浮かんでも良いように対策を取っていたといいます。あなたはどうですか?

P:(笑って)私も必ずベッドの隣にノートを置いています!ノートは発明者の必需品ですね。ベッド横にノートを置くのは、どのメーカーでも、広く行われていることかもしれませんね。そう思いませんか?

I:INNO CXTハンドルやINNO EXリムの販売を開始してちょうど一年を迎えますね。この商品の販売実績に対して満足していますか?経営面と技術面の両方からお願いします。

P:INNOモデルとINNO CXTモデルを比較すると、売り上げは40%の成長を記録しました。これは素晴らしい実績です。CXTモデルを購入いただいた方からの評価もよいです。INNOでは正確さと安定性を重視していたのに対し、新しいCXTモデルではさらにリリースの際のストリングの動きを重要視しました。CXTモデルでのストリングの動きは限りなく真っ直ぐです。そのためストリングが腕に当たることはほとんどありません。この技術は私たちが開発に尽力して来たもので、着想から完成までかなりの月日を要しました。今後もこのような技術開発を積み重ね、更なる革新を目指して行きたいと思います。

I:次に開発に携わりたいと考える商品はありますか?

P:現在サイトやスタビライザーなどのアクセサリーを中心に開発・改善を進めております。しかし、いつまでもこれらの商品開発をメインとするつもりはありません。会社は、リカーブの”弓”をメインの商品として取り扱っています。

あなたが聞きたがっている事は分かります。矢の話をしましょうか?

I:矢の話をお願いします。学校などで見かけることが多いので…

P:わずかではありますが、韓国人のユース向けに数種類製作しています。ただ、商品として販売はしておりません。矢の生産量も少量です。今後発展させていきたい商品とは考えていません。

I:韓国旅行の最中で若いアーチャー、特に大学生に出会うことが多かったように思えます。韓国で最大のアーチェリーブランドとして、国内にはどのようなメッセージを発信したいと考えますか?

P:私は若さは人生の中でとても大事なものであると考えます。WIN&WINの最高責任者として、他人の人生にどのぐらい影響を与えられるかわかりません。ですが、私は若いとき単純に安くて性能の良い弓を作りたいと思いました。今の私の役割は、アーチェリー市場を繁栄させ、成長を促し、多くの人に良い商品がいき届く環境を作ることです。私たちの責任は「アーチェリーに関する分野であれば、その需要にこたえる」というものだと考えています。

韓国では製造者が直接消費者を関わることができるシステムはありません。しかし、いずれそのようなプログラムができることを望んでいます。アーチェリーブランドの責任者として、消費者のニーズにこたえていくことが義務だと考えています。

I:あなたにとっての永遠のトップ・アーチャーは誰ですが?その理由も教えてください。

P:キム・スーニョンです。いろいろなトップ・アーチャーの、いいところをすべてを持っている選手だと思っています。最近のアーチャーのポスターに写っているような選手の、その射ち方の原点がキム・スーニョンの射ち方なのです。

キム・スーニョンが成功するまで、7秒程度でうつことが主流でした。彼女は早くうつことの必要性・重要性を広く知らしめました。彼女の集中力には誰も勝つことは出来ないでしょう。同じように、今のトップ・アーチャーも国際大会という大舞台で、最新のうちかたを世界に向けて発信していくべきなのではないかと思います。

I:ロバート・ルイス・ドレイファス・アディダス前CEOは、「スポーツでは結果が全てだ」と言っていました。あなたはこれに対してどう思いますか?

P:私も大会や競争は勝つという結果を得るためだけにあるものだと思っています。ですが、その中に「楽しさ」もあることを忘れてはいけません。楽しむことこそがスポーツの醍醐味であり、競争相手とも共有するべきものなのです。

*インタビューは韓国で行われました。

**噂によるとゴルフの腕前はELIの社長(リンク先の後ろ姿で映っている方)が業界トップらしい。

***2005年頃にXQ-1リムの全出荷分のリコール(交換)をしてます。


ドインカー(Doinker)2019年を(仮)発表。

ドインカーが2019年カタログを(仮)で発表しました。新しい商品はないです。

というのも、新しい商品・製造工場の建設スケジュールが遅れているようで、2019年の春ごろに新商品を追加する形で発表するようです。しばしお待ちください。


アバロン(AVALON)のTYROのグラフィックが変更されます。

アバロンのタイロ(TYRO)スタビライザーのデザインが変更されます。旧デザインは旧ロゴとして販売します。よろしくお願いします。

AVALON TYROカーボンスタビライザー

AVALON TYROカーボンサイドロッド


インフィテック(INFITEC)から15mmロッドを使用したエッジ(Edge)3シリーズが発表されました。

1月に韓国メーカーのインフィテック(INFITEC)からテスト用として自分の知る限りでははじめての、最近増えつつある小口径ロッド(15mm=ドインカー・ヒーローとほぼ同じ)デザインを採用したエッジ(Edge)3スタビライザーシステムが入荷しました。低価格で、リカーブ・コンパウンド両方に対応できるスタビライザーです。

マットブラックをベースとした15mm径ロッドを使用し、ステッカーの色で黒・赤・青の3種類のラインナップですが、在庫は黒のみとします。ダンパーが装着されており、ウェイトが付属します。

特徴は市場の15mm径以下のスタビライザーでは最も安く、このデザインを試してみたいという方には最適です。当然ですが、この商品の剛性を10倍近い価格を持つドインカーのヒーローや3-4倍の価格を持つ、他のスタビライザーとは比較することはできないです。ただ、口径を小さくすることで風などの影響を低減するというコンセプト自体は、使用しているカーボンのグレードには依存しないので、その意味では上位のモデルと同じだけの性能を持ちます。

テストしてみると、感覚は同じ風の影響の低減を目的としたカーボンブレード(生産終了モデル)と同じ感じです。その形状の関係でどうしても、ONYX(今自分が使用しているモデル)やビースティンガー(去年まで使用したモデル)と比べると細かい振動が残る感じです。大きな振動にはある程度有効で、残った振動はそれほど気になってしまう程度ではありません。古いバーティカルデザインの弓とは、もしかしたら相性が良くないかもしれません。

ダンパーは取り外し可能で、ねじはすべて1/4″が採用されています。

この価格帯(センターで5,800円)では評価できるスタビライザーの一つです。コンパウンド・リカーブ両方に対応しますが、取り扱いはリカーブ店で行うこととしました。

INFITEC EDGE3 シリーズ


WIAWIS ACS Nanoスタビライザーは重いです

DSC_1124ウィンのWIAWIS ACS Nanoスタビライザーが入荷しました。手にしてみると誰もが重いと感じると思います。

HMC + センター 28インチ 120g サイド 11インチ 160g(80g x 2) エクステンダー 5インチ 67g CX2バー 85g(SA含む) トップウェイト 3つ 114g = 546g

WIAWIS センター 28インチ 185g サイド 11インチ 190g(95g x 2) エクステンダー 5インチ 69g CX2バー 45g(SA含まない) トップウェイト 3つ 150g = 639g(+93g)

*すべて実測値
**新しいACSシステムでは、センタースタビライザーのねじを長くすることで、センターがVバーを通って直接エクステンダーにつながるようになっています(SAボルトを必要としない)。

トップウェイト1つずつ装着した場合で93g増、HMC+からの移行の場合最低ウェイト2.5個分ほど重くなります(最低限各ロッドに1つはウェイトをつける場合)。HMC+と比較するとこのスタビライザーシステムの第一の特徴は大幅な重量の増加です。メーカーの事前の説明ではHMC+との比較において、振動吸収機能の強化ということでしたが、このスタビライザーのレビューをHMC+との対比することは困難です。

スタビライザーの性能を語るときは、ざっくりと「振動吸収性」と「剛性」で書いていますが、厳密に書けばスタビライザーの重さあたりの「振動吸収性」と「剛性」です。使用するアーチャーにかかる重さを無視して単純にロッドを太くすれば簡単にどちらの数字も高くすることは可能ですが、そのような商品は望まれていません。

HMC22 センター 28インチ 177g サイド 11インチ 214(107g x 2) エクステンダー 5インチ 85g CX2バー 85g(SA含む) トップウェイト 3つ 114g = 675g

WIAWIS センター 28インチ 185g サイド 11インチ 190g(95g x 2) エクステンダー 5インチ 69g CX2バー 45g(SA含まない) トップウェイト 3つ 150g = 639g(-36g)

もう一つのウィンのスタビライザーシステムHMC22との比較であれば、ウェイト1つ分の違いですので、こちらをベースに見ていきます。ロッドの径は22mmから、WIAWISではセンター・サイドは18.3mmに、エクステンダーのみ20.4mmとなっています。全体の重さはほぼ同じでロッドは大幅に細いものになっています。WIAWISのロッドの特徴として細くて重いロッドであると言えるかと思います。

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DSC_1127もう一つの特徴はSIMSなどから発売されているスタビライザーに追加するロッドに装着するタイプのゴムダンパーをセンタースタビライザーとサイドスタビライザーの根元に標準装備している点です。これによってスタビライザー根元部分での振動吸収性の向上を見込むことができます。さらに細いのに重いロッドを使用していることからも、実際にセンター1本だけでテストしてみると、HMC+とHMC22に比べて実感できるほどの振動吸収性の向上があります。細い分、風に対しても有利になっています。

DSC_1129ただ、残念な点もあります。それはゴムダンパーがぴったりとロッドに装着されていないところです。写真のように簡単にめくれます。ロッドの振動を吸収するのであれば、より密着しているほうがよく、この部分を交換するシチュエーションもないと思いますので、購入後はこの部分を接着してしまったほうがよいかもしれません(自己責任でお願いします)。

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DSC_1131今回、ロッド単体ではなく、Vバーシステム全体で紹介したのは、このロッドのセンタースタビライザーには非常に長いねじが装着されており、Vバーでの使用を前提として設計されていることです。Vバーで使用する時でSAボルトを介することなにく直接エクステンダーに装着でき、システム全体の重さを軽くすることができます。

ただ、最初の比較で説明したように、これはあくまでも重いロッドによって全体的に重くなってしまったWIAWISシステムを少しでも軽量化するための工夫であり、このスタビライザーが軽さを目指して開発されているということではありません。SAがいらないWIAWISって軽いスタビだと思って購入すると間違えます。

以上の特徴を踏まえると軽量なスタビライザーを求める方には、今後もHMC+は最適な答えになるでしょう。

HMC+を使用していて重さが気にならない体力がある場合、HMC+から移行すると重心が前方(的側)に移動することによって飛び出しの向上と振動吸収性能の向上が見込めます。

問題はHMC22との比較ですが、正直WIAWISは重さを除けばよいスタビライザーだと思います。風対策にもなる小口径ロッドで振動吸収性が高く、ロッドの剛性も十分です。かつ値段もそこまで高くはないので、WIAWISと比較して明確に優れている点があるHMC+と違い、WIAWISとHMC22を比較すると、多くの場合でWIAWISのほうがよいと思います。少し考えたくらいではプロショップでWIAWISよりもHMC22のほうがお勧めできる場面が思いつきません。

この特徴的な長いセンターロッドのねじによってお客様が望むスタビライザーのセッティングが困難な場合、お客様がアタッチメントに抵抗を持っている場合くらいでしょうか。

リカーブだけではなく、コンパウンド(27.5インチ 58ポンド)でもテストしましたが、そのケースにおいてもWIAWISのほうが優れています。コンパウンドでも小口径で剛性があるロッドが流行っていますので、コンパウンドアーチャーにとっても、今後はHMC22よりもWIAWISのほうがお勧めできます。

本日よりリカーブ店で販売を開始します。間もなく、コンパウンド店の方にも登録予定ですが、32インチ黒の入荷日がまだ未定です。


イーストンのコンツアースタビライザーが入荷しました。

DSC_0859イーストンのコンツアー(Contour)スタビライザーが入荷しました。ほかのものも入荷しているのですが、少しずつアップしていきますので、少しお待ちください。

上の写真では前回の世界選手権で最も使用されたHMC+スタビライザーと比較しました。ベースにある設計思想は、HMC+などのスタビライザーがロッドの外径をそのままに、内径を先端側で絞っているのに対して、コンツアーでは先端の外径を細くすることで、同様の効果を追求しつつ、さらに風の影響を低減しています。一見ベストな答えに思えますが、欠点は製造コストが高いことではないかと思います。あとは、このユニークな見た目に対して違和感を持つ人もいるかもしれません。

HMC+の外径が20.5mmであるのに対して、コンツアーでは、根本が約1.5倍の30.5mmで、先端側は30%細い14.4mmとなっています。ロッドの重さは軽量ロッドとして考えられる数値でHMC+とほぼ同じレベルで設定されています。

ただ、センターとサイドはテーパー状に設計されていますが、エクステンダーはただのストレートの大口径ロッドとして設計されているので、エクステンダーだけは重いです。

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DSC_0857ウェイト側の接続ねじは接着されていません。写真上のように5/16と1/4の変換ねじが動かせる状態で装着されていて、これを取り外して向きを変えることで、1/4と5/16の両方のウェイト、ダンパーを装着できます。スタビライザー側のメスねじは5/16です。

CX-350などテーパー型のスタビライザーというのは昔からありましたが、根本側と先端側で外径が半分以下になるものはあまりなかったのではないかと思います。”風の影響の低減”をキーワードにして、HMC+の1.5倍以上の価格をつけていますので、今シーズンのアウトドアでのHMC+使用ユーザーを引き離せる実績を残していかないと、”風の影響の低減”だけでこの価格のものを購入してもらうのは難しいように思います。常時在庫しますが、あまり大量に在庫する予定はないです。


ストッカライズドの2014年モデルとダネージターゲットが入荷しました。

1527798_10151843805097231_1635597478_n久々にストッカライズド(STOKERIZED)から入荷がありました。2014年モデルのサイドブラケットと、上の写真のマシューズのハーモニックダンパー・ハーモニックスタビライザーを計4つ使用したオフセットバーが入荷しました。近いうちにコンパウンド店にアップされると思います。

1dcfd5aace7619ddea12e8cbe566f06cそれと、ダネージのXHDターゲットを仕入れてみました。オリンピックや世界選手権で使用されているフォームターゲットマット使用し、セットで折り畳み可能なスタンドがついています。サイズは44cm x 44cmです。6,000射までは防矢ネットなしで使用できます。防矢ネットを使えばもっと使用できます。
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また、真ん中の部分を交換することで、(交換した部分は)さらに6,000射できます。交換パーツは8,000円くらい(*)なので、コストはシングル1回分(144本)で200円くらいですね。

*初めての入荷です。良い商品だったので交換パーツ含め本格的な交渉はこれからします。この価格はあくまでも予価です。


ボウテックが幅広いセッティングが可能なミドルモデル FUELを発表

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ボウテック(Bowtech)はもうもう、年一回の発表をやめて生産が始まったら発表にするのでしょうか?まぁ、ウィン&ウィンのように12月発表で、入荷が4月というスケジュールよりは、こっちの方が助かるかもしれないですね…。

Bowtech_fuelボウテックが幅広いセッティングが可能なミドルモデル FUELを発表しました。ドローレングスは18-30インチ、ピークウェイトは18-70ポンドまで、成長に合わせて調節できる最初の弓から、(合法な国では)大きな獲物を狙うハンティングまで対応できます。

価格もアメリカでの小売価格は52,000円(499ドル)程度で、日本では輸送費と消費税を加えて6万円前後になると思います。

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競合モデルとしてはMissionのラリーになるかと思いますが、既存のモデルのInfinite Edgeの改良版という見方もできるかと思います。値段もちょっと高くなっていますが…。最初の入荷は6月の予定で話しているところです。上の写真はサイト・クイーバー・レスト・スタビライザーなどが付属したモデルですが、ターゲット用のアクセサリーではないので、弓だけでの販売をする予定です。


コードバンが高騰しております。

DSC_0035昨年からコードバンが高騰しております。各メーカー、苦労しているようで、確実に価格に反映されてきております。最近ではFITタブを販売・製造するハスコが交換用コードバンの価格最大で33%も引き上げました。

その中で、もともと価格の高いKSLタブを製造するアリゾナ(Arizona)社では、値上げではなく、人工素材(スーパーレザー)に切り替えることで対応するという判断をしました。装着されているレザー以外はすべて2013年モデルと同じで、パッケージも新規製作ではなく、コードバンと書かれた部分の上にスーパーレザーというシールを貼っての対応です。

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その仕様変更後の2014年モデルが本日届きました。

DSC_0036手触りは滑らかですが硬いです。コードバンと比べるとメンテナンスが楽な分、しっかり馴染んでくるまでには時間がかかると思われます。

コードバンを使用した2013年モデルは在庫限りで販売中です。また、交換用のコードバンも在庫限りです。今後は、交換用スーパーレザーの取り扱いになります。現在コードバンタイプのKSLタブを使っている方も、いずれかはスーパーレザーに交換しなければいけない流れになっていくと思われます。

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DSC_0039また、まだテスト中で販売開始は3-4日後の予定ですが、インナーウェイトシステムという変わった構造のアリゾナの新しいスタビライザーも入荷しました。スタビライザーのウェイト側のブッシングがねじ式で外れるようになっていて、その内側にウェイトを内蔵していくという変わった仕様です。アメリカでは一部のリカーブアーチャーも使用していますが、30インチモデルのロッドだけで260g程度あるため(一般的なスタビにウェイトを3つくらいつけた時の重さ)、リカーブでの使用はあまりお勧めできないです。コンパウンド用として販売予定です。


SURE-LOC バランススタビライザーVバーが入荷

SURE-LOC(シュアロック)から新しいタイプのVバーが入荷しました。
CM140405-163029005

リストスリングが一体化されたVバーで、コンパウンド用に設計された商品です。
シュアロックバランススタビライザーVバー
特徴はセンタースタビライザーをオフセット位置でマウントし左右のバランス(ローリング)をみる目的が有ります。
右利きの場合、弓のターゲット面から見て向かってセンターマウントを右に水平にスライドをさせて反対側のカウンターバランスを取ります。
移動量は必要(好み)に応じて決定します。

同梱内容は、デタッチ部品x3個、六角レンチ、デカールです。デカールは左利き使用の時、ロゴが上下さかさまになるので張り替えてくださいね、と言うためのモノです。
重さは195グラム(リストスリング込で)
CM140405-155515004

CM140405-160350014
3か所に入るデタッチのパーツの向きですが、片方がフラット、もう片方はRを付けた形状ですので装着の際のインパーツの方向を間違わずに済むようになっています。(フラットの方が内側になります)

Vバーは両方に対して出ていますが、片側しか必要としない場合は不要な方を外すこともできます。
CM140405-155745007
*外した時はワッシャをなくさないようにしてください。
全方向、無段階で調整が可能です。接続部分の直径は19ミリです。

一体化デザインののリストスリングが付属しています。色は白/黒の2色あみのみ。
長さ調整は六角イモネジで行います。
CM140405-160154013

ハンドルとVバーの接続部分ですが、幅は25ミリです。
CM140405-160703003
お求めの際は必ハンドル幅のサイズをご確認ください。

 

このほかにVバー部分が無い、センタースタビをオフセットするだけのマウントも入荷しています。
syuarokku
*デタッチパーツはセンター用の1個です。

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センタースタビをオフセットさせて左右のカウンターバランスが取れれば片側のサイドスタビによるカウンターは不要になるかと思います。が、ただ今度はサイドが無いままでは前方(センター先端)の重さに対しての後方カウンターが手薄になるのでやはり後ろに重心を延ばす目的でのサイドロッドは必要かもしれません。
と言う事はサイドを両側へ出して左右のバランスを取りつつ前方のカウンターも見るのか、あるいは片方装着だけでロッドの長さとウエイト搭載量で調整するのか・・・と、その組み合わせは何通りにも広がります。
また、下リムポケット近くに「リアブッシング」が付いている弓もあるくらいですから本当に多岐に渡ります。
正直どの組み合わせが正解か現時点では未知数です。
画期的なVバーであることに間違いありませんが、センターをオフセットにする事で得られるメリットを考慮してお求めください。

シュアロックバランススタビライザー
☆バランススタビライザー Vバー
☆バランススタビライザーマウント

ともにあちぇ屋CPおよび店舗にて販売中です。