この記事は2011年9月19日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

リカーブでのティラー加減

本日でハイスピードカメラでの撮影をいったん終了します。明日の早朝の返却です。400万円の機材を借りた意味がいろいろとありました。Youtubeには収録した動画はすべてアップしました。
解釈するのは難しいですが、結論と言うよりは、当店や皆様のチューニングのヒントになればと思っています。
本日の最初の分はティラー差についてです。適切なティラー差は0~12mm程度とされています。その中で更に撮影することで3mmがいいのか、6mmがいいのかというのでは、それは個別の話になってしまいますので(CXTとGMXでは違う)、撮影したのは、0を超えて上をリムを強くした時(ティラー差-10mm)と、12mmの上限を超えて、ティラー差を15mmに設定した時です。
ちなみに、この弓は当店のスタッフが正しくチューニングし、3mmが適切なティラー差であるとしましたので、適切なティラーから、それぞれ約10mmずれるとシャフトがどう出るのかが収録されています。


↑ティラー差が15mmの時
下リムが明らかに強すぎて、シャフトはプランジャーチップの中心からチップ1つ分上を通過して行っています。

↑ティラー差が-10mmの時
ティラーを逆にしました。いわゆる逆リムの状態。シャフトはプランジャーチップの中心からチップ0.5つ分下を通過して行っています。
これから何がわかるかと言われても、ティラーを適正にしましょうという話だけです。今回は基本の確認だけですが、今後書いていきますが、基本を確認するだけでも多くの発見があります。
ティラーについていえば、ティラー差を適切に調節することで、シャフトが最初から最後までプランジャーの中心を通るようにすることが出来ます。正しく調整されていないと、どちらかのリムが先行して返り、シャフトのその方向に引っ張られます。約10mm違うとその差はノック通過時でチップの直径分にもなります。(上リムが強くて、下に行く場合はレストの保持力があるので、チップの半径分で済みます)
最初から最後までシャフトがプランジャーの真ん中を通ることはとても大事です。また、動画で確認し、10mmでその程度の違いが出てしまうのであれば、競技志向でチューンする弓のティラーの”おいしい所”というのは適正値から±1.5mm程度しかないと思われます。この程度であれば、わずかに発生する上下のシャフトのパラドックス範囲内に収まります。
しかし、この値は正直予想外でした。自分の経験則的にはおいしいところは±3mmくらいあるのかなと思っていたのですが…予想以上に大きな違いが出ます。また、ある程度丁寧にチューニングしないとその範囲に収めるのは困難です。

正しくチューニングされている場合、当然、発射時はチップの真ん中にあるシャフトが、そのまま、まっすぐ飛びだし、ノック通過時にもチップの真ん中にあり続けます。
***この値は本日の弓においては3mmでしたが、全ての弓において、3mmを推奨するわけではありません。


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Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、2014年コンパウンドに転向、2018年よりベアボウに挑戦中。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

7 thoughts on “リカーブでのティラー加減

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    この動画で気になったことがあります。
    テストで使用しているレストは、AREのピン先が曲がっているタイプですよね。
    それが今主流(?)のシブヤ アルティマレストや、アサヒレスト等のピン先が真っ直ぐの物なら矢はどの様な挙動を示すのでしょうか。
    この動画ではピンが返ってなく、矢がピン先でホールドされてる様に見えましたので.…。
    また機会があれば、是非確認して頂きたく思います。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    他のタイプでのテストは次回機会があれば行います。
    > この動画ではピンが返ってなく、矢がピン先でホールドされてる様に見えましたので.…。
    > また機会があれば、是非確認して頂きたく思います。
    飛び出し後に、ピンがプランジャーホールに引っかかっているということでしょうか。
    下記のシューティングの全体像を見ていただけはれば、レストピンの全体を通しての挙動を確認いただけるかと思います。

    > この動画で気になったことがあります。
    > テストで使用しているレストは、AREのピン先が曲がっているタイプですよね。
    > それが今主流(?)のシブヤ アルティマレストや、アサヒレスト等のピン先が真っ直ぐの物なら矢はどの様な挙動を示すのでしょうか。
    >
    > この動画ではピンが返ってなく、矢がピン先でホールドされてる様に見えましたので.…。
    > また機会があれば、是非確認して頂きたく思います。

  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    返答有難うございます。
    私が言いたかったのは、逆ティラー10mmで顕著に見られるのですが、始めにレストピンがたわまずに矢が跳ね上がっています。レストピンがたわまないという事は、ピンにはまだ下方向の圧力がかかっていない、しかし、矢は逆ティラーにもかかわらず上に跳ね上がっている。その上に跳ねあげた力は何処から来ているかというのがそもそもの疑問でした。
    そこで、矢が跳ね上がる前にレストが返ろうとしていたなら全て説明が付くと思った次第です。ピン先のRが矢を跳ねあげ、ピンは矢に邪魔され返る勢いを無くしたのではないかと。ならば、ピンが真っ直ぐの物ならもっと早くレストが返るのではないかというのが先程のコメントの趣旨でした。

  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    シャフトの上下の動きは一つ今回の課題です。1日目にコンパウンドで撮影した時にも発生していました。

    コンパウンドの場合は、ティラーが0に設定されています。最初はスパインによる問題かと思っていたのですが、380/500/660のどのシャフトで試しても同様の動きでした。リカーブではティラーを変えて見ましたが、ティラーの問題でもありません。リリーサーによるリリースもテストしていますので、リリースの問題でもありません。リカーブ・コンパウンド(ブレードでもファールアウェイでも)同様に動いていますので、レスト形状によるものではないかと思っています。
    >矢は逆ティラーにもかかわらず上に跳ね上がっている。
    >その上に跳ねあげた力は何処から来ているかというのがそもそもの疑問でした。
    原因を一つずつつぶしていくつもりです。残る可能性は、ノッキングポイントの高さとポイントの重さくらいしかないと思います。
    それについては、次回(11月の後半を予定しています)検証予定です。
    > 返答有難うございます。
    > 私が言いたかったのは、逆ティラー10mmで顕著に見られるのですが、始めにレストピンがたわまずに矢が跳ね上がっています。レストピンがたわまないという事は、ピンにはまだ下方向の圧力がかかっていない、しかし、矢は逆ティラーにもかかわらず上に跳ね上がっている。その上に跳ねあげた力は何処から来ているかというのがそもそもの疑問でした。
    > そこで、矢が跳ね上がる前にレストが返ろうとしていたなら全て説明が付くと思った次第です。ピン先のRが矢を跳ねあげ、ピンは矢に邪魔され返る勢いを無くしたのではないかと。ならば、ピンが真っ直ぐの物ならもっと早くレストが返るのではないかというのが先程のコメントの趣旨でした。

  5. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    基本的な質問なのですが
    そもそも適切なティラー差はどのように決めるのでしょうか?
    ハンドルとリムの組み合わせで固有にあるべきティラー差がある
    ということでしょうか?
    ミケーレの本にはリムの差込角を同じにするためにゼロでいい
    (正確にはハンドルの調整ネジを同じにしておくということ?)
    と書いていますが。
    差込角を同じにして(従ってティラー差はas isで)あとはノッキングポイント
    の調整ってことではダメでしょうかね?
    ご教示いただけると幸いです。

  6. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > そもそも適切なティラー差はどのように決めるのでしょうか?
    ティラー差は矢飛びに影響しますので、基本的には矢飛びを見ながらの調整となります。なにも言われなければ、プロショップでは綺麗に矢が飛ぶチューニングをしてくれるはずです。
    ただ、依頼があれば、サイトを上げたい時に、レストギリギリのチューニングをすることもありますし、音を抑えたい時など、指定されれば、それに合わせる時もあります。
    矢がきれいに飛ぶティラー と サイトが上がるティラー と 音が最小になるティラー と 振動が最小になるティラー
    など、一般的には、それぞれ異なり、トレードオフの関係にあるので、万人にとってベストなティラーはありません。「適切なティラー」は一般的には矢がきれいにクリアしていくティラーの事を指しています。
    > 差込角を同じにして(従ってティラー差はas isで)あとはノッキングポイント
    > の調整ってことではダメでしょうかね?
    フランジィーリのチューニングでは、彼は70インチの実質50ポンド以上のリムを使っているので、サイトの高さを気にしてのチューニングはしていません。上にあげた中で、弓の振動に重点を置いてチューニングしています。
    おっしゃる通り、矢飛びはノッキングポイントの位置でも調整できますので、リムの差し込み角度を合わせて、振動を抑え、あとはノッキングポイントで矢飛びを合わせます。
    この辺りはメーカーによって意見が異なり、
    PSEのマニュアルでは矢飛びと上下のバラつきはティラー差でチューニングするべき、イーストンのマニュアルではノッキングポイントの高さで調整するべきと書かれています。
    ティラーはノッキングポイントに影響を与えるが(ティラー差を上げるとノッキングポイントは下に落ちる)、ノッキングポイントはティラー差に影響を与えず、ノッキングポイントは矢飛びの調節にしか使えませんので、実務では、ティラーは目的別に合わせて固定し(サイトを上げる/振動をとる/静かにするなど)、それから、ノッキングポイントをいじって、正しい矢飛びを出すのが、一番幅の広いチューニングが出来るやり方かと思います。
    > 基本的な質問なのですが
    >
    > そもそも適切なティラー差はどのように決めるのでしょうか?
    > ハンドルとリムの組み合わせで固有にあるべきティラー差がある
    > ということでしょうか?
    >
    > ミケーレの本にはリムの差込角を同じにするためにゼロでいい
    > (正確にはハンドルの調整ネジを同じにしておくということ?)
    > と書いていますが。
    >
    > 差込角を同じにして(従ってティラー差はas isで)あとはノッキングポイント
    > の調整ってことではダメでしょうかね?
    >
    > ご教示いただけると幸いです。

  7. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    丁寧なご説明ありがとうございました。
    よーくわかりました。
    チューニング詰めきる時間があればいいんですけど
    リーマンアーチャーには厳しいですね。
    更にいい情報発信していってください

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