この記事は2016年12月27日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

“弱者”のための栄養・栄養学について考える

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アスリートであれば、コンディションと体づくりには十分な栄養が必要であることは知っていると思います。そして、正しい食事・栄養摂取の方法などについて、検索したり、本を買ったりといろいろな方法で勉強したことがある人も少なくないと思います。私も個人的に、何度も勉強してきました。

ただ、15年以上、納得するような考え方や、栄養学の本に出合うことができませんでした。そこで、試合があるとコンディショニングが必要なので、じっくりと取り組むために当分試合に出ないで、栄養学というものに向き合ってみようと決めたのがきっかけです。


下記、私の個人的な経験についてです。人それぞれ体質が違いますので、私の考えが違う方に当てはまるとは限りません。また、何でも食べられるという強者の方には参考になりません

私は個人的には魚介類が体質に食べられません。というと刺身が苦手なのと聞かれることがありますが、そのレベルではなく、卵焼きの出汁や、チンジャオロース(青椒肉絲)にたまに入れられているオイスターソースも苦手です。さすがに出汁は我慢すれば口に入れることは可能ですが、現在はコンディショニングの観点から風味を感じるものは口にしないようにしています。

そういった人間です。なので、日本の栄養学にそれとなく漂う「全部食べなれる人間になれるのがベスト」という感じにはずっと違和感を感じてきました。まぁ、負け犬の遠吠えであることは分かっていますが、学問というものは弱者にも寄り添うべきだというのが私の考えです。

栄養学・食事というものにじっくりと取り組もうと考えてから、かなりの本を読んだりしてきましたが、ついに自分が共感できる2冊の本にたどり着くことができました。ともに、”弱者”に寄り添う視点を持った本です。

1冊目は「精進料理と日本人」という本です。著者は鳥居本幸代さんという家政学修士の方で、比叡山西麓生まれの方です。。精進料理にはバランスよくなんでも食べるという考えはなく、信仰に則り、鳥獣魚介、および香り高い五葷(にんにく、ねぎ、にら、たまねぎ、らっきょう)を除いた野菜・豆類・穀物類を上手に、限られたものをバランスよく食べるという考え方によって調理される食事のことです。

2冊目は「ジョコビッチの生まれ変わる食事」という本です。著者はテニス選手のノバク・ジョコビッチ選手、世界トップクラスのテニスプレーヤーです。彼の食事に関する考えもバランスよく何でも食べるというものではなく、自分の体がよく消化できるものを中心に食事を組だてていくというものです。具体的には彼は小麦と乳製品をあまり消化(不耐性)できず、トマトもあまりよくないという血液検査の結果となったようです。

誤解のないように書きますが、体に良い(うまく消化できるか)かどうかは個人差があります。ジョコビッチ選手は乳糖不耐症だから乳製品を避けるのであって、人によって異なります。専門サイトによれば、北欧に起源をもつ人では2~5%しか見られない傾向です(*)。

*http://www.biv-decodeme.jp/health/conditions-covered/lactose-intolerance.html

まぁ、簡単な話にすれば、アルコールと同じで、同じ量を飲んでも、酔っぱらう人もいれば、酔っぱらわない人もいるということです。それは個人差であって、「○○は体にいい」と言い切る事に無理があるというのが私の考えで、それを信仰(精進料理)と不耐性を持つプロアスリートの本で同じ考えを見つけたという話です。

(ウィキペディアより)

誰かか何かを言ったからと言って、それをそのまま実践しても得るものは少ないと思います。そこに一般論的なものを探して自分に当てはめて実践していく必要があります。探してみると、驚くことにこの2冊の本には共通点がありました。食事(栄養摂取)に関して共通して下記のことをアドバイスしているのです。

精進料理 – 「五観の偈」より抜粋

・この食事がどうしてできたかを考え、食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をいたします
・食とは良薬なのであり、身体をやしない、正しい健康を得るために頂くのです
・今この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです

ジョコビッチ選手(プロテニスプレーヤー) - 著書より

・食事は情報だ (P.115)
・ゆっくりと意識的に食べよう (P.118)
・肉体に明確な指示を出せ (P.133) *注釈 食べたものがどのように体に働きかけてほしいのかを意識しながら食事する

どうだろうか。感じ方はそれぞれですので、全く違うと感じる方もいるかもしれませんが、私は一つの共通するものを発見したように感じます。

“弱者”にとっての栄養学・コンディショニングのスタート時点は「自分が何を食べているのか知ること」ではないかということです。ジョコビッチ選手の食事法と中世の宗教家たちの食事法はこの点をスタートとしているのではないかと思います。

冬休みの間、このテーマでいくつかの記事を書きたいと思います。続きます。

*例えば、クッキーを食べて「食事が調うまでの多くの人々に感謝」とは「クッキー焼いてくれた相方にありがとう」ということではなく、その材料である小麦粉を作ってくれた農家さん、全卵を作ってくれた養鶏場の方、バターを作ってくれた酪農業者、サトウキビ(和三盆を使った場合)を栽培してくれた方とそれを製糖してくれた方、そして、すべての源である太陽と水と空気と大地に感謝することではいかという解釈です


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Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、2014年コンパウンドに転向、2018年よりベアボウに挑戦中。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

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