ロンドン・オリンピック アーチェリー 男子団体インタビュー

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写真はBBCのキャプションみたいですが、前の記事でも書いたとおり、本人の著書の翻訳・出版で仲良くなったフランジィーリ選手が表彰台で感激の涙と、その後のBBCのインタビューが素晴らしいのですが、イギリス国内でしか見ることが出来ない制限があり、串を刺さないと見られないので、テキストベースの別のインタビューを日本語に翻訳してみました。


下記、引用元 ロイター通信 
http://www.reuters.com/article/2012/07/28/us-oly-arch-armtea-wrap-day-idUSBRE86R10U20120728


『フランジーリ、金メダルへの道は矢筋のごとく真っ直ぐだった』
夢の実現、運命の絡み合い、長年の苦難—一本の矢によって夢が実現した土曜日。
 Michele Frangilliがうった最後の矢がイタリアをロンドン五輪金メダルへと導いた。イタリアはロードクリケットグラウンドで行われた男子アーチェリー決勝ラウンドでアメリカ代表を制した。世界ランク1位のBrady Ellison率いるアメリカ代表はフィランジーリが射線に入り10点をうつまでは自分たちが金メダルを獲れると確信していた。
 静寂、唸り、矢が的に刺さる音、歓声。
 「これが夢だった。最後の矢で10点を出し勝利をつかむこと。その夢が叶った」と彼は言った。金メダルを首にかけ、泣きながら語った。「10点でなければ負けることはわかっていた。歓声も大きかったし、プレッシャーも感じていた。だからこそなにも考えずにうたなければと思った。」「矢を放ち、10点に入るのが見えた。すごくきれいな射ができた。」
 フランジーリのチームメイトであるMauro NespoliとMarco Galiazzoは最後の一射が的に向かって飛んで行ったのをしっかりと見届けた。彼ら2人は2008年アテネ五輪で韓国に2点差で敗れ、金メダルを逃した経験がある。
 アテネ五輪男子アーチェリー個人金メダリストのGaliazzoにとってチームタイトルの獲得は非常に特別なことであったと言う。「団体での金メダルは私たちが長年追いかけてきたことだった。」「私たちは自分たちのベストを尽くしたし、そのおかげで夢を実現できた。」
 アメリカ代表にとって団体での銀メダルは、Lee Ki-sikコーチの元での大きな成長を意味している。韓国人コーチがBrady Ellison, Jake Kaminski and Jacob Wukieのアメリカチームを銀メダルへと導いた。
 アメリカ代表が準決勝で最強・韓国代表を打ち負かしたことは能力の高さが全てではないことを証明した。韓国は今回の五輪予選で2回も世界記録を更新、北京・アテネ・シドニー五輪の3大会連続で団体3連覇を経験している。
「私は自分のチームを誇りに思う。JakeとWukieが連続して10点をうつ中、もし私が最後に10点をうっていれば結果は違ったかもしれない」とBrandy Ellisonは語った。「だけど何事も理由があって起こると思うから銀メダルを獲得できたことはとても嬉しい。」
 韓国の敗北はIm Dong-hyun, Kim Bub-minとOh Jin-hyekを唖然とさせたが、彼らは表彰台で3位決定戦でメキシコに勝利し得た銅メダルをかかげ、嬉しそうに見えるよう精一杯努力していた。
 「私はアメリカとの対決で期待に沿うような成果を出すことが出来なかった。」と予選ラウンドで世界新記録を更新したイムは言った。「個人的に調子良かったが、なぜか10点に入れることができなかった。また別の試合の個人戦が近づいているので早めに気持ちを切り替えたい。」
 韓国の団体戦に対する思いは個人選手権ではあまり成果を出せていない。過去の世界選手権では残念ながら韓国人のメダル獲得は実現していない。彼に期待したい。
→男子個人は月曜日から、但し1/16までは中継の予定なし、中継が入る1/8は8月3日(金)です。


予選終了時の選手コメント 一覧

World Archery(FITA)による予選終了時の主要選手のインタビュー
昨日の男子団体決勝の結果に興奮してしまい、順序が前後しました。72本終了時での選手のコメントです。原文はWorld Archeryのホームページに掲載されています。一部意訳ですが、より試合を楽しんでいただけたら幸いです。
http://www.archery.org/content.asp?id=2840&me_id=1370&cnt_id=7352


男子
ミケーレ・フランジィーリ 選手(Michele FRANGILLI イタリア代表 このインタビューの翌日に団体金メダル)
パフォーマンスについて:
前半は決して良いとは言えなかった。行射中、違和感があった。ただ、後半はうまく射つことができた。6本目をうったあと少しだけ緊張したが、そのあとは普段通りうてた。マルコと私は同点をうった。私たちは同じ10金数、X数だったのでコイントスで、個人トーナメントで誰と当たるのかを楽しみにしていた。個人的には対戦相手は誰でもよかった。
*コイントスの結果、一回戦の相手はHOYT FXリムを愛し続けるHRACHOV Dmytro選手(ウクライナ代表)に決定
自身の五輪記録を塗り替えられた件について:
16年間続いた自分の五輪記録を超られたが、いつの日かは必ず誰かに破られるだろうとは思っていた。新しい五輪記録保持者が韓国人であることに対しては納得している。彼らはうまいからね。
イタリア代表の順位について:
私たちは6位という順位で決勝に進んだが、非常に良いポジションだったと思う。初戦で3位のチームに当たる、つまり決勝で韓国と対戦することが予想できた。決勝まで韓国と当たらなければ、メダルは確実に獲れると思う。
彼の父親(ヴィットリオ・フランジィーリ)がコードジヴォワールのコーチとして同じ会場にいたことに関して:
気にしていないよ。父が同じ会場にいることは嬉しいし、自分のことを見ていてくれていることは知っていた。自分にとってなにかアドバイスをしてもらえると思う。
マルコ・ガリアッツォ 選手(Marco GALIAZZO イタリア代表)
ランキング・ラウンド(予選)について:
もっと良いパフォーマンスを発揮できたはず。実際はあまり満足できていない。だがイタリア代表はいいポジションにいるから、明日の結果が楽しみだ。
個人戦の際の課題:
自分がうちたいようにうてれば当たる
女子
JANG Yung-Sool (韓国代表コーチ)
CHOI Hyeonjuの残念な結果について:
*女子の予選順位は1位と2位…21位
彼女は初めてのオリンピックなので、とても緊張していた。頑張っているが、さすがに前半で38位はよくない。最も大事なことはオリンピックのプレッシャーによって多くのミスをしたこと。そして、これらのミスを気にしすぎて終始落ち着かなったようだ。
Carina CHRISTIANSEN 選手(デンマーク代表)
予選7位で試合を終え、デンマークの公式記録を破ったことについて:
自分ができることをやることができたことに関しては満足している。自己ベストも更新することができた。1射目で思うような射はできなかったが、途中からリズムをつかむことができた。
Denisse VAN LAMOEN 選手(チリ代表)
彼女のパフォーマンスについて:
もう少し頑張れたとは思うが、予選の順位は決勝ラウンドに直接的な影響はないから結果は特に気にしていない。私は出だしが遅い選手。だから後半に挽回する。
決勝ラウンドに向けて:
すごく落ち着いているし、準備もちゃんとしてきた。集中している。
開会式でチリ国旗を持参した件について:
自分の国の代表として出場できてとても嬉しいし、誇りに思う。
蟹江 美貴 選手 (日本代表)
決勝ラウンドに向けて:
今週はとても不安だった。だが結果に関しては嬉しく思っている。
彼女の順位について:
個人戦ではここまで高い順位につけるとは思わなかったから満足している。
Alison WILLIAMSON 選手(イギリス代表)
日曜日の女子団体戦について:
前向きに捉えているが、明日のプラクティスで日曜日に備えて準備したい。
金曜日のパフォーマンスについて:
前半は特に技術面でベストを尽くせなかった。2ラウンド目は楽しんで射つことができたが、風に悩まされた。強く射つことを意識したら、風の影響をあまりうけずに射つことができた。
あなたにとってロンドン五輪とは:
最高の場。日曜日は多くの歓声を受けることができることを楽しみにしている。「ゲームメーカー」でいたいし、みんなの歓声は今後いい試合ができるようになるおまじないのようなものだと思う。そのおかげでいい試合ができていると思う。国民と、家族同様一丸となって戦いたい。
Miranda LEEK 選手(アメリカ代表)
オリンピックに出場できることに対して:
とても驚いている。昔からこの舞台に立ちたいと思っていたし、実際自分その舞台に出れることに驚いている。オリンピックの公式記録にカウントされる立場で射って、とてもいい経験ができた。
Khatuna LORIG 選手(アメリカ代表)
金メダルに対して:
みんな金メダルがほしいと思っているし、それが出来なければ銀メダルを獲る。それが無理なら銅を獲る。どのメダルでもいいが、絶対にメダルを獲る。
Jennifer NICHOLS 選手(アメリカ代表)
ベテランのあなたとKhatunaが経験の浅いMirandaを支えるためにしたこと:
オリンピックは毎回違うし、経験は関係なくて、毎回冒険に出かけるような気持ちを持って全員で挑んでいる。経験が少しだけある私とKhatunaがうまくMirandaに繋げられるよう試合では努めたいが、彼女は十分強い選手。逆に私たちを励ましてくれる存在。自分と同じくらいの選手だと思うし。素晴らしいアーチャーだと思う。
Pia Carmen LIONETTI 選手(イタリア代表)
チーム順位について:
私たちは10位、決勝では中国とあたる。とてもいい相手だと思う。以前彼女らに勝ったことがあるし、日曜日も同様に彼女らに勝つ。(笑いながら)
Natalia VALEEVA 選手(イタリア代表)
パフォーマンスについて:
すごく悪いエンドがあった。特に3エンド目。5点を射ってしまい、それに腹が立ち、さらに3点を射ってしまった。そのときは最悪あった。それを機に集中し直したら調子を取り戻すことができた。結果にはとてもうれしく思っている。誰にでもミスはあるから。
Ksenia PEROVA 選手(ロシア代表)
パフォーマンスについて:
慎重になりすぎた。もっとできたと思うけれど、運が悪かった。
五輪出場について:
小さいことは五輪に対してすごいと思ったが、実際は思った以上にすごかった。
イギリスと対戦することに対して:
*団体トーナメント初戦の相手がイギリス
特に歓声などでうるさくなるだろうし、気になるとは思うが、私たちのための歓声だと思うようにする。


ロンドン・アーチェリー競技 イタリア団体金メダル!!

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昨日深夜の男子団体戦。それまで風邪で寝込んでいたおかげで、まったく睡魔に襲われることなく、最後まで観戦できました。。。
テレビでご覧になれなかった方は…動画を探しましたが、決定的な最後の一射の動画しかなく、試合の流れが全く分からないので、年末ごろのWorld ArcheryのDVDの発売をお待ち下さい。
簡単に言うと、韓国チームを破ったアメリカチームと決勝で対決し、序盤勝利していたものの、3エンド目にアメリカが57点で挽回し、4エンド目の最後の1射を10点に入れれば勝ち、9点でシュートオフ、8点で負けという状況の中、2エンド目に時間が足りず、クリッカーを落とさずにうったフランジィーリが、残り1秒でリリースし、見事10点に入れ、イタリアが男子団体優勝となりました。
リアルタイムで見ていた甲斐があった試合でした。
日本団体は2戦目でアメリカに1点差で惜しくも破れてしまいました。そこからは、昔からいろいろと仲良くさせて頂いているフランジィーリの応援に切り替えました。彼の関しては思い出があります。
実は、少し前に弊社で彼の書いた本「異端のアーチャー」の翻訳をしています。
現在活躍するトップアーチャーの中でも、フランジィーリはかなり昔から活躍しているベテランです。1996年のアトランタオリンピックでの銅メダルとオリンピック記録樹立(その記録は16年後の今年初めてイム選手によって破られました!)から考えると、16年間アーチャーなのではなく、16年間トップにいるのです。世界ターゲットでの個人優勝・団体優勝、そして、あらゆる競技を愛し、オリンピック種目であるターゲットだけでなく、世界インドアでも個人優勝・団体優勝、さらには、世界フィールドでの個人優勝・団体優勝とあらゆるアーチェリー競技でトップをとっています。また、道具をめったに変えず、自分が知る限りでは、16年間で(試した数は分かりませんが)長期わたって使用したハンドルは3つだけです。
そんな、彼を尊敬し、彼の父は話し合いをして版権を獲得して、翻訳しました。代理店さんにも扱っていただきましたので、多くのお客様もプロショップでご覧になったかと思いますが、一部のプロショップには販売のお知らせも届いていないかもしれません。
実は販売開始時に某大手代理店からは、フランジィーリはもう旬に過ぎた選手が出した、旬の過ぎた本として、取り扱い・販売を拒否されました。
確かに、彼が一番強かったのは2000年から2005年頃であることは間違いく…さらには大手に翻訳した本を販売していただく立場にあるので…なにも言えず、自分としてはものすごく悔しい気持ちでした。当時は世界1位の座にありましたが、最近は世界ランキング20-30位あたりでずっとプレーをしています。オリンピックでは、銅と銀を獲得していますが、金メダルはまだ持っていません。

ですので、今回の試合は、2004年でのアテネ・オリンピックでの山本さんを見ている時と同じような気持ちで見ていました。最後に10点に入れて、金メダルを獲得した時、ミケーレが喜ぶ姿を見て、本当に一緒になって感動出来ました。
本当におめでとう!!!
イタリアチームのオリンピック男子団体優勝を記念して、彼の著書の中でのシューティングフォームに関して、書かれている部分を無料で公開します(PDFです、約700KB)。みなさんにとって、なにかしらのヒントになれば幸いです。
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http://archery-shop.jp/Heretic/Italy_gold_2012j.pdf
*サイズの関係時で写真の解像度を落としてあります。

こちらの動画の8:50あたりから、1996年のアトランタ・オリンピックでの、金メダル・ジャスティン・ヒューイッシュとの対決(112で同点からの、シュートオフからの、シュートオフ)を見ることが出来ます。全然、変わってない…。