この記事は2013年4月10日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

次世代サイト AXCEL(アクセル) アチーブ(Achieve)サイト

RXL_9_BB_LO.jpg

次世代のリカーブサイト、アメリカのアクセル社製のアチーブサイトが入荷しました。入荷自体は2週間前にしていたのですが、価格の問題で、ずっとメーカーと話し合いしていました。
はじめに書きますが、このサイトはかなり高いです。高くなってしまった一番の理由は、高度な加工をしているためです。最軽量の競技用サイトを開発するため、設計を頑張ってしまって、組立てと加工がかなり複雑になってしまったようで、原材料費は他のサイトと大きく変わらないのですが、パーツの加工時間(加工するための機械を占有するので原価高騰の原因になります)と組立てにかかる時間が長いのが、高騰の理由のようです。
このサイトはロック(後述)があるRXLと、ロックのないRXの2種類があります。メーカーの地元のランカスター・アーチェリー(アメリカの大手アーチェリーショップ)では、RXが36,000円(359.99USD)、RXLが37,000円(369.99USD)となっています。日本で販売する場合には消費税と日本までの国際送料がかかるので、4万円を超えます。
この価格の問題についてメーカーとずっと話し合って来ました。高性能のサイトですので、多くのお客様に選んでいただきたいのですが、アルティマサイトが23,000円程度なので、40,000円もしてしまうのでは、あまりにコストパフォーマンスが悪くなります。
今回、メーカーから特別にオファーを頂き、1年間限定でかなり安い価格で提供させていただきます。それでも、他社のサイトと比べると安いとは言えませんが、精いっぱいの努力です。RXサイトが33,800円、RXLが34,800円となります。期間限定価格が延長されるかは、2014年までの販売量で決まります。好評であれば、延長していただけるそうです。よろしくお願いします。
DSC01174.jpg

では、商品の話に入ります。現在、競技用のリカーブサイトで最もシェアがあるのは、アメリカ大陸(アメリカ・カナダ・メキシコなど)とオーストラリアではアクセルのAX4500サイト、アジアとヨーロッパでは渋谷のアルティマサイトかなと思います。HOYTを使うアーチャーがアクセル、WIN&WINやSAMICKを使う人が渋谷のサイトを使うことが多いです。もちろん、この2つのサイトには性能差がありますが、それよりも、この傾向が強いのは流通の問題(代理店としてどこのメーカーに強いか)が大きく関係しているかと思います。
アチーブサイトの開発のコンセプトは、今のお客様を満足させつつ、新しいヨーロッパ・アジア市場を開拓するということです。そのためにサイトをとにかく軽くしながらも、重くでき(ウェイトを追加)、力を入れずに操作できるし、レンチひとつで、これまでのアメリカ製サイトのようにしっかりとしたテンションにもすることができます。
特徴をまとめると、
素晴らしい点
・重さはとにかく軽く、調整可能(エリソン選手は軽すぎるのかウェイトを足して使っているそうです)
・組立ては正確に可能(エクステンダーバーとエレベーションバーの接合が3点式)
・調整するときのテンションは自分の好みにセットできる
・サイトボックスを完全にロックできる(RXLのみ)
悪い点
・値段が高い
お客様によって変わる点(アルティマとの比較)
・振動吸収をもとめるお客様はアルティマサイトの方がお勧め
 (カーボンバーを使用・サイトは重いほど振動吸収が良い)
・軽いサイト、弓のバランス、ソリッド感を求めるお客様はアチーブサイトの方がお勧め
 (全体にアルミを使用・軽い・サイトボックスを強く固定、またはロックできる)
という感じかと思います。ソリッド感については、あまり聞きなれない言葉だと思うので、改めて記事を書く予定です(3時間書きましたが、わかりづらい記事なのでボツにしました…書き直し中です)。
DSC01187.jpg
DSC01182.jpg

出来上がった重さですが、比較として、カーボンエクステンダーを採用する渋谷のアルティマサイト(RC520カーボン)と比べて、8.5%軽くなっています。数字では17g…ウェイト3/4個程度です。上の写真を見た印象では、どう見てもアルティマの方が軽そうですが、実際は逆です。


全体で 8.5% (219g vs 202g)
サイト本体 6% (174g vs 164g)
マウント・ノブ 18% (45g vs 38g)


アルミを採用しながら、この重さを達成したのはかなり素晴らしいことだと思います。高性能の競技用サイトの中ではこのアチーブサイトが最軽量のサイトです。
*パーツにアルミ合金やカーボン樹脂出来なく、たっぷりとプラスチック樹脂を使った韓国・中国製の1万円以下の低価格サイトではもっと軽いものがあります。
DA1_3575.jpg

このサイトは持ってみると驚くほど軽いです。しかし、ちょっと残念なことに、ずっとアクセルのサイトを愛用しているエリソン選手(写真はベガスシュート)には、このサイトは軽すぎるようで、サイトに重りを付けています(エレベーションバーの上下)…。。。
DSC01190.jpg

組立てですが、エクステンダーバーとエレベーションバーの取り付けが、より正確に、よりしっかりと、三点(写真のボッチと2本のステンレスネジ)で固定する方式になっています。また、ボッチはガイドにもなっており、このぽっちを穴に入れれば、自動的にステンレスネジのネジ穴に合わせることができます。他のサイトにはない機能その一です。
DSC01176.jpg
DSC01177.jpg

上の写真はサイトブロックを上から(写真上)と下から(写真下)から撮ったものです。上の銀のボタンはサイトボックスを大きく調整するときに使用するものですが、下の銀のアジャスターはサイトボックスとエレベーションバーとのテンションを調整するためのものです。RXLサイトでは、ワンタッチで調整できますが、RXサイトでは、アジャスタースイッチがついておらず、左側のレンチでのみ調整可能です。
アルティマサイト同様に微調整はサイト上部のノブを回ることで行うのですが、この時のテンションが強いほど、エレベーションバーとサイトボックスはしっかりと接合しており、サイトの振動が減少します。しかし、このテンションが強すぎると、調整するときにかなりの力を要します。
女性のお客様からは、アメリカ製のサイトではノブが硬いという意見は以前からありました。しかし、トップアーチェリーの多くは硬い方を好みます(まぁ、40ポンド後半の弓を楽々引く人にはそれは硬くないのだと思いますが…)。ということで、このサイトでは、この部分のテンションをお客様の好みで調整できるようになりました。
振動を減らしたい方はテンションを強く、軽く調整しやすいようにしたい方はテンションを弱めに設定してください。他のサイトにはない機能その二です。
さらに、上位モデルのRXLサイトでは、ロット機能がついています。このロックをかけることで、サイトボックスはがっちりとエレベーションバーに押し付けられ、この部分で生じる振動を最小にします。ただ、ロックをかけたまま調整しようとすると、サイトボックスが故障するので、動かす時は必ずロックを外してください。他のサイトにはない機能その三です。
ロックをかけるかどうか。世界選手権の予選を見ればわかるように、予選や練習場ではトップアーチェリーの多くはサイトの調整を行いながら射っていますが、ワールドカップや世界選手権の決勝ラウンドでサイトを調整するアーチャーはあまり見られないと思います。
12~20本程度で勝敗が出る試合でスので、サイトをいじっていたら、試合が終わってしまいます。それなら、サイトボックスを動かさないのであれば、サイトボックスをしっかりとエレベーションバーにロックし、振動を最小限にすることでサイトとハンドルの一体感をより強くします。
DSC01188.jpg

後は、サイトチャート・ステッカー・パッチがおまけでついてきます。こんな感じです。一つ、このサイトのキーワードになっているソリッド感に関しては、別途記事にします。また、今回はテスト入荷で5台しか入荷していません。次回は5月にまとまった量が入ってくる予定です。

追記、コメントの返信です。サイトピンはコンパウンドのスコープ同様、ナットで固定する形になります。


The following two tabs change content below.
Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、その後コンパウンドに転向。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

12 thoughts on “次世代サイト AXCEL(アクセル) アチーブ(Achieve)サイト

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    WIN&WIN グリップメーカーはいつ頃再入荷しますか?

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    意欲的な製品であることはよく分かりました。ただ、ここまでのご説明を読んだ限りでは、35ポンド程度の弓だと、せっかくの新機軸も他製品に対してあまり優位性がないかな、と感じます。

  3. SECRET: 0
    PASS: cd763a41d3453e89c3b75037ed69e36b
    AXCEL(アクセル) アチーブ(Achieve)サイトについて 質問です。
    サイトピンの固定は、シブヤサイトのように六角のネジで固定でしょうか?

  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    来週の中旬か後半でスケジュールが確定しています。
    > WIN&WIN グリップメーカーはいつ頃再入荷しますか?

  5. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    軽さをどう評価するか…これまでのごっつい(アクセル社のモットーは戦車のようなつくり:Built Like a Tank)デザインを残して既存のユーザーを裏切らずに、この軽さのサイトを設計したエンジニアはかなりすごいと思います。
    既存のアクセルユーザーにはぜひおすすめしたいですが、すでにアルティマを持っているユーザーに乗り換えを薦めるほどのものではないと思います。違いはウェイト1個分もないですので。
    ただ、新規に軽いサイトをご希望のお客様にはお勧めできるかなと思います。
    > 意欲的な製品であることはよく分かりました。ただ、ここまでのご説明を読んだ限りでは、35ポンド程度の弓だと、せっかくの新機軸も他製品に対してあまり優位性がないかな、と感じます。

  6. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    固定方法を写真で撮影しました。
    http://archery-shop.jp/fc2_pic/IMG_20130411_171922.jpg
    サイトピンのブロックをナットで両側から固定する形となります。アルティマ(リカーブ)の六角レンチ固定に比べ固定するのに時間がかかります。
    その反面、しっかりと固定できます。アルティマでも、サイトピンをしっかりと固定する必要があるコンパウンド用のアルティマサイトは同様の固定方法を採用しています。
    > AXCEL(アクセル) アチーブ(Achieve)サイトについて 質問です。
    >
    > サイトピンの固定は、シブヤサイトのように六角のネジで固定でしょうか?

  7. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    AXCELのホームページで
    黒以外のカラーバリエーションが
    あるようでしたが
    他の色を扱う予定はありますか?

  8. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    見たところサイトピンの左右の調整量が多く無いですね。
    アルティマとの比較を期待します。

  9. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    高級なサイトですので、あまり多くは在庫できません。在庫は黒だけにする予定です。
    カスタマイズは基本特注でお受けいたします(価格は同じです)。
    > AXCELのホームページで
    > 黒以外のカラーバリエーションが
    > あるようでしたが
    > 他の色を扱う予定はありますか?

  10. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    AXCEL RXLの左右移動量の目盛部分が写真から確認できません。できればその部分の写真をupしてもらいたいのですが。

  11. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    http://jparchery.blog62.fc2.com/blog-entry-1272.html
    上記の記事が参考になるかと思います。
    よろしくおねがいします。
    > AXCEL RXLの左右移動量の目盛部分が写真から確認できません。できればその部分の写真をupしてもらいたいのですが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。