水分を補給するとはどういうことか 栄養・栄養学について考える 8

今、冬ですが、ちょっと最近ホットな話題だったので、記事にしてみます。

夏の練習で、よく水分補給をしてと言われますが、スポーツ栄養学での「水分補給とは何か」についてる考えたことはありますか?水分補給とは何か。当然ですが、「水分を飲むこと」ではありません。水分を体内に取り入れることです。

下記は産経新聞の引用ですが、

「水分を補給しても、腎臓は尿として水分を体外に排出します。この尿が増加することを利尿と言います。利尿作用が強い飲み物は、補給しても思ったほど水分が身体に残らないというわけです。アルコールは腎臓の血液の循環を増やし、結果的に尿が増えます。ビールなどのアルコールを飲むと、飲んだ以上に排尿があります。夜中や朝にのどが乾くのを経験した方もおられると思います」

*アルコールはなぜ水分補給にならない?脱水予防で尿意は我慢してもいい?医師に聞いた より引用

つまり簡単に言えば、摂取した水分量から、排尿された分を引いた量が、水分補給された量となります。多めに水を飲んでも、全部おしっこになってしまったら意味がないということです。

*https://www.acefitness.org/education-and-resources/professional/prosource/april-2016/5855/the-newest-index-on-the-block-the-hydration-indexより引用

まぁ、長く生きていれば経験値から分かって来たりもしますが、科学的な実験によって、数値化されているBHI(Beverage Hydration Index = 飲料水分補給指数)という値があり、個人差もきっとあるので、完全に正しいとは言えないものの、考えるけっきけとしてはよいデータではないかと思います。

このグラフでは水の飲料水分補給指数を1とした場合に、それぞれの飲み物にどれだけ水分補給能力があるのかを示しています。数値が高いほど、能力が高いということです。

最も優れているのは経口補水液(OS-1などが有名)です。水分補給を目的に作られているので当然と言えば当然でしょうか。ついでは牛乳、オレンジジュースと続きます。

逆にびっくりするかもしれませんが、スポーツドリンク(実験ではパワーエイド)は水よりも水分補給能力が低いです。これは水分補給だけではなく、栄養素なども含まれているからだと思います。そして、最も水分補給に適していないのは、アルコール類ではなく、ノンアルコールのコーヒーでした。コーヒーにクッソ牛乳入れたらどうなるのだろうか(笑)。

簡単に解説しましたが、元のしっかりとした記事(英語)は下記です。経口補水液は常備しておくと便利ですよ(特に幼い子供がいる家庭にはお勧めです)。

The Newest Index on the Block: The Hydration Index


【追記】超絶 凄(すご)ワザ! … 凄ワザ???

【追記】本日11月2日深夜(3日深夜 1時25分)に再放送されます。ご覧になっていただいた方がこちらの記事の中身がより伝わると思います。また、この番組に関しての議論は今週で締めきります(話題のベースになるこの番組の内容いつまでも覚えてられないので)。

下記のNHKのサイトで216円で見れます。

NHKオンデマンド – 超絶 凄ワザ! 「東京オリンピック全力応援 究極の競技用具を作れ!」

(追記ここまで)

同じNHKでも、なんでこんなに違うのか…。

昨日、超絶 凄(すご)ワザ!「東京オリンピック全力応援 究極の競技用具を作れ!」というNHKの番組で、より良いアーチェリー用品(ハンドル)を作ろうという企画がありました。先日の超人パラでは弊社が関わり、私の方で責任をもって協力したので、中身のテクニカルな部分で納得のいかないところがあれば、私の責任ですが(まだ見てないのでNHK総合で流れてからにしてください…)、この凄ワザはいったい誰が監修したのでしょうか?でたらめすぎて…つらいです。

ハンドル製作企画は金曜日に再放送があるので、見てない方はどーぞ。

さて、番組の中身はより良いハンドルを作るということから…リムとハンドルの接合の精度向上という流れに…へ?

(ホイット2018カタログより)
精度向上って…そこからアルミをいきなり削り出すのですが、接合部の遊びをなくして、がっせつ接合したいのであれば、ピンを抜いて、エリソン選手のようにハンドルに直接リムをねじ止めしてしまえば完璧かと思います。いくら精度を高めても、はめ込むよりねじ止めのほうが確実ですよね…と。

しかも、そのアイディアの説明、ピンが入る部分を斜めにすることで全体で接するということらしいのですが、横から見ると、やっぱり2点で接しているようにしか見えません。

他にも突っ込みどころ満載ですが、それはともかく、何でアーチェリーはこういう扱いを受けるのか非常に不満です。結果、70メートルでトップ選手の前田さんが実射して、9点と10点の2本で番組終了…あの…アーチェリーは一定性、道具は安定性が大事なのですが…2射で何がわかるのでしょうか。超人パラと違ってバラエティ枠なのかもしれませんが、もう少し真面目にプロの意見を聞きながら、まじめなアーチェリーを取り上げていただきたいものです。

国産ハンドルをこれから目指していくみたいですが、カーボンのような今までにない素材を使ったり、”ORIGINAL EARL HOYT GEOMETRY”と呼ばれるホイットが開発した配置を革新したり、コンポジットのような新しい製法で作ったりしないで、既存のアメリカや韓国製のハンドルに少し改良を加えて、これが国産だ!と言われても、あまり個人的にはワクワクしないですね。。

明日、シンポジウムを行うそうなので興味がある方は、ぜひ。
シンポジウム【東京オリパラを目指して ~プロジェクト桜 純国産アーチェリーの復活~】
https://www.facebook.com/prjsakura/


プロアーチャーの選択 栄養・栄養学について考える 7

ゴールデンウィーク最終日、皆さんはどうお過ごしでしたか。自分は読書をしておりました。ゴールデンウィーク前に手配していたジェーク・カミンスキー選手が書いた「トレーニング・フォー・アーチェリー(Training for archery)」が届いていたので、さっそく読み込んでみました。英語ですが、間もなく販売も始める予定です。

中身ですが、題名通り、アーチェリーのトレーニングについて書かれたものです。シューティング技術やチューニングに関する内容は含まれていません。

アーチェリー専用のトレーニングについて書かれた本が多くない中では、なかなか読み応えのある本でしたが、今回は本を参考にして日本アーチャー向けのサプリメントについて考えます。というのは、この本の中で、ジェーク選手は「Wilderness Athlete」というブランドのラインナップを使用して、アーチャーに必要なサプリメントの選択方法と摂取方法を説明してくれているのですが、このブランドはアメリカでしか販売されておらず、代理店はなく、並行輸入で入手する事すら難しいようです。

ですので、今回のこの記事では、日本国内で入手可能なサプリメントで、アーチャーにとって必要なものについて書いていきたいと思います。

ちなみに、アーチャー向けのサプリも販売されています(アメリカ国内で)。その中身については前回の記事を参照してください。

アーチャー向けのサプリの中身は 栄養・栄養学について考える 6

さて、アーチェリーで必要なサプリを考えるとき、その役割は大まかにいくつかに分けることができます。

*下記、すべての情報に関しては完全な科学的なエビデンスはないです。エビデンスに乏しいことを前提に読んでください。

– エネルギー/電解質の補給
– 筋肉の回復
– 関節のけが防止・抗炎症効果
– 不足しがちな栄養素の補給

です。ジェシー選手が紹介するブランドではそれらをすべて単一のブランドで賄うことができるようですが、国内でそのようなブランドを見つけることができませんでした。それぞればらばらのブランドになりますが、同様な効果があるものを探してみました。

目的別

ビーシーエーエー アルギニンプラス - DNS

・トレーニング直前 – BCAAの摂取で集中力を持続させ、アルギニンで血流の増進をはかる。

–(メーカー商品情報 抜粋)–
BCAA(Branched Chain Amino Acid :分岐鎖アミノ酸)は、身体作りにも役立つし、運動時のエネルギーになるが、それに加えて脳内の疲労物質を抑えることにも、関係してくる。高強度の運動や長時間の運動により、血液中のトリプトファンの濃度が高まり、脳に移行してセロトニンという物質を作り出す。セロトニンは精神を安定させたり身体の生理機能を調節したりと重要な役割を果たしているアミノ酸であるが、これが運動時には、厄介な存在となる。運動中にセロトニンが脳内に移行し、脳の中で増え過ぎると集中力を低下させ、精神的な疲労を引き起こしてしまうからだ。

そんな時強力な味方になるのがBCAAだ。

BCAAとトリプトファンは脳に移行する時、同じトランスポーターであるため、血液中BCAAがたくさんあると、限られたトランスポーターでは相対的に多いBCAAの脳への移行が増え、トリプトファンの移行が減る。勝負どころで君の強い味方になってくれること間違いないだろう。

また、アルギニンもアスリートには有効な武器となる。血流も増進し、BCAAを身体中に素早く届けることで、パフォーマンスをサポートしてくれる。
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パワーシェイク

・トレーニング後 – トレーニング前と違い、プロテイン(タンパク質)だけではなく、たんぱくの割合し減っても、他の栄養素も含まれているバランスの良いものほ摂取する事。

–(メーカー商品情報 抜粋)–
理想的な身体とはどのような身体の事か?それは筋肉質で、無駄な脂肪が無い身体。その身体を作るためには、1日を通してたんぱく質をはじめとした様々な栄養素を摂取することが鍵となる。

その時こそパワーシェイクの出番。ストローを挿すだけで1本で10gの良質なホエイプロテインが摂取できるだけでなく、炭水化物や良質な脂質、22種類のビタミンやミネラルも摂取できる。
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アクエリアス(ポカリでも)

・エネルギー/電解質の補給 – どんな運動でも必要です。

–(メーカー商品情報 抜粋)–
汗で失われるミネラルをはじめ、動くカラダに必要なアミノ酸、クエン酸を配合。カラダを動かすあらゆるシーンで、水分バランスをサポートします。

※1 ミネラルとは、ナトリウムのことです。
※2 BCAA・アルギニン
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(その1)スーパーフィッシュオイル – 大塚製薬

・関節のけが防止・抗炎症効果 – DHAとEPAを摂取する事。関節・筋肉損傷を抑えて、筋肉痛を緩和する効果。

–(メーカー商品情報 抜粋)–
「日本人の食事摂取基準」(2015年)では、EPA+DHAを積極的に摂取することが望ましいとされています。 EPA・DHAを積極的に摂取することにより、血中中性脂肪の上昇を抑えるなど様々な健康機能が報告されています。
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(その2)ジョイントスーパープレミアム – DNS

・関節のけが防止・抗炎症効果 – 関節を守る効果。グルコサミンやMSMなどが中身。毎日摂取する必要はなく、特にハードなトレーニングをした日に摂取することが望ましい

–(メーカー商品情報 抜粋)–
強くするのは筋肉だけじゃない。本来スポーツの動作は、人間の身体には不向きな動作の連続だ。

跳んだり、投げたり、捻ったり、切り返したり…。不向きな動作を何度も何度も反復することで”巧さ”を身に着けていくが、もともと身体にとって不向きな動作だ。身体によかろうはずもない。その時身体のどこに負担がかかるのか?それは腱や靭帯、軟骨といった結合組織だ。

日々の反復練習では常に結合組織にダメージを与えることになり、ケガの要因になり得る。

現役で活躍できる時間は限られている。ましてや、高校、大学の部活は入学から卒業までの短い間だし、実業団の選手でいる時間は限られている。ケガをしている暇はない。
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(その1)マルチビタミン(メーカーはどこでも)

・体調を整える – 様々な仕事をしているビタミンは不足の内容に。

–(メーカー商品情報 抜粋)–
マルチビタミン1粒で、1日に必要なビタミンの摂取目安量をクリア。まずは、ベースサプリメントで健康の土台作りを始めましょう。人間に必要なさまざまな栄養素はチームプレーで働きます。
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(その2)ドクターズチョイス 3種ビフィズス菌+5種乳酸菌=350億個の善玉菌サプリメント(できるだけ多くの種類が入っているものを)

・体調を整える – 日本では特定の乳酸菌を含むものが人気だが、体調を整える意味では多種の乳酸菌を含むものが良いとされている。

–(メーカー商品情報 抜粋)–
ビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維のすべてを配合。
5種類の乳酸菌、3種類のビフィズス菌、あわせて350億個のプロバイオティクス配合。
ダニスコ社の特殊3重コーティングで善玉菌を腸まで生きたまま届ける技術を使用。
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(その2)オリヒロ 植物酵素カプセル 60粒(できるだけ多くの種類が入っているものを)

・体調を整える – 天然の植物から微量栄養素を取り入れて、バランスを整える。特に安全な生野菜が手に入らないような地域への遠征時に必要。

–(メーカー商品情報 抜粋)–
野草64種類、果物10種類、野菜9種類、海藻2種類の合計85種類の果物を使用。熟成に用いる陶製のかめは遠赤外線効果と微妙な通気性を持ち植物エキスを呼吸しながら熟成させます。
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以上、8種類のサプリメントを紹介させていただきます。気になるものはありましたか?

種類(=摂取量とはなりませんが)をみると、筋肉・体力というよりも、コンディショニングとけが防止のためにサプリを活用しているようです。

個人的には長く乳酸菌とプロティン(10g/日程度)は摂取していて、効果を実感できています。まぁ、マルチビタミンは食事のとりよう次第ですので、個人的にはあまり必要性を感じませんが、最後の天然の植物を多種集めて作られたものには関心があり、さっそくアマゾンで購入しました。

効果があるかわかるのは半年後くらいですかね。

続く。


参考文献 : Training for archery by Jake and Heather Kaminski


【実験中】脳波計とシューティング動画のシンクロテスト

先日から実験に入っているEEG(脳波計)によるトレーニングですが、いくつかのテストを行っています。戸惑うこともアありますが、漠然とした「集中」「リラックス」と違い、自分の状態をある程度ビジュアライズして確認できるのは、かなり強力なツールだと感じます。

ただ、上記のものが工夫をしてシンクロさせたものですが、1&2&4射目は正しくアンカー後に集中レベルとリラックスレベルが上昇していますが、3射目ではリリースの少し前に低下しています。

これがこちらのトリガーの誤差(カメラとセンサーが同期できていない)なのか、それとも実際にリリース前に低下しているのかに関しては、ややこしいところですが、この判断こそがこのトレーニングのかなめだと思いますので、新しい工夫をして、より厳密にする必要がありそうです。

2データはそれぞれ動画(カメラセンサー→時間情報付加→記録)とロガー(センサー→変換→ブルートゥース通信→時間情報付加→記録)で違うので、これらをどう厳密に同期させるかが次の課題となりそうです。

リー・キーシク大先生に動画(*)をシェアしてもらっちゃいました!(^^)!

*弊社作成ではない


【実験中】業界の流行にのってみた-脳波計Mindwave Mobile

最近のアーチェリー業界では脳波を使用したトレーニングが流行っています。国内ではまだノウハウがあるところは少ないようですが、それらのノウハウをパッケージした「Hit the Gold」などが市販されています。

前にも書きましたが、測定自体には大した意味はないです。振動(加速度)、ハイスピードカメラによるスーパースロー、3Dモーションキャプチャーなど、弊社でもいろいろな測定をしてきましたが、重要なのは測定することではなく(*)、その測定値をどう解釈いるかです。加速度と動画分析のノウハウはそれなりに蓄積できていますが、3Dモーションキャプションの解釈は困難過ぎて…。

*当然ですが、正しく測定することはすべての第一歩です。

さて、新しい流行にのって、弊社でも脳波測定のノウハウと、その解釈・分析についての実験を開始することにしました。まずは自分を実験体としてやります。ただ、現在最も新しい分野の一つなので、早くに結果を出すのは困難と感じています。

スポーツの分野では一般的に使用されているMindwave Mobileという脳波計です。これ付けて、今後射場に出没すると思いますが、怪しい人間ではないので、怖がらないでください(練習時に脳波計をつけてのシューティングは何の規則にも抵触しないと思いますが意見があればコメントをください)。

さて、脳波トレーニングの根拠、基礎研究とされている論文がいくつか存在します。まずテスト予定は2つです。

(HEART RATE VALUES AND LEVELS OF ATTENTION AND RELAXATION
IN EXPERT ARCHERS DURING SHOOTINGのTable 4. Mean values and standard deviation for each arrow score in compound shooters with noted significant differences between arrow scores.を翻訳)

横軸の8は8点を射った時、10は10点の時という意味です。この研究によれば、コンパウンドアーチャーがより高い点数を得た時、心拍は高い状態にあり、脳波レベルは、集中(attention value)レベル・リラックスレベル(meditation value)ともに低いレベルにあるとのことです。

*より詳細に知りたい方は全文を読んでください。当然ですが、示唆されていることはこれだけではありません。

HEART RATE VALUES AND LEVELS OF ATTENTION AND RELAXATION IN EXPERT ARCHERS DURING SHOOTING

もう一つは、アメリカのリー・キーシクコーチのサポートによって、US Olympic Training Centerで行われたテストです。

グラフ中のAが集中レベル、Mがリラックスレベルです。この論文ではアーチャーを4タイプに分別しており、実績と照らし合わせて、タイプ1のシューティング中に集中レベルとリラックスレベルがともに上昇するパターンが最もよい(エリート)とされています。次いでタイプ2の集中はするが、リラックスができないタイプ、タイプ3のリラックスはするが集中できないタイプはメンタルトレーニングが必要とされています。タイプ4はグラブに情報がないものの、論文中ではただの初心者とされ、特に問題があるわけではない練習が足りないだけという意味です。

*より詳細は全文を

Evaluation of Attention and Relaxation Levels of Archers in Shooting Process using Brain Wave Signal Analysis Algorithms

自分の脳波を測定するのは初めてなので、自分がどのタイプか含め、今後分析してみたいと思います。脳波計は1万円ちょっと(+スマホが必要)なので、興味ある方は試してみてはいかがでしょうか。ただ、現状国内にはあまり情報がないので、情報は英語で入手する必要があります。


プロはどうかんがえるか/イーストンシャフトのスパイン選択2016-2017

まずは整理します。先日から記事にしている通り、イーストンのチャート評価が2017年初版から2017年改定にかけて、コンパウンド側が2番手硬く変わったことをお伝えしています。

それに対して、

・弊社ではイーストンの変更に対して評価が落ち着くまで使用を停止し、実績のある2017年初版をベースとして、これまで通りの選択することをお勧めするとしました

・イーストンからは新しく2番硬くなったものは、細心の弓で再計算したもので、それが正しいというコメントがありました

・テクミチョフ氏に個人ツイッターを通りして、弊社が批判される(オフィシャルの意見に従えといった内容です)

・大手プロショップでは新しいもののダウンロードをお勧めしています

・それをうけて弊社では新しいものが正しいとすれば、ハンティングチャートとの整合性がないという判断のものベガスシュート終了までは引き続き2017年初版の使用をお勧めしています

という時系列です。弊社ではあくまでも注意喚起をしているだけですので、このままイーストンが新しいものが正しいという姿勢を貫くのであれば、弊社としても、納得のいく説明があり次第従うつもりでいます。

ただ、現時点では弊社と渋谷アーチェリーさんが立場を表明していますが、立場を表明しているプロショップはまだ多くありません。現在、新しい再計算版はイーストンのホームページでダウンロードできますが、そもそもこれを見る方はある程度の知識がある方ですので、ある程度にはこの変化を解釈できると思います。

問題が起こるすれば、今年の3-5月にかけて、多くのプロショップがこのチャートを自社のカタログに印刷して、配布が始まることです。プロショップのカタログのチャート表を使うという方のほうが割合としてはかなり多いはずですし、こちら側は初心者などの目にも触れるで、問題が生じるとするとこの時点でしょうか。

私たちが問題を提起してから、上位レーティング321-340fpsに関しては新しいイーストンのチャートの方向性に関しては、意見が分かれていますが、エントリー向けレーティング、例えば39800円のプリスム(291fps)も、500番から400番へ2番手硬くされていますが(59ポンド・28インチ)、これに関しては、批判的に意見しかないように思います。

さて、では、プロはどう見ているのか。現在、多くの選手はインドアセッティングに取り組んでいるところで、よりスパインの適切さを要求されるアウトドアセッティングをやっているトップがいないので、あまり多くの意見を見つけることができませんでした。また、友人からも私に意見が届いていますが、ここではあくまでも公開されているコメントを使用します。

I had to spend a little extra time spining my arrows properly, it’s different than a HalonX or a C4… It needs a slightly softer arrow – I had to bump up from 52 lbs to 55 lbs to get my groups a little tighter, and I’m going to make my next dozen arrows a little bit longer to test that too, because I feel like they might still be a little too stiff.

これはブレーデン(Braden Gellenthien)選手のコメントです。意訳すると、

ハロンX/C4のために作ったシャフト(X10 350)はTRX8には硬く、52ポンドで使用していたが、55ポンドにしないとよいグルーピングを得ることができなかった。ただ、それでも硬い感じがするから、もう少し矢を長くしようかと思う。

といった感じです。もちろん、これは1例にしかすぎませんが、2016年モデルから2017年モデルに変えた時、ブレーデン選手はイーストンとは反対に矢を”柔らかくする”必要性を感じているようです。

2016 Mathews Halon X (330fps)/ C4 (310ps)
2017 Mathews TRX 8(322fps)

次に、ホイットからマシューズに移籍したジェシー選手。2017年の3Dセッティングはまだわかりませんが、スーパードライブ23の発表時に2016年の3Dセッティングを明らかにしています。26.5インチ(26インチとする)/ 60ポンド(*64ポンドとする) / ファットボーイ 500/ 140gr となっています。使用している弓はプロコンプエリートFX・スパイラルX(328fps)です。

*通常よりも重いポイントなので4ポンド追加しました。

ジェシー選手は2016年の競技では500番を選択していました。2016年チャートではT8(500)、2017年初版チャートではT9(450)、イーストン再計算版ではT11(350)となっています。このデータは2016年のものですが、ジェシー選手は2016年競技においては、2016年のイーストンのチャート通りの選択で競技に臨んでいたことがわかります。


なんか自分の意見の擁護になってしまっているので…硬めのシャフトを選択する選手を探しています。パワーということで、一番に思い付いたのは左から2番目のビッグキャット・スティーブ選手ですが、見た目通り彼はドローレングス32.5インチと超大型の選手ですが、使用しているシャフトはプロツアーの340番で、案外柔らかいものでした。まぁ、再計算版だと250番(T14)相当なので、使用できるシャフトなんてなくなっちゃうんですけどね。


イーストンの新チャートに対する見解と対策。

解決しました。この記事は1月25日版について言及したもので、訂正された3月1日版についての記事ではありません。この問題は解決済みです。

昨日、イーストンから新しいチャートが正しいというコメントがあり、速報で記事としました。一日経ち、それに対して考えてみたいと思います。まずはイーストンのチャートの変化を見ていきましょう。16年間の変化です。

現在であればX10プロツアーで見ていくのが正解だと思いますが、2001年当時にはなかったシャフトなので、ずっと存在するACCで見ていきます。選択は競技用では一般的だと思われる325fpsで58ポンドで28インチの場合のイーストンの推薦です。

2001 440 (ACC 3-39)

2016 440

2017(旧) 470 (ACC 3-28/3-39)

弊社掲載 415 (ACC 3-39/3-49)

2017(新) 320 (ACC 3-60/3-71)

2001から2016年は同じです。2017年のカタログでは柔らかくなりましたが、統合的に判断し、弊社ではこれは編集ミスと判断し、415と少し硬めに変更されたと判断したものを掲載しています。そして、1月25日版では、これは320と少しではなく、ものすごく硬いものに変更されました。29インチになるともはやX10プロツアーで選択できるスパインすら存在しないくらいです。あまりにもおかしいので、使用を停止するよう呼びかけましたが、イーストンからはそれで正しいという回答でした。

その理由としては「近年のCPの傾向に合わせて再計算され、エネルギー蓄積力の高いモデルに合わせて」というコメントが出ています。

正直、私には理解できないです。2001-2016年の15年の変化でも推薦スパインが変わらなかったのに、2016-2017年だけで440から320へ変わるほど何かが変わった理由が理解できないのです。

しかし、理解できないというだけでは、事態は前進しません。どうすべきかという話になります。この問題で多くの専門家に連絡を取った時に、一番多かった返事は「チャートは目安に過ぎない」というものでした。まぁ、その通りだと思います。

現時点ではベガスシュートで事態が前進し、イーストンからさらなる説明があると思われます。その時点までは、やはり新しいチャートは使用すべきではないというのが私の意見です。イーストンからのコメントを受け私の方から再度質問を提出しました。

それはハンティングとの兼ね合いです。イーストンからは2017年版は最新のエネルギーが高いコンパウンドボウに合わせ再計算されたという回答でしたが、当然ですが、ターゲットモデルだけではなく、ハンティングモデルもエネルギーが高まっています。さらに言えば、ハンティングモデルのほうが安定性よりも、殺傷能力を上げるためによりエネルギー重視になっています。ですので、これまで業界ではハンティング用モデルの場合、チャートよりも1番手硬いものを選択するというノウハウがありました。ターゲットで440なら、ハンティングは390を選択しますし、ハンティング用のカタログでもそのようなチャートになっています。イーストン(2016年まで)、CX、ビクトリーともにです。ゴールドチップでは区別はしていません。

2017年のハンティングカタログ(これは訂正されておらず1バージョンしかない)では、これまで通り、390推薦となっており、ターゲットで推薦される320番手は、73-78ポンドで初めて推薦されます。

つまり、イーストンの現在のカタログ(ターゲット・ハンティング双方)に問題がないとすれば、ターゲットモデル58ポンドと、ハンティングモデルの76ポンドが同じエネルギーを持つという見解です。

これは…私の理解力ではおかしいとしか言えません。

また、現在自分がセッティングを進めているプライムでは、チャートより1つ柔らかいものをお勧めしていますが、それでも370となり、エリート時代にぴったりスパインがあった450よりも2番手も硬いシャフトが正解になります。プライムのアドバイスが作られた2016年のカタログに従えば、1番手どころか、2017年のチャートでは5番手ほど柔らかくする必要があります。

Arrow Selection and Setup for Target Bows
http://www.g5prime.com/target-bows-target-arrow-selection-shaft-setup/

安定性重視で低速のターゲットボウが320推薦で、エネルギー重視で矢速の速いハンティングボウが390番推薦という、ターゲットの方は硬いシャフトを使うべきという概念はアーチェリー業界に存在しないものでした。イーストンからの最新モデルによって再計算したという見解は受け入れるしかないですが、ハンティングボウのほうが柔らかいスパインをという概念は業界に存在しないものです。これの説明があり次第、新チャートへの移行を弊社では進めていくこととします。


3Dアーチェリーとフィールドアーチェリーの違い。

先日、3Dアーチェリーについての記事を書きましたが、少し情報が不足していたために、質問がありましたので、補足します。

3Dアーチェリーとフィールドアーチェリーとは当然異なる競技ですが、シャフトを選択する時の違いは的があるかという点です。フィールドアーチェリーはご存知のように、的があり、真ん中に行くほど点数が高いのです。

対して、3D競技はハンティングを競技にしたものですので、ターゲットは急所(バイタルエリア)が高得点ですが、ここが急所ですよとは教えてくれません。選手はハンティング同様にターゲットの形状から高得点の急所を予測してシューティングすることは求められます。

そのために、フィールド競技よりも、より矢は太いほうが有利とされていて、3D競技向けシャフト=大口径&軽量という意味でメーカーのカタログでは使用されています。


アーチャー向けのサプリの中身は 栄養・栄養学について考える 6

前回の記事では一般的なトレーニング用のプロテインについて解析しましたが、今回はアーチェリー向けのサプリメントについて考えます。国内の競技人口の関係だと思いますが、自分が知っている限りでは、日本ではアーチェリー用のアーチャー向けのサプリは製造されいていません。しかし、海外にはいくつか存在します。その中で今回は、アメリカのトップ選手も使用するMTN OPSのものを研究しましょう。

(ジェシー選手のフェイスブックより)

メーカーの説明では、アーチェリー向けの製品を開発するにあたり、トップ選手たちからの聞き取りを行ったところ、4つの機能が特に要望が多く、それに沿う形で開発を進めたとのことです。その機能とは、

・エネルギー補給
・水分補給
・リカバリー
・Cardio Enhancement

の4つとのことです。前半の3つはどのような運動でも必要なものだと思いますが、最後のものはあまり見かけない機能ではないかと思います。つまり、海外からアーチェリー向けのサプリを輸入するか、既存の3機能を持つサプリに最後の機能を足せば、アメリカで開発されたアーチェリー用サプリに近いものを自作できるということです。

日本語に翻訳するのも難しいのですが、「Cardio Enhancement」を直訳すると心臓強化という意味になります。その効果(*)は血管を広げ、血流量を増やし、それによって血圧を下げ、血圧が下がることで間接的に心拍数を下げることです。心拍数を下げる、または運動中の心拍数の増加を抑えることがが期待されているわけです。

*独自研究にもづくものでアメリカ食品医薬品局によって承認された効果ではないとのこと

アーチェリー競技において心拍数の安定はある程度にはパフォーマンスと関係があるとされているか思います。では、その中身はどうなっているのか。

主たる原材料は、L-アルギニンと-LシトルリンとOPS Bio-Protectant Blendいう独自成分の3つです。L-アルギニンと-Lシトルリンの2つを調べると、国内では精力剤として利用されていることが多いようです。なるほど…血流を増やすと…まぁ、そうですね。どちらも比較的にそちら方面では有名な栄養素のようでサプリメントは簡単にDHCなどの大手も出しています。

難しいのはOPSの独自ブレンドのBio-Protectantの方で、中身はイノシトール、不安感の発生頻度を低下させるためのものから、伝統的に抗血液凝固作用を持つとされる霊芝エキスなどまで入っています。こちらの方を自分でブレンドするのにはちょっと知識が必要になるかもしれません。

決して、この記事をもって読者の方に何かのサプリをお勧めするつもりはありません。効果については人それぞれです。

ただ、アメリカではアーチェリー用にサプリが開発されており、それには一般的なものに日本では精力剤として用いられている原材料が使われ、血流を増やすことでパフォーマンスの向上が図られるよう設計されているということです。試すかどうかは自己責任で、まぁ、大手のDHCから出ているものでも1か月1,000円程度なので、弦を変えたくらいの気持ちでいかがでしょう。

続く。


栄養価計算の方法 栄養・栄養学について考える 4

理論・考え方編が終わったので、実践編に行きたいと思います。その前にテクニカルな栄養価計算の方法について取り上げます。

前回の結論としては「自分で試してみるしかない」としましたが、そのためには、まずは自分が何を摂取したのかということを理解することが必要なのは言うまでもないでしょう。管理方法の一つに、PDCAサイクルというものがあります。計画→実行→評価→改善というサイクルを続けていくことで、より効率的に活動を改善していくやり方です。

この場合、「計画=何をどう摂取するのか決める」→「実行=実際に食べて、練習・試合に参加する」→「評価=パフォーマンスを発揮できたか評価する」→「改善=よかった・悪かった点を整理して、次の計画を改善する」という流れが必要になります。

計画を立てるとき、成分のわかっているプロティンを水で飲むのでない限り、自分が何を食事から摂取しているのかを栄養価計算で知る必要があります。

簡単なやり方は多くあります。アプリを使ったり、ウェブで管理したり、いろいろとあるようで、無料のものから有料のものまであります。自分は使用していないのでアドバイスができませんが、そもそものデータ(国の発表する食品成分表)ですら、誤差がそれりにあるのに、簡易化すればするほど、さらに誤差が大きくなるので、本当にそれで管理できるのか疑問です。やらないよりはマシでしょうが。

ここでは、栄養価計算の一般的なやり方について方紹介します。考え方としては、「何を」「どう調理したか」の2つから、完成した料理の栄養価を計算します。「何を」の部分は食品成分表(またはネットの食品成分データベース)を使用し、どう調理したかはいろいろな資料が存在しますが、ここでは「調理のためのベーシックデータ 第4版(女子栄養大学出版)」のデータを使用しました。

料理はサラダチキンの照り焼きです(*)。

*アスリートシェフのチキンブレスト レシピ -鶏むね肉でパワーアップ! 荻野 伸也 著 を参考にしました。


食材はヘルシーで高たんぱくで人気のセブンイレブンのサラダチキン(蒸し鶏)です。これ単体では自分には味が薄いので、照り焼きにします。

この食材は115gで成分は

カロリー:120kcal
たんぱく質:27.3g
脂質:1.0g
炭水化物:0.3g

となっています。まずは、これを小さく切り、塩とみりんに漬け込みます。漬け込むことでたれの塩分の70%が食材に入り込みます。

塩分 : 1.4g(もともとの食材の塩分) → たれに漬け込む たれの塩分量 2g → 2.8g(1.4 + 2 x 0.7)

となります。そして、漬け込んだチキンに片栗粉(15kcal)を適量つけて焼きます。焼くことで鶏肉はエネルギーが88%、脂質が78%、たんぱく質は98%となります。

よって、チキンは

カロリー:120kcal (120 x 0.88 + 15)
たんぱく質:26.7g (27.3 x 0.98)
脂質 : 0.8g (1.0 x 0.78)
炭水化物:0.3g

となります。

次にたれです。醤油・みりん・かぼす(果汁)・砂糖・水(30ml)を煮詰めて作ります。 成分の合計は上記の通りとなります。

煮詰めたたれは最後にチキンと絡めて完成です。ただ、たれはすべて使うわけではなく、この量ではおおよそ3割程度は残るので、たれは70%摂取したとして計算します。

よって、自分のレシピで完成したチキンの照り焼き(115g)の栄養価は

カロリー:120kcal (120 + 119 x 0.7)
たんぱく質:27.6g (26.7 + 1.3  x 0.7)
脂質 : 0.8g
炭水化物:18.1g (0.3 + 25.4 x 0.7)
- 糖質 推測値 17g程度
塩分 : 4.3g (2.8 + 2.2 x 0.7)

*写真撮るように仕上げにかけたコショウとパクチーは計算に入っていません。

となります。たんぱく質と炭水化物の量が多く、アーチャーにとっての必要性が高くない脂質が少ない理想的なレシピの一つだと思います。ちなみに、たれのカボスをクエン酸を含むレモン果汁に買えれば、クエン酸(グリコーゲンの回復を早めるとされる)も摂取できます。

また、糖質については次回に。

いちいち計算するのは大変ですが、自分の場合、自分用の「アスリートめし」のレシピは10個もないので、1つ計算するのに20分程度はかかりますが、2時間ちょっともあれば全部できるのでそんなに大変な感じはしませんでした。

また、アスリートとして管理しなくても、一度自分で栄養価計算をしてみるだけでもよい経験になると思いますので、ぜひお時間あるときにやってみてください。

続く。