この記事は2008年5月31日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

今後の道具市場の見通し

今日、新しい道具のテストなどを行う予定だったのですが、一日雨だったので、書類の整理などの事務処理をしておりました。

ということで、まじめなことを書いて今日は終わりにします。明日は東京都の国体選考試合だ…。
自社製品。いい響きですね♪それについて書く前に、まず、現状を分析してみたいと思います。
どこのショップも大きくなると自社製品を作るようになる。ショップのオリジナル製品。もちろん、真面目に作っているショップもあるし、シブヤのサイトなどは世界でも評価される商品になったが、多くのショップはただ利益のため作っているにすぎない。某ショップは全部韓国メーカーに丸投げしてOEM生産…。

なぜ、そうなってしまうのか。前に何度も書いているのでブログの読者のみなさんは知っていると思いますが、日本の業界には独自の価格維持システムがある。抜け駆けして安く売ってはいけないのだ。

たとえば、HOYTの900CXなら12万円を定価に割引0~30%で販売しなければならない。その抜け道として使われてきたのが自社生産である。C社のサイトなら値段が決まっているが、C社にOEM生産させて、自社ブランドとして売り出した自社製品ならば、自分たちで販売価格を決めることができる。

だから、どこのショップもしょーもないものまで自社製品を出す。たとえば、スタビライザーやサイトならば機能や素材にこだわって、自社の思想・自社の理想を自社ブランドで世の問うことができるが、チェストガードやウェイトのようなグローバルなサプライヤーに任せとけばいいようなものまで、利幅を大きくするだけのために自社ブランドで出してみたりすることになる。

あちぇ屋はそもそも業界からは距離を置いていて、価格設定権を自社で持っているのでるので、利幅を大きくするために自社生産を必要はない。であれば、何を作ろうかと。

2007年のEastonの報告書(Annual Report)によると他部門も含めた年間の売上は763億円である。

それに対して、国内のアーチェリー用品市場はだいたい12~15億円程度で推移している。大手代理店でも年間売上は2~4億円程度だ。まぁ、その程度の業界です。

「小さいショップが革新的で大手のものよりも高性能な製品を開発して、大手メーカーを倒す」という物語は、とても理想的な話ですが、現実にはかなり厳しいと思います。

特に素材がその製品の性能を大きく左右するリム・スタビライザー・矢はもう無理といってもいいと思います。少し前にもWINの弓の納期がかなり長くなってしまったことがあったが、現状、製品のボトルネックとなっているのは開発(アイデア)よりも、原料の調達です。そして、調達が製品のボトルネックになっている限り、イーストンの1/100しかないショップが勝つ見込みは…ないんじゃないかと。

(リムの話は飛ばし)

それでも多くのショップはうちのスタビライザーはすごいんだぞと言って、自社製のものをセールスするのでしょうが(そして、初心者はそれを買うのでしょうが)、性能的な評価できるものはリムや矢で良質のカーボンを低価格で大量に調達しているイーストン/WIN/SOMAと、世界中のOEM基地となって大量に製品を作っているカーテルと、後は、素材ではなく独自の構造を売りにするバイター系のメーカーだけでしょう。(ちなみに、HOYTのスタビはただのライセンス生産なのでお間違いなく…)

と、ここまで書くと、じゃ、あちぇ屋は何ができるんだという話になるが…なんだろうなぁ。クリッカープレートとか? お客様を裏切ってまでセールスしないとが前提ならば、もう、ニッチな商品で戦うしかないでしょう。素材が製品の性能を大きく左右するものはやはり大手メーカーの方がいいんですよ。

自社のボウケースとかもいいなと思っているですが…100ロッドで作ってもらっても、うちの45平米しかない事務所にはとても在庫できないので却下かな。

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Ryo

Ryo

山口諒 - JPアーチェリー代表。担当業務はアーチェリー用品の仕入れ。リカーブ競技歴13年、2014年コンパウンドに転向、2018年よりベアボウに挑戦中。リカーブ・コンパウンド両方で全日本ターゲットに何度か出場、最高成績は2位(準優勝)。

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