この記事は2014年4月25日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

CX(Carbon Express)のナノ・エクストリームとナノ・SSTが入荷しました。

DSC_0045新しく代理店になったCXから、まずはナノ・エクストリーム(Nano Xtreme)とナノ・SST(Nano SST)が入荷しました。

426105_10200411055229585_1206825740_nCXのリカーブシャフトのシューターで日本でも有名なのは、やはりフランジィーリでしょうか。CXに切り替えてからは、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得。96年のオリンピックでの銅メダル、2000年のオリンピックでの銀メダルで、全色コンプリートです♪

CXの競技用シャフトの精度・性能に関しては、もう実証されているので、今回日本での販売に当たって、一番告知して、お客様に知っていただかなければいけないのは、イーストンシャフトとの違いだと思っています。

イーストンの競技用シャフト(X10とACE)から移行する場合、簡単に書くと、

1.ワンサイズ柔らかいシャフトを選んでください。

2.ポイントを10グレイン軽くしてください。

この二つを理解してシャフトを選択していただければ、正しいシャフトを選択することができます。
cx_archery_windイーストンの競技用シャフトと比較して、CXのシャフトが提供するのは風に対する高い抵抗力と矢速の向上です。風に対して強いシャフトとは、簡単に言えば、細く、かつ、重いシャフトです。

細いシャフトは断面積が減少するので、風の影響を受けにくくなります。重いシャフトは高いエネルギーを保持することができるので、これもまた風の影響を受けにくくなります。

上のグラフはイーストンのX10とACEとCXのシャフトを比較したものです。細さではCXの矢が圧倒的に細いのに対して、重さは、イーストンのシャフトよりも硬いスパインでは重く、柔らかいスパインでは軽くなっていることが確認できるかと思います。硬いスパイン(400番など)で重くなっているのは、高いポンドではシャフトはむしろ重い方がよりエネルギー効率が向上し、高いエネルギーを保持して失速しないのに対して、柔らかいスパイン(1000番など)では、単純に軽い方がメリットが大きく、低い弾道と速い矢速を得ることができるためです。

これらの性能を実現したCXのシャフトの特徴ですが、まずは、非常に高弾性の46Tカーボン素材を使用していることです。メリットはしては、シャフトの耐久性が向上し、高い頻度で使用しても、スパインが落ちないことがあげられます。注意していただきたいのは、耐摩耗性が非常に高いというのが特徴であり、非常に強度が高いというわけではありません。強度は実射テストではイーストンとほぼ同等かわずかに高いくらいです。

46Tカーボンを使用したことによって達成したのは、使っていてシャフトがヘタって来ないということで、的の脚や防矢のための板とかに射ってしまったときは、イーストンと同じような壊れ方となります。

話を「1.ワンサイズ柔らかいシャフトを選んでください。」に戻すと、スパインというのは静的に測定されるものです。それに対して、イーストンのシャフトに対して高い弾性力のある素材を使用しているCXのシャフトでは、スパインが同じでも、ダイナミックス(動いているときの反応)が全く異なります。そのために、スパインはワンサイズ柔らかいものを選択してください。ワンサイズ柔らかいスパインでイーストンのものと同じ挙動となります。

次に、「2.ポイントを10グレイン軽くしてください。」という点ですが、これはCXの特許技術に関わるものです。イーストンのX10とACEはCXのNano XTremeとSST同様に複合スパインシャフトですが、バレルシャフトと言って、中央部のカーボン量を単純に増やすことで、異なるスパインを実現しています。それに対して、CXでは特許技術により、シャフト全体均一なカーボン量で異なるスパインを実現しています。そのために中央部分に重さが集中しているバレルシャフト(X10/ACE)から買い替えの場合、10グレイン軽いポイントで同じF.O.C(矢のバランス)となります。矢のバランスを変えたくない場合は、10グレイン軽いポイントを選んでください。ACG/ACC/カーボンワン/アポロなどのストレートシャフトからの買い替えであれば、ポイントの重さを軽くする必要はありません。

この2点を考慮していただければ、必ず、CXのシャフトのすごさを分かっていただけるはずです。特に、600番から柔らかいスパインでは、必ず実感できると言っていいほどの違いを生むシャフトです。

今、自分でも使っているCXのナノ・プロシャフトは2007年発売で、少しずつ愛用するトップアーチャーが増え、今では、どの国際大会でもメダルに絡めるシャフトにまで成長しました。ナノ・エクストリームシャフトも、2020年東京オリンピックを目標に、長い目で育てていきたいと思っています。値段は安くありませんが、UUKHAのリムのように少しずつ、愛用者が増えていければよいかなと思っていますし、メーカーの担当者も賛成してくれているので、少しずつ売っていきたいと思っています。

コンパウンド用のシャフトは現在テスト中です。5月に販売を開始できるよう準備しているところです。

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sha_da1_6142また、現在行われている上海ワールドカップで、日本は男子団体で決勝戦に、女子団体で三位決定戦への進出が決まりました。

男子団体決勝戦は日曜日の12時、女子団体三位決定戦は日曜日の11時に行われる予定です。そして、男子団体で日本に負けましたが、ウクライナチームが試合に出場してきましたね。いやー、良かったです。


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Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、2014年コンパウンドに転向、2018年よりベアボウに挑戦中。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

18 thoughts on “CX(Carbon Express)のナノ・エクストリームとナノ・SSTが入荷しました。

  1. 上海ワールドカップの写真の2枚目の左側に加藤選手と思われる方が写っていますが、持っている弓がCXTの紫?のように見えます。見たことの無い色でしたので、もし新色などの情報を教えていたただけるのであれば知りたいです。

  2. CXのシャフトについて質問です。

    1)CXのNano XTremeとSSTはX10とACEのようにカットリミットがありますか?

    2)X10のようにCナンバーで揃えるということはないのですね?

    3)アウトノック、ピンノック以外にインアウトやピンアウトは使えますか?

    4)「必ず、CXのシャフトのすごさを分かっていただけるはずです。」、「必ず実感できると言っていいほどの違いを生むシャフトです。」といわれていますが、『すごさ』や『違い』をもう少し具体的に説明していただけますか?(高い買物なので…)

  3. 新色ではないと思います。特注か、試作で作ったものかと思いますが…ウィンジャパンさんに問い合わせた方がよいと思います。

  4. >1)CXのNano XTremeとSSTはX10とACEのようにカットリミットがありますか?

    ないです。そもそもカットリミットとは、記事の通り、X10とACEは真ん中に重さが集中しているので、その片側だけをカットしていくと、シャフトのバランスが変になってしまうこと防ぐためのものです。

    >2)X10のようにCナンバーで揃えるということはないのですね?

    ないです。

    >3)アウトノック、ピンノック以外にインアウトやピンアウトは使えますか?

    インアウトノックは使用できません。4.5バイターアウトノックが使用できるものは、145ピンアウトノックは使用できると思いますが、
    メーカーによる推奨はされていません。ピンノックとピンアウトノックの違いは、シャフトエンドの保護ですが、それはシャフトエンドキャップによって提供されています。

    >4)「必ず、CXのシャフトのすごさを分かっていただけるはずです。」、「必ず実感できると言っていいほどの違いを生むシャフトです。」といわれていますが、
    >『すごさ』や『違い』をもう少し具体的に説明していただけますか?(高い買物なので…)

    記事の文書がわかりにくくて申し訳ないです。

    簡単に書くと

    -風に対する安定性
    -耐摩耗性(スパインが落ちづらい)
    -サイトが上がる

    です。理由は記事を参照ください。

  5. 記事に関係のないことですが、エクストラショートリムがHOYTからリリースされましたが、他の長さの物と比べ信用性(精度、耐久性、実績等)はどのくらいあるのでしょうか?

    あと、タブのコードバンは今後業界から消えて、スーパーレザー等に取って代わられる可能性は高いのでしょうか?

  6. >記事に関係のないことですが、エクストラショートリムがHOYTからリリースされましたが、他の長さの物と比べ信用性(精度、耐久性、実績等)はどのくらいあるのでしょうか?

    ほぼ売れていないので…わからないです。製造も販売店から注文があってから作るようです。ただ、精度・品質は良いと思います。

    日本では誤解されていますが、このリムは64インチを組むためのものではありません(もちろん、そのような使い方はできます)。

    ホイットはコンパウンドも作っていますが、コンパウンドではハンドルが長い方が安定します。2014年から同じ理論をリカーブにも適応して、同じ弓のサイズでも、ハンドルが長い方が安定することを営業の人間が宣伝しまわっています。つまり、より長い27インチハンドルで66インチの弓を作るためのXSリムなのです。

    この営業はあまりうまくいっていないように感じますが、そのためにラインに加えたリムなので、本気で作っているのは間違いないと感じます。

    >あと、タブのコードバンは今後業界から消えて、スーパーレザー等に取って代わられる可能性は高いのでしょうか?

    今後、スーパーレザーの品質が進化すれば別かもしれませんが、今のレベルでは考えられないです。

  7. リム、タブの皮の返答ありがとうございます。

    あともう二点質問ですが、今月の雑誌アーチェリーでアイーダ・ローマン選手の弓(ION-X)を見て、ハンドル上部のカウンターホールにウェイトを付けていることがわかりました。
    ここにカウンターウェイトを付ける利点は何かあるのあでしょうか?

    またINNOMAXを使用しているテイラー・ワース、ライアン・タイアック両選手が本来のカウンターホールを使用せず、GMX等と同じ様にハンドル下部にカウンターを付けていました。
    これも何か理由があるのでしょうか?

  8. >あともう二点質問ですが、今月の雑誌アーチェリーでアイーダ・ローマン選手の弓(ION-X)を見て、
    >ハンドル上部のカウンターホールにウェイトを付けていることがわかりました。ここにカウンターウェイトを付ける利点は何かあるのあでしょうか?

    カウンターは振動吸収と弓のバランスの調整の2つの目的で使用されるものです。その写真を見ていないので、お客様から与えられた情報だけからの想像ですが、ION-Xですので、重心を的側に移すことなく(グリップに残したまま)、重さをハンドル上部に付加する(飛び出しがよくなります)のが目的だったと思います。

    >本来のカウンターホールを使用せず、GMX等と同じ様にハンドル下部にカウンターを付けていました。
    >これも何か理由があるのでしょうか?

    これもお客様から情報を基にした推測ですが、重心をより下げるためかと思います。ハンドルの回転を抑えることができます。

  9. >そもそもカットリミットとは、記事の通り、X10とACEは真ん中に重さが集中しているので、その片側だけをカットしていくと、シャフトのバランスが変になってしまうこと防ぐためのものです。

    紹介記事の中に、
    「同一シャフト上に2種類をスパインを搭載しており、硬い中央部が安定した矢飛びを実現し、柔らかい先端と後方が修正力を高め…」とありますが、シャフトカットする時柔らかい前後の片側(例えば前方)だけを 3.5インチとか 4インチとか大きくカットしてもバランスを崩さないのでしょうか?「柔らかい先端と後方で修正力を高める」のならば前後同じ長さずつカット(例えば 4インチカットしたいならば先端を 2インチ、後方を 2インチカット)しないとせっかくのバランスを崩すように感じるのですが、そこまで心配は要らないのでしょうか?

  10. ご回答ありがとうございました。記事とあまり関係のない質問ですみませんでした…。機会があったらウィンジャパンに問い合わせてみたいと思います。

  11. >せっかくのバランスを崩すように感じるのですが、そこまで心配は要らないのでしょうか?

    >そもそもカットリミットとは、記事の通り、X10とACEは真ん中に重さが集中しているので、その片側だけをカットしていくと、シャフトのバランスが変になってしまうこと防ぐためのものです。

    バランスというのはシャフトの重心のことです。X10とACEはカーボン量で硬さを調整しているので、真ん中に重さが集中しています。対して、CXの矢ではストレートシャフトで、真ん中に重さは集中していないので、問題はないです。バランスと言ったのは重さのバランスで、硬さのバランスではありません。カットリミットはないです。

  12. 上(外径)が1/1000インチです。200で5.08mmです。
    下(重さ)はGPIです。インチ当たりのグレイン数です。

  13. カットに関しての説明を商品説明に加えました。

    *カットリミットはありません。前方からカットしてください。シャフトエンドからはカットしないでください。

  14. 先ほどのコメント(4/30 3:50 PM)までは特に注意されていなかったのですでにエンド側からカットしてました。
    どのような問題が起きるのでしょうか?
    何か対処法はありますか?

  15. どこのメーカーでもストレートシャフト以外、エンドからカットのカットは推薦していません。このコメントを書いたのは、イーストンの場合カットリミットがあるために、一定の条件下ではエンドからカットがよいとされるケースがあるためです。CXのシャフトにはカットリミットがないので(ハンティング用のシャフトでカットリミットがあるものはあります)、いかなる条件でもエンドからのカットは必要ないと理解していただくためです。

    >どのような問題が起きるのでしょうか?

    リリースに対する修正力が落ちます。

    正確にはリリースに修正力、およびシャフトクリアランス、およびスパインに変化が起きます。プロのアーチャーでは、その変化のリスクを理解したうえで、実験的にエンドからカットする人はいるようですが、多くの場合でその変化は修正力を悪くするほうらに働くと思われますが、メーカーなどでもそれらを想定したテストは行っていないです。

    すべてのシャフトについて言えますが、プロショップではお客様から特別に依頼がない限り、エンドからシャフトをカットすることはまずあり得ないです。

  16. Carbon ExpressのSHAFT SELECTION CHARTでのArrow lengthは、ポイントの先までの全長でしょうか、EASTONと同様、シャフトのカット部分までの長さになりますか?

  17. >EASTONと同様、シャフトのカット部分までの長さになりますか?

    シャフトセレクトチャートでしょうか。イーストンと同様ですが、ポイント先まででも、カットエンドでもありません。
    自分にこだわりの値がない場合は、ATAドローレングス+1インチ(~2)が”Arrow length”となります。

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