世界中で多くのナショナルチーム・プロチームで使用されているスコアアプリArtemis(アルテミス)の日本語対応を開始しました。1か月程度で日本語に対応させます。スマートフォンでスコアリングできるシステムは多くあります。中には日本語で制作されているものもあり、個人の練習で使用するスコアリングシステムは自分に合うものを使用するといいと思います。
数多くのアプリの中でもこのアプリの開発に協力することにした理由は、、このアプリがナショナルチーム・トップチームでの使用に特化したものとして開発され、多くの国で使用されている実績があるためです。
上は”1射”した時に記録されるデータです(カスタマイズ可能)。1射1射に対して、点数(具体的に刺さった場所)に加え、シューティングタイム(射つまでの時間)、ベインの種類(ベインごとのグルーピング差を調査するときのフィルタ)、何番目に射った矢か(何射目かごとのグルーピングを調査するときのためのフィルタ)、矢の番号(それぞれの矢のグルーピングを調べるためのフィルタ)、その射に対する自己評価(自己評価と点数の相関を調査するため)、この射でサイトを調節したかの7つのデータを入力し、分析することで、練習、または、記録会の反省・評価をサポートします。
上は分析機能を使用して、1・2射目のグルーピング、3・4射目のグルーピング、5・6射目のグルーピング、全体のグルーピングを評価したものです。前半のグルーピングが高く、後半のグルーピングが低くなっている傾向がみられることがわかります。(…コーチをサポートするためのシステムなのでその解決法までは示してはくれませんよ)
オランダチームではコーチがこのようにして使用しています。上から、スコープ、ハイスピードカメラ(EX-F1)、Artemis(Lite)用のスマホ。
ですので、自分たちの射場、貸し切りの射場などで、コーチ・サポートスタッフと共に使用しない限り、個人でこのアプリを活用することは困難ですが、使いこなすことができれば非常に強力なサポートシステムとして機能します。
昨年にはWorld Archeryから試合中にコーチはこのアプリを使用できるという連絡が通達されています(ウェーティングライン後方でサイト調整のサポートとして使用しないという条件付き)。
現在、70か国以上で使用されており、英語に加えてすでに、チェコ語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語に対応しています。5月末か5月初めを目標に日本語への対応を進めていきます。
現在のバージョンはこちらです。
Ryo
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去年のワールドカップファイナル決勝戦、エリソン選手とブラジルの選手のシュートオフで同じ9点でしたが、おそらく計測することなく中心からの距離がミリ単位で掲示されてました。
その時の表示が山口さんの記事のものと似てたとですが、同じソフトでしょうか。
違います。それは矢の刺さった位置を自動で計測するファルコンアイ(Falco eye)というソフトです。
質問です。
〉試合中にコーチはこのアプリを使用できるという連絡が通達されています(ウェーティングライン後方でサイト調整のサポートとして使用しないという条件付き)。
試合中合法的に使用出来る場面として具体的にどのような使用方法が想定されるのでしょうか?(例えばWL後方でコーチが入力したデータを選手がコーチからのアドバイスではなく自分自身で確認するために使用する…など)
>試合中合法的に使用出来る場面として具体的にどのような使用方法が想定されるのでしょうか?
このアプリは行われた射の情報をできうる限り収集するためのアプリです。あくまでも情報を収集しそれを分析するところまでのサポートアプリで、Apptituneのように実際にアドバイスをくれる機能はありません(今後実装される可能性はあります)。
WAの通達は試合中でもこのアプリ(電子機器)を使って情報収集してもよいですという内容です。
>(例えばWL後方でコーチが入力したデータを選手がコーチからのアドバイスではなく自分自身で確認するために使用する…など)
プロのコーチレベルであれば、アプリを見なくても、”その試合”での選手の射の情報くらいは覚えていると思うので必要ないかと思います。
一番想定される使い方は、”試合中にアプリを使っての情報収集”をすることで、その後の分析に使用することです。
つまり、その場(試合中)で情報収集はするが、その場で使うためではなく、その後(反省や練習時の結果との比較)使うために活用しているチームが多いと思います。
試合中も情報収集をしないと、グルーピングデータが全部練習時のものになってしまい有用性が大きく下がると思われます。
追記。本日の午前に行われたワールドカップ上海の男子リカーブ予選の写真です。
写真のユニフォームから判断するにイギリスチームだと思いますが、多くのチームにおいて電子機器の使用はあくまでも記録を残し、
次に役立てるためで、競技中に使用するためではないです。
わかりやすい解説ありがとうございます。
ここまで進んでいるとは思いませんでした。
また新しい情報がありましたら紹介して下さい。
(この手の情報は他では見かけないので)
アルテミスの日本語版はどこで得られるでしょうか。英語版はダウンロードしたのですが。
2015年4月版のランゲージファイルの翻訳に協力しましたが、それ以降アップデートはしていません。アップデートが必要か確認してみます。