KINOVEA 最新バージョン 2023.1.1

2023年の11月6日の記事でしたが、新しいバージョンでは日本語対応が外れていたので、開発者の方と連絡を取りましたが、2023.1.1として多言語対応版が更新されました。下記よりダウンロードできます。

  Kinovea-2023.1.1.exe (installer)
  Kinovea-2023.1.1.zip (self contained archive)


【追記】KINOVEA 最新バージョン 2023.1

【追記】

(日本語版は)数週間以内にリリースする予定だ。このリリースは、いくつかのバグフィックスと更新された言語のみになります。

と、開発者の方より返信がありました。更新され次第、再度お知らせさせていただきます。(追記ここまで)

動画分析ソフトのKinoveaが新しいバージョン2023.1をリリースしました。正式なバージョンではあるものの、開発者の方によると証明書の更新が高価なため、現時点で証明書は更新されていません。

コード・サイニング証明書の有効期限が切れ、その間に要件が変更されたため、バイナリに署名するためには、より高価な証明書(+300ドル/年)とハードウェアを購入する必要があるらしい、

https://www.kinovea.org/en/forum/

そのため、環境によっては、信頼できるソフトかわかりませんがインストールしますか? という確認画面が出るかと思います。私の業務用環境でもでました。

2023.1での目玉の新しい機能はKinogramモード(ツールメニューの中にあります)があります。動画の範囲とコマ数を指定することで、自動的に上記のような分析をしてくれ、画像として出力してくれます。

上記の走る陸上の場合、常に動画の同じ位置に人物を入れておかないと、あまり正しく機能はしないのですが、アーチェリーの場合は問題にならないかと思います。下記は英語での説明です。

また、最新版では日本語が選択できなくなっていますが、新機能の日本語訳が不十分なのが原因かもしれません。開発者の方に連絡を取っているところです。

バージョン名が0.9.6から2023.1.0に変更されています。

Kinovea-2023.1.exe (installer)

Kinovea-2023.1.zip (self contained archive)

*正式なリリースは8月末です。このあとあともいくつかの新情報をアップデートしていきますが、すこしタイムラグがあることをご理解ください。もう知っているわ、という方は読み飛ばしていただければ幸いです。


800万アクセスありがとうございます。

逆算すると8月頃でしょうか。こちらのサイトの管理者として記事の更新を休んでいた間に800万アクセスを超えていました。もう807万に。これまでのプロとしてのノウハウの一つの集大成として書いたチューニングマニュアルも5000部を超えるダウンロードをいただき、ありがとうございます。

アーチェリー場の件を次のステップに進めたので、11月はこちらのサイトの更新を集中的に行っていきます。よろしくお願いします。


STAN ONNEX-C が入荷

STANのリリーサー「ONNEX」に新たなラインナップが加わりました。

ONNEX-C 「C」はクリッカー(CLICKER)のCです。

トリガー式リリーサーへ業界初となるの「クリッカー」が搭載されました。

トリガーを押し込んでいくと、途中で「カチッ」と感触と音が走り、発射間もなくの意識付けが明確になります。

クリッカーが作動するまでは能動的にトリガーを押し込むことができ、心理面において大きな役割を果たします、とレビューされています。

ボディー上面にあるネジ穴でトリガーテンションを調整します。

そしてトリガーとコンキングレバーの間にあるネジがトリガートラベル(移動量)の調整ネジとなっています。

【参考動画】

付属品です。

4本掛けフィンガー、ラージトリガーバレル、ロングトリガーポスト。そしてトレーナロック(トリガーバレルに収納)が付属します。

STAN ONNEX-C は店舗およびオンラインショップにてまもなく発売です。


なぜ戦前の日本語が読めないのか?

1883年5月29日付土陽新聞

(アーチェリーに関連のない記事です)

調べ物でイリアスを読む必要があり、古くある本だから、青空文庫とかで無料版あるかなと思ったらありました。しかし、これが読めない…

次に弓射る者のため暗緑の鐵賞に賭け、
兩刄の斧と片刄とを各々十個取り出し、
而してはるか沙の上、引き上げられし黒船の
はしらを的と打ち定め、そこに可憐の鳩一羽、
細き糸もて足繋ぎ之を射るべく命下す。(イーリアス 土井晩翠訳 1940発行)

https://www.aozora.gr.jp/cards/001099/files/46996_40612.html

たった、80年前の日本語が全然読めない(私の知的レベルの低さは認めます)のです。なんで、戦前の日本語がこんなにも読めないのだろうかと思い、軽い気持ちでネット検索したのですが、全く的を得た答えが見つかりません…。シェークスピアが悪いとか、GHQの陰謀とか…。

という事で、自分で調べみましたという記事です。

答えから先に書きますと「偉そうな文書を書きたかったから」です。(土井さんの文書は翻訳ですので、偉そうな文書を選択したのは、原文にそういうニュアンスがあり、忠実に訳したのかはラテン語の知識がゼロなのでわかりません)

以下、もう少し詳しく。

江戸時代には「話し言葉」と「書き言葉」がそれぞれに別に存在したのですが、明治時代にそれを一致させよるという言文一致と運動がおきます。一致させるといっても、2つで仲良くするのではなく、書き言葉を話し言葉に寄せていこうという運動です。移行期の明治時代の小説家は両方の言葉で小説を書いていたりしていました。

(書き言葉) 石炭をば早や積み果てつ。(森鴎外,舞姫,1890)

(話し言葉) 金井しづか君は哲学が職業である。(同,ウィタ・セクスアリス,1909)

帝国教育会の有力者によって結成された言文一致会が明治43年12月に目的を達成した事により、解散したことから、この運動はだいたい明治時代に終わったと見ることができます。なので、もし明治の文書が読めない・読みにくかったら、その理由は書き言葉が話し言葉に統一される前の文書だからと言えると思います。

さて、この運動に乗らなかったのは、権威側の人達でした。最たるものは法で、なんと2018年という驚異的な記録です。

六法ようやく口語体で統一へ 「スルコトヲ得」やめます

ちょっと抵抗したのはエリート層の新聞で、大正10年~11年になって東京日日(現・毎日)と朝日が口語化します。記事の最初の方でGHQ陰謀説が出る理由はおそらく、明治に口語化がなされ、大正のなって新聞が改めたあとでも、天皇の詔勅(しょうちょく)は伝統に則って書き言葉を用いていたのを、戦後

敗戦によるきびしい歴史的な現実に遭遇するに至って、その基盤であり支えであった前近代的な残存権力の崩壊、それに代わる民主的なものの興起と共に、ようやくそれらの残存文語体文(書き言葉)も一掃された。

山本正秀, 言文一致文の歴史と特色,日本文法講座 続 第3 (文章編), 明治書院, 1958, p 278

といった流れがあったために、まぁ、GHQの陰謀と言っても間違いじゃないっちゃ間違いじゃないとは思います。天皇の御言は伝統的なものでわかりやすさを重視する必要があるのか疑問ですし、わざわざ口語化する必要があったのかは個人的にも疑問ですので、間違いなくGHQの陰謀です!!

ということで、以上の流れから私の理解としては、

明治時代のわかりにくい文書 → 昔の書き言葉だったから

大正時代のわかりにくい文書 → エリートっぽさをまだ出したかったから

昭和時代敗戦までのわかりにくい文書 → 偉そうな文書を書くためにあえて使った

戦後のわかりにくい文書 → よく頑張って耐えた抜いた!!偉い!!

と考えるのが妥当ではないかと思います。

英語に関してはこのような問題は言語単体としてはないですが、ラテン語との対比においては同じ構造があります。17世紀の科学者ニュートンは「自然哲学の数学的諸原理」をラテン語で、「光学」を英語で書いています。

参考文献 言語の標準化を考える : 日中英独仏「対照言語史」の試み 高田博行, 田中牧郎, 堀田隆一 編著


STAN ONNEX レジスタンス

既に取り扱い販売しているトリガータイプとヒンジタイプに続くトゥルーバックテンションタイプのONNEXが届きました。

「R」がレジスタンスタイプのしるし。「H」だったらヒンジ、「T」はトリガーです。フック近くの「M」はサイズを示します。

動作手順は違うもののトリガーやヒンジと同じプラットフォームを持つので弓のセッティングを変えることなく状況に応じたシューティングが可能になるので、自分がどのスタイルで撃つのがあっているか選定しやすいでしょう。

フックにかかる重量が一定の強さ(予め設定しておきます)に達すると発射されると言うこのメカニズムは、ドローイング開始時にサムレバーをしっかり握って(押し込んで)からドローイング。アンカーに入って指を離すことでロック解除。後はただシンプルに引き続けるだけです。

開放値を設定する時はホールディングウエイトと開放値の差異が結果的には2~5ポンドぐらいになるのですが、この差異は射手によって好みがまちまちなので、開放値調整ネジを回す際は1/8回転ずつにして、その度に近射をおこないフィーリングを確かめるのが良いでしょう。

開放値調整ネジ 調整には付属の5/64インチ六角レンチが便利です。

開放値を高く(強く)するにはネジを時計回りに。反対に低く(弱く)する場合は反時計回りに回します。

もう一度言いますが、調整は1/8回転ずつでお願いします。

またドローイング中のサムレバーはしっかり押し込みながらドローをしてください。ドロー中に押込みが足りなかったり、あるいは力が緩むと暴発をおこし、ケガや事故が起きる危険性が高まります。必ず安全を最優先に操作や調整を行ってください。

【注意】初めてトゥルーバックテンションリリーサーを手にする方は、初めは開放値(差異)は広めにしてください。アンカーに入ってエイミングを行う時、本人には自覚の無い緊張で案外ガチガチに引いてしまう事があります。(引きすぎていると言う事です) この様な状態でサムレバーを解除すると(離すと)途端に発射してしまいます。ですので、アンカーに入ったらまずは一息ついてリラックスしてからバックテンションを掛けるようにした方がより安全にシューティングができると思います。

トリガータイプやヒンジタイプはエイミングしながらバックテンションを掛けつつリリーサーを《操作》するので意外とやることが多いです。その点トゥルーバックテンションタイプは暴発しないようにしっかりと事前設定をおこない、常に冷静でリラックスさえ心がければ最少手順で的に向き合えるリリーサーです。トリガーコントロールに悩んでいる方にとっては問題解決の助けになるかもしれませんね。

同梱品です。

◆トレーナーロック

◆トリガーポスト(長)とトリガーバレル(太)

◆3⇔4フィンガーパーツ

ONNEX/レジスタンスは間もなく販売開始です。


A.C.プーシキン「漁師と魚の物語(Сказка о рыбаке и рыбке)」

(アーチェリーには関係ない記事です)

コロナになって全く触れていなかったのですが、少し落ち着いたタイミングで、新しく一冊、プーシキンの「漁師と魚の物語」という本を翻訳しました。著者は1837年没なので当然ですが、絵本のイラストレーターのヴラディーミル・カナシェーヴィチ氏も1963年没なので、著作権切れの作品です。

ロシア語は初めてですが、20ページの短い話ですので、楽しんでいただけたら幸いです。もう少し長いロシア語の作品(КНИГА О ВКУСНОЙ И ЗДОРОВОЙ ПИЩЕ)に取り組んでいるのですが、習作として、短いものを選んで翻訳しました。

漁師と魚の物語(PDF 山口訳 2022年 2MB)

著者 アレクサンドル・プーシキン – wiki


TruBall EXECUTIVE QS 入荷しました★

5月最初の入荷は昨年の12月に発表されたTRU BallのEXECUTIVE クイックシルバー・リリーサー。現状クイックシルバーカラー、Mサイズのみです。

高性能化に伴い、いよいよリリーサーの値段も3万円台に乗りそうです(現状ギリギリ切る値段で販売できると思います

12月にはこんな楽観的なこと言っていましたが、130円では無理でした。。31800円とさせていただきました。レビューは近くアップします。

TruBall EXECUTIVE QS - JPアーチェリー


BOHNING CAULDRON フレッチングジグ

BOHNING(ボーニング)から新しいフレッチングジグ「CAULDRON(コールドゥロン)」が入荷しました。

一度に3枚のベインを貼りつけることができるボーニングの「タワー」の発売から10年。満を持しての後継モデル登場となりました。

ちなみに、CAULDRON(コールドゥロン)・・・直訳すると「大釜」

どう言う経緯からこのネーミングになったのか・・・分かる方がいれば教えてください(^^;

さて、このコールドゥロンではタワーには付属しなかった左ピッチのベインアタッチメントが初めから付属することになりました。これはとてもありがたいです。

しかも組立不要!箱から出してすぐに使えます。ありがたい変更点ですね。

付属するアタッチメントは5種類。

◆ストレートピッチ 長さ5インチのベインまで対応可:グレーのパーツ

◆3度/右 3インチ:黒

◆1度/右 5インチ:赤

◆3度/左 3インチ:紫

◆1度/左 5インチ:オレンジ

対応するベインはプラスチックベイン(ゴムベイン)のみです。フィルムベインは対応していません。ご注意下さい。

タワーでは羽根を貼りつける際にはシャフトにノックが装着済であれば外す必要がありました。

コールドゥロンはノック装着状態でベイン接着をします。随分楽になりました。シャフトの太さに応じたサーバーの変更も不要になりましたし。

そして貼り付け位置の調整もタワーでは2段階の高さしか選択できず、しかもその変更の為には部品を交換する手間がかかっていました。

その作業もなくなりまして、しかも4段階の貼り付け位置の選択ができるようにもなりました。

★ノックの溝から貼り付け位置までの距離は以下の4段階

27.3mm/32.4mm/37.5mm/42.5mm

一般的な2インチ前後のベイン(高さ10mm未満)で27mm、インドア用などの4インチ前後のベイン(高さが10mm以上の物)で32mmか37mmの距離になると思います。

調整はアームに挟まれたティール色をした部品(ストップクリップ)を止め直したうえでアタッチメントを取り付けるだけです。

次にベインを固定するためのコンプレッションリングですが、タワーではシャフトの太さに応じて蛍光ピンクのリングと蛍光グリーンのリングを使い分けていましたが、今回からは「アジャスタブル」設計になり、太さに応じてリングを“ひねる”事で対応する太さを変えられるようになりました。

リングセッティングは3段階。6mm未満のシャフト径ならスモールで。6mm~8mmならスタンダード。それ以上はラージポジションで、となります。

アタッチメントの数は含まないとして、部品全体の部品点数が少なくなったのでとても手軽になりました。

その他にも細かい変更点はありますが、個人的に最もありがたい変更点としてはアルミテープが不要になった事です。アタッチメントのベインを挟む箇所に改良が加えられたおかげで、使用を重ねるにつれて接着剤がこびりついてやがてテープの交換が必要になってきますがこれが無くなったのは大きいですね。

使用する接着剤のお薦めは特にありませんが、以下のボーニング公式動画で使用されているシアノアクリレート系接着剤が作業が早くて便利かと思います。(いわゆる瞬間系です)

もちろんフレッチタイトプラチナムやフレックスボンドといった接着剤も使用できます。いずれの接着剤にしても「アジャスタブルコンプレッションリング」を使って圧着するので一般的なフレッチャーよりは圧倒的短時間で作業が出来るのは嬉しいですね。

ボーニング CAULDRON(コールドゥロン)は店舗およびオンラインショップで販売開始です(^◇^)