シャフト加工について

x10_newシャフト加工についての質問が増えてきましたので、シャフトのページに追記しました。無料のサービスと有料のサービスがあります。

 

無料サービス
・シャフトカット
・ポイント/ノック装着
・ライン引き
・ネーム
・アローラッピング(アローラップの接着)

有料サービス
・ベインの接着

期間限定ではなく、通年でのサービス価格です。店舗でも同じです。


ジャン・ヨンホ選手がベルリンオープンで優勝

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2000年代前後に大活躍し、オリンピックで2つの金メダルと1つの銀メダル、世界ターゲット選手権では金銀銅を1つずつ獲得したジャン・ヨンホ(張龍浩)選手が久しぶりに国際大会に出場し、WINの2014年商品のラインナップの初披露目となったベルリンオープンで優勝しました。

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知っている限りでは出来立てのCEX2000の世界デビュー戦です。年末年始と関税の関係で入荷が来年にずれ込んでしまうことが確実ですが、CEX2000のカラーモデルのイメージが届きました。入荷までもうしばらくお待ちください。

ちなみにシャフトはカーボンエクスプレスのナノ・プロを使用しています。極細のアウトドアターゲット競技用シャフトです。少し前のコメントでも書きましたが、インドア競技でもリカーブにおいてはシャフトの口径よりも、修正力が高いシャフトのほうが有利という考えもあります。


カーボンエクスプレス(CX)の2014年カタログが発表されました

SONY DSCカーボンエクスプレスの新しいシャフトについて、多くのお客様から問い合わせをいただいていますが、現在、最終調整中です。1月のイギリスのテルフォードでの大きな展示会(例年ニームNimeですが、今年は会場の関係でテルフォード)のメーカーブースで最終的な決定をする予定です。

写真は入荷したNona Xtremeで、弊社の村田などがテストしています。X10よりも細いオールカーボンシャフトです。X10よりも細い極細のストレートシャフトですが、CX独自の技術で同じシャフト上に二つのスパインを持ち、中央部が硬く、両端が柔らかく、X10やACEのようなたる型シャフトと同じ性質を持ちます。重さはX10よりも、5%程度軽いです。

nanospec上記が詳細のスペック表です。450番で約5.1mm(0.202インチ)となります。

そのカーボンエクスプレスから、Nano Xtremeなどの新しいシャフトのスパイン表や詳細が記された2014年のカタログが発表されました。Nano XtremeとNano SST以外には特に新しい商品はありません(軽いハンティング用シャフトだけ)。

一般販売での取り扱いは早くともテルフォードから戻ってからなので、入荷は2月後半になります。進展あり次第再度報告させていただきます。

カーボンエクスプレス(Carbon Express) 2014年カタログ
https://archery.co.jp/catalog/2014CarbonExpressCatalog.pdf


WIN&WINが正式に自転車のフレームに参入

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作っているとは聞いていましたが、正式に自転車のフレームの販売に参入するようです。

INNO MAX/INNO CXTハンドルなどのカーボンハンドルの製造に使用されている技術を転用して、フルカーボンフレームの製造販売を始めるようです。

自転車のカーボンフレームのことはよくわからないですが、カーボンシャフトを製造するイーストンなども技術を転用してカーボンフレームを作っているので、相性は良いのでしょう。

カーボンハンドルでは圧倒的なシェアを持つ本業のアーチェリーとの相乗効果を願いします。


TopHat X7用ブレークオフポイント

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取扱開始しましたTopHatのX7用ブレークオフポイント。

極小の10点めがけて大口径の矢を放り込んでいきますが、その肝心な矢を構築するのに僅かなシャフトの番手と数種類の重さのポイントのみで、様々な引き尺やドローウエイトをカバーするのにはなかなかの経験と勘が必要で、今でも多くの選手の悩みの種だと思います。

そんな悩みを少しでも解消するには、いくつものパターンを試す事が重要になってきます。かといって高価なワンピースポイントをじゃんじゃん試すのは費用面においてあまり現実的ではありません。

そこで、このTopHatの出番です。

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上は(2315用)3段ブレークオフ、下が(2314用)2段ブレークオフ。

3段のブレイクオフは、1個当たり15グレイン、2段は1個当たり20グレイン。

径が大きいためにブレイクオフするためには、少々手間取りますが、安全に作業を行うためにはプライヤーを2丁用意しましょう。

*ポイントの外径は約8.2~3mmなので、一般的なペンチやラジオペンチでは安全・確実に挟むことが困難です。写真の形状のプライヤーの使用をお勧めします。

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プライヤーのアゴにしっかりとはさみ、もう一方のプライヤーでオフする部分をガッチリつかみ、力をかける向きに注意しなが・・・・・

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ポキッ

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少々の力が必要ですが、2丁のプライヤーを使用すればきれいに折ることが出来ます。

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切断面はこんな感じです。イーストンのブレークオフポイントのように折った後の“バリ”を気にするようなことはほとんどありません。

すっきりと折れてくれます。ただし、切断面は結構鋭利な角度になりますので、指先や手を怪我しないように十分注意してください。

ちなみに全てを折ると、インサートされる部分の長さは約24mm~26mm。そして折られた部分の長さは約5mm~7mm。ポイントの先端(外に出ている部分)が約14mm~17mm。となっています。

現在はX7用の販売ですが近々FATBOY用も取扱い開始致します。

色々とお悩みの方はぜひ一度試してみてください!!

 

 


ガスプロの羽と中ポンド帯の相性

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2週間前の弓具テストのうちの一つのまとめを書きます。
ガスプロの羽についてのテストです。ガスプロは2010年から製造がはじまった商品で、過去の記事を調べてみると、弊社では2年前の2011年の7月1日に初めて仕入れてのテストを行っています。
ヨーロッパ選手権とか…スピンウィングの独占を止めるかもしれない羽。
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-761.html

実射テストで大変良い結果を残し、また、同時にお客様へも評価用として10パック程度提供し、良い評価が多かったと記憶しています。その後、8月にコンパウンド用のガスプロベインの販売を開始しました。
GAS PROの取り扱い開始
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-801.html

当時はまだ当店だけで販売していましたが、その後、新たに国内で代理店になるところも現れ、今年の2月にパートナーとして累計100万枚製造記念の記念品を頂きました。おめでとうございます。
実射テストをしてから、この羽の事は評価していますし、多くの試合で結果も残しているのですが、お客様へアドバイスするときに、いまいちすっきりしない点があり、今回のテストになりました。詳細に関しては前回の記事をご覧ください
ガスプロの優位性は羽が起き上がっていないため、クリアランスがよく、かつ、風に強いことです。風にスピンの矢の高さが15.6mmに対して、ターゲット専用に開発されたガスプロ・ターゲットでは11.9mmしかありません。この値が少ないほど風に対して強くなりますが、そうすると極論はベアシャフトが一番良いという話になってしまいます。
風に対する強さとともに、羽に求められているのは、修正力です。風への強さと修正力、このバランスの中で羽を選択する必要があります。加えて、低ポンドの場合は、羽の重さも重要になります。
初期のころ、ガスプロの羽は低い(小さい)ので、修正力も弱く、矢速が落ちにくいので、低ポンドの方にもお勧めできるのではないかと思っていましたが、やはり、この羽のネックは重さにあります。ガスプロ・ターゲットの重さは332.4grで、最新のゴム羽とは0.6grの違いしかありませんでした。スピンは327.8grで4.6grも違います。
ゴム羽に近い・ほぼゴム羽と同じ重さであるために、低ポンドアーチャー(~30ポンド)には、やはりお勧めできないです。一方で、高ポンドのアーチャーではガスプロは多くの実績をすでに残しており、世界中で多くのトップアーチャーが使用しています。
今回のテスト中心的なテーマは、中ポンド帯のお客様(30~36ポンド)には、どの程度お勧めできるのかということでした。
過去の記事のコメントではこんなことを書いています。
(ドイツの新しいシャフトメーカー)のコメント欄
http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-1253.html#comment1863


>ガスプロ・スピンベインからエフィシェントに張り替えたのですが、
>サイトが少し落ちました。理由を教えてください。
サイトが落ちるかどうかは人それぞれです。サイドが落ちる場合は回転数が上がりすぎている可能性があります。柔らかいACEなどで発生します。逆にお客様がX10の450のような重いシャフトを使っていて、サイトが落ちた場合は、違う原因が考えられますが、詳しくはもう少しお客様の情報がないと分析できません。
>あと、一般的にガスプロよりスピンウィングの方がよく飛ぶと言われますが、その理由も教えてください。
自分はそうは思いません(ガスプロの方が優れているとは思っていません)。一番の違いは羽の硬さです。柔らかい羽根が合う方もいれば、硬い羽根が合う方もいらっしゃいますので、一概には言えません。


このコメントはシューターテスト時点でのものです。今回のテストはシューティングマシンを使っています。前者の返信に関してはこのまま訂正するところはありませんが、後者の返信に関しては、読み返すと修正する必要があると思います。
自分の仮説では、ガスプロの羽は小さいので、風に対して強いものの、スピンよりも修正力は弱く、減速率も低いので、中ポンド帯のお客様ではスピンよりも良いのではないかというものでした。重さによる差を引けば、矢速は同じだと思っていましたが、今回のテストで、重さによる差を差し引いても、0.2~0.5%スピンよりも、矢速が出ません。予想外です。
まとめると
・(良い点) ガスプロの羽は小さいが修正力はスピン同等レベルである。
・(悪い点) ただし、スピンと同等レベルにシャフトを回転させ、同一条件下でも、サイトはわずかに下がる
ですので、ガスプロは高ポンド(36ポンド以上)で風対策をしたい方には絶好の羽です。低ポンド(~30ポンド)では、今まで通り、スピンウィングがお勧めです。中ポンド(30~36ポンド)では、ガスプロではターゲットよりも、ノーマルのガスプロが良いと思います、もしくは、スピンウィングの方が良いでしょう。
*低・中・高ポンドのカテゴライズは今回の結果を見て、今回の結果分析のためのものです。別の記事でも36ポンド以上は高ポンドとして表現しているとは限りません。


競技用ベインのスピードと修正力の比較

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写真は現在競技用として最も普及している4つの羽です。左から1.75インチ(45mm)のゴム羽、2.5インチのガスプロ・ターゲット、2インチのガスプロ・スピン、スピンウィングです。
先日、屋外のテストの時に、これらの完成矢でシューティングマシンによる実射テストを行い、性能の比較を行いました。
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結果報告の前に、まず理想的な羽とは何かについて書きます。羽の役割は矢を安定させ、ミスによるブレに対する修力を矢に与えることです。そのために、良い羽とは矢速の速い羽根ではないことには十分に注意してください。リムの性能比較において、矢速が速い方が優れているのはそれがエネルギーの変換効率が高いことを示しているからです。矢において、羽は矢速からエネルギーを得ることで矢を安定させ、修正力を与えます。そのために、矢速が”遅い”方(減速率が高い)がミスに対する修正力が高いことになります。
今回、このテストを行うきっかけになったのは、ガスプロの修正力のテストをしたかったためです。下の結果報告に詳細がありますが、ガスプロの最大の特徴は背が低いことです。スピンウィングと比べ、24%も背が低く設計されています。このために、横風に対して強いのが最大の特徴です。では、なぜみんな背を低く設計しないのかと言えば、背が低いと矢速を修正力に変換することが困難となり、修正力が不足してしまうためです。
ガスプロは背を低く設計しながらも十分な修正力があることが最大の売りでした。実射テストなどではテスト済みですが、今回初めて矢速計で実測しました。
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その結果の報告です。サイズは羽のサイズです。高さは羽単体の高さではなく、貼って完成矢にしたときの高さを写真の方向で測定したものです。値が低いほど風に対する抵抗力が高く、風の影響を受けにくいです。初速は弓から1m時点での矢速です。終速手前1m時点での矢速です。注意していただきたいのは、矢の弾道は重力の影響を受けるため、同一の条件下でも50mを射った時の18m地点の通過速度と、18mを射った時の18m地点の終速はお粉ります。減速率は初速と終速の差です。
修正力ですが、今回は条件を整えるために同じシャフトに違う羽を貼ってテストしました。そのために、すべての矢は重さが違います。最大で1.6%も違っています。減速率から、矢の重さによる誤差を理論値を使っては除去したものが、修正力となります。
今日は時間がないので…そろそろ帰ります。続きは明日書きます。


HMC22 と HMC+ についての分析

前回の公開テスト記事から、いろいろと考えました。でたらめでない弓具テストをすることは簡単ですが、的外れでないテストをすることはなかなか困難です。技術的な全く正しいとしても、その結果が価値のないものでは意味がありません。

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振動を人間がどう感じるかについて、考えましたが、今回は取得したデータをそのまま使うのではなく、二乗して使用しました。今回はスタビライザーのロッドについての振動吸収性能を知るためのテストです。スタビライザーに必要なのは発射時の振動吸収であって、わずかに残る振動吸収についての評価は難しいです。これは個人的な考えですが、大きな振動の感じ方は多くの方で共通しますが、弓に残る小さな振動の感じ方の違いは大きいように感じます。
そこで、データを二乗することで、より小さな振動が結果に与える影響を小さくし、大きな振動が結果を与える影響を大きくしました。上のグラフのX軸が加速度だとすると、Y軸が結果に与える影響です。前回は単純に加算しただけなので、比例していますが、今回は小さい振動(加速度)の影響を小さくし、大きい振動の影響を大きく加工しています。
その結果、下記の通りとなりました。
68インチの42ポンドで、HMC+センター28インチだけを装着してシューティングした場合の振動と振動時間を100とすると
1.68インチの42ポンドで、HMC+センター28インチだけ – 振動 100 振動時間 100(117ms)
2.68インチの42ポンドで、HMC22 センター28インチだけ – 振動 79 振動時間 94(110ms)
3.68インチの42ポンドで、通常環境 –          振動 74 振動時間 93(109ms)
4.68インチの42ポンドで、通常環境にセンターだけHMC22(28″) – 振動 76 振動時間 95(111ms)
5.68インチの42ポンドで、すべてのロッドをHMC22 – 振動 69 振動時間 97(114ms)
6.68インチの34ポンドで、通常環境 – 振動 48 振動時間 100(117ms)
7.68インチの34ポンドで、すべてのロッドをHMC22 – 振動 42 振動時間 103(120ms)
という結果になりました。
もっとも振動のおさまりがよかったのは、普段いろいろな道具をテストしているスタッフが使用している私物の弓(通常テスト環境)でした…あらら。まぁ、最近ハンドルをINNO MAXにして、VバーをCX 2 にしたばかりなので、最新の弓具といえば最新の弓具でもあります。
もっとも、振動が少なかったのは、ロッドをすべてHMC22にした場合でした。さすがといいっていいと思いますが、センターだけの場合HMC+との違いは3%だけでしたので、昨日の実射で違いが判らないといった自分のことは許していただきたいです…3%の振動の違いは…分かる人はわかるかもしれませんが…ピックアップでないと計測するのは難しいと思います。
ロッドをすべてHMC22の方が7%振動吸収に優れている点は間違いありませんが、重さでは、HMC+よりも、126g(ウェイト5つ分)も重いことにも注目する必要があるかと思います。これだけの重さがあれば、アッパーと、カウンターかリムセーバーを付けることが可能です。
HMC22の方が7%振動吸収に優れていることは確かですが、セッティングの自由度を考えれば、軽い弓を好まれる方はHMC+を選択し、その分(126g)方のセッティングの自由度を確保することがよいと思われます。また、HMC22の方が振動吸収がよいのは間違いないので、HMC22を使用してもなお、アッパーなどの道具を使用する体力に自信があり、重い弓を好まれる方には、HMC22はよい選択肢だと思います。
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次に振動の特性です。振動の吸収性能はどの程度の振動を吸収するかですが、吸収できない振動は、グラフに出てきます。そのグラフには大きな特徴の違いがあります。
グラフの上がHMC+で、下がHMC22です。HMC+が縦に膨らんでいるのに対して、HMC22は横に伸びているのが分かるかと思います。これはHMC+では柔らかい先端が大きく振動するために、大きな振動を抑えられないものの、その後の小さな振動をうまく吸収し、振動のおさまりがよいのに対して、HMC22では、高い剛性で大きな振動を抑えるものの、剛性が高いために小さな振動をうまく吸収できず、振動が収まらず、余韻が長く続くことを意味しています。どちらが良いか…これは好みの問題だと思います。どちらの方がよりグルーピングするという研究・主張は存在しないと思います。
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(↑グラフ上が5番、下が7番)
今回、HMC22を34ポンドという環境でもテストしました。このテストはあくまでも高い剛性のHMC22の低いポンドでの振る舞いをテストするためのものです。
42ポンドと34ポンド、そして、軽量カーボンとグラスファイバーリムの違いですので、本来発生する振動は大きく違いますが、ロッド剛性が弓のパワーとあっていないために、何度かの揺り戻し(基本的には下のグラフの方が振幅が小さいが時折大きく振れる)が発生し、また、振動が収まらず、パワーにすると7割程度である34ポンドと42ポンドの振動継続時間がほぼ同じになってしまっています。
もちろん、34ポンドでHMC22を使うためのチューニングをすることで、この揺り戻しを無くすことは可能であると考えられますが、ロッドを買って、ウェイトを付けてすぐに使うのであれば、剛性が高すぎると言えます。
34~36ポンドでのHMC22の使用はお勧めできません。
*通常のテスト環境は
ハンドルはWIN&WIN INNO MAX、リムはM42がINNO EX POWER、ブラックマックスエクステンダー、HMC+サイド、V-Zeroダンパー、FIVICSアッパー、CX 2カーボン Vバー。シャフトはX10を使用。今回、M34ではバンブーファイバーリムを使用しました。
ノイズを1とした時、取得データが10になった時点を振動の開始とした。また、後続10データ(サンプリング2000回/秒)の合計値が50を切った時点を振動の終了とした。50の振動はクリッカーが落ちた時の振動とほぼ同じ。
3軸加速度の合成加速度を二乗し、その値を合算した値をハンドルの振動を比較するインデックスとしました。
テストはシューティングマシンではなく、シューターが行いました。それぞれのセッティングで、何射か射ち、そのデータの中で最も振動の合計が少ないもの(振動が大きい射はシューターの問題だと推測されるため)を使用しました。


HMC22 / HMC + のデータ収録完了

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加速度センサでのデータ収集終了。これからデータを加工して、レビューを書きます。

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加工していないデータは上記の通り。
上から、
– ハンドルとリム(M42)にHMC+ センターのみ
– ハンドルとリム(M42)にHMC22 センターのみ
– ハンドルとリム(M42)に通常テスト環境
– ハンドルとリム(M42)に通常テスト環境で、センターのみ HMC 22
– ハンドルとリム(M42)にすべてのロッドをHMC22
– ハンドルとリム(M34)に通常テスト環境
– ハンドルとリム(M34)にすべてのロッドをHMC22
です。
*通常のテスト環境は
ハンドルはWIN&WIN INNO MAX、リムはM42がINNO EX POWER、ブラックマックスエクステンダー、HMC+サイド、V-Zeroダンパー、FIVICSアッパー、CX 2カーボン Vバー。シャフトはX10を使用。
今回、M34ではバンブーファイバーリムを使用しました。


明日から仕事に戻ります。

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3日間山篭りした結果…先ほど「アーチェリーの理論と実践(1887)」の翻訳が終わりました。ホームページにはすべてアップしました。この本は50年ほど前に著作権が切れていて、欧米では現在でもいろいろな出版社から出版されている名著です。日本語訳を印刷する予定はありませんが、PDFでも配布予定です…家のパソコンにはPDFにするソフトがないので、会社に戻り次第やります。
プロショップとして六年目。自分を振り返って、アーチェリーの歴史を復習するためのやりましたが、多くの新発見もあり、非常に勉強になりました。
まず、著者のフォード氏はしっかりと記録が残っている19世紀以降でもっとも偉大なアーチャーの一人で、その記録(現在のタブルFITAラウンドに相当する記録)は70年間破られませんでした。彼の道具に関する意見は、1930年代にアメリカのヒックマン博士によって、覆されてしまいましたが、彼の射形はそのまま現代のアーチェリーのベースになっていて、170年近くたった今でも、違う所を探すほうが難しいです。
詳しく・詳細に知りたい方は本を読んでいただくとして、あまり知られていないアーチェリーの歴史ネタをいくついくつかピックアップしてみます。
・王様アーチェリーに負けて、めっちゃ金取られる
次の要約は1531年、当時41歳で点数も最も優れていた時期の彼(ヘンリー8世)の私用の金庫の帳簿の内容である。矢1本につき1ギニーを賭けていたが、晩年のダドリー卿が60ヤードの距離で放った素晴らしいショットの数々は、まさしく分が悪い勝負だったに違いない。
「3月20日 トットヒルにて王がジョージ・コトンに7本差で負ける、6シリング8ペンス対45シリング8ペンス。」
「3月29日 トットヒルにて王がジョージ・ギフォードに負ける、12シリング6ペンス。」
「5月13日 4月最後のラウンドでジョージ・コトンが王に勝つ。3ポンド。」
「6月3日 ジョージ・コトンが王に賭けで勝つ。7ポンド2シリング。」
そして6月の最後の日にも「グリーンウィッチパークでコトン家の3人に王が負ける。20ポンド。その内の勝者には6シリングと8ペンス与える。」

・アーチェリー普及しすぎて衰退

アーチェリー大好きな王様は国民全員アーチェリーせよという法律を作り、アーチェリーは普及したが、スポーツ的な精神が廃れ、ギャンブルとして行われるようになり、スポーツアーチェリーは逆に衰退…。
ヘンリー8世が作った議会法(Acts of Parliament of England)とは
An Act concerning shooting in Long Bows. (3 Hen.8 C3 1511)
-すべての40歳以下の男性は弓と矢を持ち、シューティングをするように
・アーチャーみな坊主
きれいなルージング(リリース)を実行するためには、自分の頭の部位をすべてきれいにしておく必要がある。そして同じ理由から、ローマ皇帝レオも戦争に行くすべてのアーチャーの頭とヒゲを剃り、髪の毛がエイミングの邪魔をせず、またヒゲがストリングの邪魔をしないようにしていたのである。
・何のために…アクティブ・リリース
もう一つのリリースであるアクティブ・リリースと呼ばれるものは、デッド・リリースの進化形とも言えるものである。リリースの瞬間に指が全く動かないデッド・リリースとは異なり、一度は指が開くがストリングが離れた後、その前のポジション、つまりまっすぐ伸びる代わりに元の丸まったポジションに戻るのである。
…どんな利点があるのか、今となっては不明。
・サイトとピープサイトの原型に関する記述
(サイト)
常にリリースの手をコートの襟のボタンに当てていた晩年の聡明なるジェームズ・スペッディン氏は、「エイミングするポイント」を明確にするために弓に「サイト」を取り付けていた。これはまるで銃の銃口につける明るい鉄のビーズであった。小さな鉄のロッドの先端にこのビーズを取り付け(実際は明るいヘッドを持ったピンだった)、弓のバック面に追加した溝にこれを差す(上下させることもできる)ことで、彼の自然な(あるいはそうであるべき)「エイミングするポイント」が下であっても、それをターゲットの中心に合わせることを可能とした。ただしこの装置では、弓の僅かな曲面でもエイミングに支障が出てしまっていた。
(ピープサイト)
アメリカ生まれの装置で、ピープサイトという小さなアパーチャー(口径)の付いた小さな装置があった。これはボウストリング上で上下に動かすことができ、正しく設定すれば、エイミングする目によって丁度その真ん中にターゲットの中心を見ることができた。この装置は非常に弱い弓以外では役立たずだというように言われており、例え小さな震えでもエイミングに影響し、狙うことができなくなってしまう。
・砲丸投げのように…
さて、シャフトが飛んでいったあとでも、かつての悪しき習慣がアーチャーに根付かせてしまった間違いはたくさんある。特にシャフトの後を追って叫んだり、こんなにも誠実な競技であるのにも関わらず不誠実な言葉を吐いたりすることもそうだ。
– Toxophilus (1545)の引用