アーチェリーのネット情報サイトについて

アーチェリーシティ私自身は2007年からアーチェリー情報のサイトを運営していますが、それよりも前から存在する先輩方のサイトがいくつもあります。今では多くのメーカーと取引するプロショップを経営している関係で、わからないことがあれば、メーカーのエンジニアやそれらを使っているプロ選手の方に質問すれば返信が返ってきますが、以前には多くの情報をネットから入手してきました。

なかには間違った情報、人を誤解させる書き方(*)のサイトもありますが、非常に有用なサイトとして参考にさせていいただいたArchery Cityさんのサイトがサーバー会社のサービス終了によるものと思われる理由で閲覧できなくなりました。つい最近、フィールドの勉強の時にもお世話になったばかりでびっくりです(12月からのようです)。このような有用な情報が書かれているサイトが見られなくなってしまうのは非常に残念です。

*記事に日付がないサイトは要注意です。ネットサイトは古いもので1995年くらいから存在するので、古いものだと20年以上前の情報だったりすることもあり得ます。ご注意を。

現在アクセスできませんが、一応URLは http://www.usiwakamaru.or.jp/~doraemon/ です。


フィールド_サードアクシス調整Understanding the Effects of 3rd axis より

そういえば、先日、海外では一般的なサードアクシスの調整について書いた時に、これまで日本語のアーチェリーサイトではどういった説明がされているのか調べてみたら、

(ここから引用)
 従来のリカーブサイトには1軸(1stAxis)と2軸(2ndAxis)の調整(可動)は備わっていたのですが、リカーブでは通常3軸の可動は必要としませんでした。ところがコンパウンドの場合はレンズを使い、視線がその中心を垂直に通過することを求められる(理想としては)ため、コンパウンド用を強調する意味から「3rdAxis」(3軸)を可動できる機能が付加されたサイトあるいはスコープが登場したわけです。

 しかし実際には、コンパウンドにおいても不要な機能とはいいませんが、コンパウンドの場合はピープサイトを使いストリングの中(弓の中心)からサイトを見るため、サイトベースが真っ直ぐにハンドルにセットされていればこの軸の微調整はほとんど必要ありません。そのためコンパウンドにおいてもリカーブ同様に、1軸と2軸でレンズはほとんど視線に垂直に固定できます。
(ここまで引用)

というトンデモない説明をしているサイトがありました…涙

グーグル検索などでこのサイトの方が上に検索されることを祈るばかりですが、サードアクシスとは、コンパウンドボウの設計でケーブルが片方だけからカムにストレスをかけることによって、フルドロー時に弓が手の中で回転としてしまう現象(トルク)によって、レベル(水準器)に起こる不都合な現象を修正するための機能です。

そのずれは確かにわずかで、ずれていてもゼロ度(レンズが地面と垂直)の状態では、シューティングに全く悪影響を与えませんが、発射角がつくにつれて、そのずれは水準器に大きな影響を与え始め、経験上、15度以上発射角がつくと明確にスコープのレベル(水準器)に現れます。なので、ターゲットアーチェリーでは基本不要ですが、ダウン40度からアップ40度くらいまでの80度もの幅広い発射角の中で競技することが求められるフィールドでは(高い点数を得るためには)絶対的な必要な調整です。

高いレベルでアーチェリーをしたいのであれば、ちょっとずれていてもいいものではありません。リカーブでいえば、近隣のC番号を混ぜて使うくらいの差でしょうか。ご注意ください。


競技用ストリングメーカー・ウィナーズチョイス工場見学

弊社で販売しているアメリカの競技用コンパウンドストリングメーカーのウィナーズチョイスの工場の動画がアップされました。

手巻きで巻くときのやり方は同じですが、見慣れない独自の道具がいくつも登場します。特に10秒あたりから登場する巨大なマシンは…自動回転式のストリングジグでしょうか…すごい設備です。


ペーパーチューニングをする

ペーパーチューニング2日曜日のフィールドの大会が終わり、弓のセッティングを再確認し、インドア仕様に変更しました。最終確認としてペーパーチューニングを。

ペーパーチューニングの「やり方」の方は簡単です。ピンと張った紙に向けて矢を射ち、矢が通過するときの穴の形状を見ることで矢飛びを確認できます。距離は弓や人によっても違いますが、4-7mくらいがよいです。ベストの距離は矢が最も乱れる距離です。どの距離がよいかを見極める簡単な方法は、誰かの矢(スパインがあわない矢)を借りて射って矢飛びが最もおかしかったところにチューニング用の紙を設置します。

「やり方」は簡単ですが、わかることは矢がどのような飛んでいるかということだけで、どこを修正すべきかは自分が考えなければいけないので、チューニングの中では難易度の高いチューニングです。

ペーパーチューニング例えば、1番の穴の場合、矢はポイントが左を向いた状態で飛んでいることがわかります。わかるのはこれだけです。これを修正する方法は、

(エナジー35の場合)

【弓の問題】
1.レストを移動される
2.ポンドを変更する
3.レットオフを変更する
4.ケーブルガードを回転される(トルクが変わる)

【矢の問題】
5.ポイントの重さを変える
6.スパインを変える

【アーチャーの問題】
7.グリップの押し方を変える

ざっとリストアップしただけでもこれだけあります。そして、この中のどれが問題なのかは自分で考えるしかありません。これがこのチューニングの難しいところです。過去、このチューニングに1か月かかった経験があります…

今回は矢が変わっただけ(去年と同じ矢)なので、レストの移動で調整することにしました。1射目はポイント大きく左に。レストを1.5mm程度左に出しての2射目。ほぼ良い結果だがもう少し。3射目で正しいと思われる結果に。あとは射場での最終調整です。


トルクレスDループ導入の場合のノッキングポイントについて

先日から何度かこちらのブログでも登場し、販売も開始した「トルクレスDループ」ですが、実際に装着する際の注意点です。

トルクレスDループを取り付ける箇所はノックの下にします。
そしてノックの上側にもノッキングポイントを作ります。(巻きます)
そこで上側を作る際の注意点を。
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通常のDループ使用時と同じようにジャストサイズでトルクレスDループのノッキングポイントも作ってしまうと、上の写真のようにフルドローした時に上側のノッキングポイント糸が下向き方向に強く働き、ノックを下方へ強く押し下げてしまう力が発生し、結果矢全体が下向きの力加減になってレストにプレッシャーを与える事になってしまいます。

ですのでこの「ストリングがフルドロー時に折れ曲がった時の角度」を加味して上側の糸はやや上方に位置をずらして巻きます。
下の写真では(私の弓の場合)、上側に約3ミリのすき間を作りました。
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一般的にノッキングポイントはバーガーホールの水平中心線(黄色線)の延長上に使用ノックの中心を持ってきます。
下側はトルクレスDループを固定。
で、ノックの幅の分だけとばして、上方にすき間を設けて上側糸を巻く、、、と言う事です。

実はこの上の写真は撮影の為に(紫色)ノックをトルクレスDループ側に押し下げて撮影しています。
実際には上方にすき間を作ってノッキングポイント糸を巻いたら、矢を番えた時、下の写真のようにノックは上側糸に当たります。

下側にすき間が生じるので、「あれ?大丈夫?」となりますが、、、、、、、
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「安心してください、ちゃんと真ん中に来てくれますよ。」
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気にせず番えてドローイングに入って下さい。フルドロー時には真ん中にちゃんと来てくれます。
上の写真のように、上方に設けたすき間が下向きの押さえつける力を発生させずに、ピッタリとノックをホールドしてくれます。

どうです?ご納得いただけましたか?

トルクレスDループだと、好きなだけリリーサーをネジってアンカーに入っても「ひねりトルク」はほとんど起きません。
通常のDループでアンカー時にリリーサーをグリンとひねる人は、Dループのヤマを高くしないとひねりトルクを抑えられないので、このトルクレスDループだとヤマを高くせずに好きなだけひねる事が出来ると言う事です。

リリーサーをひねってアンカーする方は一度導入を検討してみてはいかがでしょうかヽ(^o^)丿


当店取扱いのノックサイズについて

インドアシーズンが始まり、アウトドアのセッティングからインドアへのセッティング変更をされる方が特にコンパウンドに多くいらっしゃる時期です。

そこで、知ってる人は知っている、でも知らない人も結構いらっしゃるノックの見分けとサイズ(特に幅)を改めて紹介します。
まずは一覧です。
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そして後になって撮り忘れに気付いた、CXのランチパッドプレシジョンノックです。。。。
使用サイズは「スーパーノックサイズ」相当です。
CX大口径シャフト用で販売されていますが、通常のスーパーノックサイズのブッシングでも使用できます。
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*なんとなくゴミ(チリ?)のようなものが透けて見えていますが、これはラメです。デザインですのでご承知おきを。

では、まずバイターノックです。
コンパウンドで最も使用されているモノは「ハンター」と言うサイズ名称で、ノックを横から見た時のデザインが上下対象形になっています。
下の写真は、大口径インドアシャフトで使用されるスーパーノックサイズの「19/2H」と主にアウトドアターゲットアローなどで使用される「ピンノック」です。
両者の特徴は横から見たノッキングポイント部の幅が同じ4.9ミリとなっています。
普段からバイター・ハンターノックを使っている方にとってはアウトドア⇔インドアのセッティング変更をしてもノッキングポイントを作り直す事のない、手間が省ける嬉しい?デザインです。
ただ、シャフトのエンド面からノック溝までの距離が若干それぞれ異なるのでシャフトカットの際は注意が必要です。
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次に、イーストンスーパーノック・シリーズです。
当店ではイーストンスーパーノックは厳密には3タイプのモノを販売しています。
・3Dスーパーノック
・スーパーノック
・マイクロライトスーパーノック
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見分け方は上の写真通り、「3D」はややほっそりしたデザイン。
ただの「スーパーノック」はややふっくらとしたです。
マイクロライトはいわずもがな、、、、です。

そして「3D」と「スーパー」では、シャフトエンド面からノック溝までの距離がほんのわずかに違いがあります(約1ミリ弱)。
同じシャフトでノックを交換した時は全長が変りますのでご留意くださいね。

さらに次の写真はそれぞれのノックの「厚さ」の一覧写真ですが、「3D」と「スーパー」では厚さがで全然違います。
ノッキングポイント幅は共通しませんのでこちらはご注意ください。
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どうです?「知ってるよ」と言う方もいらっしゃれば今回初めて知った方もいるかと思います。
特にイーストン・スーパーノックには、「スーパー」と「3D」に違いが有るなんて知らない人が意外に多いかもしれません。

この機会に確認してみてはいかがでしょうか。


TRU BALLからスイートスポットのブラスモデルが発表されました。

3finger_sweet_spot_WebTRU BALLからスイートスポット2のブラスモデルが発表されました。スイートスポットに搭載されりているものと同じ安全装置を搭載し、ハンドルはブラス(真鍮)を使用したヘビーウェイトリリーサーになっています。
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最近のTRUのリリーサーと同じように、アルミの部分(黒いところ)を交換することで、2本掛け/3本掛け/4本掛けに変更できるようになっています。

来年の初めの入荷予定です。また、同時にHBXリリーサーについての連絡があり、年末入荷と言われていたHBXの4本掛けの生産が来年の中旬(approximately August)に延期になったとのことです。残念です。