この記事は2016年11月5日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

高性能の弓であなたのシャフトは??

%e3%82%b9%e3%83%91%e3%82%a4%e3%83%b3_%e6%9f%94%e3%82%89%e3%81%8b%e3%81%8f現在2017年に向けてサイトの説明などの更新を行っています。最新の弓具はあなたの矢(スパイン)にどのような影響を与えるのか?

チャートが毎年更新されるとき、リカーブとコンパウンドでは逆のことが起きていることはご存知でしょうか。

リカーブの場合、高性能なリムほど効率性が向上します。リムの効率性というのはアーチャーがリムを引いた時に使った力のうち、どれだけが矢に伝わったかという率です。この値が高いほど、矢に多くのエネルギーが伝わり、矢速が速くなります。

%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%882005-2017これは2005年のチャートと2017年のチャートとの比較です。私が加工して28インチだけ表示してあります。T9カテゴリーが示すスパインは同じものです。リカーブ、2005年当時では、56-60ポンドだけの強さがないとT9カテゴリー(X10 なら450)が使えません。しかし、2017年では53-57ポンド、3ポンド低い実質ポンドでもそれだけのエネルギーがシャフトに伝わることがわかります。つまり、高性能な弓に買い替えた時には、矢を”硬くしない”とスパインが合わなくなります

では、コンパウンドではどうか。コンパウンドは効率性ではなく、矢速のレーティングが存在します。この場合、自分の弓を55-60ポンド(試合で使用できる上限)を基準にした時、2005年の弓では291fpsあれば、T9カテゴリーとなりますが、2017年の弓では、T9で55-60ポンドが適合する弓は301fpssとなります。より速い矢速の弓となっても、スパインを硬くする必要がありません。これはつまり、高性能な弓に買い替えた時には、矢を”柔らかくしない”とスパインが合わなくなります

(下記技術的メモ)

リカーブの場合チャート表に出ているのは見かけ上のポンド数(リムに蓄えられるエネルギー)ですので、これを一定とすると、性能の向上ともに効率性の向上することで、実際に矢に伝わるエネルギーは向上する。よってスパインが硬くなる。


コンパウンドの場合チャートに表記されているのは実際の矢に伝わるエネルギー。つもり、すでに効率性を考慮した値である(効率性によって3つの欄が選択される)。よって効率性の向上の影響を受けない。つもり、効率性という性能はそもそもチャートには関係ない。チャートから読み取れるのは、矢に伝わるエネルギーが3.4%(301/291)向上しても、同じスパインが使用できることを示す。

その理由としては多様な要素があるが、基本的にはシャフトの受ける的方向以外のストレスは性能の向上とともに低下する方向にあるので、パラドックスを発生させる力は低下している(リカーブでいえばコンパウンドボウはどんどんリリースがうまくなっている)。矢に伝わるエネルギーを3.4%向上しても、シャフトがパラドックス方向に受けるストレスは同じであることを示す。


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Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、その後コンパウンドに転向。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

6 thoughts on “高性能の弓であなたのシャフトは??

  1. 弓の性能がスパイン表にも表れていることは意外でした。

    ところで記事の趣旨とはややズレてるかもしれないのですが、弓の性能と矢の性能はどちらの方が大きいのでしょうか?

    例えば現在の使用リムがカーボン720で、矢がカーボンワンなのですが、
    リムをクワトロに変えるのと矢をACEに変えるのではどちらの方が点数に及ぼす影響が大きいのでしょうか?

  2. 記事に関係ない話ですみません。
    wiawis oneのフォームとウッドでは引き心地、返りの速さなどにはどのような違いがありますか?

  3. >弓の性能と矢の性能はどちらの方が大きいのでしょうか?
    >例えば現在の使用リムがカーボン720で、矢がカーボンワンなのですが、
    >リムをクワトロに変えるのと矢をACEに変えるのではどちらの方が点数に及ぼす影響が大きいのでしょうか?

    比較できるものではないので…一般論では何とも言えません。限定された状況下では、例えば矢のスパインがあっていないのであれば矢の方を変えるべきですし、リムが柔らかすぎてクリッカーゾーンで挙動が安定しないのであればリムを変えるべきです。

    大まかに性能というものを考えると

    リムを変えることはフィーリング、アーチャーがコントロールする部分(射形)を変えます

    矢を変えることは矢飛び(スパイン)、矢の設定(回転数・FOC・風から受ける影響、ラインカット時の太さ)、アーチャーがコントロールできない部分を変えます

    アーチェリーにおいて、矢飛びは上達によって改善できいものです。矢(スパイン)があっていなければ、リリース後の矢の挙動は物理運動ですので、どんなトップアーチャーであってもまっすぐ飛ばすことは無理です。柔らかければ、的の右方向にカーブ、硬ければ左方向にカーブします。矢があっていないのであれば、絶対に変えるべきは矢です。

    次にスパインが合っているという前提であれば、ざっくり言うと、リムを変えることは自身の射形、シューティングテクニックの上達につながり、矢を変えることは自身のセッティング、チューニングテクニックの上達に繋がります。ともにアーチャーにとっては大事ことですが、予算もあると思いますので、どちらを優先するか、自分が足りないのはどちらかで決めてみてはいかがでしょうか。

  4. 個人の感じ方次第というのが個人的な感想です(*)。たとえば、以前のホイットのM1(フォーム)とF3(ウッド)ではどなたでも感じられるくらいの違いがありましたが、それほどの違いはWiawisではないのは断言できます。

    *弊社での販売実績が少なくあまり、Wiawisウッドは使用しているスタッフがおらず、多く触っていないのも事実です

    下記、個人的な意見として参考にしてください。理論的なアドバイスではありません。

    引きをどこでとらえるかですが、ドローイングではフォームのほうが硬く感じます。クリッカーゾーンではウッドのほうが硬いと感じます。返りが矢速だとすると大きく変わりません。

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