シュルードからリカーブ向けスタビライザーレベル(Revel)が正式発表されました。

ATAで発表されたシュルードのエリソン選手とアメリカナチームのメルコーチが開発に参加しているというリカーブ向けのターゲットスタビライザー、レベル(Revel)が正式に発表され、価格が届きました。

特徴は…簡単に言うと昨年話題になったウィンドドラゴンと同じ系統の極細ロッドで、径もほぼ同じ(12.7mm)になるようです。素材にはコンパウンド用の高剛性ロッドと同じものが使用されています。まだ、実物は見ていませんが、話を聞く限りでは、オニキス(ONYX)をリカーブ向けに極細で再設計し、内部ダンパーを排し、細かい調整ができるよう外付け(Aボム)のダンパーと5オンス分のウェイトが標準で搭載してものという感じです。価格もオニキス同様、センターが2万円前後になります。

Vバーも発表されましたが、販売価格は5000円前後に対して、重さ約100gで6061アルミ合金の固定タイプと…特に特徴があるようには思えないので、取り扱いはしないです。スタビライザーは3月前半の入荷を見込みます。

中国・韓国メーカーではまだこのタイプの設計に手を出しているところはないようですが、今後どうなるでしょうか。


エルジンガー選手も新しくオニキス(ONYX)を採用。オランダ選手権で優勝!

(dutchtargetより)
先日、エリートのブロスタップのチャンス選手(昨日のランカスタークラシックで3位)がシュルードのオニキス(ONYX)スタビライザーにスイッチしたことが発表されましたが、今月、プライムのプロスタッフのピーター・エルジンガー選手もFUSEのXテーパーから、オニキスにスイッチしました。昨日のオランダ室内選手権も制しました。

もちろん、弊社で販売してる他のXテーパーやビースティンガーのロッドも高性能でよいものですが、自分が見つけ出した弊社の独自製品で先立って高い評価を与えたもの(昨年4月)が、その後、プロ選手からも高い評価を受けることほどレビューのやりがいを感じることはないですね。まぁ、もうそろそろ他社でも買えるようになるかもしれませんが。自分も新しいスタビライザー買おうかなー。


ランスターアーチェリークラシック2017でDEE WILDEがシニア部門で優勝。

アメリカで今週末行われているランカスターアーチェリークラシック2017の60歳プラスのディー・ワイルド(DEE WILDE)選手が優勝しました。97年の世界選手権で優勝したトップアーチャーで、ローガン&レオ・ワイルド選手の父親でもあります。ローガン選手もベスト8に残っています。プロ部門の決勝は今夜です。


決勝の様子を見ると、正直フォームがすごく安定しているとはいいがたいものの、それであの当たりはさすがとしか言えないですね。おめでとうございます。審判がラリーワイズさんですね。

リカーブでは、1/8で最近話題のジェーク選手が、ブレイディ・エリソン選手に敗れ敗退しました。

この試合が終われば、次は最終戦のベガスシュートとなります。


ジェーク選手によるウィンの新型ハンドル・リムのチューニング解説。

ウィンに移籍したジェーク選手が新しいウィンのハンドル・リムの初期チューニングについて解説しています。方法として新しいものはないと思いますが、時系列(どれを先にやるのか)という意味では、参考になるのではないかと思います


全部で2時間程度の動画で、簡単な英語なので理解は難しくないと思います。ただ、全部追っていくと非常に時間がかかるので、重要な部分のみを記事として抽出しました。また、より具体的な質問に関しては、事情によりお答えできかねます(*)。

*ジェークのチューニングガイド(有料)を私が翻訳したので、より詳細なチューニングやその意図に関しても理解しているつもりですが、その資料は有料のため、こちらで無料でより詳細に回答することはできないです。あくまでも、ジェーク選手の無料公開のこちらの動画をベースとして記事を書きます。

まず、注意していただきたいのはこの動画はフロント・リアカメラの両方で撮影されています。リアカメラでは正しく映っていますが、フロントカメラでは左右逆に映っています。ジェーク選手がAAEのキャップをかぶっているので、AAEなら正しく、EAAとなっている場合には逆に映っていると判断してください。

最初の50分程度はセッティングです。センターショット(リムアライメント)調整して、ティラー調整して(4mm)、レスト貼って、プランジャー調整(センターショット)して、ノッキングポイントを作ってと、いわゆる弓を射てる状態にしていきます。その後ストレッチをして、裏庭の射場に向かいます。

ウォーミングアップを終え、まず行ったのは、ベアシャフトチューニングです。左が完成矢、右がベア。2本のヒットした位置を黄色ラインでつなげました。完成矢に対して、ベアは右に。シャフトが弱い(ポンドが高い)ことを意味しています。ここでのジェークのコメントは「私にとって多少のポンドの変化は気にならない(意訳)」ということで、プランジャーが矢のスパイン調整ではなく、単純にリムボルトで弓のポンドを下げていくことで、ベアシャフトをチューニングすることに決めています。写真では完成矢が10点に対して、ベアシャフトは青まで飛んでいます。

そこでまず、リムボルトを約1回転して、弓を約1ポンド弱くして、再度ベアチューニングを行います。その結果、完成矢が右側の9点、ベアシャフトは8点ライン上くらいまで接近しました。

ここでチューニングを切り替えます。プランジャーの具合を見るために、ウォークバックチューニングというものを行います。これは、赤の矢印の点から垂直に糸をたらし、10メートルで黒い点に矢がヒットするようサイトを調整して、その後、この点を狙い続けながら、後ろに下がっていくいうチューニング方法で、公営の射場ではやるタイミングが非常に難しいテストの一つです。

下がっていけば、当然矢は下に落ちていきます。その結果が一直線であれば、大体のチューニングはあっていて、直線でない場合は何らかの大きな問題があります。さらに、垂直の直線であれば、完璧ですが、右か、左に向かっている場合はプランジャーに正しくないことを示しています。

結果、1本だけ、下のグルーピングで右に当たっていますが、これはただミスっただけだとのことなので、それ以外の矢は直線で、かつ、垂直であることがわかります。なので、プランジャーに問題はなさそうです。

ここからはひたすらリムボルトでベアの一致を目指していきます。ただ、リムのポンドを変更することはブレースハイトにも影響与えるので、リムのポンドを下げたら、弦をするし長くして、同じハイトを維持します。

そこから、後2回リムボルトの位置を調整した結果、ベアと完成矢がほぼ同じ位置に当たる結果となりました。わずかに、1-2cmベアが右のほうに当たっているようなので、後はプランジャーを半回転すれば、初期チューニングは完成とのことです。

ということで、初期セッティング、ベアシャフト、ウォークバックというどれもメジャーなチューニングですが、おおよそジェーク選手にとっては、

1.初期セッティングをする

2.大まかや傾向を知る(最初のベアチューニング)

3.プランジャーの調整をする(ウォークバック)

4.細かくリムのポンドを矢のスパインをマッチさせる(後のベアチューニング)

5.最後の一押しはプランジャーの微調整

という流れで、初期チューニングを終えたようです。アーチャーにとって考え方はいろいろですが、チューニングの中身だけではなく、その順番も大事です。たとえば、スタビライザーのセッティングはハイトに影響を与えるので、ハイトのチューニングを先にして、後からスタビライザーをいじったら、先のチューニングの意味がなくなります。

チューニング中身だけではなく、その順番にも気を付けてみてください。


エリートのエナジー35とプライムのONE STX V2を比べて。

さて、新しい相棒となったプライムのONE STX36 V2ですが、まずは、昨年使用していたエリートのエナジーを比較するところからセッティングを始めてみたい思います。一見してわかるとおり、ONEのほうがアクセル間が36インチで、エナジー35は35に設定されていますが、弓自体の大きさは圧倒的にエナジーのほうが大きいことがわかります。それはリムの差し込み角度を考慮して設計された結果であり、ONEの方はバーティカルデザイン、エナジーの方はパラレルデザインと呼ばれています。

パラレルデザインのメリットは発射時にリムが前ではなく、上下にそれぞれ動くので、その動きが相殺されて、弓が大人しくなることです。対して、バーティカルデザインの弓ではリムは前に動くので、その反作用として、発射時には弓がグリップに押し付けられる形となり、”グリップが正しければ”弓はより安定します。また、グリップに弓が押し付けられる動きの反作用として、ベアボウの状態であれば、弓はリカーブボウのように飛び出します。

この大きな違いがあるために、スダライザーのセッティングはエナジーと大きく変える必要があると考えています。

写真は2012年のワールドカップで、ディブ選手の使用している当時のターゲットモデル・セントロイド(Centroid)はパラレルデザインに近い設計だったことがわかります。近年、モデルが更新されるたびにプライムではリムを立たせる方向にあります。

リムの角度には大きなこだわりがあるようで、プライムにはユニークなリムポケット調整があります。リムの角度は2点によって決まりますが、多くのメーカーがリムボルト側のみ調整できるのに対して、プライムではリムボルトだけではなく、反対側のリムとハンドルの接点の角度も調整できます。
リムボルト側はボルトの締め込みで行いますが、反対側は昔のヤマハのようにスペーサーの交換で3段階調整になっています。最も厚みのあるスペーサーが赤、ミディアムが緑、ローが青です。自分のモデルでは、青が初期設定で挿入されているのが確認できます。この部分の調整の必要性に関してはあるとも言えますが、相当セッティングを煮詰めた後にいじるべきものではないか思います。まずは考えいこととします。

ONE STX36 V2ではケーブルストップとリムストップの両方を選択することができます。まずは、ケーブルストップでセッティングを開始します。パラレルカムだからこそですね、ケーブルストップがカムの真ん中についています。

センターショットは13/16″とされていますが、近年のケーブルガードを大きく調整できるモデルの場合には、あくまでも参考にしかならないことが多いです。この部分を調節することはそのままセンターショットの変化につながります。

弓全体の重さはエナジーよりも0.2ポンド(約100g)ほど軽いです。また、シミュレーターによれば、矢速は3fpsほどエナジー35よりも向上するようなので、それを考慮して、次のスタビライザーセッティングに入っていきたい思います。いろいろと試していますが、飛び出しがある弓なので、意外にリカーブ用のスタビライザーとの相性も悪くないようです。悩みますね。


3Dアーチェリーとフィールドアーチェリーの違い。

先日、3Dアーチェリーについての記事を書きましたが、少し情報が不足していたために、質問がありましたので、補足します。

3Dアーチェリーとフィールドアーチェリーとは当然異なる競技ですが、シャフトを選択する時の違いは的があるかという点です。フィールドアーチェリーはご存知のように、的があり、真ん中に行くほど点数が高いのです。

対して、3D競技はハンティングを競技にしたものですので、ターゲットは急所(バイタルエリア)が高得点ですが、ここが急所ですよとは教えてくれません。選手はハンティング同様にターゲットの形状から高得点の急所を予測してシューティングすることは求められます。

そのために、フィールド競技よりも、より矢は太いほうが有利とされていて、3D競技向けシャフト=大口径&軽量という意味でメーカーのカタログでは使用されています。


ローラン(ROLAN)がユニークなデザインのコンパウンド発表。

低価格の練習・レジャー用弓で有名なフランスのローランがユニークなデザインのコンポジットライザーを使用したコンパウンドボウ、CAMBIUM(コンビウム)を発表しました。

スペックは練習用のゼロレットオフタイプで、31インチまで同じポンドで引けます。ポンドは21-24ポンドなので競技で使用するのは難しいと思います。コンポジットハンドル…というよりも、リカーブのハンドルをほぼそのまま使用している感じです。アクセル間は35.6インチ、ブレースハイトは7.25インチ、重さは最軽量に近い3ポンド(1,360g)で、4色での展開。3月ごろの入荷を予定しています(黒のみ在庫予定)。


アークシステム(Arc Systeme)がスリムロッドを使用したグラビティ(Gravity)を発表。

フランスのユニークなデザインが多いことで知られるアークシステム(Arc Systeme)が新しいスタビライザーシリーズ、グラビティ(Gravity)を発表。近年、多くのメーカーから発表されている風の提供を抑えるスリムロッドを使用したスタビライザーです。

ロッド径は15mmということで、極細のカーボンロッドを採用したウィンドドラゴンの12.3mmを更新はできませんでしたが、ドインカーの超高級スタビライザーのヒーローとはほぼ同じ値を達成しています。


X-Rod WIND DRAGON PRO-X ”プラス” = 12.3mm
HERO = 14.5mm
X SLIM = 16mm

メーカー実験では、HMC22などを使用している場合には30-35%、HMC+を使用している場合には20-30%、Nano ACSなどを使用している場合には15-20%程度風の影響を抑えることができるとしています。

まだ、発表されたばかり、具体的な情報があまりありませんが、可能であればテストしてみたいと思っています。今年のワールドカップで採用する選手が現れると期待しています。


2017年はプライム(PRIME)をONE STX 36 V2 82X Cカムを使います。

プライムアーチェリーのワールドカップ2017ステージ2・Nimesの出場シューターたちです。増えてきましたね。自分は2014-2015年はマシューズで、2015-2016年はエリートを使ってきましたが、2017年シーズンはプライムを使う事にしました。

現在弊社では山田がマシューズ、坂本がエリートを使用しています。あくまでも自分はプロの道具屋だと認識していますので、現在弊社で使用選手のいないプロライムの弓をより理解するために、プライムの弓を今年は研究していこうと思います。

道具屋として、今後の目標は全主要メーカー(残りはホイット/PSE/ボウテック-矢はイーストン)で全日に入賞といったものにしようと考えています。プライムで結果が出たら、次は最近元気なボウテックでしょうか(気が早いっすね)。

さっそく、82Xという使用したことのない素材を利用した2017年モデルのSTX36を送ってもらいました。自分がいじる前に…坂本が借りたいというので、先週末に岐阜インドアで貸し出し、574点というそれなりの結果を出してきたようです。今日返してもらったので、今週からいじっていこうと思います。競技は中断していたフィールドをメインに調整していく予定です。

カムのトラック構造からして、いじり甲斐のある弓な気がします。楽しみです。

使用モデルに関しては現在使用しているエナジー35と大きくATAの変わらないようONE STX 36 V2を選択しました。カムはA(引き心地重視)カム~C(矢速重視)カムまであるなかで、10fpsも違うので、フィールド競技に必要とされる矢速が出るCカムを選択しました。

プライムは452Xを使用していますが、自分はBCY-Xのほうが好きなので、まずは一通りチューニングして、ストリング/ケーブルの交換から考えています。3月くらいからまた競技に復帰する予定です。


ゴールドチップ(GOLD TIP) NINE.3 MAX プロが初世界戦メダル獲得。

昨日のワールドカップ2017・ステージ2で、ボルチェ選手(Jean Philippe Boulch)が3位を獲得し、ゴールドチップの2016年ラインナップから登場したNINE.3 MAX プロ初の世界戦でのメダルとなりました。

トップ選手の間でも非常に評価の高いシャフトではありますが、スパインは250番の1つだけで、ボルチェ選手のようなロングドローの選手にはぴったりですが、低ポンド/ショートドローの選手が使いこなすのは難しいと思います。

来シーズンよりは取り寄せで取り扱いしたいと思います。