プレシジョン・バランス(Precision Balance)のスタビライザーが入荷

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プレシジョン・バランス(Precision Balance)のスタビライザーが入荷しました。

今年の1月にビー・スティンガーと代理店契約した時に少し触れた、ドインカーを擁するレブン社の新しいブランドである、プレシジョン・バランス(Precision Balance)のスタビライザーが入荷しました。

3月ごろに生産を開始するといっていたのですが、入荷は11月、もう2014年の時期になってしまいました。

 

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テストしてみましたが、面白いスタビライザーです。軽量カーボンロッドと、ウェイト部分に上の写真のように、独自の構造を備えています。

FIVICSのウェイトダンパーと違うのは、固定されたウェイトの間に振動吸収素材を挟みこんでいるのではなく、写真のねじの長さをあらかじめ調整し、少し遊びを作り、その間でウェイトが自由に動くことで振動を吸収するという構造です。

ウェイトダンパーではロッドとウェイトは接続されていますが、こちらはロッドのねじは青のダンパーと接続されていて、そのダンパーがさらにウェイトとつながっている構造です。

 

 

10時過ぎてしまいました。明日、子供の予防接種で朝早いので、続きは明日ということでお許しを。


BCY 3Dエンドサービングについて

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気が付きませんでした…お客様から指摘があり、メーカーに連絡したのですが、BCYの3Dエンドサービングの直径が、サービングのパッケージでは「.016」と表示されているそうです。

カタログでは「.017」と書かれていて、オンライン・ショップでもそのように販売していましたが、メーカーに問い合わせたところ、仕様が変更されたわけではなく、実際の直径は「.0165」であり、その関係で「.016」「.017」表記が混在しているそうです。

同一商品です。よろしくお願いします。


舘林のアーチェリーケース値下げしました。

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ハードケースの老舗・舘林製作所のアーチェリーケース - 2013年モデルを値下げしました。新しい価格は16,000円です。

写真の2013年モデルは黒がすべて売り切れていて販売が終了しています。

また、店舗の展示品を安く提供しますので、興味のある方はお問い合わせください。

 

2014年モデルは現在開発中で、まだサンプルを見ていませんが、来年の3月に販売を開始できるようメーカーと相談しています。新色が登場する予定です。


XS-Wingsから紫のベインを仕入れてみました。

先日の無錫の世界ユース選手権で優勝した選手が使用したことで話題になりましたが、それよりも、紫のベインを探していてたどり着きました。

ホイットが2014年から新色として紫(Purple)を採用しました。先日、入荷した紫のGMXを見ても、品質の良いアルマイトカラーで、とても良い色で人気が出ると思います。

これに合わせて、アクセサリーでも紫のニーズに増えるかなと思っています。それに対応するために、いろいろな商品の紫を探して、準備を進めているとことです。

 

1382332_204433329728235_867499810_n SONY DSC本日、実際に入荷したものです。パステルカラーの紫ですね。下にあるのは緑…毎度ですがヨーロッパ人の緑は、私には黄色に見えます。。

XS-Wingsについてはご存知の方も多いと思いますが、スロベニアのメーカーで、以前、一時期日本に入ってきていました。品質は非常によいのですが、硬さがあったため、チューニングがうまくいなかなかったり、リリースをミスしたりして、レストなどにヒットすると、クリアランスがうまくいかないことが多かった印象です。その分フィルムベインではおそらく一番硬かったので、畳を貫通しても、原形を保ち、耐久性はばっちりです。

その以前のものではなく、新しくより柔らかいミディアムが登場し、紫があったので再度テストしてみようと思います。

結果が上がり次第、再度記事にします。


ホイットのクアトロリム 評価テスト その2 - 良いリムです。

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まず、結論が書きますと、クアトロリムは非常に優れたリムです。矢速こそF7リムと同じレベルですが、引きが柔らかく、ねじれに強く、安定しており、非常にホイットらしい安定した完成度の高いリムです。矢速では上回ったとは言えませんが、安定性の面では、INNO EX POWERを上回りました。2014年にW&Wが新しいリムを発表しないとなれば、クアトロリムはかなりいいところまでホイットのシェアを挽回できる可能性のある素晴らしいリムです。990TXリムぶりに、プロショップの人間として本当にお勧めしたいホイットのリムです。

上の写真は昨日の採取したデータをわかりやすくグラフにしたものです。振動はX・Y・Zの3軸で発生しますが、人間が感知できるものではないので、3軸の振動(加速度)を公式に沿って合成したものです。

比較のために、W&WのINNO CXTハンドル+INNO EX POWERリム(*)のデータも入れてみました。ちなみに、前のテストではF7リムの矢速が202.6fpsで、クアトロリムの矢速が202.0fpsでしたが、INNO EX POWERリムの矢速は202.1fpsでした。

*同じ68インチ/28インチ引きの42ポンド

グラフを見ると発生している振動の大きさは大きく違いませんが、その収まりの速さが大きく違うことがわかるかと思います。

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それをグラフにしました。「振動の大きさ」はそのまま振動の大きさです。計算の仕方はピックアップ(計測)された合成加速度の量、折れ線グラフの面積です。振動時間は振動が収まるまでの時間です。発射時の振動は一定値以下になると、あとは少しずつ減衰していくので(テストでは振動吸収用品は装着していません)、その値に達した後は別の評価となります。リムの剛性や安定性のテストというよりも、ティラーバランスの適正やノッキングポイントのバランスなどが影響してくる世界ですので、それがリム自体の性能評価に影響を与えないよう考慮しないことにしています。

安定性ですが、それぞれ管理された同一環境で3射ずつでシューティングテストを行っておりますが、その時の計測されたデータのばらつきを評価したもので、数字が小さいほど優秀です。シューティングマシンでリリーサーでシューティングしていても、計測される値にばらつきが出ます。わかりやすい矢速のテストだと、INNO EX POWERでは、

1射目 201.9fps
2射目 202.1fps
3射目 202.2fps
4射目 202.1fps
5射目 201.9fps

といった感じでした。もちろん、リムが原因とは限らず、センサのばらつき、シューティングマシンの微妙な差なども関係していますが、同じセンサ、同じマシンと同じ環境でバラつきがより大きく出るリムがあるとしたら、それがリム自体のバラつきであると考えられます。

テストごとに「振動の大きさ」と「振動時間」の計測値のバラつきを計算したものです。ただ、グラフの大きさが隣の二つにフィットするように、計算値を10倍して表示しています。

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vib_04F7の値を100としてデータを整理すると上記のようになります。フォーミュラリムはともかく、会社の方針ではないので、店舗では違った対応になっているかもしれませんが、一般的なILFリムで予算関係なくお勧めのリムと聞かれたときは、今まで迷わずINNO EX POWER(またはプライム)をお勧めしてきましたが、F7はともかくとして、INNO EX POWERよりも良い値を出してきていることは驚きです。

リムが重い分、ドローレングスが短い方や、ポンドが低い方には軽いINNO EX POWERリムの恩恵は大いにあると思いますが、引き尺が27インチ以上あり、40ポンド以上であれば、INNO EX POWERから乗り換えても違いを感じることができると思いますが、ただし、振動の大きさ2%、振動時間で17%とでそこまで大きな差ではなく、チューニングして、スタビライザーセッティングを見直すだけで達成できなくもない数字ですので、INNO EX POWER/MK/RCX-100あたりのお客様に積極的に買い替えをお勧めはできませんが、ホイットのF3/F4/990TX/KAYAなどのリムをお使いの方であれば、きっと気に入っていただけるリムだと思います。違いも実感できるはずです。

 

(まぁ、INNO EX POWERはW&Wが2010年に送り出した商品なので、2014年モデルでやっと追い越したとも言えますが)

 

あとは、リムの破損が少なくなれば、INNO EX POWER登場からW&Wに奪われたシェアを取り返す力が十分にあるリムです。

…問題はリムの値段が高い事ですね…すごくいいリムなので、皆さんに使っていただきたいのですが、販売価格をどうするか、もう少し考えさせてください。リムの値段が高いだけではなく、何を迷っているかといいますと、グランプリのほうはメーカーから低価格でレンタルリムを提供してもらっていますが、フォーミュラのレンタルリムは価格がかなり高いのです。現行のフォーミュラF7リムとGP F7リムで販売価格に大きな違いがあるのもそういった理由なのですが…。。。

価格が決まっていなくとも、(価格未定でも良いといった常連のお客様へは)すでに5ペア以上納品しているので、射場に行ったら見かけることもあるかと思います。

GP(グランプリ)・クアトロリムのほうは間もなく販売開始します。


HOYT テックライトクイーバー … 気が付きませんでした。

img0244クイーバー本体の両側にホイットのロゴがあって、左右兼用のHOYT テックライトクイーバーですが、在庫分が全部売れてしまったので、再発注をしたところ、販売終了しているといわれました…確かにホイットの2014年のカタログからは消えています。完全に見逃していました。結構人気があったので、気が付いていたら、発注の時点で買い占めたのですが…申し訳ございません。販売終了商品のカテゴリーに移動させて、1か月後をめどにカートから削除します。

変わるものとして、新規に左右兼用のクイーバーはホイットからは発表されてません…。後続モデルなしです。残念です。


ホイットのクアトロリム 評価テスト その1.5 - 全テスト終了

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cxtすみません。1.5ということで。本日すべてのテストを10分前にやっと終了できました。分析もして本日中にすべて書き終えようとしましたが…無理して徹夜するよりも、一晩頭の中で熟成させて明日にその2を書きたいと思います。

写真は上からHPXにクアトロリム、HPXにF7リム、参考としてINNO CXTにINNO EX POWERリムのリムの振動データです。

 

IMG_20131113_195154センサーの位置はここです。すべて各メーカーの最新の上位機種ですので、見てわかるほどの明らかな違いはほとんどないように見えます。このグラフのもとになってい膨大な数字の羅列(CSV)がありますので、それを分析して結果を出します。

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これらは公式に手順が定められたテストですが、一つ参考値になればと思ってやってみたテストがあります。

今回、F7リムとクアトロリムでは、手でリムチップをねじってみればそれだけでわかるほどの剛性の違いがあります。と、口で言っても、店舗から遠くにお住いのお客様には伝わりに行くので、写真のようにリムと交差する位置にレーザーポインタを張り付けて(写真上)、そのドットを紙の上に落とし(写真下)、その状態でリムチップに対して回転する方向の力(トルク)をかけて、2kgの力をかけた時、レーザーの点がどれだけ移動したのかを測定しました。

聞いていてわかるとおり、いろいろな点で誤差が出そうなテストですので、厳密な結果とは言えません。参考値としてください。

 

リムチップを2kgの力でねじったとき、F7リムに生じたねじれを100とした場合、クアトロリムを同等の力でねじったとき、リム発生したねじれは49でした。つまり、少なくともリムチップまわりでは約倍ねじれ剛性があるといえます。(F7でドットは5.3cm移動した、クアトロでドットは2.6cm移動した)

誤差が多いのであくまでも参考値です。15%位の違いだったら発表しないでお蔵入りしようと考えてましたが、予想以上にはっきりとした差が出たので、このテストも手順を改善すれば、価値のある情報になるかもしれません。

 

続く。


Pro Comp Elite FXが入荷!

Hoytの2014年モデル、プロコンプエリートFXが入荷しました。(GTXカム)

2013年発売のプロコンプエリートをコンパクトに、そして軽く、よりハイスピードになったモデルです。重さ2.08kg、アクセル間が35-1/4インチ、ブレースハイトは7インチ。GTXカムかスパイラル-Xカムかの選択です。

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(パールホワイト)

 

手にした時、プロコンプエリート(37-7/8インチ)に比べて明らかに軽く感じます。

 

今年のからいくつかのモデルに採用されている「ショックロッド」

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上に3本、下に3本で計6本。

より静かに、そして余分な振動を取り除く効果に期待が持ています。

 

リアブッシング

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5/16インチのリアブッシングは下向き重心のスタビセッティングの自由度を向上させてくれます。

またハンドルフレームは各所に溝が切ってあり、軽量化が図られています。

 

 

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剛性アップの為に変更されたエアショックダンパーの接続部分。

接合部の形状を変た事で、折損を防ぎます。

 

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プロコンプエリート(37-7/8インチ)との比較。

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上下のリムとハンドルの接合部を結んだ線で見比べると、左のプロコンプエリート(37-7/8in)がストレートハンドルに対し、FXは約1.5インチ引っ込んでおり、リフレックスが強めの設計になっています。

ハンドルの上下間における中心位置はシェルの底。これはプロコンプエリートと同じ設計です。アッパー側により重心が来るようになっています。

 

軽くなった全体重量、ハイスピードになったハンドル。

プロコンプエリートの大きさ、重さが導入のハードルになっていた方にとっては嬉しい追加投入となるでしょう。

あちぇ屋CP店、店舗にて販売中です。

 


ホイットのクアトロリム 評価テスト その1 - 設計と矢速

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ホイット(HOYT)のクアトロ(Quattro)リムが入荷しましたので、本日テストを行いました。その1です。

SONY DSCこのリムの売りは対F7リム比で40%も剛性が向上し、安定性が向上したこと…とカタログに書かれています。これに関しては、明日、再度テストし、その2に書きますので、本日、それ以外の話です。

リムにはSPEED(スピード)とも書かれています。剛性が向上し、スピードも向上していたら、かなりすごい事ですが、カタログを見ると、矢速も向上しているとは書かれていません。

IMG_20131112_120615ということで、まずは矢速をF7と比較しました。

結果は下記の通りです。

F7リム : 202.62fps

クアトロリム : 202.02fps

と2012年に登場したF7リムのほうが矢速が速いという驚くべき結果になりました。わずかな差ですが、およそ1ポンドで2fpsほど矢速が変わるので、0.3ポンドほどF7のほうが矢速が速いということになります。

*初速を計測。5射平均値。HPX25インチハンドル、8190弦(105.4gr)、X10 550(312gr)、実質42.0ポンド、ティラー差5mm、ハイト8.5インチ、ATA28インチ引き、イーストンの矢速計による計測。F7・クアトロいずれもMサイズのフォームコアリム。68インチ。バランスのため、センタースタビライザーのみ装着。シューティングマシンによるリリーサーリリース。

 

なぜ、F7リムのほうが矢速が速いという結果になったのかというと、リムの重さが全く違うからです。

F7リム(M38) : 383グラム(上リム191、下リム192)

クアトロリム(M38) : 415グラム(上リム207、下リム208)

とF7リムと比べて、8%もリムが重くなってしまっているのです。それでも、ほぼ同じだけの矢速を達成しているので、設計としては悪くないと思いますが、アーチャーが体感する矢速という点では、クアトロリムに変えて、矢速が上がったと思うことはないでしょう。その分、引きは柔らかくなり、触っただけでも、ねじれ剛性がかなり向上しているのがわかります。具体的な数値は明日に計測する予定ですが、今回のクアトロリムは重く・矢速が向上しなくても、剛性と安定性を重視したリムになっているといえます。

F7リムという軽く矢速が速いリムが登場した時には、多くのアーチャーがW&Wのリムっぽいという感想を抱きましたが、クアトロリムで矢速よりも安定性を重視した創業者ホイット氏の信念に回帰したリムといえます。

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細かい部分を見ていくと、リムチップまわりはF7リムと同じです。写真はともにクアトロリムのほうが左、右がF7リムですが大きな違いはありません。

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少しわかり辛いですが、上の写真の左側の手前がクアトロリムで、奥がF7リム。写真右の奥がF7リムで、手前が990TX(F4)リムです。リムチップを真横から撮影したものです。今回もリムのカーブはほぼ同じですが、新しいリムになるたびに、わずかにリムチップのカーブが強調されて、立ち上がってきているのがわかるかと思います。

 

SONY DSC多くのディーラーからクレームが上がっているリムロッドを取り付けるブッシングのすき間に関しては、改善がなされなかったのは残念です。弊社ではこのすき間が原因での故障、リムロッドブッシング交換・修理が3件発生しています。金具を変えてブッシングとリムの接する面しっかり密着させるというだけの話だと思うのですが…。その方が振動吸収性も向上するので、2015年に期待というところでしょうか。

SONY DSC改善がなされたという点では、リムとポルトの接合部の設計がW&Wと同じになりました。トラブルが発生してから、シールを貼ってみたり、リムボルト側の素材を変更してみたりしましたが、INNO EXシリーズのような設計が、結局このタイプが一番リムが安定すると思います。

次回に続く…


ホイットGPXハンドルのリフレックスについて

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ホイット(HOYT)の2014年のリカーブモデルがすべて入荷しました。コンパウンドは一部もう少し時間かかります。クアトロリムについては時間がないので明日になりそうです。

まず、GPX(グランプリ・エクストリーム)ハンドルについてのレビューを書きたいと思います。

発表があって、届くまでの3週間の間に最も多かった質問は、具体的なスペック等よりも、GPXとはいったいどんなハンドルなのかというものでした。毎年、ホイットのリカーブハンドルの設計を追い続けている人には、明白にION-Xの作り変えとわかりますが、「久しぶりに普通のリムが装着できるホイットハンドルが出た」と、何年ぶりかにカタログを見た方には、この設計がびっくりなのもわかります。まずはその説明からします。

エアロテックハンドル(2004年ごろ)から、ホイットが作った来た上位モデルのハンドルです。赤線をたどっていけば時間軸に、発売順にたどれます。ホイットの一番の特徴は基本設計をすぐに変えてしまうことです。これが好きな人もいれば、嫌いな人もいて、プロショップとしては…難しいところです。

デフレックスのハンドルの時代(へリックス・ネクサス)には、デフレックスハンドルが一番安定しているので、これが最高の設計だと宣伝し、次のスタンダード(ストレート)設計のGMXハンドルは、人気があり一時代を築いたゴールドメダリストの正当な後続モデルだから、すごく安定していると宣伝し、リフレックス時代のHPXでは矢速を向上させ、安定性も損なわないという宣伝文句…。この間ハンドルに関する特に特記すべき進歩はリムボルトくらいしかないのですが…。

デフレックス・ストレート・リフレックスに、テックありとテックなし。この10年で6つ種類の組み合わせすべてをホイットは作ってきたのです。ホイットの競合・ライバルたちは、W&W・MKコリア・SF・FIVICSに、かつて、一時代を築いたサミックまで、みんな基本設計のハンドルのみに専念しています。競合のアジアメーカーだけではありません。アメリカのPSE、フランスのUUKHA、イタリアのスピギャとファイバーボウも、最上位モデルでは基本設計のハンドルしか作っていません。

グラフでいえば、赤線が画面全体をうごいている間、他の競合メーカーはほぼ緑の枠内でしか、あくまでも基本の設計を変えずに、素材やリムポケットの設計・グリップの設計などに専念して来ました。

確実にその流れの中にこのGPXハンドルというものは存在し、そして、現在のホイットはリフレックス設計にぞっこんなのです。

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GPXハンドルはホイットでは、ILF(*)では4番目の競技用テックハンドルになります(エントリーモデルではエクリプスなどもありました)、これまでの設計の遷移が、上の写真でわかるかと思います。

*HDS・ILF・GP(グランプリ)…すべて同じ事ですが、ようはフォーミュラーシリーズではない、一般的なリム接合ハンドルのことです。

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上の写真は、ILFモデルでは一世代前に相当するGMXハンドルとの比較です。リムボルトの位置を揃えて写真を撮っています。写真の通り、実測で約2cm、GPXハンドルのバック寄り(左側)のプランジャーホールが、GMXハンドルのフェイス寄り(右側)のプランジャーホールと重なる位置に来ます。その分グリップの位置が後退しているのです。ポンドにすると、GMXハンドルからGPXハンドルに変えることで1ポンド強(40ポンドの場合)、実質ポンドが上がります。これがこのハンドル最大の特徴です。

また、このポンドアップはリムの差し込み角度が変化することによりポンドアップ(普通のポンドアップ)ではなく、実質的に引き尺が長くなることによるポンドアップですので、1ポンド強いリムに買いかえるのとは全く別の現象です。実質的に引き尺が長くなるので、引き尺が短く、かつ、ホイット以外のリムを使い続けたいという方には、ぴったりのハンドルと言えます。

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そのほかの特徴としては、リムポケットの軽量化がされ、ハンドルにも溝が入っており軽量化がはかられています。この溝はバック2か所、フェイス側3か所と計5か所に施されています。重さは実測での計測値は約1,360g、カタログ値は1,304gで、5%の誤差です。

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写真で伝わるでしょうか…グリップは2014年仕様のハイグリップが装着されているのですが、もちろん形は同じです。一点、テカりが半端ないです。ニスがかなり塗られていて、触り心地はむしろプラスチックに近くなっています。個人的にはあまり…シックでマットな感じがウッドグリップの良さだと思っているので…まあ、ニスを落とせばいいだけなのですが、今後登場予定のカラーハイリストグリップでは、色も一緒に落ちたりする可能性もあるように思います。

 

 

SONY DSCもう一点、カウンターブッシングは2か所あり、これまでGMXのカウンターブッシングがあったリムボルトの少し上に加え(リアブッシングと言う方が正式らしい)、W&Wなどで採用しているグリップ下にもカウンターブッシングが装着できるようになりました。

別のところの変化としては、ホイットのグランプリシリーズに対して推薦ハイトの範囲が低くなりました。

66インチでは 8.25~9インチ が 8.25~8.75インチに、68インチでは 8.5-9.25インチ から 8.5~9.0インチに変更になりました。短い方のハイトは変わりませんが、あまりハイトを高く設定しないようにという変更です。

 

以上

 

・リフレックス設計で引き尺を伸ばして矢速の向上がはかられる

・リフレックスデザインでW&Wなどの他社のリムが使える唯一のハンドルである

・カウンターを2か所で装着できる

 

が、このハンドルの大きな特徴でしょうか。矢尺が短い方、または、リフレックスに興味があったが、ホイットのリムしか装着できないION-Xは見送っていた方にはおすすめです。

 

ただ、GMXハンドルの基本に忠実なクラシックなデザインを愛する人間は世界中に多くいます。2013年の世界選手権でも、5代前のモデルに相当するGMXハンドルを使用している選手はかなりいました。W&Wなどのメーカーで5代前のモデルを使用している選手は、まず世界大会では見かけないので、GMXの設計がどれだけ評価されているかがよくわかる事実だと思います。

GMXハンドルをリプレイスするだけの力があるハンドルではないです。あくまでも、GMXに代わる選択肢としてご検討ください。