テックワンシャフトの生産が終了し、スカイロンのブリクソンシャフトへの移行となります。二つのシャフトの性質はほぼ同じですが、1300番の選択肢がなくなり、反対にテックワンよりも750/850のように細かくスパインが選択できるようになります。
また、素材は通常のカーボンから24トンになり、その分価格が1,000円高くなります。個人的には、この価格帯のシャフトは成長途中で使用するものだと思いますので、長く使用できるという意味では24トンカーボンの高い耐久性が生かされることは稀ですが、逆に的を外したりしたときには生き残りやすくなっています。
2016年に発売されたテックワンシャフトはV1グレードという精度なのに、1万円以下で完成矢が作れるとのことで、(弊社での)大ヒット商品となりました。何百ダースという単位で売れました。私もベアボウのフィールド競技でこのシャフトを使用しています。ポイントはトップハットの精度の高いやつに変えていますが、それ以外の点では全く不満点はないです。今のパラゴン/ブリクソンにつながる実に革新的な商品だったと思います。
イーストン以外でも昔からシャフトはありましたが、あまり魅力的なものはありませんでした。その理由は簡単に言えば、技術力がある会社は市場規模の大きいハンティングやコンパウンドを中心にセールスしていて、比較的マーケットの小さいリカーブに注力してこなかった、する動機がなかったということだと感じています。
もう一点は、メーカーからうちのシャフト試してみてよと言われ、いろいろとテストしたこともありましたが、商品はよいものでも、メーカーから仕入れるために、一度の取引が相当なまとまった金額で、なかなか手を出せなかったのです。
しかし、今回は技術力がある工場でリカーブを念頭に幅広いスパインで製造され、かつ、大手代理店のSSAが、それこそ、500ドルといった小額からでもすぐに納品してくれるので、流通面でも心配もなく、安心して販売できることがヒットにつながったのではないかと思います。初心者から中級者向けの商品なので、日本大会や世界大会で見ることはありませんが、それぞれの地域の大会や記録会で活躍してくれているのではないかと想像しています。
アーチェリーをビジネスとしてみている人の中には、商品の価格低下はよくないという考えの人もいます。彼らはマーケットとしてみているので、アーチェリー人口が10%増えても、それぞれが購入する商品の総額が20%低下すれば、アーチェリー市場は縮小しているという考えです。逆に人口が減っていても、それを上回るほどの値上げができれば拡大しています(*)。
*そのためイーストンがプロコンプシャフトを発表した時には驚きました。
金額ベースでアーチェリーを考える。わからなくもないのですが、個人的にはアーチェリー人口が増加することの方が、スポーツとしてのアーチェリーにとっては大事だと考えています。今後も気軽に買える価格帯の商品には注力していきたいと思います。
長くなりましたがパラゴンの850-1000番で使用できる軽量ポイントが入荷しました。今までは80グレインまででしたが、(試算で)26インチ1000番の場合、60グレインでFOC11%出ますので、低ポンドの方には60グレインまで選択できるようになったのはよいことかと思います。
Ryo
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