この記事は2015年7月18日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

ゴールドは本当のゴールドだった

アーチェリー的の歴史今週は台風ということだったので、射場での練習を減らして、筋トレを増やして、残りの時間は勉強に使いましたが、意外と天気のいい日々で若干の後悔です。

ターゲットアーチェリーでは的の真ん中は黄色ですが、よく”ゴールド”や”10金”と呼ばれていますよね。その理由について記事にしてみたいと思います。

現在のアーチェリーのルールの多くはイギリスに起源を持ち、そのルールがアメリカに伝わり、アメリカから戦前に日本にもたらされました。

アーチェリーがスポーツとして楽しまれ始めたのは16世紀ごろだと言われています。18世紀までは各クラブで距離・的・採点方法を独自に定めていました。しかし、スポーツとしてアーチェリーが拡大するにつれ、地域のクラブがナショナル選手権(全英選手権)をホストするときに、このローカルルールが問題となってきます。そこで、当時のイギリスのリージェント王子(のちにジョージ4世)が、スコアリング(的と得点帯)のスタンダードを制定するよう指示し、17世紀から存続するフィンズブリークラブのルールをベースとして、18世紀末には現在の形に近い、金・赤・銀(白)・黒・白というターゲット的のスタンダードが出来上がります。この配色はプリンスカラーと呼ばれています。

ちなみにその時には各射場の物理的な問題で射つ距離は統一されず、距離が統一されるのは19世紀(1844年のヨークミーティング)でした。

さて、現在の馴染みの的になるまでは、ご存知のように2つの変更がありました。一つは「アーチェリーの理論と実践」のまえがきも執筆したC.J.ロングマンによってなされた提案で、真ん中の金(ゴールド)は富の象徴として「プリンスカラー」の名に非常にふさわしいものでしたが、光り輝く金は想像の通り、天気のいい日には太陽を反射し、非常にエイミングしにくい的になってしまいます。

そこで彼は協会に、ゴールドという名前をのままとして、色を太陽を反射しないマットイエローにすることを提案し、19世紀末に承認されます。この時にほかにも追加されたのは黒のブルズアイ(Xマーク)と色の間に配置されたラインです。

もう一つの変化は個人の提案ではないので、自分が知る限りでは根拠となる確かに文献はないのですが、1870年代にイギリスのターゲットの配色がアメリカに伝わり、その後アメリカでアーチェリーが広まるとともに、白が2色では点数間違いをしやすいという理由で、当時インナーホワイトと呼ばれていた得点帯を薄い青とするようになり、それが一般化して広まったといわれています。

という流れで的は現在の色となりました。弓道も遠的の得点的ではアーチェリーと同じ配色を使うそうですが、その配色がアーチェリーをそのままパクったものなのか、和弓独自の歴史で定まったものなのかはわかりません。

本当にゴールドの的も射ってみたいですが、太陽の光がちょうどよく反射する時間帯だと…何ともならない感じになりそうです。

明日はロングマンさんに感謝しながら、マットイエローのゴールドを射ってきます。

では。


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Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、2014年コンパウンドに転向、2018年よりベアボウに挑戦中。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

9 thoughts on “ゴールドは本当のゴールドだった

  1. 「弓道の遠的」で思い出したのですが、友人が弓道をやっていたとのことで矢を見せてもらったのですがEASTON社のものでした。

    業界では当たり前なのかも知れませんがEASTON社が弓道にも関わってることは非常に驚きました。アーチェリー業界というのは基本的にそれ一本で食べているものだと思っていた(WINが自転車を作り始めたのは前に記事になっていましたね!)のですが、EASTON社は元々は金属メーカーか何かなのでしょうか? 
    矢に関しては実は弓道の方が本筋だったりするのでしょうか??

  2. >矢に関しては実は弓道の方が本筋だったりするのでしょうか??

    イーストンが弓道用のシャフトを開発しているという話は聞いたことがないです。弓道で使われているのはアーチェリー用で開発されたXX75と、ハンティング用のAXIS(AXIS Traditional)です。和弓は耳の後ろまで引くので、そのためにノーカットレングス(ストックレングス)を長くとっているだけの違いだと理解しています。

  3. 記事と関係ない質問ですみません。
    現在ネクサスを使っているのですが、そろそろ時代の流れに従いつつ、フォーミュラに乗り換えようと考えています。
    ただ個人的に唯一の不安が、リムのブッシングの強度。
    上下にモジュールかスプリームアッパーを付ければフォーミュラの利点を最大限に活かして静かな弓を作れると思うのですが、あのブッシングってやはりグランプリシリーズのハンドルにつけるブッシングと比べると強度は低いですよね?
    周りでブッシングが取れたと言う報告も聞いてます
    し。
    そこでお伺いしたいのは、ホイット側はアッパーの許容範囲の重さを述べてますか?
    又、外れた場合はブッシングを付け直していただけるのでしょうか。
    お返事お願いします。
    お忙しい中失礼しました。

  4. >上下にモジュールかスプリームアッパーを付ければフォーミュラの利点を最大限に活かして静かな弓を作れると思うのですが、あのブッシングってやはりグランプリシリーズのハンドルにつけるブッシングと比べると強度は低いですよね?

    確かに低いです。ブッシングの強度というよりもブッシングの接着の強度の問題です。

    >周りでブッシングが取れたと言う報告も聞いてますし。

    弊社でも起きている事象です。


    >そこでお伺いしたいのは、ホイット側はアッパーの許容範囲の重さを述べてますか?

    重さの問題ではありません。ブッシングを斜めに接着していることが問題です。斜めに接着されているために、上下方向の揺れによって、ゆるみ・不具合が生じます。
    なので、長いロッドを装着することはお勧めできません。てこの原理によってブッシングに大きな負担がかかります。
    軽くても長いロッドはお勧めできません。逆に重くても、長さがないもの、多くのアーチャーが選択しているモジュラースタビライザーのようなものがよいかと思います。

    http://archery.cart.fc2.com/ca13/666/p-r-s/

    >又、外れた場合はブッシングを付け直していただけるのでしょうか。

    はい。可能です。無償で行っています。

  5. お忙しい中お返事ありがとうございます!
    これで安心してフォーミュラに乗り換えられます!

  6. 教えて下さい。
    今度始めて弓を買う初心者ですが、HOYTのフォーミュラ-プロディジーXTが欲しいと考えています。
    先生からは、最近しっかりと弓が引けるようになってきているので、予想以上に引き尺が伸びてきていると言われています。(30.5インチ)
    げんざいは68インチの弓で練習していますが、70インチの方がいいみたいだなと言われています。

    プロディジーXTの場合、70インチの弓にする場合は27インチハンドルの方がいいのか25インチハンドルにする方がいいのかどちらでしょうか?
    27インチの方が重い。
    25インチの方が軽い。
    ロングリムの方が引きやすい。
    ミディアムリムの方が引きが堅くなり、ポンドが高めに出やすくなる。
    それ以外に、このハンドルのサイズの違いについて教えていただけますか?
    また、おすすめのポイントがあれば教えて下さい。

    先生からは身長も高く(183cm)実質ポンドも十分出るので、極端にポンドを高くしないで引きやすい弓を使いこなせば十分なパフォーマンスが出せると言われました。

  7. 70インチの弓ならば25インチハンドルと27インチハンドルのどちらが理想的でしょうか?
    初めて弓を買うのですが 、今は68インチの弓で練習をしています。
    矢尺は30.5インチです。
    身長は183cm。ポンドは実質37ポンド。表示は32ポンドです

  8. 引き尺が30以上であれば、70インチのほうがよいと思います。

    >プロディジーXTの場合、70インチの弓にする場合は27インチハンドルの方がいいのか25インチハンドルにする方がいいのかどちらでしょうか?

    将来高ポンド(実質で40ポンド以上)にする可能性があるのであれば、27インチです。
    これは性能の問題ではありません。
    25インチではサイトがリムポケットに隠れて、インドアでサイトが取れない可能性がかなりあります。

    物理的な問題があるので、25インチという選択肢はお勧めできません。

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