この記事は2015年11月23日に書かれたものです。最新の情報とは異なる可能性があります。ご注意ください。

サイトチャートを作る – アーチャーズアドバンテージ

archersadvantage今日はサイトチャートの作り方について。とりあえず使うためのサイトチャートは市販されています。また、ネットで無料で配布されているものも存在します。ただ、競技用サイトチャートは自分のデータから作る必要があります。そのための…無料ソフトがないのです。理由はその計算には弓のデータなどが必要で、これは更新が必要です。なので有料でなければ運営できません。

よく知られているソフトとしては、アーチャーズアドバンテージ(Archers Advantage)OnTarget2!が知られています。今回使用したのはアーチャーズアドバンテージの方です。このソフトは1500円/年(12ドル)です。OnTarget2!が最新のOSに対応しているのか確認できなかったためです。

aa1すべて、英語ですが、中学校レベルの英語力があれば使用できます。今回はポイントだけ説明します。年間購入しログインするとこのような画面になります。まずは「Setup」を開き、「Add Setup」をクリックして、セッティングの名前を入れたら、「Select Bow From List」から自分の弓を選択します。その後、ピークウェイト、ブレースハイト、ドローレングスを入力します。画面右側の値はデータベースより自動入力されます。
aa2IMG_20151123_182607 IMG_20151123_182621つぎに「Sight Configuration」を開き、サイトとピープの情報を入力します、「Sight Type」はAxcelのアチーブCXLの場合は「32Turn x 20Clicks(サイトのマニュアルに書いてある)」です。「Peep to sight」はフルドローの時のピープの中央からレンズまでの距離です。「Peep Height」はシャフトの中央からピープまでの垂直の距離です。どちらもインチで入力してください。ここでは近距離での目盛りの修正が行われます。
aa3次に「Arrow Configuration」で矢の情報を入力していきます。特に難しいところはないですが、アローレングスはシャフトだけの長さです。ポイントやノック溝までではないので注意してください。FOCなどは自動で計算されます。
IMG_20151123_194115IMG_20151123_194140次に…方法は3つあります。矢速を測定してやる方法(Chronograph)とサイトを2つとって計算する方法(Calculate Speed)、カタログ値(Build Bow Speed)を使う方法です。このソフトではサイトをとる方法を推薦していて、これが一番正確とされています。なのでサイトをとりましょう。その前にゼロインが必要です。微調整用のノブの目盛りが0にあるときに、メモリがぴったりとライン上にあるように調整します。これをしないとすべてが狂います。
aa4「Sight In」をクリックし、2つの距離でサイトをとります。矢がわずかに落ちる位置と、大きく落ちる位置がよいさとれています。メーカー推薦は18mと70mです(自分は20mと50mでやりました)。注意点は上にある「Metric Ranges」が選択されていることをしっかりと確認することです。でないとヤード設定になってしまいます。射場でとったサイトの値を「Range」のところに距離、「Mark」のところにサイトの数字を入れます。これで計算は完了です。
aa5「Customize」をクリックすることで印刷するチャートのデザインをいじれます。いろいろいじってみてください。「Justification」の部分は通常、サイトのインジケーター(メモリを示すピン)の位置を確認し、逆の方に数字を入れます。
aa6IMG_20151123_180906最後にプリンタのキャリブレーションを「Calibration Scales」で「Metric Scale」を選択して印刷してください。印刷されるのは10cm分の目盛りです。これが10cmになっていれば、正しく印刷されています。

aa7これで完成です。正しいと思われるもの。それよりも少し矢速が遅かったときのものと、少し早かったときのものが印刷されます。まぁ、通常の目盛りと同じですが、上の13というのは13mの時の目盛りです。この設定の場合、13mよりも短いときにはサイトを上げるのではなく下げる必要があることを示しています。右にあるShort Range Conversionsがその値で、10mを射つ時には17mの時の目盛りに合わせる必要があることを示しています。
aa8また、このソフトにはスパインセレクト機能もあります。ただ、これまでの流れからわかるようにすでに矢を持っていて、距離を射っていて、サイトがあることが必要なので、初心者のシャフト選択には使用できないです。

これで完了です。あとはサイトに貼って終わりです。参考になれば幸いです。

アーチャーズアドバンテージ(Archers Advantage)


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Ryo

(株)JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、コンパウンド競技歴5年、2021年よりターゲットベアボウに転向。リカーブとコンパウンドで全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。次はベアボウでの出場を目指す。

4 thoughts on “サイトチャートを作る – アーチャーズアドバンテージ

  1. RCアーチャーですが
    質問させていただきます。
    私はCPに関してど素人なんですが、わざわざ年間12ドル払わないと作れないものでしょうか。
    CPのフィールド競技がいかに特殊さは、サードアクシスの時に非常に良い勉強をさせていただきましたが、サイトチャートなら(RCの私なら)ネットで探せば直ぐに見つかります。
    私がCPに関し無知なのは承知の上ですし大変申し訳ないですが、今後の転向も考えていますので、有料サイトのチャートについて教えてください。

  2. >私はCPに関してど素人なんですが、わざわざ年間12ドル払わないと作れないものでしょうか。

    これは主にプロショップ用なので、フィールドに対応しているお店であれば、お店で作ってくれると思います。
    私たちはプロショップなので契約しています。他には大きな部活の監督さんが買っていたりしていますが、
    個人で契約する必要はあまりないと思います。


    >CPのフィールド競技がいかに特殊さは、サードアクシスの時に非常に良い勉強をさせていただきましたが、サイトチャートなら(RCの私なら)ネットで探せば直ぐに見つかります。
    >私がCPに関し無知なのは承知の上ですし大変申し訳ないですが、今後の転向も考えていますので、有料サイトのチャートについて教えてください。

    ネット上のものは使用したことがないので、コメントできません。自分の持っているサイトは最初から簡易サイトチャートが付属しています。
    まずは、これでフィールドの練習を行いました。175点だったので、大きく外れていないのでしょう。

    ただ、短距離(カット後で10mよりも近い距離)では、大きくずれているように感じています。
    長距離では技術の差が大きく出ますが、短距離ではサイトがあっているかが大きな差になるのではないかと思っています(実証はしていませんが…)。

    なので、有料のものに張り替える予定です(まだチューニングしているところがあるので…まだ張り替えてないです)。
    まだ使っていないので予想ですが、サイトチャートの精度を上げることで、12的で2-3点は点数が上がると考えています。

  3. お返事ありがとうございます!
    因みに山口さんはRCでのフィールドのご経験は有りますか?
    個人的にフィールドも好きなのでCP転向後も山で射ちたいと思うのですが、先日のサードアクシス同様に弓の違い故に発生するフィールド特有の現象って有りますか?
    技術、道具、心理面でRCとCPのフィールド競技において異なる点が有りましたら教えてください。
    ブログのフィールド編、楽しみにしてます。

  4. >因みに山口さんはRCでのフィールドのご経験は有りますか?

    遊び程度にはありますが、ちゃんとした経験はないです。学生時代には3000円くらいのコース代が高くて…。

    >個人的にフィールドも好きなのでCP転向後も山で射ちたいと思うのですが、先日のサードアクシス同様に弓の違い故に発生するフィールド特有の現象って有りますか?
    >技術、道具、心理面でRCとCPのフィールド競技において異なる点が有りましたら教えてください。

    全日本ターゲット後に来年はフィールドと決めて、3週間程度でしょうか。
    まだわからないことだらけです。

    これでサイトチャートは完成しましたが、今後はFOCについて詰めていきたいと思っています。
    同じ角度のアップヒルとダウンヒルではサイトが変わりますが、FOCを抑えることでその変化を減らせるのではないかと思っています。
    今後、どこかの時点でCPでのターゲットとフィールドの違いは書けますが、RCのフィールドとCPのフィールドの違いが書けるかは…

    >ブログのフィールド編、楽しみにしてます。

    ありがとうございます。


    Youtubeを見ていると、世の中にはすごい打ち上げがあるんだなと思います(左が52度、右が48度)。
    日本の中でもいろんなコースを回ってみたいですね。

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