この記事は2020年6月12日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

フォワードオープンのリリーサーの方がリリーサーのねじれのブレに対して許容性が高いとの結果が。

リリーサーも製造しているAXCEL/TRU BALLから、リリーサーのオープン形式による違いについての検証動画がフェイスブックに公開されました。アクセルでは、ジョーの動きをサイドに開き、弦が飛び出すまで保持される方式をサイドオープン(写真右)、リリース後、弦が前方に動きながら飛び出していく方式をフォワードオープン(写真左)として定義しています。その両方で、リリーサーとDループに対する角度をねじっていくと、グルーピングにどのような影響を与えるのかという検証動画です。

上がサイド、下がフォワードです。明らかにグルーピングに大きな違いがあることがわかると思います。まぁ、それぞれの方式の物理的な原理を考えれば、このような違いが出るのは明らかです。

さて、違いがあることは実証されましたが、その意味を解釈すると違った姿となります。

実証されたこと : フォーワードオープンの方がリリーサーの傾きの差による、グルーピングへの影響を低減する

は正しいです。しかし、動画では90度ほどの差をつけてねじっていますが、初心者であっても、射ごとにこれほどの違いがある人は見たことがないです。この違いは主に引手のひじの位置の違いなどによって生じますが、初心者でもせいぜい20度ほど、トップ選手では2度もないと思います。そのため、上達すれば、そもそも差がなくなり、グルーピングに影響を与えないとも考えられます。実際、サイドオープンのカーターのターゲットシリーズは多くの実績を残しています(私も使用しています)。

では、差がある初心者、中級者にとってはどう評価すべきかという点では、考えの違いによって変わります。コーチがついている人であれば、指摘してもらえると思いますが、リリーサーに限らず、射形の違いによるブレを許容する道具の使用は、上達を阻害する一面も持ちます。

有名なところでは、金属レストなどは、レストダウンの症状があっても、高い保持力があるので、かなりわかりづらくなってしまいます。私は初心者にはスーパーレストをお勧めしますが、アームが柔らかいので、レストダウンの症状はほとんどの場合、実際にレストダウン(レストから矢が落ちる)の症状として現れ、すぐに問題に気がつくことができます。

このような問題と同じで、リリーサーのアンカーポジション(アンカーでの角度)が射ごとに違っていても、それがグルーピングに現れないことは、試合においては選手によっては、有利に働きますが、練習においては自分も問題点に気がつくことを困難にします。この部分をどう評価するかは、人それぞれですが、私としては、あるレベルに達するまでは、失敗の許容性がむしろ”低い”道具を使用する事が上達への道と考えています。

ショップでは表記はしていませんので、お客様が気になっているリリーサーの発射方式がどちらか知りたい方はお問い合わせください。


元の動画はこちらです(英語です)。


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

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