この記事は2013年10月18日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

HOYT Archery 2014年 リカーブのラインナップ

fuse2014topホイットアーチェリー 2014
http://archery-shop.jp/catalog/HoytCatalog2014.pdf

カタログはこちらでダウンロードできます。サーバーのスピードの関係で国内のサーバーに移動させています。メーカーのページよりも早くダウンロードできると思います。44MB。

さて、ホイットの2014年のラインナップのうちのリカーブ商品について書きます。

コンパウンドについての簡単なレビューはこちら

まず、7月から言われていたホイットの2014年の新しいリムですが、予定通り発表されました。新しいリムをテストしていたエリソン選手が、F3リムに戻し、カミンスキー選手も結局はF7リム(このリムで登場した試合でも決勝にF7リムに戻している)に戻しているために、2014年で発表しないで、もう一年寝かせるのかなと思っていましたが、スケジュール通り発表されました。

予想通りといえば、予想通りですが、少し意外でもあります。

hoyt2014_p40
hoyt_color
ハンドルのほうですが、フォーミュラータイプでの新しいハンドルはありません。そのかわりに、コンパウンドでも発表されますが、紫(パープル)色が新色アルマイトカラーで登場します。

wrist_grip
さらに、2013年後期モデルから、ホイットはミドルグリップを廃して、すべてハイリストグリップに移行しましたが、カスタムカラーのハイリストグリップが発表されました…在庫するの大変そう。。。

2014hoyt_gpx
一方GP(グランプリ)シリーズでは…これを新モデルと呼ぶのは、一生懸命に設計しているハンドルの設計者に失礼ではないかという思いが…というのはいいとしても、新モデルとしてGPXというハンドルが登場します。まぁ、写真のとおり、2013のION-XにGMXのリムポケットを移植したハンドルになっています。90gほど、ION-Xより重くなっています。

Q_limb

リムでは、GP/フォーミュラーともに、新しいリムクワトロシリーズが登場します。フォーミュラー・クワトロリムとGP・クワトロリムの2種類で、かつ、フォームコアとウッドコアがあるので、4種類…お客様にとっては良いことですが、すっきりしたホイットのラインナップが、また一気に拡大して在庫のやりくり大変になりそうで気が重いです。

細かい点では…以前の記事で内部構造が丸見えのF7リムでは試作品のテストもできないと書きましたが、クワトロリムは両サイドがしっかりと塗装されています。これで、2014-2015年シーズンは都市伝説はもう産まれないことでしょう。

さて、リム自体の設計は、どうなっているのでしょうか。実際には届いてからテストして記事にしますが、2013年の世界選手権では、W&Wとホイットを使用している選手が最も多かったのですが、W&W使用の選手のほぼ全員が最新のリムを使用しているのに対して、ホイットの使用者のかなりの割合で古いリムを選択していました。エリソンもF3リムでした。

なぜ、このを調査したのかというと、ホイットはF7リムで大きな設計変更を加え、F7リムはとても良いリムですが、正直ホイットらしくないリムになっています。W&Wが作りそうなリムです。

かつて、ホイットの創業者はインタビューの下記のように答えています

「メーカーによってそれぞれが異なる特定の能力に力を入れているのが分かる。多くは精確性を犠牲にして、スピードに傾倒している。しかし、高いパフォーマンスから発生するストレスによって、弓の寿命は縮んでしまう。どの能力に力をいれるか、重要度はそれぞれ異なる。僕の場合、最も優れた弓とはこれらすべての要素のバランスが良く取れている弓で、かつ安定性に重きを置いているものだ。」
(Traditional Bowyers Encyclopedia P.191)

F7リムしか知らない方はびっくりするかもしれませんが、それ以前のホイットのリムは決して矢速の速いものではありませんでした。そりよりも安定性を追求した、とてもバランスの良いものでした。対して、ずっとねじれ強度と矢速を追求してきたW&Wは、2000年代は剛性を上げるためにリムを丸めた設計をして大量に破損を出し、矢速を上げるためリムの中を中空にして大量に破損を出したりして、失敗が続き、それによってさらにバランス・安定性を重視するホイットが評価されていましたが、イノ・EX・パワー(INNO EX POWER)で、ついに強いねじれ強度と、速い矢速を実現し、かつ壊れないリムの開発に成功し、そこから一気にW&Wの評価が高まっていきます。

そこに登場したF7リムは、ホイットのリムとしてはかなり軽量で、矢速も速いものの…破損が多いリムで、矢速を追求して折れていた昔のW&Wを見ているようでした。ホイットらしくないリムです。そして、2014年、クワトロリムの一番の売りは折れにくく、F7リム比で40%もねじれにくいそうです。路線をもとのホイットの設計方針に戻しつつあるように見えます。もし本当に広告通りの性能が実現できていれば、INNO EX POWERのように素晴らしく完成度との高いリムとして、他のメーカーを引き離すアイテムになると思います。楽しみです。

そのほかに2012年に発表して、ついには製造されなかった25インチハンドルに装着して64インチの弓を作ることができるエクストラ・ショートリムが、New For 2014として再度発表されました…今度こそ作っていただきたいです。ラインの状況からクワトロリムのエクストラショートは、すぐに出荷されそうですが、F7とカーボン720のエクストラショートの入荷には、まだまだ時間かかりそうです。New For 2015として再再度発表されないことを祈るのみでしょうか。

ということで、最大のポイントは昔のホイットの設計方針に回帰したっぽいクワトロリムでしょう。実物が宣伝文句どおりであることに期待です。

ハンドルはホイット・リムはW&Wがベストという評価が近年続いていましたが、このリムがカタログ通りの性能を発揮するものであれば、2014年はこれまでの評価がひっくり返る年になるかもしれません。面白くなってきました。


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Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、その後コンパウンドに転向。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

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