プロとしてボウガンとその規制についての知識提供です。

(グッディより)
昨日ボウガンによって死亡するという痛ましい事件が起きました。事件そのものに関しては、自分はコメントできるほどの知識は全くありませんが、この事件に関連して、ボウガンに関して、知識を有しているとは到底思えない人々が「マスコミ」にて発言しているので、私としては、ボウガンのプロとまで言わないものの、ある程度の知識を有していることから発言したいと思います。

*一般の方が読めるようにアーチェリーの知識がなくても読めるようにしています。

ボウガン(クロスボウ)競技の講習会に行ってきました。

グッディという番組で、安藤優子さんが「(モデルによって)そんなに性能が変わるのか、私、ド素人なのでわからないのですが…」と発言し、元警察の人が「非常に威力が高い」と何の根拠もなく発言していますが、なぜ専門家を呼ばないのか、勝手にしゃべるのでしょうか。

性能は変わります。殺傷能力も一律に高くありません。モデルによる違いはパワー(破壊力)です。エアガンはジュールによってレイティングされていますが、ボウガン(クロスボウ)はポンド(弓の重さ)、または、FPS(矢速)によってレイティングされています。競技においては、95ポンドという上限(*)が決められています。つまり、競技においては、95ポンド以上のボウガンは必要ありません。他国ではハンティングに使用されていて、つまり、今回使用され、今後、規制するとしたら対象になるのは、95ポンド、誤差があるので100ポンド以上のボウガンでしょう。

*競技用には他にも多くの規制があります


こんなものです。矢速は450FPS、パワーは180(Kinetic Energy)ft-lbです。ウィキによれば、9mmブローニング銃のパワーが200ft-lbなので、その9割のパワーがあり非常に殺傷能力が高いと言えます。規制するかは国の方針次第だと思いますが、規制されて困る人はほぼいないと思われます。


次には、上記のような競技用のボウガンがあります。本格的なものは20万円以上するオーダーメイド品ですが、このような5万円前後のエントリーモデルもあります。上記のものは、矢速が160fps、パワーは23ft-lbです。ハンティングモデルの約1/10程度のパワーしかなく、殺傷能力をどのように評価すればよいかわかりませんが、まぁ、実感では、成人男性が投げた手裏剣とかと同等程度かと思います。このあたりの規制に関しては必要かわかりませんが、競技用は多く見積もっても国内に100台程度しかないので、登録制で十分運用可能です。


プロの競技者向けのボウガンはこんな感じ。オーダーメイドで、1500-3000ユーロ程度です。

最後にはレジャー用のものになります。レーティング表示は存在しませんが、6メートル飛ぶとカタログにありますので、20ポンド程度と想像します。競技用モデルのさらに1/4程度です。まぁ、殺傷能力があるとは思えないので、こんなものを規制するのは馬鹿げているの一言でよいと思います。

以上、ボウガンには3種類あります。

ハンティング用: 弓を引くのに必要な力が95ポンド以上、多くは160-200ポンド。殺傷能力大。ハンドガン相当。
競技用: 95ポンド以下で多くは70-95ポンド。殺傷能力は高くないものの、当たれば怪我はする。
レジャー用: レーティングはされていないものが多い。スペックで判断する限り10-30ポンド(飛距離5-15メートル相当)、殺傷能力はないと考える。

マスコミの皆様、この知識を知ったうえでの議論をお願いします。

【追記】
ネット上で競技もあるから、規制が難しいという根拠のない意見が見られますが、規制は簡単です。国内でハンティング用のボウガン(クロスボウ)を製造している企業はありません。販売されている殺傷能力のあるハンティングモデルはすべて輸入品です。国内在庫をどうするかを別にすれば、100ポンド以上の弓の輸入を禁止すれば簡単に規制できます。競技用で使用されている弓、リカーブ・コンパウンド・ボウガンはすべて100ポンド以下です。競技者には何ら問題なく規制可能です。


2回目、ボウガン(クロスボウ)の練習会に参加してきました。

特に意識はしていなかったのですが…前回はエリートで、今回はボウテックとなりました。2回目のボウガンの練習に行ってきました。午後から納射会のような試合が行われていましたので、10時から12時半まで、今回は集中して150射ほどの練習量でした。

ボウガン(クロスボウ)競技の講習会に行ってきました。

あ、隣の方のリムがNプロですね。カットして使用しています。

1回目は弓の仕組みを理解するだけで精一杯でしたが、2回目の練習では体の使い方について考えながらの練習ができました。難しいですね。力を抜くべき部分と入れるべき部分があるであろうことまでは分かりましたが、それがどこなのかまでは…まぁ、2回の練習でそこまで欲張るべきではないということでしょう。

基本的には射撃の要素(エイミングの安定)と、アーチェリーの要素(発射時の弓を正しく制御する=リカーブのまっすぐ押す)、コンパウンドの要素(トリガーの切り方)の3つをバランスよくフォームに取り入れることが必要だと思われます。特に2つ目の部分では発射後フロントサイトが上に跳ね上がったり、止まったら、横のずれたりと、全く一定しませんでした。

練習後にはボウガン競技の国内での歴史などについてもお話を聞くことができました。

続きます。

試合に出たいけど、競技用ボウガン高いんっすよねorz


練習会(体験会)に関する問い合わせは下記へ

日本ボウガン射撃協会 様
jpn-xbow@mx7.ttcn.ne.jp


ボウガン(クロスボウ)競技の講習会に行ってきました。

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lbg%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e3%83%9c%e3%82%a6写真は現在生産されているフランスLBG社のものです。値段はアーチェリーの上位モデルと同じ20万円同じくらい。アーチェリー関係メーカーでは、ボウテックグループのエクスカリバー社が競技用(IAUルール規準)モデルを作っていたり、ボーダー社が業界のデファクトスタンダードである、スピリットマウント対応カーボンリムを製造していたりと、アーチェリーから遠くない世界でもあります。

ハンティング用との違い(競技団体IAUルール)は、ポンドの上限が95ポンドであったり、倍率レンズの禁止、パワーストローク制限、リカーブリムでなければならない、矢の直径は7.7mmまでと、多くの制限があり、コンパウンド同様、主に出力を制限し、安全ではないハイパワーモデルの使用を制限するものです。ハンティングモデルの場合はそういった制限はなく、上位モデルは相当なパワーがないと扱えないものになります。

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説明を受け、練習をした感じでは、セッティング、チューニングはかなりアーチェリーと共通のものがありますが、シューティングは全く違うものです。エイミング時に弓を引いているわけではないので、弓の力のバランスではボウガンを安定させることができず、利用できる力は弓の重さだけです。弓を自分の体の姿勢に合わせてカスタマイズし、密着させ、弓の重量をいかにしてリラックスして受け止めつつ、その力で体を安定させる技術が必要で、リカーブとも、コンパウンドとも全くの別ものでした。

ホイットの創業者の方がクロスボウ(ボウガン)とアーチェリーとは別の楽しみであると言っていた理由は何となく理解できました。

HOYTの創業者 Earl Hoyt Jr. インタビュー

ボウガンをやっている方のお話を聞くと、アーチェリー側の理解がもう少し進むといいなと考えます。ボウガン選手がアーチェリーの射場で練習ができない問題があるそうです。これは正直、お互いの理解の問題だと思っています。競技用ボウガンは規制値が95ポンドに制限されていて、パワーストロークも短いので、30mでのパワーはリカーブで35-40ポンド程度の威力しかありません(*)。危険ではなく、畳を痛めたりするようなものではありません。

*90ポンドモデルでレーティングは220fps

ハンティング用の380fps(280ポンド)とか、そんなスペックのものは当然公共の射場で使用していいものではありませんが、競技用の低ポンドのものは使用できるようになってもいいのかなと思います。ただ、リカーブ・コンパウンドよりは横にスペースを使用するので、狭い射場では物理的に難しいでしょう。一番の課題は射場管理者がボウガンの競技用モデル/ハンティングモデルについて理解を深めることだと思いまず…触ったことがない人が見てもどれがハンティング用でどれがターゲット用かは見分けられないので、一様に拒否されているのが現状なのでしょうか。残念です。

非常に面白かったのでもう少し深堀したいと思っています。

記事を読んで興味を持たれた方は下記の連絡させに問合せください。

東京地域(豊島区総合体育館)では第三日曜日に初心者の講習会を行ってくれています、10-12時の2時間で2,000円です。弓は無料で貸出してくれます。また、上限が95ポンドというだけで弓は30ポンド台もあるので、女性でも苦労することはないです。申し込みは2日前までにご予約をください。

日本ボウガン射撃協会 様
jpn-xbow@mx7.ttcn.ne.jp


下記のサイトを参考にしました。

ボウガン射撃チーム弓友会のホームページ
http://www.geocities.jp/kyuyukai_e/